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2020.01.13

未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか

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「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」展は、
森美術館で開催されています。


会期:2019年11月19日(火)~ 2020年3月29日(日)


加速度的に進んでいくイノベーション。
私はついて行けるだろうか?、様々な意味で・・・そんな感じを抱きながら観てきました。

AI、バイオ技術、ロボット工学、AR(拡張現実)など最先端のテクノロジーとその影響を受けて生まれたアート、デザイン、建築を通して、近未来の都市、環境問題からライフスタイル、そして社会や人間のあり方をみなさんと一緒に考える展覧会です(HPから)

展示構成は次のとおりです。
1、都市の新たな可能性
展示風景

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XTUアーキテクツ 2000年設立、パリ拠点
《✕クラウド・シティー》  2019年
大気汚染や人口過密、地球温暖化などにより、地表に住むことが難しくなった近未来、雲の上の大気圏内に居住空間を作るという提案。多様な機能を持つモジュールで構成され、使用用途によって増減する。

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ポメロイ・スタジオ 2012年設立、シンガポール拠点
《ポッド・オフグリッド》2016年
会場に浮かぶエネルギー・インフラに頼らない(オフグリッド)コミュニティ創出を目的とした、モジュール型の開発による都市のプロトタイプ。各モジュールは、住居、公共施設、農業地などのセクターと、発電、水濾過、廃棄物処理を行うユーティリティ・ユニットから構成されてています。
 

2,ネオ・メタボリズム建築へ
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ミハエル・ハンス・マイヤー 1973年ドイツ、ボン、生まれ、ミュンヘン在住
《ムカルナスの変異》 2019年 アルミニューム、EPS、スチール、合板
「ムカルナス」とは、イスラーム建築で見られる持ち送り構造の装飾で、数種類の単純な幾何学模様を繰り返すパターンが特徴。コンピュータシミュレーションにより、人間では到底作図できないようなデザインを生み出している。制作にはコンピュータ情報によって動くロボとアームがパイプ一本一本を違う長さに切断して組み合わされている。

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エコ・ロジック。スタヂオ 2005年設立、ロンドン拠点
H.O.R.T.U.S.XL  
《アスタキサンチンg》 2019年
PETGバイオジェル、ユーグレナ
バイオ技術を使った彫刻。
サンゴの形をコンピュータによってシュミレーションした造形物は、3Dプリントで出力に最適化された3次元のブロックに分離して作られています。ブロック内には微細藻類が埋め込まれ、それらが太陽光によって光合成を行い、酸素を生成しながら造形物内で生物のコロニーが形成されています。


3、ライフスタイルとデザインの革新
日産のインスタレーション《未来の自動運転》コーナーには行列が・・・
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エイミー・カール 1980年ニューヨーク生まれ、サンフレんシスコ在住
《「インターナル・コレクション」シリーズ》 2016ー17年
解剖学に基づき、人間の神経系、肺、靭帯などの体内の組織を主題に制作された一連のドレス。


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大人気のロボットコーナー


 4、身体の拡張と倫理
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アギ・ヘインズ1989年ロンドン生まれ、ロードアイランド州プロビデンス在住
《「変容」シリーズ》
外科技術で身体機能を強化した5人の新生児が表現されています。より良い大人に成長することを願って親が、我が子の身体を修正するという設定。倫理観を問いかけています。

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パトリシア・ピッチニーニ 1965年シエラレオネ、フリータウン生まれ、メルボルン在住
《親族》 2018年 ファイバーグラス、毛
オランウータンと人間の架空の交配種をもとに、母親が2人の子どもを優しく抱く彫刻。
「自然とは何か」「人工的に新しい生命を作ることは進化と呼べるのか」「代替臓器を作るためのヒトと他の生物種の混合体のような生命に対して、人は共感できるのか」「人間のニーズに合わせて人工的に進化させることはどこまで許されるのか」

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ディムート・シュトルーベ ベルリン生まれ、アメリカ在住
《シュガーベイブ》 2014年 
バイオプリンターで制作された生骨髄細胞と細胞培養基材、血漿(プラズマ)ガラス製容器、循環システム、マイク、スピーカー他
フィンセント・ファン・ゴッホが切り落とした左耳を「生きた状態」で再現した本作は、「タンパク質による彫刻」で、話しかけると神経インパルスを模した音がリアルタイムで生成される仕組みを持つ。


5、変貌する社会と人間
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ラファエル・ロサノ=ヘメル&クシュシトフ・ウディチコ
ロサノ=ヘメル;1967年メキシコ・シティ生まれ、モントリオールとマドリッド在住
ウディチコ;1943年ワルシャワ生まれニューヨーク、ボストンとワルシャワ在住
《ズーム・パビリオン》 2015年 インタラクティブ・ビデオ・インスタレーション
顔認識のアルゴリズムを使用して室内の鑑賞者が検出され、位置や行動、関係性などが壁に表示されて映し出されます。そのため表情の機微までもがつぶさに他の鑑賞者と共有されます。


—HPの解説ー
ーの発達は、いま、私たちの生活のさまざまな側面に大きな影響を与えようとしています。近い将来、人間は多くの判断を AI(人工知能)に任せるようになり、AIが人類の知能を超え、私たちの社会や生活に急激な変化をもたらす「シンギュラリティ」が到来すると言われています。また、ブロックチェーン技術は、社会システムに新たな信用と価値を作り出し、多様なバイオ技術は、食や医学、そして環境に多大な影響を与えることになるでしょう。私たち人間が身体機能を拡張させ、いま以上に長寿を享受する時代もそう遠くない話なのかもしれません。そうした急激な変化がもたらす未来は決して明るいものだけではないかもしれませんが、私たちは、少なくとも20-30年後の未来のヴィジョンについて考えることが必要なのではないでしょうか。それは同時に、豊かさとは何か、人間とは何か、生命とは何かという根源的な問いにもつながるのです。

本展は、「都市の新たな可能性」、「ネオ・メタボリズム建築へ」、「ライフスタイルとデザインの革新」、「身体の拡張と倫理」、「変容する社会と人間」の5つのセクションで構成し、100点を超えるプロジェクトや作品を紹介します。AI、バイオ技術、ロボット工学、AR(拡張現実)など最先端のテクノロジーとその影響を受けて生まれたアート、デザイン、建築を通して、近未来の都市、環境問題からライフスタイル、そして社会や人間のあり方をみなさんと一緒に考える展覧会です。

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