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2019.06.20

印象派への旅 海運王の夢 ーバレル・コレクションー

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印象派への旅 海運王の夢 ・コレクションーは、
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されています。

会期 2019年4月27日(土)-6月30日(日)

スコットランド・グラスゴー出身の海運王ウィリアム・バレルは、15歳から家業の海運業に従事し、後に船舶の売買で大成功を収めました。若い頃から美術品に興味を持っていたバレルは、スコットランドの画家の作品から収集を始め、徐々にフランス絵画にも興味を抱くようになり、古今東西の美術工芸品9000点以上を収集しました。本展では西洋近代絵画を中心に、計80点の作品を紹介しています。
展示品の殆どが小品ですが・・・秀品ばかりです。バレルが個人で楽しんだ風景が偲ばれます。

この展覧会には撮影可のコーナーがあります。(条件あり)
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展覧会の構成は以下の通りです。
序章
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フィンセント・ファン・ゴッホ 《アレクサンダー・リードの肖像》 1887年、油彩・板、ケルヴィングローヴ美術博物館蔵
同郷の画商アレクサンダー・リードはバレルに近代ヨーロッパ絵画収集のアドバイスをしました。
リードは、パリでゴッホと弟テオが住んでいたアパルトマンで2年近く同居していました。

第1章 身の回りの情景
1-1 室内の情景
1-2 静物  
この展覧会で最も印象に残った作品はエドゥアール・マネの《シャンパングラスのバラ》
柔らかさと透明感ある色彩には心が温まります。
亡くなる前年、闘病中に描かれた作品です。
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エドゥアール・マネ 《シャンパングラスのバラ》 1882年、油彩・カンヴァス 

クールベ《リンゴ、洋ナシ、オレンジ》 ルノワール《静物-コーヒーカップとミカン》 セザンヌ《倒れた果物かご》3点が並べて展示されています。同じようなサイズのこれらの小品をバレルも並べて鑑賞したのでしょうか?
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ポール・セザンヌ 《倒れた果物かご》 1877年頃 油彩・カンヴァス ケルヴィングローヴ美術博物館蔵 

第2章 戸外に目を向けて
2-1 街中で
2-2 郊外へ
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エドガー・ドガ 《リハーサル》 1874年頃、油彩・カンヴァス

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ヤーコプ・マリス 《ペットの山羊》 1871年 油彩・カンヴァス

第3章 川から港、そして外洋へ
3-1 川辺の風景
3-2 外洋への旅
海運王と呼ばれたバレルにとって、港や海への想いは人一倍強かったのでしょうね。
「港の風景を描いたシダネル作品」は珍しいのではないでしょうか?
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アンリ・ル・シダネル 《月明かりの入り江》 1928年 油彩・カンヴァス 

また、バレルは、ブーダンの作品をこよなく愛いしていました、宝物のように。
この展覧会でもブーダンの作品が最も多く展示されています。
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ウジェーヌ・ブーダン 《トゥルーヴィルの海岸の皇后ウジェニー》 1863年、油彩・板 

クールベはノルマンディーの海岸に魅了され、空と海の風景を描きました。
夕日の海岸に佇む貴婦人を描いた作品です。
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ギュスターヴ・クールベ 《マドモワゼル・オーブ・ドゥ・ラ・オルド》 1865年 油彩・カンヴァス 

 

—HPの解説—
産業革命期に英国随一の海港都市として栄えたスコットランド・グラスゴー出身のウィリアム・バレルは、若くして家業の海運業を手伝い始めた後、船舶の売買で大成功し「海運王」と称されました。
 少年の頃から美術品に関心を持っていたバレルは、1890年代から1920年代にかけて主に画商アレクサンダー・リードから作品を購入し、ペプローやメルヴィルなどスコットランドの画家をはじめ、クロホールなど特にグラスゴーで活躍した画家の作品を好んで集め、徐々にフランス絵画にも興味を抱くようになりました。同時に古今東西の美術工芸品の収集にも意欲を燃やしました。
 1944年、バレルはコレクションのうち何千点もの作品をグラスゴー市に寄付し、それが美術館「バレル・コレクション」となりました。美術館建設に関しての条件は大きく二つ、「大気汚染の影響が少ない郊外に作品を展示すること」「国外に持ち出さないこと」でした。厳しい条件の中、本展は本国のバレル・コレクション改装に伴い、奇跡的に実現した展覧会。9,000点以上にも及ぶ同コレクションの中から西洋近代絵画を中心に、計80点の作品をご紹介します。英国でしか見ることのできなかった海運王の世界屈指の夢のコレクションを、渋谷でご堪能ください!

 

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