福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ
「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」は、
東京国立近代美術館で開催されています。
会期 2019年3月12日~5月26日(日)
福沢一郎は、早描きの画家ですが、書き始めるまでに様々な資料・文献を読み込み、検証を重ねて絵画表現へと収束させていきます。
主題表現の画家とよく称される所以です。
福沢一郎(1898〜1992)は東京帝国大学文学部に入学しますが彫刻家朝倉文夫に師事します。関東大震災を機にフランス留学を思い立ち1924年から7年間パリで過ごしました。アンドレ・ブルドンがシュルレアリズム宣言を発表したのが1924年9月。福沢は大きな刺激を受けます。フランス滞在中に福沢は彫刻から絵画へと作品制作を変えて、国内外の展覧会に精力的に出展しました。
帰国後、美術文化協会を結成するなどして精力的に活動する中で、シュルレアリズムと共産主義の関係を疑われて、1941年に治安維持法違反容疑で6っカ月間拘留されてしまいます。
戦後も国内外で精力的に活動、制作を行い、無所属となった1957年以降も人間や社会をテーマにおう盛な制作活動を展開しました。
福沢一郎の作品は、多摩美術大学美術館でよく見てきたのですが・・・福沢は多摩美術大学、女子美術大学で長い間学生の指導も行いました。
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福沢一郎(1898-1992)は、1930年代の日本にシュルレアリスムを紹介して前衛美術運動のリーダーとして活躍し、生涯を通じて社会批評を作品として表現し続けました。
「謎めいたイメージ」の中に知的なユーモアをまじえ、社会の矛盾や人びとの愚かさを諷刺的に笑いとばした福沢の多彩な画業を約100点の作品で振り返ります。
本展は、福沢一郎が社会に対して、あるいは人間そのものに対して、どのような批評の眼を向け、そして持ち前のユーモアのセンスで作品化していったかを、時代順に10章に分けて紹介します。
(HPから)
展覧会の構成は以下の通りです。
1. 人間嫌い:パリ留学時代
2. シュルレアリスムと諷刺
何度も見てきた作品です。福沢一郎と言うとこの絵を思い出すのですが・・・・
《四月馬鹿》1930年 東京国立近代美術館
3. 帰国後の活動
4. 行動主義(行動的ヒューマニズム)
《牛》1936年 東京国立近代美術館
5. 戦時下の前衛
6. 世相をうつす神話(1)
《敗戦群像》1948年 群馬県立近代美術館
7. 文明批評としてのプリミティヴィスム
《埋葬》1957年 東京国立近代美術館
この作品のみ撮影可能です。スマホで撮りました。
8. アメリカにて
9. 世相をうつす神話(2)
《トイレットペーパー地獄》1974年 群馬県立近代美術館
10. 21世紀への警鐘
《悪のボルテージが上昇するか21世紀》1986年 富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館蔵
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展覧会の前半の作品の前では、しばし考え込んでしまうことが多くて・・・・・
7章以降のメキシコ訪問あたりから、描かれた作品の豊かな色彩と、分かり易い主題と構図に興味を惹かれました。
「福沢一郎の魅力を再発見したかな〜」そんな気にさせてくれた展覧会です。
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