特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」
特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」は、
東京国立博物館 平成館 特別展示室で開催されています。
会期:2019年3月26日(火) ~ 6月2日(日)
弘法大師空海の伝説は各地に5000以上あると言われていて、その威徳の拡がりが偲ばれます。
私も度々訪れた丹沢にも伝説の地は所々にあります。その名もずばり「弘法山」は、空海が修行した山だそうで、桜の名所。ハイキングコースになっています。
この展覧会のタイトルにある「仏像曼荼羅」
東博の仏像展示は定評があり、期待して行かれる方も多いと思います。
この展覧会も素晴らしい、壮観の展示です。
空海が作り上げた曼荼羅の世界を体感できる東寺講堂安置の21体の仏像からなる立体曼荼羅のうち、史上最多となる国宝11体、重文4体、合計15体が展示されていて、一体一体、360度隈無く鑑賞できます。
帝釈天のみ撮影可能でした。(スマホで撮影)
国宝 帝釈天騎象像 木造、彩色 平安時代・承和6年(839) 東寺
甲を着け、雷を象徴する武器である金剛杵を手にする仏法の守護神。インドの神であるインドラ神が仏教に取り入れられ、帝釈天となった。象に乗る姿はインド風で、空海がもたらした新しい表現である(キャプションから)
密教は文字通り秘密の教えですから、言葉で表すのは難しいと考えた空海は図画を用いて理解する必要があると考えました。密教美術にすぐれた作品が多い所以です。
代表的なものには両界曼荼羅があり、本展でも4メートル以上ある曼荼羅が展示されました。
胎蔵界曼荼羅
( 全宇宙を表しています。中心にいるのが全宇宙を司る大日如来。大日如来を取り囲むように描かれているのは400もの神と仏たち。すべて大日如来がが姿を変えたものです。様々な姿の神、仏が描かれていて、そのすべてを大日如来の慈悲として受け止める、それが密教の教えです)
金剛界曼荼羅
(心の世界を表しています。悟りに到達するための様々な段階が表されています。)
国宝 両界曼荼羅図
(西院曼荼羅[伝真言院曼荼羅]
平安時代・9世紀 京都・東寺蔵
展示期間:4月23日(火)~5月6日(月・休)
目玉展示の一つが後七日御修法(ごしちにちみしほ)堂内再現展示です。
両界曼荼羅のもとに祭壇が設けられ、邪気や魔物が堂内に入らないように周囲を五大尊像が守ります。
空海は、正月に宮中で修される後七日御修法を始めました。現在は東寺で行われますが、真言宗で最も重要で、かたく秘された儀式です。(NHK新日本美術館で後日御修法の様子が、先日放送されました)
国宝 密教法具
中国 唐時代・9世紀 京都・東寺蔵
金剛盤の上に五鈷鈴と五鈷杵(ごこしょ)を据えた密教法具のセット。
この法具は、空海が帰国するに際して、師の恵果(けいか)が授けた法具類の一部と考えられるものです。今も東寺灌頂院の道場で行われる後七日御修法では、大阿闍梨の道具として重要視されています。
空海は平安時初期の三筆とされる能書家ででもありす。
空海と最澄の決別に至る交友は小説に表されたり、研究対象にもなっていますが、本展には、風信帖が展示されています。
空海から最澄に宛てた3通の書状を貼り継いだもので、第一通書き出しの「風信雲書…」の文言から「風信帖」と通称されます。
国宝 風信帖(第一通)(部分)
空海筆 平安時代・9世紀 京都・東寺蔵
展示期間:3月26日(火)~5月19日(日)
密教をもっと知りたくなるような充実した展覧会です。
何年か前に途中まで読んでそのままになっている「司馬遼太郎の小説・空海の風景」読み直してみるかな~
展覧会の構成は次の通りです。
第1章 空海と後七日御修法(ごしちにちみしほ)
第2章 真言密教の至宝
第3章 東寺の信仰と歴史
第4章 曼荼羅の世界
— HPの解説 —
東寺(教王護国寺)は、平安京遷都に伴って、王城鎮護の官寺として西寺とともに建立されました。唐で新しい仏教である密教を学んで帰国した弘法大師空海は、823年に嵯峨天皇より東寺を賜り、真言密教の根本道場としました。2023年には、真言宗が立教開宗されて1200年の節目を迎えます。
本展は、空海にまつわる数々の名宝をはじめ、東寺に伝わる文化財の全貌を紹介するものです。空海が作り上げた曼荼羅の世界を体感できる講堂安置の21体の仏像からなる立体曼荼羅のうち、史上最多となる国宝11体、重文4体、合計15体が出品されるほか、彫刻、絵画、書跡、工芸など密教美術の最高峰が一堂に会します。東寺が1200年にわたり、空海の教えとともに守り伝えてきた至宝をご堪能ください。
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