マイセン動物園展
マイセン動物園展は、
パナソニック汐留美術館で開催されています。
会期 2019年7月6日(土)〜 9月23日(月・祝)
ドイツのマイセン磁器製作所で作られてきた動物に注目した展覧会です。
動物好きには、楽しく見飽きない展覧会。
基本的に撮影可ですが、何故か?本展タイトルの動物の多くが撮影不可になっていました。
その撮影不可の作品が、良いものばかり!
展覧会の構成は次のとおりです。
第 1 章 神話と寓話の中の動物
マイセン磁器で表現された神話と寓話をモチーフとした作品を展示しています。
神話人物群像「ヒッポカンポスの引く凱旋車に乗るネプトゥヌス」 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820 - 1920年頃 個人蔵
山羊に乗る仕立屋 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820 - 1920年頃 個人蔵
羊の毛波が見事に表現されています。着飾った仕立屋、山羊も同じ様な丸眼鏡をかけています。ユーモアあふれる作品。
《猿の楽団》(部分)ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー、ペーター・ライニッケ 1820~1920年頃 個人蔵
第 2 章 器に表された動物
マイセンを代表するシリーズの一つ「スノーボール」と「動物」です。
スノーボール貼花装飾カナリア付二人用ティーサービス 1820 - 1920年頃 個人蔵
《スノーボール貼花装飾蓋付昆虫鳥付透かし壺》 ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー 1820~1920年頃 個人蔵
型成形し丹念張り付けた「スノーボール」は日本人のファンも多いようで・・・
第 3 章 アール・ヌーヴォーの動物
アール・ヌーヴォー(曲線の多用に代表される有機的なフォルムを特徴とした様式)は、マイセンでも取り入れられました。そして色彩部分でイングレイズ(釉薬の中に絵具を染み込ませ閉じ込める技法)を用いて、その色合いを生かした柔らかい表現に仕上げた動物たちです。
子猫 エーリッヒ・オスカー・ヘーゼル 1956年 個人蔵
《二匹の猫》 オットー・ピルツ 1934~1940年頃 個人蔵
シロクマ オットー・ヤール 1903 - 1923年頃 個人蔵
このコーナーには、ワンちゃん、虎など様々な動物の作品が展示されていて、さながら動物園の趣です。
残念ですが、最も撮影不可の作品が多いコーナーでもありました。
第 4 章 マックス・エッサーの動物
マックス・エッサーは、マイセンにおけるアール・デコ様式を確立した一人です。ベッドガー炻器で制作した動物彫刻が彼の名を知らしめることになりました。エッサーに影響を受けた成型師による動物彫刻も展示されています。
ライネケのキツネ(部分) マックス・エッサー 1924 - 1934年頃 個人蔵
カワウソ マックス・エッサー 1927年 個人蔵
ーHPの解説―
ヨーロッパ初の硬質磁器製造に成功し1710年に王立磁器製作所設立を布告したドイツのマイセン磁器製作所。本展ではマイセンの動物に着目しご紹介します。 19世紀後半から20世紀初頭にかけてヨーロッパの美術工芸界で流行したアール・ヌーヴォー様式はマイセンにも影響を与え、カップ&ソーサーから彫像にいたるまで幅広く取り入れられました。また同時期のマイセンでは、釉薬の下に絵付けする釉下彩や釉薬の上から描いた絵の具を沈みこませる釉中彩といった技法が多用されるようになり、淡く繊細な色調の作品が作られていきました。
一方、動物をモチーフとした美術作品は時代や地域を問わず制作されてきましたが、それらは何かを象徴するために描かれたり成形されたりするものもあれば、そのもの自身の愛らしさを伝えるために制作されるものなど様々で、マイセンでも同様でした。とりわけアール・ヌーヴォー期の動物作品は、模様から表情まで、動物のしなやかさを表現することに成功し、リアルさと愛らしさを見事に両立させたのでした。 本展では、そのようなアール・ヌーヴォー期の作品を中心に構成しています。磁器や炻器に加え、カタログなどの資料類も展示し、新しいアプローチでマイセンの造形と装飾をたどります。
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