日本刀の華 備前刀
「日本刀の華 備前刀」は、
静嘉堂文庫美術館で開催されています。
会期 2019年4月13日(土)~6月2日(日)
会期末が近い土曜日だからでしょうか?駐車場満車、チケット売り場に行列、ショップにも行列です。
勿論展示会場でも行列。
刀剣ファンに、特別展示の「国宝曜変天目茶碗」目当ての観覧客も加わってのことでしょうか?
「曜変天目」展示ケースの前にも行列ができていて、館員がストップウオッチ?片手に観覧客10人づつ誘導。確か制限時間一分程度だったと・・・
国宝「曜変天目」 中国・南宋時代(12〜13世紀)
静嘉堂文庫美術館には頻繁に行っているつもりですが、これほどの盛況ぶりは初めての経験でした。
展示会場には、単眼鏡で熱心に鑑賞する刀剣女子?懐中電灯持参で、光を当て鑑賞する人も居て・・・・皆さん熱心。
刃長、反り、切っ先、刀文、身幅を中心に見てきましたが、身幅が狭く頼りないと思えるくらいな刀剣も数振りあって、その繊細な作り、景色が素晴らしかったです。身幅は細め(極端な細身ではなく)、適度な反り、そして刀文は直刀に小乱れが私の好みです。
品の良い、素晴らしいの数々の刀装具も展示されています。
後藤栄乗「二疋狗図二所物」 桃山〜江戸時代(17世紀)
後藤「黄石公張良図鍔」(無銘) 江戸時代17世紀
展示品一点一点に丁寧な解説と「見どころ」の図示があって、分かりやすい展覧会というのも静嘉堂文庫美術館の刀剣展示の特徴だと思います。
また、4頁の図説・刀剣観賞の手引き(毎回同じもの?)も頂け、鑑賞の参考になります。
展覧会の構成は以下の通りです。
[ 古備前 謎多き刀工たち ]
日本刀の様式が確立した平安時代十世紀後半頃から鎌倉時代初期にかけて活躍した備前刀初期の数多の刀工たちを総称して「古備前」と言う。(キャプションから部分引用)
[一文字派 黄金時代の日本刀]
鎌倉時代初期、備前の則宗とその一門は、後鳥羽上皇に招聘され「御番鍛冶」として鍛刀し、名声を得る。一門は、天下一を意味すると言う「一」の文字を中心に刻んだことから一文字派と呼ばれた。(キャプションから部分引用)
[長船派 不動の大工房]
一文字派全盛の鎌倉時代中期に登場し、非凡な才能を発揮した光忠は、長船に住して門下に優工を輩出し、一派を形成した。その作風は耽美的な一文字はと異なり、美と実用性を兼ね備えたという。(キャプションから部分引用)
[鎌倉・南北朝の名工たち 国宗・畠田・鵜飼・元重・吉井 ]
鎌倉中期以降長船周辺を拠点としながらも、長船派とは系統・作風を異にした刀工たちが、直宗派の国宗や畠田派の守家、真守である。(キャプションから部分引用)
— HPの解説 —
日本刀の主要製作地(山城・大和・備前・相模・美濃)のうち、備前(岡山県南東部)は、上質な原料や水運の利に恵まれ、平安時代より優れた刀工を輩出し、圧倒的な生産量を誇ったことから、今日「刀剣王国」と称されています。備前刀の特徴は、「腰反(こしぞ)り」の力強い姿と、杢目(もくめ)を主体とした精緻な地鉄(ぢがね)に、「丁子乱(ちょうじみだ)れ」と呼ばれる変化に富んだ刃文とされています。その豪壮にして華やかな作風は、鎌倉武士や戦国武将たちをはじめ、多くの人々を魅了してきました。
本展では、「備前刀の宝庫」として知られる静嘉堂の蔵刀を中心に、重要文化財4振、重要美術品11振を含む在銘作約30振を精選し、「古備前(こびぜん)」と呼ばれる初期の刀工群から、一文字・長船・畠田・吉井・鵜飼など各流派による作風の展開をたどっていきます。あわせて、江戸時代に幕府の御用をつとめた後藤家歴代とその門流(脇後藤)による刀装具を展示します。さらに国宝「曜変天目(「稲葉天目」)」を特別出品いたします。
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コメント
以前、静嘉堂所蔵刀剣を生産地域別に概観した展覧会がありましたが、今回は、静嘉堂収蔵刀剣の中心をなす備前刀です。備前刀の魅力堪能でした。
三の丸尚蔵館は優れた美術品を豊富に所蔵してますね。若冲動植綵絵を6期に分けて全点展示した事もありました。ここは入館無料ですから、今やったら大行列必至ですね。刀剣集中展示してくれないかなぁ〜
投稿: 内田さんへ | 2019.06.03 03:07
NHK技研に行く時(5/31)、途中下車して寄ろうかと悩んで、結局立ち寄りませんでした。因みに私のお目当ては、以下でした。
「太刀 銘 備前国長船光忠」:宮内庁三の丸尚蔵館蔵
本作は、今上天皇陛下の御誕生を賀し、三菱第4代社長・岩﨑小彌太が昭和8年(1933)に昭和天皇に献上した太刀です。
5/31も二子玉川からのバスはぎゅうぎゅう詰めで、美術館前で2/3は下車しました。
投稿: 内田 | 2019.06.02 23:12