キスリング展 エコール・ド・パリの夢
「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」は、
東京都庭園美術館で開催されています。
会期 2019年4月20日(土)〜 7月7日(日)
「モンパルナスのプリンス」と呼ばれたコロリスト、キスリング(1891〜1953)。
ポーランドのクラクフで生まれ、19歳でパリに渡ったキスリングは、ピカソ、ジョルジュ・ブラック、モディリアーニ、パスキン、藤田嗣治などと親交を持ちました。社交的で人望のあったキスリングには、早逝の親友モディリアーニの葬儀費用を負担したというエピソードも残しています。この時代に活躍した画家の宿命のように第一次世界大戦ではフランスの外人部隊に参加して負傷し、第二次世界対戦ではユダヤ人であったこともあって、一時期アメリカに身を移しました。1946年フランスに戻り1953年にて没しています。
キスリングは多くの肖像画を描きました。透明感のある色彩豊かな画面に、アーモンド型の瞳は正面を見つめることなく憂いを帯びています。背景の配色にも注目して鑑賞してきました。
静物画、風景画ににも見入ってしまう作品が多く展示されています。絵肌が面白い作品、同時代画家の影響などなど、肖像画も含めてキスリングの見事な個性を楽しんできました。
国内で12年ぶりの「キスリング展」、2007年に私はそごう美術館で観ているのですが・・・・・
大好きなキスリングの作品が、アール・デコの内装にどのように映えるのか?この美術館での楽しみのひとつでもありす。
《サン=トロペでの昼寝(キスリングとルネ)》 1916年 油彩・カンヴァス プティ・パレ美術館 / 近代美術財団、ジュネーヴ
《赤い長椅子に横たわる裸婦》 1918年 油彩・カンヴァス プティ・パレ美術館 / 近代美術財団、ジュネーヴ
《ル・ベック氏の息子》 1926年 油彩・カンヴァス 熊本県立美術館
《ベル=ガズー(コレット・ド・ジュヴネル)》 1933年 油彩・カンヴァス カンティーニ美術館、マルセイユ
《花》 1939年 油彩・カンヴァス ギャルリーためなが
《姉妹》 1950年 油彩・カンヴァス DIC川村記念美術館
《果物のある静物》 1953年 油彩・カンヴァス 国立近代美術館ポンピドゥー・センター、パリ
― HPの解説から ―
エコール・ド・パリを代表する画家、キスリング(Kisling 1891-1953)。ポーランドのクラクフで生まれたキスリングは、美術学校を卒業後、19歳でパリに出ました。モンマルトルやモンパルナスで、ピカソ、ジョルジュ・ブラック、モディリアーニ、パスキン等、多くの芸術家と知り合います。初期はキュビスムの影響も受けましたが、キュビストのように現実世界から離れることには抵抗し、すぐに主題を写実的に表わすようになります。そしてイタリアやフランドルの古典的な絵画に積極的に学び、1920年代の絵画に見られる秩序への回帰の動きに同調していきました。
風景画、静物画、裸婦などにおいて独自のスタイルを発展させていきましたが、なかでも肖像画にその特徴が最もよく表れています。丁寧な筆致による洗練されたレアリスムと、静謐なムードに満ち、輝かしく官能的な色彩によって、キスリングはエコール・ド・パリの重要な芸術家として位置付けられるのです。本展では1920~30年代のパリで「モンパルナスのプリンス」と呼ばれ、時代の寵児となったキスリングの画業を滞米時代の作品を含む約60点の作品により振り返ります。
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