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2019.09.28

円山応挙から近代京都画壇へ

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「円山応挙から近代京都画壇へ」は、
東京藝術大学美術館で開催されています。


会期
前期:2019年8月3日(土) - 9月1日(日)
後期:2019年9月3日(火) - 9月29日(日)

この展覧会の主題は、応挙、呉春から戦前までの系譜を丁寧に追うことで、円山・四条派の全貌に迫るとともに、日本美術史のなかで重要な位置を占める京都画壇の様相の一端を明らかにするものです。

ということで、先ずはHPの解説からです。
—HPの解説—
江戸時代、京都では、伝統的な流派である京狩野、土佐派をはじめとして、池大雅や与謝蕪村などの文人画、近年一大ブームを巻き起こした伊藤若冲や曽我蕭白、岸駒を祖とする岸派や原在中の原派、大坂でも活躍した森派など、様々な画家や流派が群雄割拠のごとく特色のある画風を確立していました。しかし、明治維新以降、京都画壇の主流派となったのは円山・四条派でした。円山・四条派とは、文字通り円山派と四条派を融合した流派です。

円山派の祖である円山応挙が現れたことで京都画壇の様相は一変しました。応挙が得意とした写生画は画題の解釈を必要とせず、見るだけで楽しめる精密な筆致が多くの人に受け入れられ、爆発的な人気を博しました。京都の画家たちはこぞって写生画を描くようになり、応挙のもとには多くの門下生が集まって、円山派という一流派を形成しました。
四条派の祖である呉春は、初め与謝蕪村に学び、蕪村没後は応挙の画風を学んだことで、応挙の写生画に蕪村の瀟洒な情趣を加味した画風を確立しました。呉春の住まいが四条にあったため四条派と呼ばれたこの画風は、弟の松村景文や岡本豊彦などの弟子たちに受け継がれ、京都の主流派となりました。呉春が応挙の画風を学んでいる上、幸野楳嶺のように円山派の中島来章と四条派の塩川文麟の両者に師事した画家も現れたこともあり、いつの頃からか円山派と四条派を合わせて円山・四条派と呼ぶようになりました。
応挙・呉春を源泉とする円山・四条派の流れは、鈴木百年、岸竹堂、幸野楳嶺等へと受け継がれ、それぞれの門下から、近代京都画壇を牽引した竹内栖鳳、山元春挙、今尾景年、上村松園等を輩出しました。彼らは博覧会や、日本で初めての公設美術展覧会である文部省美術展覧会で活躍し、全国に円山・四条派の名を広めました。一方で、栖鳳たちは、自身の塾や、教鞭を執った京都府画学校や京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校で多くの近代京画壇の発展に資する後進たちを育てています。
本展では、応挙、呉春から戦前までの系譜を丁寧に追うことで、円山・四条派の全貌に迫るとともに、日本美術史のなかで重要な位置を占める京都画壇の様相の一端を明らかにするものです。

図録に掲載されている「江戸時代・京都、四条界隈再現地図」
赤文字で、絵師の名前が記されていますが、すいません読みずらいですよね!
呉春に始まる一門を四条派の呼ぶのは、門人の多くが四条通りに住んだことからです。

応挙は四条界隈を何度か引越しをしていますが最後の邸の近くには隣同士というほどの空間に伊藤若冲邸、松村呉春邸、があったことが分かります。(時代にズレがありますが・・)

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展示会場には「円山・四条派主要画家の系譜」が掲示されていて、その絵師の多彩さがよく分かります。
勿論それぞれの絵師の作品が展示されていてその継承と個性を楽しむことができます。

展示は、東京での展示が約10年ぶりとなる大乗寺襖絵から始まります。

山陰地方の真言宗の古刹大乗寺には、応挙と13人の弟子たちが絵筆を揮った障壁画面165面が現存しています。
大乗寺客殿孔雀の間を彩るのは応挙が死の3ヶ月前に描いた松に孔雀図です。部屋は西面にあり、光の当たり方によって孔雀の羽毛は青色に、松の葉は緑に見えるし、幹は茶色に見える・・・・とのことです。
私も、展示作品をあらゆる方向から観察してみましたが・・・・
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重要文化財 松に孔雀図 円山応挙 寛政7年(1795) 兵庫・大乗寺

その他の大乗寺襖絵展示。
少年行図 山本守礼 江戸時代後期 兵庫・大乗寺
採蓮図 亀岡規礼 江戸時代後期 兵庫・大乗寺
群山露頂図 呉春 天明7年(1787) 兵庫・大乗寺
四季耕作図 呉春 寛政7年(1795) 兵庫・大乗寺

続いての展覧会構成は次の通りとなっています。
すべては応挙にはじまる。
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重要文化財 写生図巻(甲巻)(部分) 円山応挙 明和8年~安永元年(1771-72) 株式会社 千總

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重要文化財 写生図巻(乙巻)(部分) 円山応挙 明和7年~安永元年(1770-72) 株式会社 千總


孔雀、虎、犬。命を描く。
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猛虎図 岸竹堂 明治23年(1890) 株式会社 千總

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春暖 竹内栖鳳 昭和5年(1930) 愛知県美術館(木村定三コレクション)

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薔薇蝶狗子図 長沢芦雪 寛政後期頃(c.1794-99) 愛知県美術館(木村定三コレクション)

 

山、川、滝。自然を写す。
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重要文化財 保津川図(右隻) 円山応挙 寛政7年(1795) 株式会社 千總

美人、仙人。物語を紡ぐ。
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重要美術品 江口君図 円山応挙 寛政6年(1794) 静嘉堂文庫美術館

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楚蓮香之図 上村松園 大正13年頃(c.1924) 京都国立近代美術館

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