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2020.07.27

写真歴史博物館 企画写真展 「100年前にカワセミを撮った男・下村兼史 -日本最初の野鳥生態写真家-」

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FUJIFILM SQUARE
写真歴史博物館 企画写真展
「100年前にカワセミを撮った男・下村兼史 -日本最初の野鳥生態写真家-」

会期 2020年7月1日(水)~2020年9月30日(水)

「MJ」~ステージ・オブ・マイケル・ジャクソン~を観て、写真歴史博物館に移動してきました。

自粛生活の中、散歩の途中でカワセミを撮る機会が最近あったので、タイムリーな展覧会でした。
『100年前にカワセミを撮った男』の展覧会ですから・・・・

1922年、試行錯誤の末、自邸の庭で初めて野鳥の撮影に成功します。木の枝にとまるカワセミの姿をとどめたその写真は、日本野鳥生態写真史において記念すべき歴史的な一枚となりました。そして、下村はその後も次々と野鳥の撮影を成功させていきました。(本展解説から)

手札版(約82×107㎜)の乾板カメラで撮影。
F4.5 シャッタースピード 1/5秒
シャッターレバーに紐をつけて、遠くから紐を引く方法で撮影したそうです。
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(画像をクリック(タップ)すると拡大表示になります)

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《カワセミ》1922年1月5日 佐賀県佐賀市 (展示作品は複製)山階鳥類研究所蔵


今月、散歩のなかで撮ったカワセミです。
F6.3 1/500 ISO1250 
Dsc02299
(画像をクリック(タップ)すると拡大表示になります)
技術革新のお陰で素人にでもある程度の写真を撮れるようになりましたが・・
一枚の写真に込められた思い、工夫を思うと、下村兼史の写真との重みの違いは歴然です。
写真も、自分の手か加えられる範囲が広いほど、楽しいのかもしれません、本来は。


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 《湖畔の暮》1920年代初期 撮影地不詳 (展示作品は複製) 山階鳥類研究所蔵

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《セグロセキレイ》撮影年不詳 山階鳥類研究所蔵
 
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《エトピリカの顔》1934/1935年 北千島バラムシル島 山階鳥類研究所蔵

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《巣穴に飛び込むルリカケス》1935年4月 鹿児島県奄美大島 山階鳥類研究所蔵

およそ100年前、日本で初めて野鳥の撮影に成功した男がいました。その名は下村兼史。下村は日本における野鳥を主とした生物写真の先駆者であり、日本最初の野鳥生態写真家です。野生生物を写真で記録する者の少なかった1920年代から30年代、下村は、北は北千島から南は奄美大島、小笠原諸島を歴訪し、里山、離島、原野など、今日では変貌がいちじるしい自然環境と、自然にあるがままの野生生物の姿を写真で記録しました。

 下村は1903年、佐賀県の裕福な家に生まれました。1920年に慶應義塾大学文学部予科に入学したものの、病気のために翌年中退。やむなく佐賀に帰郷しますが、ここから下村の写真への道が始まりました。もともと野鳥が好きだった下村は、1922年、試行錯誤の末、自邸の庭で初めて野鳥の撮影に成功します。木の枝にとまるカワセミの姿をとどめたその写真は、日本野鳥生態写真史において記念すべき歴史的な一枚となりました。そして、下村はその後も次々と野鳥の撮影を成功させていきました。過酷な撮影条件のもと、現代から見れば性能の劣る撮影機材や感光材料を用いて生み出された下村の写真は、時に詩情にあふれ、時に科学者の眼を感じさせます。研ぎ澄まされた美意識と感性でとらえられた野鳥の写真は、野鳥の生態を知り尽くした下村の卓越した撮影技術と芸術的センスの賜物でした。下村の活動は写真以外にも、鳥類図鑑や紀行エッセーの執筆、自然科学ドキュメンタリー映画の制作など多岐にわたり、さまざまな分野を通じて野鳥や自然への関心を一般に広めました。また、これらの仕事は日本の野鳥生態写真史の黎明期において多くの同輩、後進に影響を与え、野外鳥類学の研究発展にも大きく貢献しました。

 本展は、公益財団法人 山階鳥類研究所の協力を得て、同研究所が所蔵する下村兼史のオリジナル・プリントを中心に約60点の作品を展示いたします。同研究所では下村の没後、遺族により寄贈された1万点を超える下村の写真資料が保管されており、現在も整理保存と調査研究が進められています。時代の変遷とともに下村は一部の人々にのみ知られる存在となっていましたが、2018年に東京で開催された初の本格的な展覧会は各方面で話題となり、大きな反響を呼びました。本展では、新たに歴史的、作品的価値という視点から下村の作品群を再構成してご紹介します。下村の自然を愛する心、野鳥の一瞬をとらえようとする飽くなき情熱から生まれた傑作の数々は、便利さや手軽さと引き換えに失われてしまった写真表現の美しさをたたえ、現代に生きる私たちにその魅力を改めて気づかせてくれるものです。

 

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