« 2019年5月 | トップページ | 2019年7月 »

2019.06.29

軽井沢 石の教会 内村鑑三記念堂 2019年6月

01_20190629211801

軽井沢 石の教会 内村鑑三記念堂を見学して来ました。

内村鑑三の無教会思想とは、
祈るとき、その場所が教会になる。
教会は祈りの場であって、建物のことではない。
私たちがこころから祈ることができるすべての場所が、
真の意味での教会であるという思想。(HPから)

軽井沢の自然に同化したオオガニック建築の素晴らしい教会です。
自然の中にも厳かな礼拝堂内部は残念ながら撮影不可でした。(HPに礼拝堂での挙式写真が載ってます)
02_20190629212301

設計 - ケンドリック・ケロッグ
構造 - 鉄筋コンクリート
竣工 - 1988年
床面積 - 地上2階、地下1階:482㎡

私の見学経路が逆だったかも?少々わかりずらい動画です。

| | コメント (2)

2019.06.28

松方コレクションの浮世絵版画 (トーハク本館10室)

03_20190622114301
海外の美術館、個人収集家の浮世絵展覧会には多くの観覧客が集まります。
それに比べてトーハク本館10室の浮世絵と衣装―江戸(浮世絵)には観覧客は疎らです。
常時優品が展示されているのですが、ファン心理というものでしょうか?
01_20190622113101

最近美術館(博物館)どうしの連携企画が増えてきたように思うのですが、この展示も「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」と連携した企画です。

以下、HPの解説です。
江戸時代の庶民の姿を描いた浮世絵は、江戸時代初期には絵師自身の手になる肉筆画のみでしたが、後には大量生産が可能な版画が生み出され、さらに彫りと摺りに工夫を凝らして多色摺りの錦絵が誕生しました。 今回から4回は、国立西洋美術館で開催される「国立西洋美術館開館60周年記念 松方コレクション展」と連携した展示として、当館の浮世絵コレクションの中心となっている松方コレクションのみで展示を構成します。今回と次回は、1988年4月に松方幸次郎の卒業100周年を記念して母校アメリカ・ニュージャージー州ラトガーズ大学の付属美術館で開催された「松方コレクション浮世絵版画展」に出品された100点の作品の中から優品を選んで浮世絵版画発展の歴史を追って展示します。

一か月ごとの展示替えですので、たぶん全点みられると思います。
展示日程
第1期 6月4日(火)〜6月30日(日)  
第2期 7月2日(火)〜7月28日(日)
第3期 7月30日(火)〜8月25日(日)
第4期 8月27日(火)〜9月23日(月・祝)

展示全点を撮っている方もいました。
「北斎の神奈川沖浪裏」は矢張り人気があり、皆さん撮っていました。
02_20190622113901
冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏 葛飾北斎筆 江戸時代・19世紀

以下、私のお気に入りです。スマホで撮りました。
04_20190622140501
美人東海道・原ノ驛 渓斎英泉筆 江戸時代・19世紀
正面から撮影出来なかったので・・・・

05_20190622141101
通俗水滸伝豪傑百八人之壹人・浪裡白跳張順 歌川国芳筆 江戸時代・19世紀

06_20190622141801
三代目市川高麗蔵の南瀬六郎 1枚 東洲斎写楽筆 江戸時代・寛政6年(1794) 重要美術品

07_20190622142201
新吉原月見之座鋪 1枚 西村重長筆 江戸時代・18世紀  重要美術品
遠近法を取入れた作品。

08_20190622142901
東都名所・佃嶋初郭公  歌川広重筆 江戸時代・19世紀

09_20190622143201
芍藥 カナアリ 葛飾北斎筆 江戸時代・19世紀

10_20190622143801
風流七小町・あふむ 鳥文斎栄之筆 江戸時代・18世紀 重要美術品

11_20190622144201
弾琴美人 鈴木春信筆 江戸時代・18世紀

12_20190624205601
大坂新町東ノ扇屋 花扇太夫  栄松斎長喜筆 江戸時代・18世紀

| | コメント (0)

2019.06.26

日本刀の見方 パートⅠ姿

01_20190624071601

「日本刀の見方 パートⅠ姿」は、
刀剣博物館で開催されています。

会期 平成31年4月13日(土)~6月30日(日)

展示室の風景
本展は撮影可能です。スマホで撮りました。
06_20190624145001  

02_20190624074501
この写真下段の解説はHPの日本刀の歴史と同内容です。

代々木時代の展示室に同じようなパネルがありました。
なかなか頭に入らなかった(入らない)のですが、大きな流れ、傾向を是非理解したいと思っていました(思っています)。
本展刀剣の実物を見比べることで、さらに興味を持つことができました。
「姿」「地鉄」「刃文」それぞれに焦点を当て、全3回に分けて日本刀鑑賞のポイントを解説するシリーズ企画です。これからの展示にも期待しています。


展示の一例です。
03_20190624141701
1、平安時代後期~鎌倉時代初期
平安時代後期から、反りのある鎬造(しのぎづくり)の太刀(刃を下に向けて腰に吊るす)が現れる。姿は総じて細身のものが多く、元幅に比べて先幅が目立って細くなり、小鋒(こきっさき=小さめな鋒)になる。反りは腰元で強く反り、上半の反りはごく浅くなるものが多い。

時代背景
保元・平治の乱を経て、政治への影響力を強めていった武士。平清盛は時の法王、後白河院を法住寺殿に幽閉した。勢力を強める平氏に対し各地で反乱が発生し、瞬く間に日本中を戦闘の渦へと巻き込んでいった。いわゆる治承寿永の騒乱である。反乱軍の一勢力であった源頼朝は、乱の過程で独自の統治を開始する。初の武家政権、鎌倉幕府の誕生である。
05_20190624141901  
太刀(重要文化財) 銘 正恒 法量:二尺五寸九分
国:備前 時代:鎌倉時代初期
04_20190624142001
上記のように、時代に分けて数振りの刀剣を展示し、それぞれにキャプションが添えられています。

展覧会の構成は以下の通りです。
1、平安時代後期〜鎌倉時代初期
2、鎌倉時代中期
09_20190624152001  
太刀(国宝)銘  国行(来) 法量:二尺五寸三分
国:山城 時代:鎌倉時代中期

3、鎌倉時代末期
18
太刀(重要刀剣) 銘 来国光  法量:二尺二寸七分半
国:山城 時代:鎌倉時代末期

4、南北朝時代
13_20190624160101  
刀 無銘 青江 法量:二尺三寸一分
国:備中 時代:南北朝時代


5、室町時代前期
11_20190624154101
太刀(重要刀剣)銘 正則(雲州)応永三十▢年 法量:二尺三寸七分
国:出雲 時代:室町時代初期


6、室町時代後期
12_20190624155401
刀 銘 備前国住人長船勝光 明応二年八月 法量:二尺三寸二分
国:備前 時代:室町時代後期(1493)

7、安土桃山時代〜江戸時代初期
14_20190624160601
刀(重要刀剣) 銘 国広 法量:二尺三寸強
国:山城 時代:桃山時代 
  
8、江戸時代前期
15_20190624161101 
刀  銘 大和守安定 法量:二尺〇八分強
国:武蔵 時代:江戸時代前期

9、江戸時代中期
16
刀 銘 (一葉葵紋)主水正藤原正清 法量:二尺四寸五分半
国:薩摩 時代:江戸時代中期


10、江戸時代末期
17
刀(重要刀剣) 銘 豊永東虎左行秀為嫡子幾馬 明治三年二月吉日行年五十八歳造之 法量:二尺一寸六分
国:武蔵 時代:明治時代(1870)

刀剣(刀、太刀、脇差、短刀)の他に、刀装、刀装具の展示もあり見どころ満載です。

―HPから―
■ご挨拶
この度の展示では原点に立ち返り、日本刀鑑賞の基礎たる点にスポットを当てることにいたしました。
近年、増えている若い刀剣愛好家からの声もあり、日本刀はどのように見ればよいのか、どこが見所なのかをわかりやすく示し、日本刀の魅力を存分に楽しんで頂こうと思います。

そこで「日本刀の見方」と題し、「姿」「地鉄」「刃文」それぞれに焦点を当て、全3回に分けて日本刀鑑賞のポイントを解説するシリーズ展示を企画しました。
本展覧会では、(公財)日本美術刀剣保存協会の所蔵品を中心に各時代の名刀や、彩りを添える刀装・刀装具を展示致します。初心者も玄人も共に肩を並べて心置きなく、名品を御賞翫ください。

 

| | コメント (0)

2019.06.23

クリムト展 ウィーンと日本 1900

01_20190622172001

「クリムト展 ウィーンと日本 1900」は、
東京都美術館で開催されています。

会期 2019年4月23日(火)~7月10日(水)

 

本展は、クリムトの全体像を教えてくれるとてもよい展覧会です。
なかでも216×3438cmの原寸大複製《ベートーヴェン・フリーズ》は物語性とクリムトの個性が際立つ良い展示だと思いました。

苦しむ人間たちが黄金の騎士に、正面に描かれた「敵対する力」と戦うことを懇願します。

「敵対する力」巨人テュフォンとその娘たちゴルゴン三姉妹「病」「狂気」「死」「肉欲」「淫蕩」「不節制」「激しい苦悩」の擬人像が描かれています。クリムトの苦悩、葛藤が反映されています。
09_20190623061801

作品(物語)は、シラーの詩「歓喜の歌」を歌う天使たちでしめくくられます。
06_20190622172101
《ベートーヴェン・フリーズ》(部分)グスタフ・クリムト
1984年(原寸大複製/オリジナルは1901-1902年、216×3438cm)
ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館 

【クリムト展】《ベートーヴェン・フリーズ》CG映像

クリムト(1862〜1918年)の父は金工職人で2人の弟も画家と彫金師でした。ウィーンの工芸美術学校を卒業。芸術家カンパニーの経営を始めたクリムトは友人、弟エルンストと劇場装飾などの仕事を手掛けます。しかし、クリムトが30歳の時に父とエルンストが急死してしまいます。共同製作ができなくなったクリムトは、新たな創作活動を模索することになり、やがて「ウィーン分離派」を結成します。クリムトはエレンストの娘ヘレーネの後見人となり、病気がちだった母と妹2人と生涯共に過ごしました。
55年の人生、生涯独身であったクリムトには、多くの恋人との間に少なくとも14人の私生児がいました。
本展には、クリムト、家族、恋人の写真などが展示されています。
生涯のパートナーであったエミーリエ・フリーゲ(クリムトの弟エルンストの妻の妹)とはプラトニックであったとされてきましたが、近年そうではかったことが分かったそうです。
クリムトからエミーリエに宛てた書簡7通も示されています。(2人で写った写真、肖像画も展示されています)

02_20190622185901
《ヘレーネ・クリムトの肖像》グスタフ・クリムト1898年 油彩、厚紙 
個人蔵(ベルン美術館寄託)
ヘレーネ6歳の時の肖像です。

展覧会の構成は次の通りです。
Chapter 1. クリムトとその家族
Chapter 2. 修業時代と劇場装飾 
Chapter 3. 私生活
Chapter 4. ウィーンと日本 1900
Chapter 5. ウィーン分離派
Chapter 6. 風景画
Chapter 7. 肖像画
Chapter 8. 生命の円環

03_20190623054201
《ユディトⅠ》グスタフ・クリムト1901年 油彩、カンヴァス
ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館
クリムトが初めて油彩画で金箔を使った作品。額はクリムトがデザインして、弟が作りました。
煌びやかな衣装をまとい妖艶な表情を見せるユディトと、ほんのわずかに描かれているホロフェルネスの首、この対比は凄いですね。

05_20190623055401
《ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)》グスタフ・クリムト1899年 油彩、カンヴァス 
オーストリア演劇博物館
1897年のウィーン分離派結成の直前に構想された作品。


クリムトの風景画は正方形の作品がが多いようです。湖などで四角いフレームを翳しながら絵になる風景を探した様です。
04_20190623055101
《アッター湖畔のカンマー城III》グスタフ・クリムト1909/1910年 油彩、カンヴァス 
ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館

10_20190623062601
《 丘の見える庭の風景》グスタフ・クリムト1916年 油彩、カンヴァス 
カム・コレクション財団(ツーク美術館)
輪郭線を描いて彩色する方法は、ゴッホの作品を参考にしたとの指摘もあるようです。


クリムトは「自分には関心がない。それよりも他人、女性に関心がある」と言い残しました。男性の肖像画は少なく、自画像はありません。
08_20190623070001
《オイゲニア・プリマフェージの肖像》グスタフ・クリムト 1913/1914年 油彩、カンヴァス 
豊田市美術館
クリムトの後期肖像画の特徴を示す作品。

12_20190623070701
《赤子(ゆりかご)》グスタフ・クリムト 1917/1918年 油彩、カンヴァス 
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
クリムトの子供を描いた作品の中でも、画家が晩年に手がけた作品。布の模様は日本の着物からインスピレーションを得ているとも考えられる。(キャプションを参考にしました)

クリムトにとっての生命の表現は、愛し合う男女や子を宿した女性のありのままの姿であり、老いて死にゆく人間の姿であった。07_20190623064301
《女の三世代》グスタフ・クリムト1905年 油彩、カンヴァス 
ローマ国立近代美術館

—HPの解説—
19世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムト(1862-1918)。華やかな装飾性と世紀末的な官能性をあわせもつその作品は、いまなお圧倒的な人気を誇ります。没後100年を記念する本展覧会では、初期の自然主義的な作品から、分離派結成後の黄金様式の時代の代表作、甘美な女性像や数多く手掛けた風景画まで、日本では過去最多となる25点以上の油彩画を紹介します。ウィーンの分離派会館を飾る壁画の精巧な複製による再現展示のほか、同時代のウィーンで活動した画家たちの作品や、クリムトが影響を受けた日本の美術品などもあわせ、ウィーン世紀末美術の精華をご覧ください。

| | コメント (0)

2019.06.20

印象派への旅 海運王の夢 ーバレル・コレクションー

01_39

印象派への旅 海運王の夢 ・コレクションーは、
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されています。

会期 2019年4月27日(土)-6月30日(日)

スコットランド・グラスゴー出身の海運王ウィリアム・バレルは、15歳から家業の海運業に従事し、後に船舶の売買で大成功を収めました。若い頃から美術品に興味を持っていたバレルは、スコットランドの画家の作品から収集を始め、徐々にフランス絵画にも興味を抱くようになり、古今東西の美術工芸品9000点以上を収集しました。本展では西洋近代絵画を中心に、計80点の作品を紹介しています。
展示品の殆どが小品ですが・・・秀品ばかりです。バレルが個人で楽しんだ風景が偲ばれます。

この展覧会には撮影可のコーナーがあります。(条件あり)
002_11

展覧会の構成は以下の通りです。
序章
03_20
フィンセント・ファン・ゴッホ 《アレクサンダー・リードの肖像》 1887年、油彩・板、ケルヴィングローヴ美術博物館蔵
同郷の画商アレクサンダー・リードはバレルに近代ヨーロッパ絵画収集のアドバイスをしました。
リードは、パリでゴッホと弟テオが住んでいたアパルトマンで2年近く同居していました。

第1章 身の回りの情景
1-1 室内の情景
1-2 静物  
この展覧会で最も印象に残った作品はエドゥアール・マネの《シャンパングラスのバラ》
柔らかさと透明感ある色彩には心が温まります。
亡くなる前年、闘病中に描かれた作品です。
02_30
エドゥアール・マネ 《シャンパングラスのバラ》 1882年、油彩・カンヴァス 

クールベ《リンゴ、洋ナシ、オレンジ》 ルノワール《静物-コーヒーカップとミカン》 セザンヌ《倒れた果物かご》3点が並べて展示されています。同じようなサイズのこれらの小品をバレルも並べて鑑賞したのでしょうか?
05_19
ポール・セザンヌ 《倒れた果物かご》 1877年頃 油彩・カンヴァス ケルヴィングローヴ美術博物館蔵 

第2章 戸外に目を向けて
2-1 街中で
2-2 郊外へ
04_18
エドガー・ドガ 《リハーサル》 1874年頃、油彩・カンヴァス

Photo_21
ヤーコプ・マリス 《ペットの山羊》 1871年 油彩・カンヴァス

第3章 川から港、そして外洋へ
3-1 川辺の風景
3-2 外洋への旅
海運王と呼ばれたバレルにとって、港や海への想いは人一倍強かったのでしょうね。
「港の風景を描いたシダネル作品」は珍しいのではないでしょうか?
001_14
アンリ・ル・シダネル 《月明かりの入り江》 1928年 油彩・カンヴァス 

また、バレルは、ブーダンの作品をこよなく愛いしていました、宝物のように。
この展覧会でもブーダンの作品が最も多く展示されています。
003_13
ウジェーヌ・ブーダン 《トゥルーヴィルの海岸の皇后ウジェニー》 1863年、油彩・板 

クールベはノルマンディーの海岸に魅了され、空と海の風景を描きました。
夕日の海岸に佇む貴婦人を描いた作品です。
005_8
ギュスターヴ・クールベ 《マドモワゼル・オーブ・ドゥ・ラ・オルド》 1865年 油彩・カンヴァス 

 

—HPの解説—
産業革命期に英国随一の海港都市として栄えたスコットランド・グラスゴー出身のウィリアム・バレルは、若くして家業の海運業を手伝い始めた後、船舶の売買で大成功し「海運王」と称されました。
 少年の頃から美術品に関心を持っていたバレルは、1890年代から1920年代にかけて主に画商アレクサンダー・リードから作品を購入し、ペプローやメルヴィルなどスコットランドの画家をはじめ、クロホールなど特にグラスゴーで活躍した画家の作品を好んで集め、徐々にフランス絵画にも興味を抱くようになりました。同時に古今東西の美術工芸品の収集にも意欲を燃やしました。
 1944年、バレルはコレクションのうち何千点もの作品をグラスゴー市に寄付し、それが美術館「バレル・コレクション」となりました。美術館建設に関しての条件は大きく二つ、「大気汚染の影響が少ない郊外に作品を展示すること」「国外に持ち出さないこと」でした。厳しい条件の中、本展は本国のバレル・コレクション改装に伴い、奇跡的に実現した展覧会。9,000点以上にも及ぶ同コレクションの中から西洋近代絵画を中心に、計80点の作品をご紹介します。英国でしか見ることのできなかった海運王の世界屈指の夢のコレクションを、渋谷でご堪能ください!

 

| | コメント (0)

2019.06.16

ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―

001_13

 

ギュスターヴ・モロー展 ― サロメと宿命の女たち ―は、
パナソニック汐留美術館で開催されています。

会期 2019年4月6日(土)〜6月23日(日)


002_10
《出現》 1876年頃 油彩 ギュスターヴ・モロー美術館蔵

ファム・ファタール(男にとっての「運命の女」の意味。男を破滅させる魔性の女のこと。)
出世作《出現》はモロー50歳の時の作品です。
サロメの物語を描いた有名な作品は数多く存在し、一定のパターン(お盆にのった生首)がありますが、

《出現》はモローならではの個性が魅了的な作品ですね。
光に包まれて宙に浮かぶ洗礼者ヨハネの首をサロメは上目遣いに睨んでいます。
この見つめ合う構図はモロー作品の特徴でもあるようです。
画面全体にインド・中国の装飾を取入て神秘性を持たせ、瀟洒な布をまとい妖艶と悪魔的なものをない交ぜにしたサロメ、そのフォルム・構成は丹念に素描、試作を重ねて得たものだそうです。

この展覧会で2人の女性が紹介されています。金銭から身の回りの世話までしていた 耳の不自由な母ポーリーヌ・モローと30年来の恋人・・修道女のようなアレクサンドリーヌ・デュルー。
生涯独身であったモローは、寝室の奥にアレクサンドリーヌのための秘密の、彼女の好きな調度品で飾られた部屋を設けていました。

モローが「私の最後のときには、あなたと二人きりになって手を握っていてほしい」と願ったアレクサンドリーヌも、母の死の6年後帰らぬ人となりました。モローは邸宅にこもって絵を描くことに集中します。

004_12
《アレクサンドリーヌ》 インク・鉛筆/紙 

最愛の母ポリーヌ、修道女のような恋人アレクサンドリーヌと暮らしたモローとファム・ファタール。
モローが描いた女性像に焦点を当てた展覧会です。

展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 モローが愛した女たち
第2章 《出現》とサロメ
第3章 宿命の女たち
第4章 《一角獣》と純潔の乙女

003_12
《24歳の自画像》 1850年 油彩/カンヴァス
素描による自画像は多く残したが、油彩による唯一の作品。

005_7 
《一角獣》 1885年 油彩/カンヴァス
モローのサインはあるが未完成の作品。一角獣は処女にしかなつかないという。瀟洒に飾った婦人たちと従順な一角獣が緑豊かな場所で親密な時を過ごす幻想的な風景が描かれる。(キャプションを参考にしました)

006_4 
《サロメ》 1875年頃 油彩/カンヴァス

007_2 
《エウロベの誘惑》 1868年 油彩/カンヴァス
オウィディウスの「変身物語」を描いた一場面。エウロベとゼウスを、モローが物語に基づいた略奪ではなく二人の関係を神聖なものとして描いた独自の解釈を見ることができる。(キャプションを参考にしました)

008_2
《トロイアの城壁に立つヘレネ》 油彩/カンヴァス

— HPの解説 —
象徴主義の巨匠ギュスターヴ・モロー(1826‐1898)は、神話や聖書をテーマにした作品で知られています。産業の発展とともに、現実主義的、物質主義的な潮流にあった19世紀後半のフランスにおいて彼は、幻想的な内面世界を描くことで、真実を見いだそうとしました。本展は、そのようなモローが描いた女性像に焦点をあてた展覧会です。出品作品は、パリのギュスターヴ・モロー美術館が所蔵する、洗礼者ヨハネの首の幻影を見るサロメを描いた名作《出現》や、貞節の象徴とされた幻獣を描いた《一角獣》を含む油彩・水彩・素描など約70点によって構成されます。神話や聖書に登場する、男性を死へと導くファム・ファタル(宿命の女)としての女性、誘惑され破滅へと導かれる危うい存在としての女性、そしてモローが実生活において愛した母や恋人。展覧会では、彼女たちそれぞれの物語やモローとの関係を紐解いていき、新たな切り口でモロー芸術の創造の原点に迫ります。

| | コメント (0)

2019.06.14

カリフォルニア アシカ

カリフォルニア アシカ(名前なんだっけ?)人気ランキングには入っていないようですが、水槽周りにはいつも観覧客が沢山!
大きな体ですけど、何とも目が可愛いです。食餌時にスマホで撮った動画です。(上野動物園で先月撮ったものです)

 

—上野動物園の動物図鑑から—
名称
カリフォルニアアシカ
飼育園館
上野動物園
生息地
北アメリカのシアトル近海からメキシコにいたる海岸に沿って広く分布
体の大きさ
体長はオスで2〜2.5m、メスで1.8〜2m、体重はオスで200〜280kg、メスで70〜100kg
えさ
主にイワシ、タコ、イカなどを食べています。動物園では、魚(アジやサバ)をあたえています。
特徴
繁殖期には1頭のオスが多数のメスをしたがえ、ハレムをつくってくらします。流線型のスリムな体つきや、閉じることのできる耳や鼻などは、水のなかでくらすのに適応しています。泳ぎも潜水もじょうずで、海中を時速25〜30kmのスピードで泳ぐといわれています。

 

| | コメント (1)

2019.06.11

トム・サックス ティーセレモニー

001_12

トム・サックス ティーセレモニーは、
東京オペラシティ アートギャラリーで開催されています。

会期  2019年4月20日(土)〜 6月23日(日)

ジョニー・フォグ氏によるティーセレモニー デモンストレーションを見てきました。

トム・サックスに茶道を指導したジョニー・フォグ氏が来日。普段公開していないTea Houseの内部をオープンにし、実際のティーセレモニーを行います。抽選により毎回3名の参加が可能です。 (HPから)

この展覧会を観に行くのであれば、ティーセレモニー デモンストレーション実施日・時間帯がお勧めです。そのほうが面白いですよ。勿論参加も・・倍率高そうですが。

トム・サックスは完成形として連綿と続く茶の湯の世界を自ら学び、そして自分なりにアレンジしてみんなで楽しもう、茶の湯のその心を今風に引き継ごうという企画。

サックス自作の茶碗や釜、柄杓、掛軸、花入れをはじめ、電動で動く茶筅やショットクロック、電子式の火鉢などの、工業用素材や日用品といった身近な物で茶道具を自作し、独自の世界を創り出しました。

会場にはこれも手作りの三つの門に庭(内露地・外露地)、鯉の泳ぐ池(一匹では寂しかった)ボーイング747のトイレをアレンジした雪隠、つくばい、灯籠などが設けられ、そして合板外装の茶室があります。

展覧会入口
01_37
Narrow Gate,2018         Torii(Middle Gate),2015

02_28
Torii(Middle Gate),2015

鳥居?(中門)をくぐって
05_18
手前(Pond Berm,2016)鯉が一匹泳いでました。 左(RAV,2014)雪隠です。 
中央奥(Tumon(Middle Gate),2014  その両脇の壁(Tadao Andou Wall,2019)安藤忠雄が多用する建築素材を意識?
右(Daisu,2013)

06_15
Tumon(Middle Gate),2014   左手前(The Kiss,2019)

ジョニー・フォグさんによるティーレモニーデモンストレーションが行われています。
つくばい(手水鉢)で清めているところ。
03_19
Tukubai,2014   Oke,2015    Ishidoro,2013

012_1
Bonsai,2015 Tea House,2011-12    Mizuya,2015    Ishidoro,2013

茶室の前で・・・ジョニー・フォグ氏と参加した3人。
08_10

茶事 お酒も?懐石も?供されます。電動茶筅登場・・・床の間の掛け軸などの紹介もしていました。(聞き取れなかったけど)
04_17

茶道具
10_3  
最後に3種類の遊びを行って終了。
09_9
釘曼荼羅(釘などで曼荼羅をつくる?)のようです。

こちらも見ましょう。
映像(上映時間13分41秒)Tea Seremony,2017  
11_2
Movie Dome,2019   NASA Folding Chaire,2012

002_9
Chasen, 2015.
Copyright Tom Sachs. Image Credit Genevieve Hanson.

004_11
Shoburo, 2012.
Copyright Tom Sachs. Image Credit Genevieve Hanson.

003_11
Pam, 2013.
Copyright Tom Sachs. Courtesy of Tomio Koyama Gallery.

 

— HPの解説 —
現代の資本主義社会へのアイロニーとユーモアが共存する奇抜で力強い造形作品によって、世界的に注目を集めるニューヨーク在住のアーティスト、トム・サックス(1966- )。本展は、独自のまなざしで日本の文化を見つめ、深いリスペクトを向けるアーティストが、ティーセレモニー(茶会、茶道)に取り組んだもので、2016年にニューヨークのイサム・ノグチ美術館で開催され、好評を博しました。日用品や工業用素材で作られた茶碗、釜、柄杓などの茶道具の数々。水屋、茶室、池なども配され、現代の日用品と「茶の湯」が出会う、ユニークで斬新な展覧会です。外国人アーティストの目に映る、真新しく、しかも楽しい日本の姿は、私たち日本人が見落としてきた価値観や世界観にあらためて気づかせてくれる貴重な機会となるでしょう。多様な価値観の共存が求められる今日、異文化交流の新たな可能性を提起します。

| | コメント (0)

2019.06.08

ルート・ブリュック 蝶の軌跡

001_11  
「ルート・ブリュック 蝶の軌跡」展は、
東京ステーションギャラリーで開催されています。

会期:2019年4月27日(土)〜6月16日(日)

観覧客の男女比がこれほど明確な展覧会も珍しいのでは?
あくまでも私が観に行った日の時間帯での感想ですが、9(女)対1(男)位の感じでした。01_36

さらに余談ですが、
本展は、当初全点撮影可でしたが、早々に「カメラのシャッター音に対する苦情が著しく多いため、3階展示室のみ撮影可能とし、2階展示室での撮影は禁止」になりました。この処置に関しては賛否両論ですね。ほどほどの気遣いは観覧者にも必要な気がします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ブリュックの発想、世界観は、独自の文化や生命観をもつフィンランドの風土と、家庭環境(父親が蝶類の研究者、画家)にあるようです。(夫は世界的デザイナー)

学生時代は建築家になりたいという夢を持ちますが、二人の兄に反対されて断念。グラフィックデザインに転向します。
ブリュック作品の世界観がアラビア製陶所の目にとまり、1942年に美術部門のアーティストとして入所します。

陶芸の経験も知識もなかったブリュックは懸命に技術を習得し、1950年前後に職人たちと共に独自の技術を開発しオリジナルの陶板をつくりました。静物や鳥、建築などのモチーフを描いた陶板作品はミラノ・トリエンナーレでグランプリを受賞するなど高く評価されました。

1950年代後半以降にブリュックの作品は具象から抽象表現に変化します。
もともと建築家志望であったブリュックは、1970年代後半から教会や市庁舎などの建築のための大壁画を手掛けます。膨大な数のタイルを手作業で組み合わせて制作したそのモザイク壁画はモチーフの存在感と場の空気を見事に伝えています。

展覧会の構成は次の通りです。
Ⅰ 夢と記憶
Ⅱ 色彩の魔術
Ⅲ 空間へ
Ⅳ 偉業を成すのも小さな一歩から
Ⅴ 光のハーモニー

05_17 
最後の晩餐 1950-51年頃
ブリュックは1951年のミラノ・トリエンナーレに、本作を含む作品群んを出品してグランプリを獲得。次の1954年のミラノ・トリエンナーレで教会が主催した特別展に招待されたのは、宗教的なテーマや荘厳な作風が評価されたためだろう。(キャプションを参考にしました)

02_27
イースターの鳥 1950年
焼成後に生じるひび割れに色素を染み込ませることでそれを強調し、深みのある表現としている。ブリュックの作品には初期から鳥のモティーフが頻出し、多様なスタイル、多様な姿で陶板に登場するほか、鳥そのものを立体的に表した作品もある。(キャプションを参考にしました)

03_18
ライオンに化けたロバ 1957年
1940年代末から実践してきた型取りによる鋳込み成形作品の到達点といえる秀作。イソップ童話に基づく作品名。一見強面だがやさしい夫がモデルだという説もある。(キャプションを参考にしました)

04_16
お葬式 1957-58年
6名の黒衣の人物が、花輪で装飾された棺を担いでいる。1957年1月に父親を亡くしたブリュックの喪失感は大きく、この作品は彼女が自分自身のために制作したものといえる。花リネア(リンネ草)があしらわれている。ブリュックのミドルネーム「リネア」は亡き父フェリクスが娘に与えた。(キャプションを参考にしました)

夫妻で海外を旅して、多くの作品を残しています。
08_9
シチリアの教会 1951年  1952-53年

家庭を大事にしたブリュックです。 聖母子それとも・・
07_9
母子 1950年代

002_8
蝶 1957年

003_10
スイスタモ(部分) 1969年 

004_9 
都市 1958年

005_6 
黄金の深淵 1969年

―HPの解説—
北欧・フィンランドを代表するアーティスト、ルート・ブリュック。名窯アラビアの専属アーティストとして約50年にわたって活躍し、初期の愛らしい陶板から膨大なピースを組み合わせた晩年の迫力あるモザイク壁画まで、幅広い作品を手がけました。重厚でエレガントな釉薬の輝きと、独自の自然観にもとづく繊細な図や形態は、今も多くの人々を魅了しています。
本展は、約200点のセラミックやテキスタイルなどを通じて、その多彩な仕事を日本で初めて網羅する展覧会です。初期と後期でドラマティックに変わる作風の謎、たしかな伝統技術に裏打ちされた細やかな凹凸による動きなど、実物の作品は皆さまにいくつもの発見を促すでしょう。作品の空間効果にこだわったブリュックにちなんだ、ダイナミックな展示構成も予定しています。ブリュック没後20年、日本-フィンランド外交樹立100周年の2019年春。「明るく、かわいい」印象で語られがちな「北欧・フィンランド」のイメージを刷新する展示をご期待ください。

 

| | コメント (0)

2019.06.06

六古窯 —〈和〉のやきもの

01_31

「六古窯 —〈和〉のやきもの」展は
出光美術館で開催されています。

会期 2019年4月6日(土)~6月9日(日)

中世から現在まで焼きもの作りが続く瀬戸(愛知) 、越前(岡山)、信楽(滋賀)、丹波(兵庫)、備前(福井)は六古窯と称され、小山富士夫が命名しました。圧倒的なシェアの美濃焼(岐阜)以外にも伝統的な焼き物があることを紹介する意味で・・・・

中世の人々にとっては必需品で三種の神器といえる壺・龜・擂鉢の素朴な趣は、桃山時代には茶の器としても注目され、近現代では、観賞用の陶器としても愛でられるようになりました。

本展では、奈良時代から江戸時代までの各地でつくられてきた陶器を中心に、中世の焼き物に影響を与えた朝鮮、中国の焼き物も交えて展示しています。

展覧会の構成はつぎの通りです。
第1章 中世陶器の系譜 ―瓷器系・須恵器系・土師器系
第2章 六古窯と中世諸窯
第3章 中世陶器の系譜から発展した茶陶
第4章 中世の人々が好んだ唐物
第5章 後世の眼が見た中世のやきもの

特集展示① 中世のひとびとの〈こころ〉
特集展示② おおきいやきもの
特集展示③ 茶入

02_22
大壺 常滑窯 日本 平安時代後期 出光美術館
よく焼締った茶褐色の地肌の上に、肩から胴に黄緑釉の自然釉が勢いよく滴り落ちている。常滑窯で作られた粘土紐を積み上げて成型した大振りの壺。(キャプションから)

03_14
壺 備前窯
日本 室町時代後期
兵庫陶芸美術館(田中寛コレクション)  
本作品は長胴で口縁部は玉縁状を呈する備前の壺である。紐作り成形の後に胴部は横向きの箆けずりによる調整が行われている。堅牢で壊れにくい備前焼(壺・龜・鉢など)は日常生活具として需要が高く全国に流通した。(キャプションから)

04_12
双耳壺 越前窯 日本 室町時代 福井県陶芸館
高さ40㎝を超える大型の越前窯の双耳壺である。熟練した作りてでさえもコントロールできない、土と炎の格闘の中で生み出された「やきもの」の姿を感じさせるうつわ。(キャプションから)

05_14  
 唐物肩衡茶入 銘 道阿弥 福建系 中国 南宋時代 出光美術館
 
06_12
筒茶碗 信楽窯 日本 桃山時代 出光美術館 
信楽窯のものは、村田珠光が古市播磨に宛てた消息中の「志からき者」の言葉に見られるように、茶の湯のうつわの世界では備前窯同様に早くから用いられてきた。16世紀後半の天正年間頃まではもっぱら和物の中では信楽と備前が中心であった。(キャプションから)

07_7
灰釉葦鷺文三耳壺 渥美窯 日本 平安時代 重要文化財
愛知県陶磁美術館(財団法人 松永記念館寄贈)

08_7  
青磁袴腰香炉 龍泉窯

09_8
鬼桶水指 日本 信楽窯 桃山時代 愛知県陶磁美術館
鬼桶水指は麻の繊維(苧:かむらし)を水に浸けてほぐすための農業用具の「緒桶」を水指の見立て、それが「鬼桶」の名称がついたとされる。室町時代後期頃から、この様に日常用の質素な道具が茶の湯の道具として取り上げられるようになり、唐物至上主義からの脱却という新しい展開をみせている。(キャプションから)

 

展示概要(HPから)
素朴ながらも豪快で力強さを備える中世のやきもの。その表面は素材の土の色、窯の中で焼成(しょうせい)されるときに炎の熱を受けて生じた緋色、人智の域をこえて流れる釉薬(ゆうやく)の表情が特徴的です。まるで生命がやどっているかのような個性が魅力となっています。
なかでも平安時代後期から鎌倉・室町時代といった中世に生み出され、現代に至るまでやきもの作りが続いている瀬戸(せと)、常滑(とこなめ)、越前(えちぜん)、信楽(しがらき)、丹波(たんば)、備前(びぜん)は六古窯と称され、日本的なやきものとして親しまれてきました。2017年には文化庁の「日本遺産」にも選定されています。これらの中世のやきものは、伝統的な技術に加え、中国や朝鮮半島など唐物をはじめとする舶来の文物に影響を受けながらも、各地で独自のスタイルを生みだしました。
作られたやきものは、壺・甕(かめ)・擂鉢(すりばち)など当時の人々の生活の必需品であり、中世の人々の生活にとっては三種の神器ともいえるものです。その伝統は桃山・江戸時代へ継承されていきます。一方で、日常のうつわであったものが、桃山時代には茶の湯のうつわとしても注目されました。さらに近現代においては実際に使用するわけではなく、鑑賞する陶器としても愛でられるようになります。このように六古窯に代表される中世のやきものは、各時代の人々の社会や日常生活の中に溶け込みながら、日本における伝統文化・価値観の中で美や魅力をみいだされてきたのです。
本展では、中世のやきものに影響を与えた青銅器、中国陶磁、茶道具などもあわせて展観し、中世のやきものの世界へ誘います。

| | コメント (0)

2019.06.04

護衛艦ゆうぎり見学会(横浜開港祭2019)

01_35

横浜で用事を済ませて寄り道です。
特に関心を持っているわけではありませんが、なんでも見てみようということで・・・・
護衛艦ゆうぎり見学会(横浜開港祭
2019)は、
大桟橋で2019年6月1日(土)、2日(日)の両日行われました。

あまり触れたく無い分野という風潮があるように思いますが・・見学会は人気ありますよ!
私が見学に行った時間帯では30分待ちでした。

今回は、カメラを持って行きました。ミラーレス一眼カメラで撮った写真と動画です。
02_26
口径76mm単装速射砲

03_17
76mm砲用弾薬包(模擬弾)

04_15
レーダー OPS-14C 対空 OPS-28C 水上 OPS-20 航海用 81式射撃指揮装置2型-22A/2型-12E

001_10
アスロックランチャー
005_5


002_7
魚雷発射管

003_9  
ハーポーン(艦対艦ミサイル発射装置)

004_8
シースパローミサイル発射装置

 

(以下はWikipediaから)
ゆうぎり(ローマ字:JS Yugiri, DD-153)は、海上自衛隊の護衛艦。あさぎり型護衛艦の3番艦。艦名は「夕方に立つ霧」(夕霧)に由来し、旧海軍の東雲型駆逐艦「夕霧」、吹雪型駆逐艦「夕霧」に続いて日本の艦艇としては3代目。

基本情報(Wikipediaから)
建造所  住友重機械追浜造船所浦賀工場
運用者  海上自衛隊
艦種 汎用護衛艦(DD
級名 あさぎり型護衛艦
母港 横須賀基地
所属 護衛艦隊第11護衛隊

艦歴
発注 1984
起工 1986225
進水 1987921
就役 1989228

要目
基準排水量 3,500 トン
満載排水量 4,900 トン
全長 137m
最大幅 14.6m
深さ 8.8m
吃水 4.4m
機関 COGAG方式
主機 川崎ロールス・ロイスオリンパスSM1Aガスタービン× 4
出力 54,000PS
推進器 スクリュープロペラ× 2
最大速力 30ノット

乗員 220

兵装
62口径76mm単装速射砲× 1
Mk.15 Mod2 高性能20mm機関砲(CIWS)× 2
ハープーンSSM4連装発射筒× 2
GMLS-3A シースパロー短SAM8連装発射機× 1
74式アスロック8連装発射機× 1
683連装短魚雷発射管× 2

搭載機
HSS-2B/SH-60Jヘリコプター× 1

C4ISTAR
OYQ-7B-1 戦術情報処理装置
OYQ-101 対潜情報処理装置
SFCS-6C 水中攻撃指揮装置

レーダー
OPS-14C 対空
OPS-28C 水上
OPS-20 航海用
81式射撃指揮装置2-22A/2-12E

ソナー
OQS-4A
OQR-1 曳航式

電子戦・対抗手段
NOLR-8 ESM
OLT-3C ECM
Mk.137 デコイ発射機× 2

その他
AN/SLQ-25 曳航式デコイ

| | コメント (2)

2019.06.03

観てきた展覧会備忘録 2019年5月

THE BODYー身体の宇宙ー
会期 2019年4月20日(土)〜6月23日(土)
町田市立国際版画美術館

町田市立博物館最終展—工芸美術の名品
会期 2019年4月20日(土)〜6月16日(日)
町田市立博物館

映画イラストレーター 宮崎裕治の仕事
会期: 2019年4月23日(火)〜8月25日(日)
国立映画アーカイブ

福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ
会期 2019年3月12日(火)~ 2019年5月26日(日) 
東京国立近代美術館

The 備前―土と炎から生まれる造形美―
会期 2019年2月22日[金]〜5月6日[月・休]
国立近代美術館工芸館

鎌倉禅林の美 円覚寺の至宝
会期 2019年4月20日(土)〜6月23日(日)
三井記念美術館

束芋「透明な歪」
会期 2019年4月26日(金)〜6月2日(日)
ポーラミュージアム・アネックス

六古窯 〈和〉のやきもの
会期2019年4月6日(土)〜6月9日(日)
出光美術館

クリムト展 ウィーンと日本 1900
2019年4月23日(火)〜7月10日(水)
東京都美術館

六本木アートナイト2019
会期 5月25日(土)・26日(日)

印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション
会期 2019年4月27(土)〜6月30日(日)
Bunkamuraザ・ミュージアム

佐賀・長崎のやきものめぐり
会期 2019年4月6日(土)~6月20日(木)
戸栗美術館

美を紡ぐ 日本美術の名品 ー雪舟、永徳から光琳、北斎まで
会期 2019年5月3日(金)〜6月2日(日)
東京国立博物館

100年前の東京と自然 プラントハンター ウィルソンの写真から
会期 2019年4月13日(土)〜6月16日(日)
国立科学博物館

| | コメント (0)

2019.06.02

日本刀の華 備前刀

01_34
「日本刀の華 備前刀」は、
静嘉堂文庫美術館で開催されています。

会期 2019年4月13日(土)~6月2日(日)

会期末が近い土曜日だからでしょうか?駐車場満車、チケット売り場に行列、ショップにも行列です。
勿論展示会場でも行列。

刀剣ファンに、特別展示の「国宝曜変天目茶碗」目当ての観覧客も加わってのことでしょうか?
「曜変天目」展示ケースの前にも行列ができていて、館員がストップウオッチ?片手に観覧客10人づつ誘導。確か制限時間一分程度だったと・・・
001_9
国宝「曜変天目」 中国・南宋時代(12〜13世紀)

静嘉堂文庫美術館には頻繁に行っているつもりですが、これほどの盛況ぶりは初めての経験でした。

展示会場には、単眼鏡で熱心に鑑賞する刀剣女子?懐中電灯持参で、光を当て鑑賞する人も居て・・・・皆さん熱心。

刃長、反り、切っ先、刀文、身幅を中心に見てきましたが、身幅が狭く頼りないと思えるくらいな刀剣も数振りあって、その繊細な作り、景色が素晴らしかったです。身幅は細め(極端な細身ではなく)、適度な反り、そして刀文は直刀に小乱れが私の好みです。
02_25
03_16  

品の良い、素晴らしいの数々の刀装具も展示されています。
04_14 
後藤栄乗「二疋狗図二所物」 桃山〜江戸時代(17世紀)
05_16
後藤「黄石公張良図鍔」(無銘) 江戸時代17世紀 

展示品一点一点に丁寧な解説と「見どころ」の図示があって、分かりやすい展覧会というのも静嘉堂文庫美術館の刀剣展示の特徴だと思います。

また、4頁の図説・刀剣観賞の手引き(毎回同じもの?)も頂け、鑑賞の参考になります。
06_14
展覧会の構成は以下の通りです。
[ 古備前 謎多き刀工たち ]
日本刀の様式が確立した平安時代十世紀後半頃から鎌倉時代初期にかけて活躍した備前刀初期の数多の刀工たちを総称して「古備前」と言う。(キャプションから部分引用)

[一文字派 黄金時代の日本刀]
鎌倉時代初期、備前の則宗とその一門は、後鳥羽上皇に招聘され「御番鍛冶」として鍛刀し、名声を得る。一門は、天下一を意味すると言う「一」の文字を中心に刻んだことから一文字派と呼ばれた。(キャプションから部分引用)

 [長船派 不動の大工房] 
文字派全盛の鎌倉時代中期に登場し、非凡な才能を発揮した光忠は、長船に住して門下に優工を輩出し、一派を形成した。その作風は耽美的な一文字はと異なり、美と実用性を兼ね備えたという。(キャプションから部分引用)

 [鎌倉・南北朝の名工たち 国宗・畠田・鵜飼・元重・吉井 ]

鎌倉中期以降長船周辺を拠点としながらも、長船派とは系統・作風を異にした刀工たちが、直宗派の国宗や畠田派の守家、真守である。(キャプションから部分引用)


— HPの解説 —
日本刀の主要製作地(山城・大和・備前・相模・美濃)のうち、備前(岡山県南東部)は、上質な原料や水運の利に恵まれ、平安時代より優れた刀工を輩出し、圧倒的な生産量を誇ったことから、今日「刀剣王国」と称されています。備前刀の特徴は、「腰反(こしぞ)り」の力強い姿と、杢目(もくめ)を主体とした精緻な地鉄(ぢがね)に、「丁子乱(ちょうじみだ)れ」と呼ばれる変化に富んだ刃文とされています。その豪壮にして華やかな作風は、鎌倉武士や戦国武将たちをはじめ、多くの人々を魅了してきました。
本展では、「備前刀の宝庫」として知られる静嘉堂の蔵刀を中心に、重要文化財4振、重要美術品11振を含む在銘作約30振を精選し、「古備前(こびぜん)」と呼ばれる初期の刀工群から、一文字・長船・畠田・吉井・鵜飼など各流派による作風の展開をたどっていきます。あわせて、江戸時代に幕府の御用をつとめた後藤家歴代とその門流(脇後藤)による刀装具を展示します。さらに国宝「曜変天目(「稲葉天目」)」を特別出品いたします。

 

| | コメント (2)

« 2019年5月 | トップページ | 2019年7月 »