竹工芸名品展:ニューヨークのアビーコレクション(メトロポリタン美術館所蔵)
「竹工芸名品展:ニューヨークのアビーコレクション(メトロポリタン美術館所蔵)」は、
東京国立近代美術館工芸館で開催されたいます。
会期 2019年9月13日(金)〜 12月8日(日)
米国の美術コレクターのアビー夫妻が収集した竹工芸品をメインに展示している展覧会です。
コレクションはメトロポリタン美術館への収蔵が決まっていて、同美術館で2017〜2018年に開かれた展覧会で紹介され、47万人が来場したそうです。
凱旋展覧会?というところでしょうか・・・また一つ学びました。
アビー・コレクションの他に、工芸館所蔵の近代工芸の名品も展示されています。
キャプションから・・・
日本各地の竹の特徴
日本には、真竹を含む600種類以上もの竹や笹が生育しています。竹は日本列島の南半分の広範囲に育ち、主な産地は大分、山口、栃木の各県で、北海道でもある種の竹が見られます。各地域に生えている竹の性質は、土壌やその他の要因によって異なります。比較的温暖な西日本に生えている竹は、一般的により柔らかく、しなる性質があります。東日本を含む気温の低い地域の竹はより固くなります。九州に生えている竹は水分の含有量が多めで、こうした地域による性質の差は、すべて伐採後の竹の取扱いに影響します。
伝統的に関東地方では、主に竹の中心から放射状に縦に割いていく柾割り技法で、薄くしなやかな「ひご」を作ります。この場合、節と艶のある表皮は取りのぞかれるのが普通です。竹の中心に向かって横に割いていく平割り技法は、自然のままの表皮の美しさが現れ、関西や九州ではより一般的な技法です。柾割りは通常、耐久性よりも軽量さが好まれるときに用いられ、平割は躯体構造に用いられます。作品の形状と同様に、竹の割り方にも地域ごとの特徴がありますが、現代の竹工芸においては、こうした地域による違いはあまり見られなくなっています。
展覧会の構成は以下の通りです。
(画像の竹工芸品は全てアビー・コレクションです。一部を除いて写真撮影可です)
1室 イントロダクション
加藤藤昇斎 花車形花籃 1920–1930年
加藤藤昇斎 形花籃 1920–1930年
二代飯塚鳳斎 料紙文筥 1923年
和室
初代前田竹房斎 盛物籃 木の葉 1935年
二代飯塚鳳斎 華籃 1910年代頃
2・3室 東日本
藤沼昇 網代編盛籃 無双 2012年
飯塚小玕斎 菱芰紋竹刺編筐籃 1972–1973年
4室 西日本
初代早川尚古斎 提籃 1877–1880年
四代田辺竹雲斎 舟形花籃 出帆 2015年
5室 現代の竹工芸
長倉健一 花入 女(ひと) 2018年
6室 九州
生野祥雲斎 宗全華籃 1960–1965年
門田二篁 鎧組壺花籃 1980年
—HPの解説—
日本の工芸に対する国際的な評価の高まりとともに、竹工芸特有の美しさと表現形態は世界的に関心を集めています。なかでもニューヨークのアビー夫妻が収集した日本の近現代の竹工芸作品は「アビー・コレクション」として知られています。コレクションがメトロポリタン美術館に収蔵されるのを機に開催された2017年の展覧会「Japanese Bamboo Art: The Abbey Collection(日本の竹工芸:アビー・コレクション)」は、47万人以上を動員し大きな話題を呼びました。
本展は、アビー・コレクションを日本で初めて紹介する里帰り展です。工芸館所蔵の近代工芸の名品とあわせて、アビー・コレクションから厳選した75件の竹工芸を展示し、その自由な造形美の魅力を改めてご紹介します。
| 固定リンク
コメント