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2019.08.09

サントリー芸術財団50周年 遊びの流儀 遊楽図の系譜

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サントリー芸術財団50周年 遊びの流儀 遊楽図の系譜は、
サントリー美術館で開催されています。

会期 2019年6月26日(水)〜8月18日(日)

「遊びをせんとや生まれけむ」

この展覧会で遊びの流儀を遡り、「遊びって・・本来こういうことなんだよね」と妙に?関心しました。
展示作品に描かれている「遊び」を探しながら、遊びに加わる人々の表情、周辺の様子を熱心に鑑賞してきました。
まず、「個」で遊ぶというシチュエーションは登場しません。絵にならないから、ということもあるでしょうが、そもそも遊びとは皆で楽しむものなのでしょうね。

屏風等の作品を展示ケースの全面に展示して細部まで見やすいように工夫されているようでした。

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琴棋忌書画は君子の嗜みでもあり、沢山描かれてきました。
古の(伝統的な)遊びには貝合、鶯の鳴き声の優劣を比べる鶯合などの鳴合、2種以上の香を薫き合せて香の異同を判別し、その香の名を言いあてる組香などが知られます。さらには蹴鞠小弓打毬に至るまで、平安時代の貴族が楽しんだ雅な遊びが紹介されていて、その遊びに使われる道具も展示されています。

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《琴棋書画図屛風》 遮莫筆 六曲一双(部分)室町時代 16世紀 個人蔵
【展示期間:6/26~7/22】

一年十二か月の行事や風物を描く「月次絵」には、羽子板雪遊び花見月見など、季節の遊びや祭礼に興じる人々が描かれています。
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重要文化財 《十二ヶ月風俗図》 一帖のうち(一月)桃山時代 16~17世紀 山口蓬春記念館
【展示期間:6/26~7/22】

「邸内遊楽図屛風」には、庭先における輪舞や、池の舟遊び釣りをする人、蹴鞠小弓に熱中するグループなど、座敷では酒宴に興じる人々、の調理場面も描かれます。風呂場の男と世話をする湯女も。
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重要文化財 《遊楽図屛風(相応寺屛風)》 八曲一双 江戸時代 17世紀 徳川美術館
©徳川美術館イメージアーカイブ / DNPartcom 【展示期間:6/26~7/15】

芝居見世物物見遊山、アウトドアで娯楽尽くし。
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重要文化財 四条河原遊楽図屛風 二曲一双のうち右隻
江戸時代 17世紀 静嘉堂文庫美術館
©静嘉堂文庫美術館イメージアーカイブ / DNPartcom
【展示期間:7/24~8/18】

遊楽図の諸様相。 三味線が奏でる浮世のリズム、舞踏煙草ファッション文使い・・・・・02_20190730072401 03_20190730072501
国宝 《婦女遊楽図屛風(松浦屛風)》 六曲一双のうち右隻(部分)江戸時代 17世紀 大和文華館

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重要文化財 本多平八郎姿絵屛風 
二曲一隻 江戸時代 17世紀 徳川美術館
©徳川美術館イメージアーカイブ / DNPartcom
【展示期間:6/26~7/15】

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誰が袖図屏風 六曲一双のうち左隻 江戸時代 12世紀 根津美術館 【展示期間:7/24~8/18】

異国から伝わったカードゲーム
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金地うんすんかるた 一揃 江戸時代 17世紀 滴翠美術館 【全期間展示】

Backgammon boardから絵双六まで・・

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重要文化財 清水・住吉図蒔絵螺鈿西洋双六盤 一合 桃山時代 17世紀 サントリー美術館【全期間展示】

 

展覧会の構成は次の通りです。
第1章 「月次風俗図」の世界  暮らしの中の遊び
第2章 遊戯の源流  五感で楽しむ雅な遊び
第3章 琴棋書画の伝統  君子のたしなみ
第4章 「遊楽図」の系譜(1) 「邸内遊楽図」の諸様相
第5章 「遊楽図」の系譜(2) 野外遊楽と祭礼行事
第6章 双六をめぐる文化史  西洋双六盤・盤双六・絵双六
第7章 カルタ遊びの変遷  うんすんかるたから花札まで
第8章 「遊楽図」の系譜(3) 舞踊・ファッションを中心に

 

—HPの解説—
遊びをせんとや生まれけむ」とは、平安時代末期の歌謡集『梁塵秘抄(りょうじんひしょう)』の有名な一節です。この展覧会は美術のテーマとなった「遊び」に着目し、双六やカルタ、舞踊やファッションなど、男女が熱中した楽しみごとの変遷をながめます。とくに近世初期の「遊楽図」における屈指の名品の数々が一堂に集まり、暮らしと「遊び」のかかわりを探るかつてない機会となります。
古くから主要な画題であった「風俗図」や「遊楽図」には、平安時代以来の貝合や蹴鞠、羽子板など、情趣ゆたかな遊びに熱中する人々が描かれています。また、中世以降には、中国の士君子のたしなみとして奨励された「琴棋書画(きんきしょが)」(琴・囲碁・書道・絵画)の影響を受けて、「琴棋書画図」が屛風や襖絵に数多く制作されました。近世に入ると、花見や風流踊りに興じる開放的な気分にあふれた「野外遊楽図」が流行しますが、江戸時代前期には幕藩体制が安定に向かうとともに、室内で親密に遊ぶ様子を描く「邸内遊楽図」に中心が移ります。画面を眺めると、琴は三味線に、囲碁は双六に姿を変えて、「琴棋書画」の宴に見立てて描かれた遊楽の場面が幾つも見出せます。
現代を生きる私たちは、手中のスマートフォンで音楽やゲームに興じ、メールや画像をやり取りしています。その様子はあたかも、「琴棋書画」が端末1台に完結しているような趣です。しかし、一昔前までは、実際に人々が出会い、集わないかぎり成立しなかった技芸や遊びは少なくありません。
この展覧会は、とくに「遊楽図」の中で遊ぶ一人一人の表情に迫ります。ある時は無邪気に笑顔を交わし、またある時は物憂げに遊び暮らした先人たちの、遊びの極意や、浮世を生きる術に、思いを馳せるひとときをお届けします。

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