ハマスホイとデンマーク絵画
ハマスホイとデンマーク絵画展は、
東京都美術館で開催されています。
会期 2020年1月21日(火)~3月26日(木)
「私はかねてより、古い部屋には、たとえそこに誰もいなかったとしても、独特の美しさがあると思っています。あるいは、まさに誰もいないときにこそ、それは美しいものかもしれません」
1907年 ヴィルヘルム・ハマスホイ
ヴィルフェルム・ハマスホイ《室内ー開いた扉、ストランゲーゼ30番地》 1905年 油彩/カンヴァス デーヴィズ・コレクション蔵
1989年から 約10年間住んだストランゲーゼ30番地の住まいの食堂からの眺めを描いた作品。この住まいを描いた一連の室内画はハマスホイの評価を決定ずけるものとなった。(キャプションより)
ヴィルヘルム・ハマスホイ《カード・テーブルと鉢植えのある室内、ブレスゲーゼ25番地 1910-11年 油彩/カンヴァス マルムー美術館増
室内に差し込む柔らかい光は、フェルメールの表現を想起させます。
《背を向けた若い女性のいる室内》 1903-4年 油彩/カンヴァス ラナス美術館蔵
幾何学的な画面構成と女性の肩の曲線が、画面に柔らかさを与えている。
《室内》1898年 油彩/カンヴァス スウェーデン国立美術館蔵
ハマスホイは当初肖像画を描いていました、本展でも自画像をはじめ数々の肖像画・人物画が展示されています。
そして風景画も・・・ハマスホイの光、空気感が心地よい。
《農場の家屋、レスネス》 1900年 油彩/カンヴァス デーヴィズ・コレクション蔵
煙突からまっすぐに立ち上る白い煙は、そこが無風であることを表している。
ハマスホイの風景画は、その場の光、空気感を見事に伝えている。
《聖ペテロ聖堂》 1906年 油彩/カンヴァス デンマーク国立美術館蔵
ハマスホイの展覧会は、「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」というタイトルで
2008(平成20)年9月30日(火)~12月7日(日)の会期で国立西洋美術館で開催されて好評でした。
「ハンマースホイの芸術世界を日本で初めて紹介する本展」ということでした。
私も「ハンマースホイ」と記憶していたのですが・・・
同じ国立西洋美術館で、
「日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念 スケーエン:デンマークの芸術家村」展も開催されました。
会期 2017年2月10日(金)~5月28日(日)
都美のこの展覧会でも、
「第2章スケーイン派と北欧の光」でスケーイン派の作品を展示しています。(スケーエンではなくスケーインなんですね)
ピーザ・スィヴェリーン・クロイア 《スケーイン南海岸の夏の夕べ、アナ・アンガと マリーイ・クロイア 》 1893年 油彩/カンヴァス
ヒアシュプロング・コレクション蔵
クロイアは「芸術家たちの自由研究学校」で教鞭をとっており、そこでハマスホイたちを指導していました。
ミカエル・アンカー《ボートを漕ぎ出す漁師たち》1881年油彩、カンヴァス スケーイン美術館蔵
ミカエル・アンカーは救助のために嵐の海へ乗り出そうとするスケーインの漁師たちを当代の英雄として描いた大作により、デンマークの美術界で大きな成功を収めました。
もう一つこの展覧会で、取り上げているのがデンマーク文化”ヒュゲ(hygge)くつろいだ心地よい雰囲気”にまつわる作品です。
ヴィゴ・ヨハンスン 《きよししこの夜》 1891 油彩/カンヴァス ヒアシュプロング・コレクション蔵
デンマーク人が大切にする価値観”ヒュゲ(hygge)くつろいだ心地よい雰囲気”をこの上なく温かく、そして美しく描き出したイメージとして親しまれている作品。(キャプションより)
ヴィゴ・ヨハンスン 《春の草花を描く子供たち》 1894 油彩/カンヴァス スケーイン美術館蔵
カール・ホルスーウ《読書する女性のいる室内》 1913年以前 油彩/カンヴァス アロス・オーフース美術館蔵
ピーダ・イルステズ《ピアノに向かう少女》 1897年 油彩/カンヴァス アロス・オーフース美術館蔵
クレステン・クプゲ《海岸通りと入り江の風景、静かな夏の午後》 1837年 油彩/カンヴァス デンマーク国立美術館蔵
HPの「本展のみどころ」から・・
コペンハーゲンで19世紀前半に華開いた、“デンマーク絵画の黄金期”の素朴で純粋な絵画から、印象派風の光の描写を取り入れたスケーイン派、世紀末の首都で活躍した画家たちによる室内画まで、魅力あふれるデンマーク絵画を日本で初めて本格的に紹介します。
展覧会の構成は以下の通りです。
1、日常礼賛─デンマーク絵画の黄金期
2、スケーイン派と北欧の光
3、19世紀末のデンマーク絵画─国際化と室内画の隆盛
4、ヴィルヘルム・ハマスホイ─首都の静寂の中で
ーHPの解説ー
身近な人物の肖像、風景、そして静まりかえった室内――限られた主題を黙々と描いたデンマークを代表する画家ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916)。17世紀オランダ風俗画の影響が認められることから “北欧のフェルメール” とも呼ばれるハマスホイの作品は、西洋美術の古典を想起させる空気を纏いつつ、近代の都市生活者特有の、ある種の郷愁を感じさせます。
欧米の主要な美術館が続々と作品をコレクションに加えるなど、近年、ハマスホイの評価は世界的に高まり続けています。日本でも2008年にはじめての展覧会が開催され、それまでほぼ無名の画家だったにもかかわらず、多くの美術ファンを魅了しました。
静かなる衝撃から10年余り。日本ではじめての本格的な紹介となる19世紀デンマークの名画とともに、ハマスホイの珠玉の作品が再び来日します。
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