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2019.09.26

奥の細道330年 芭蕉

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「奥の細道330年 芭蕉」は、
出光美術館で開催されています。

会期 2019年8月31日(土)~9月29日(日)

江戸時代前期に活躍した俳人・松尾芭蕉(1644 - 94)は、敬慕する西行(1118 - 90)らがめぐった「歌枕」を自分の脚で辿り、追体験することを目的として奥の細道の旅に出ます。(HPより)
私も真似っこで、松島(宮城)、平泉(岩手)、立石寺(山形)、出雲崎(新潟)をかつて訪れました。芭蕉の句を思いながら景色を旅したのは楽しい思い出です。

出雲崎は良寛の生誕地でもあり、私は良寛の史跡巡りもしてきました。この展覧会には、芭蕉と良寛に私淑していた小杉放庵作品の展示コーナーもあります。小杉放菴は好きな画家です。日光にある小杉放菴記念日光美術館館もお薦めです。

夏草や 兵どもが 夢の跡

閑さや岩にしみ入る蝉の声

荒海や佐渡によこたふ天河

俗に、芭蕉の句とされている『松島や ああ松島や 松島や』の句は、後世の人が、芭蕉が絶句した気持ちを詠んだもの。芭蕉は、松島では一句も詠んでいません。同行の曾良が一句詠んでいます。

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本展のハイライトは約20点もの貴重な芭蕉の自筆作品です。

さらに、以下の展示にも注目です。

芭蕉が最晩年に、自ら描いたとされる「旅路の画巻」

与謝蕪村の超大作「奥之細道図」(展示は下巻のみ、京都国立博物館蔵、重要文化財)
与謝蕪村は芭蕉を敬愛し、若いころに『奥の細道』をたどる旅に出ています。

芭蕉句を引用したした仙崖の作品も展示されています。仙崖さんらしくて楽しい絵と画賛です。

東の良寛、西の仙崖ですね。

展覧会の構成は次の通りです。
第1章 名句の響き ―芭蕉の筆跡を賞でる
第2章 旅の情景 ―奥の細道をめぐる
第3章 名所・旧跡をよむ ―歌枕の世界
第4章 思いを紡ぐ ―芭蕉から放菴まで

以下、展覧会場のキャプションを参考にしています。
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発句画賛「野をよこに」書 松尾芭蕉/画 森川許六 江戸時代
野をよこに    はせを
 むま引きむけよ
    ほとゝきす
奥の細道の旅中、黒羽を発って那須野の殺生石に向かう途中で馬子に乞われて馬上で詠んだ即興の発句を書いたもの。
芭蕉の門人許六が馬子にひかれる芭蕉の姿を画に描いている。

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発句短冊「枯朶に」 松尾芭蕉 江戸時代
枯朶にからすの
  とまりけり 秋の暮 
         華桃青
初冬の夕暮れの景色を詠んだ発句。 

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発句短冊「櫓声波をうて」 松尾芭蕉 江戸時代
櫓聲波を打て    はせを
  腸凍る夜や涙
「寒々とした深川の草庵で、櫓が波を打つ音を聴いていると腸まで凍えそうだ」と詠じている。

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発句短冊「ふる池や」 松尾芭蕉 江戸時代
ふる池やかはつ飛込水の音
          はせを
貞享3年(1686)の春、深川の芭蕉庵で「蛙」を主題とする句会が催されるが、その時の発句をしたためたもの。  

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発句自画賛「はまぐりの」 松尾芭蕉 江戸時代
はまくりのいけるかひ
      あれとしの
         くれ
         はせを
本発句は「活き貝」と「生き甲斐」が掛けられており、「自分も生き甲斐のある年を迎えたい」というしみじみとした歳末の気持ちが詠まれている。

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芭蕉像 松村月渓 江戸時代
よしのゝ花に句なし
   行はるに和哥浦
     にて追付たり
        はせを

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奥の細道 谷中 小杉放菴 昭和時代

全て出光美術館蔵です。

 
—HPの解説—
江戸時代前期に活躍した俳人・松尾芭蕉(1644 - 94)は、敬慕する西行(1118 - 90)らがめぐった「歌枕」を自分の脚で辿り、追体験することを目的として奥の細道の旅に出ます。門人・河合曾良(1649 - 1710)を随行し、元禄2年(1689)3月下旬に江戸を出立。白河の関を越えて、松島・平泉を巡り、出羽の各地を遊歴しました。その後、越後・越中・加賀・越前へと旅して、8月下旬には美濃大垣へと至ります。こうした約600里(2400キロ)の旅路は、半年にも及びました。行く先々で目にした景物を題材に優れた俳諧作品が生まれ、自筆の短冊や懐紙なども多く残しています。この旅をもとに、亡くなる元禄7年(1694)の4月に編まれたのが紀行文『おくのほそ道』です。
今年は、芭蕉が奥の細道の旅に出て、330年の記念の年を迎えます。これを記念して本展では、出光コレクションの中から芭蕉の自筆作品を厳選し、他館の名品もお借りして、約20点もの芭蕉の書をご紹介いたします。多様に展開する芭蕉の書の魅力をお伝えするとともに、芭蕉の真跡を捉え直す機会になれば幸甚です。また、『おくのほそ道』をめぐる名品や芭蕉を敬慕した者たちの書画作品も展示し、芭蕉や俳諧にまつわる美術をお楽しみいただきます。

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