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2019.05.31

科博NEWS展示「さようならキログラム原器―「はかる」単位、130年ぶりの大改定」

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トーハクの企画展を観た後、国立科学博物館に寄り道したら興味を惹かれる展示がありました。

科博NEWS展示「さようならキログラム原器―「はかる」単位、130年ぶりの大改定」

6月16日(日)までの展示です。

科博の企画に関連する放送をNHKはよく行いますが、この件について「又吉直樹のヘウレーカ なぜ単位はいるのだろう?」の中で取り上げていました。(5月29日放送。再放送5月31日(金)午前0時15分〜)予告動画はこちら 

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色々と復習してみましたが、未だに今回の定義について理解しきれません。これも楽しいので、分かるまで頑張りますが自信ありません!

人工物は不変ではありません。絶対不変な定義(キログラムの定義にプランク定数)に130年ぶりに改定した所以ですね。

測定技術の進化が定義を変えます。

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2018年11月にフランスで開かれた第26回国際度量衡総会で、国際単位系(SI)の基本単位の定義変更が決まりました。新しい定義は今年5月20日から施行されます。

4つの単位の定義が同時に変更になります。
時代とともに単位も変わります。

長さや質量(重さ)など、さまざまな量を「はかる」には、基準となる「ものさし」が必要です。この「ものさし」は、国際的な研究協力を通じて少しずつ改定されてきた歴史があります。今回の改定は重要な「ものさし」であるキログラム、モル、アンペア、ケルビンという4つの単位の定義を同時に変えるもので、特にキログラムは約130年ぶりの見直しとなりました。

人工物から自然法則へ
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キログラム原器 レプリカ(展示品をスマホで撮影)
中央にある金属製の円柱が1kgである。日本のキログラム原器の実物は、メートル原器とともに、産業技術総合研究所(茨木間つくば市)に保管されている。

日本からの貢献
「1キログラム」はこれまで、国際キログラム原器と言う人工物の質量で定義されていましたが、今回の改定により、基礎物理定数の1つである「プランク定数」を使った定義に変わりました。モル、アンペア、ケルビンの新しい定義もそれぞれ「アボガドロ定数」「電気素量」「ボルツマン定数」という基礎物理定数にもとづいています。このうちキログラムの定義間改定には日本の産業技術総合研究所が大きく貢献しました。

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理解するために・・・・

つまり、ブランク定数の不確かさがゼロになったからということにより、

プランク定数に基づく定義では、静止エネルギーと質量の関係式 E = mc2 を用いて、ある振動数 ν の光子のエネルギー (E = hν) と等しい静止エネルギーを持つ物体の質量を1キログラムと定義する。すなわち、
キログラムは周波数が {(299 792 458)2/6.626 069 57}× 1034 ヘルツの光子のエネルギーに等価な質量である。

h = 6.62607015×10−34 J s (一秒あたりのエネルギー)

アボガドロ定数とは、物質量 1 mol を構成する粒子(分子、原子、イオンなど)の個数を示す定数である。国際単位系(SI)における物理量の単位モル(mol)の定義に使用されており、その値は正確に 6.02214076×1023 mol−1と定義されている。

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1、特別な球を用意する
アボガドロ定数を正確に決めるには、極めて純度の高い物質を用意し、その密度を正確に求める必要があります。密度は質量÷体積で、質量は天秤で正確に決められるので、体積を正確に「はかる」ことが重要になります。このために用意されたのが、特別なシリコンを材料とする、ほとんど完璧な球体です。
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単結晶シリコン球体 レプリカ(展示品をスマホで撮影)

極めて純度の高いシリコン(ケイ素)の単結晶を真球に精密研磨加工したもの。質量の単位「キログラム」の新しい定義の基礎になったブランク定数を測定するために、産業技術総合研究所で使用された。 

2.体積をはかる
球の体積を求めるために、レーザー干渉計という装置を使い、直径を正確に測ります。球を回転させ、さまざまな方向から直径をはかり、平均直径から体積を計算します。温度がわずかでも変わると球が膨らんだり縮んだりしてしまうため、球体の温度を一定に保ち、その温度も正確にはからねばなりません。
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(展示パネルから)
 

3.表面をはかる
球の表面は、シリコンが空気中の酸素と結びついた薄い膜で覆われています。膜の厚さはわずか数ナノメートルですが、アボガドロ定数を正確に求めるには、膜の部分を除いたシリコンのみの部分の密度をはからねばなりません。そのため特別な分析装置を開発して、膜を構成する物質の種類や膜の厚さをはかりました。
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(展示パネルから)

4.問われる総合力
当初、アボガドロ定数を決定する研究は、産総研を含む8カ国の研究機関が参加した国際プロジェクトによって行われました。しかし、最終的にアボガドロ定数を十分な精度で求められたのは産総研とドイツの研究機関だけでした。「はかる」ことは、実は、様々な技術を駆使して行う高度な科学研究でもあるのです。
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(展示パネルから)

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2019.05.29

トーハク特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」関連展示 密教絵画を中心として

密教となると、理解不可能と分かってはいますが・・興味はあります。先日観てきたトーハク特別展「国宝 東寺・空海と仏像曼荼羅」はとても素晴らしい展覧会で大いに刺激を受けました。

「国宝 東寺・空海と仏像曼荼羅」は会期末(2日)が迫っていることもあって、平成館前にはテントが張られて、入場待ちの行列ができていました。
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ということで、以下の関連展示も興味津々で鑑賞してきました。そしてスマホで撮ってきました。

 密教絵画を中心として

会期 2019年4月23日~6月2日

この展示期間は、絵画は特別展「国宝 東寺・空海と仏像曼荼羅」に関連した密教絵画を中心にした展示をします。
密教絵画に特有の曼荼羅図、曼荼羅の中に登場する菩薩や明王などを単独、あるいは何体か一組で描いた画像、密教の流れを示す祖師像、密教の影響を受けて日本の神を表した曼荼羅などを展示します。(キャプションを引用)

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両界曼荼羅図 絹本着色 鎌倉時代・14世紀 遠藤久雄氏寄贈

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重要文化財 弥勒曼荼羅図 絹本着色・13世紀 東京・霊雲寺

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重要文化財 虚空蔵菩薩 絹本着色 鎌倉時代/13世紀 武藤山治氏寄贈

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重要文化財 般若菩薩像 絹本着色 鎌倉時代・13世紀

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五代尊像 絹本着色 室町時代・15世紀

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(左)十二天像(毘沙門天)絹本着色 南北朝時代・14世紀
(右)十二天像(梵天)絹本着色 南北朝時代・14世紀

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熊野曼荼羅図 絹本着色 室町時代・15世紀 三重・西来寺伝来

 

本館14室で開催中の「密教彫刻の世界」もお勧めです!
会期  2019年3月19日(火)~2019年6月23日(日)

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2019.05.26

六本木アートナイト2019

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六本木アートナイト2019

会期 2019年5月25(土)〜26日(日)

夜の旅 昼の夢
六本木の街に拡がる現代アート、パフォーマンス、映像、音楽などの多様なアート作品。アートを巡る一夜限りの旅に出ましょう。街を彩るアートが創造するのは時空を超えた体験。この旅の終わりに見る夢はどのようなものなのでしょう。六本木の街なかを移動する赤い玉、巨大バルーン、光る鳥、浮遊する岩など、世界各地から集まった約80点のインスタレーションやパフォーマンスとともに「夜の旅、昼の夢」をどうぞお楽しみください。(今回の開催テーマから)

10回目を迎えた六本木アートナイト、私は皆勤ですが、いつもコアタイム(18:00〜翌日6:00)の始まり2〜3時間程度しか観ていないので、本当の楽しみ方は知らないのかもしれません。

午後の早い時間に、サントリー美術館にも行ったのですが、大変混んでいて見終わって美術館外に出ると、入場制限、行列ができていました。夕方以降はアートナイト鑑賞者が益々増えてきて今年も盛況でした。

今年も、撮影してきましたので、投稿します。
コアタイム・キックオフセレモニーの後に行われた公演の後半部分です。
スペイン・バスク地方の伝統打楽器チャラパルタを操るグループ。チャラパルタは一見ただの木や石の板だが、二人一組で対話をするように奏でることで複雑なリズムとメロディを生む。彼らのドキュメンタリー映画「Nomadak Tx」は14もの国際映画祭で受賞を果たした。2000年と2013年に来日公演を行い、2016年には新国立劇場のダンス公演、平山素子『Hybrid -Rhythm & Dance』の音楽を担当した。(HPから)

六本木アートナイトは六本木ヒルズ、東京ミッドタウン周辺を中心に各種パフォーマンス、インスタレーションが行われますが、私は先ず,国立新美術館→東京ミッドタウン→六本木交差点→六本木ヒルズの動線で移動します。その後は行ったり来たりです。
25日に行われたイベント、パフォーマンスを撮ってきました。

 

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2019.05.25

生後4か月のアビシニアコロブス(上野動物園)

シャンシャンにも会いたいけど、相変わらず60分以上は並ばなくてはなりません。アビシニアコロブスの赤ちゃん大きくなってるかな~、こちらも気になって見てきました。誕生後しばらくは白い体色にクリクリの眼が可愛くて・・親からひと時も離れませんでした。
生後4ヶ月になるアビシニアコロブスは、大人のアビシニアコロブスと体色も同じミニチュアになっていて、活発に動き回るその姿は可愛らしく、益々の人気者です。

5月にスマホで撮った動画です。

2月にスマホで撮った動画です。

名称
アビシニアコロブス
飼育園館
上野動物園
生息地
中央アフリカの深い森林
体の大きさ
体長50〜70cm、尾長60〜80cm、体重はおとなのオスで約12kg
えさ
草食性で、主に木の葉や皮、花を食べています。動物園では、木の枝や葉、りんご、バナナ、じゃがいも、にんじん、卵などをあたえています。
特徴
黒と白のコントラストが美しく、目をひきますが、深い森の中では、この色の組み合わせが見つかりにくいものになっています。森林の樹上に、数頭から数十頭でくらしていて、めったに地上にはおりてきません。三つにくびれた大きな胃をもち、主食の木の葉の消化に役立ちます。生まれたばかりの子どもは全身がまっ白です。

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2019.05.23

「町田市立博物館最終展 ―工芸美術の名品―」

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「町田市立博物館最終展 ―工芸美術の名品―」

会期  2019年4月20日(土)〜年6月16日(日)

町田市立博物館は、とてもよい企画展を多く開催してきた、こじんまりとした博物館という印象です。
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開館から45年を迎えた現在の建物で最後の展覧会です。
新たに「町田市立国際工芸美術館」として町田市国際版画美術館隣接地に2024年に開館する予定です。

ローカルなイメージの今の博物館が好きなんだけどな~

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第一展示室(入口から右、中央の展示ケース)

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第一展示室(左の展示ケース)

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第二展示室(入口から右側の展示ケース)

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第二展示室(中央から左の展示ケース)

003_7  第二展示室(奥から入口方向を見た展示風景)

町田市立博物館の<コレクションのあゆみ>と作品鑑賞の要点を 紹介する展覧会です。
この博物館で開かれた過去の展覧会を懐かしみながら鑑賞してきました。
写真撮影可です(条件あり)スマホで撮りました。
 
以下は、展示室解説からの引用です。
<コレクションのあゆみ>
大津絵の蒐集 
太めのあじわいある描線、おおらかで明快な色彩、江戸時代に近江国・大津(現・滋賀県大津)で街道筋のみやげものとして売られていた大津絵は、どこか土臭くて暖かく、親しみのある庶民的な絵画といえます。
その始まりは江戸時代の初め頃の寛文年間(1624〜44年)、仏画を主体としたものでしたが、比較的早い時期に美人画や役者絵に通ずる世俗的な画題も見られるようになります。やがてこうした作品が主流となって風刺的な意味合いを込めたものや擬人化した猫や猿といった動物、鬼などの滑稽でユーモアにあふれた図柄も加わり、人気となっていきました。
町田市立博物館ではこうした素朴な味わいと江戸文化を伝える貴重な歴史資料として大津絵に注目して収集をすすめ、現代は50点に及ぶ貴重なコレクションを築いています。

ガラス作品の収集①
町田市立博物館では、1982年に開催された「チェコスロバキアのガラス展」で出品された作品の一部を購入したことがきっかけとなり、ガラス作品の収集を1983年から始めました。その後さるコレクターが中国ガラスの優れたコレクションを手放すと言う情報を得て、1987年から中国・清朝のガラス作品や鼻煙壺のまとまったコレクションを入手しました。1980年代に収集したチェコ・ボヘミアと中国のガラスは、当館のガラスコレクションの中核となっています。その後、チェコ以外のヨーロッパのガラスや古代のガラス、日本のガラスなどを少しずつ加えながら、博物館のガラススコレクションが形成されてきました。

錦絵の収集
日本のストーリー漫画の嚆矢と言われる「のらくろ」の作者田川水泡は、1969年に杉並区・高井戸から緑多い閑静な住宅街の町田市・玉川学園へと転居し、晩年の20年間を過ごしました。そこでは趣味の園芸を楽しみつつ漫画の仕事と滑稽の研究に打ち込みました。滑稽の研究とは長年滑稽な話の創作を職業としてきた水泡が、そもそも滑稽とは何かと思い立ち、始めたものでした。この研究は1981年と1987年に『滑稽の構造』『滑稽の研究』にまとめられて講談社から上梓されましたが、研究のために収集された江戸から昭和戦前までの版本や錦絵などの戯画や狂画、風刺画は研究が一区切りしたとのことから、550点が田川水泡コレクションとして当館に寄贈されました。

陶磁器の収集
町田市立博物館には約3500点の陶磁器が所蔵されていますが、これらの陶磁器コレクションは6人の方々による寄贈を基礎に成り立っています。1987年に町田市民の岩崎安吉氏から1420点の近代染付磁器を寄贈されたことが始まりで、1990年に山田義雄氏から東南アジア陶磁567点、氏の御遺族から1992年に中国陶磁等675点が寄贈・譲渡されました。この時点で当館は陶磁器の魅力を皆様にご紹介するに十分なコレクションを形成したといえます。
このような寄贈資料を活用した展覧会を30回ほど開催してきました。特に、東南アジア陶磁は他に類のない分野として評価され、1994年に中村三四郎氏から東南アジア陶磁626点、2008年に木内宗久氏から茶道具に用いた東南アジア陶磁265点、2013年に上神亮治氏から東南アジア陶磁と中国陶磁132点が寄贈され、1500点に及ぶ一大コレクションを形成するにいたりました。

ガラス作品の収集②
町田市立博物館がガラス工芸の展示・収集に力を入れている館であることが知られるようになってくると、次第に作品寄贈の申し出が増えてきました。2002年には旧岩田工芸硝子株式会社より、近代日本を代表するガラス作家である岩田藤七・久利・糸子の作品計100点が寄贈されました。2005年には個人コレクターの方から、中国・清朝のガラス、鼻煙壺を含む67点が寄贈されました。明治・大正期に精緻で優れたエナメル彩を制作していた松浦玉圃は、ガラス業界では知る人ぞ知る存在でしたが、2015年には松浦家に伝わった玉圃の作品8点が当館に寄贈されました。2016年には昭和を代表するガラス作家の1人である青野武市の作品87点がご遺族より寄贈され、2018年には国際的なガラス作家の大平洋一氏より、世界の最古のガラスの技法書とされる『ラルテ・ヴェトラリア』などの資料89点が寄贈されました。

 

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展覧会概要(HPから) 
開館45年を迎えた町田市立博物館は、本展覧会をもって現在の建物での展示事業を終了することとなりました。同時に町田市では、市立博物館のガラスや陶磁器などの工芸美術のコレクションを中心に展示する(仮称)町田市立国際工芸美術館の開館にむけて準備を進めています。
本展では市立博物館45年間の〈これまで〉を振り返り、ご愛顧への感謝の気持ちをお伝えするとともに、〈これから〉を(仮称)町田市立国際工芸美術館へとバトンタッチしようという企画です。本展は2部で構成され、第1部では市立博物館のコレクションのあゆみを名品約35点とともにたどります。第2部ではコレクションのなかでもガラスと陶磁器にスポットを当て、〈赤〉と〈青〉という象徴的な色に着目して選んだ古今東西の作品約100点によって、工芸美術の魅力をたっぷりとご紹介します。さらに近年所蔵となった世界初のガラス技法書『ラルテ・ヴェトラリア(L'Arte Vetraria)』も初公開します。

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2019.05.20

三社祭の浅草を2〜3時間歩いてきました。

今年はパスかな〜と思っていたのですが・・・・
予定を変更、三社祭の浅草に午後2時頃到着。
雷門前、仲見世、浅草寺境内、はなやしき通り、伝法院通りを歩いてきました。
クライマックスの宮入り前に帰路につきました。

以下、スマホと全天球カメラで撮ってきた写真、動画です。
全天球カメラを久しぶりで使ってみました。
画面の左下THETAをクリックして、フルスクリーンのアイコンをクリックすると見やすいと思います。

三社祭 令和元年 雷門前 - Spherical Image - RICOH THETA

雷門前

浅草神社境内 - Spherical Image - RICOH THETA

浅草神社境内

伝法院前 - Spherical Image - RICOH THETA

伝法院前

浅草寺境内 - Spherical Image - RICOH THETA

浅草寺境内

カメラを持っていかなかったので、スマホで動画を撮りました。

 

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2019.05.19

福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ

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「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」は、
東京国立近代美術館で開催されています。

会期 2019年3月12日~5月26日(日)

福沢一郎は、早描きの画家ですが、書き始めるまでに様々な資料・文献を読み込み、検証を重ねて絵画表現へと収束させていきます。
主題表現の画家とよく称される所以です。

福沢一郎(1898〜1992)は東京帝国大学文学部に入学しますが彫刻家朝倉文夫に師事します。関東大震災を機にフランス留学を思い立ち1924年から7年間パリで過ごしました。アンドレ・ブルドンがシュルレアリズム宣言を発表したのが1924年9月。福沢は大きな刺激を受けます。フランス滞在中に福沢は彫刻から絵画へと作品制作を変えて、国内外の展覧会に精力的に出展しました。

帰国後、美術文化協会を結成するなどして精力的に活動する中で、シュルレアリズムと共産主義の関係を疑われて、1941年に治安維持法違反容疑で6っカ月間拘留されてしまいます。
戦後も国内外で精力的に活動、制作を行い、無所属となった1957年以降も人間や社会をテーマにおう盛な制作活動を展開しました。

福沢一郎の作品は、多摩美術大学美術館でよく見てきたのですが・・・福沢は多摩美術大学、女子美術大学で長い間学生の指導も行いました。

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福沢一郎(1898-1992)は、1930年代の日本にシュルレアリスムを紹介して前衛美術運動のリーダーとして活躍し、生涯を通じて社会批評を作品として表現し続けました。

「謎めいたイメージ」の中に知的なユーモアをまじえ、社会の矛盾や人びとの愚かさを諷刺的に笑いとばした福沢の多彩な画業を約100点の作品で振り返ります。

本展は、福沢一郎が社会に対して、あるいは人間そのものに対して、どのような批評の眼を向け、そして持ち前のユーモアのセンスで作品化していったかを、時代順に10章に分けて紹介します。
(HPから)

展覧会の構成は以下の通りです。
1. 人間嫌い:パリ留学時代

2. シュルレアリスムと諷刺
何度も見てきた作品です。福沢一郎と言うとこの絵を思い出すのですが・・・・
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《四月馬鹿》1930年 東京国立近代美術館

3. 帰国後の活動

4. 行動主義(行動的ヒューマニズム)
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《牛》1936年 東京国立近代美術館

5. 戦時下の前衛

6. 世相をうつす神話(1)
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《敗戦群像》1948年 群馬県立近代美術館

7. 文明批評としてのプリミティヴィスム
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《埋葬》1957年 東京国立近代美術館
この作品のみ撮影可能です。スマホで撮りました。

8. アメリカにて

9. 世相をうつす神話(2)
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《トイレットペーパー地獄》1974年 群馬県立近代美術館

10. 21世紀への警鐘
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《悪のボルテージが上昇するか21世紀》1986年 富岡市立美術博物館・福沢一郎記念美術館蔵

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展覧会の前半の作品の前では、しばし考え込んでしまうことが多くて・・・・・
7章以降のメキシコ訪問あたりから、描かれた作品の豊かな色彩と、分かり易い主題と構図に興味を惹かれました。

「福沢一郎の魅力を再発見したかな〜」そんな気にさせてくれた展覧会です。

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2019.05.16

特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」

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特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」は、
東京国立博物館 平成館 特別展示室で開催されています。

会期:2019年3月26日(火) ~ 6月2日(日)

弘法大師空海の伝説は各地に5000以上あると言われていて、その威徳の拡がりが偲ばれます。

私も度々訪れた丹沢にも伝説の地は所々にあります。その名もずばり「弘法山」は、空海が修行した山だそうで、桜の名所。ハイキングコースになっています。

この展覧会のタイトルにある「仏像曼荼羅」
東博の仏像展示は定評があり、期待して行かれる方も多いと思います。
この展覧会も素晴らしい、壮観の展示です。

空海が作り上げた曼荼羅の世界を体感できる東寺講堂安置の21体の仏像からなる立体曼荼羅のうち、史上最多となる国宝11体、重文4体、合計15体が展示されていて、一体一体、360度隈無く鑑賞できます。
帝釈天のみ撮影可能でした。(スマホで撮影)
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国宝 帝釈天騎象像 木造、彩色 平安時代・承和6年(839) 東寺
甲を着け、雷を象徴する武器である金剛杵を手にする仏法の守護神。インドの神であるインドラ神が仏教に取り入れられ、帝釈天となった。象に乗る姿はインド風で、空海がもたらした新しい表現である(キャプションから)

密教は文字通り秘密の教えですから、言葉で表すのは難しいと考えた空海は図画を用いて理解する必要があると考えました。密教美術にすぐれた作品が多い所以です。
代表的なものには両界曼荼羅があり、本展でも4メートル以上ある曼荼羅が展示されました。
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胎蔵界曼荼羅
全宇宙を表しています。中心にいるのが全宇宙を司る大日如来。大日如来を取り囲むように描かれているのは400もの神と仏たち。すべて大日如来がが姿を変えたものです。様々な姿の神、仏が描かれていて、そのすべてを大日如来の慈悲として受け止める、それが密教の教えです) 
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金剛界曼荼羅
(心の世界を表しています。悟りに到達するための様々な段階が表されています。)
国宝 両界曼荼羅図
(西院曼荼羅[伝真言院曼荼羅]
平安時代・9世紀 京都・東寺蔵
展示期間:4月23日(火)~5月6日(月・休)

目玉展示の一つが後七日御修法(ごしちにちみしほ)堂内再現展示です。
両界曼荼羅のもとに祭壇が設けられ、邪気や魔物が堂内に入らないように周囲を五大尊像が守ります。
空海は、正月に宮中で修される後七日御修法を始めました。現在は東寺で行われますが、真言宗で最も重要で、かたく秘された儀式です。(NHK新日本美術館で後日御修法の様子が、先日放送されました)
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国宝 密教法具
中国 唐時代・9世紀 京都・東寺蔵
金剛盤の上に五鈷鈴と五鈷杵(ごこしょ)を据えた密教法具のセット。
この法具は、空海が帰国するに際して、師の恵果(けいか)が授けた法具類の一部と考えられるものです。今も東寺灌頂院の道場で行われる後七日御修法では、大阿闍梨の道具として重要視されています。

空海は平安時初期の三筆とされる能書家ででもありす。
空海と最澄の決別に至る交友は小説に表されたり、研究対象にもなっていますが、本展には、風信帖が展示されています。
空海から最澄に宛てた3通の書状を貼り継いだもので、第一通書き出しの「風信雲書…」の文言から「風信帖」と通称されます。04_10
国宝 風信帖(第一通)(部分)
空海筆 平安時代・9世紀 京都・東寺蔵
展示期間:3月26日(火)~5月19日(日)

密教をもっと知りたくなるような充実した展覧会です。
何年か前に途中まで読んでそのままになっている「司馬遼太郎の小説・空海の風景」読み直してみるかな~

展覧会の構成は次の通りです。
第1章 空海と後七日御修法(ごしちにちみしほ)
第2章 真言密教の至宝
第3章 東寺の信仰と歴史
第4章 曼荼羅の世界

— HPの解説 —
東寺(教王護国寺)は、平安京遷都に伴って、王城鎮護の官寺として西寺とともに建立されました。唐で新しい仏教である密教を学んで帰国した弘法大師空海は、823年に嵯峨天皇より東寺を賜り、真言密教の根本道場としました。2023年には、真言宗が立教開宗されて1200年の節目を迎えます。
本展は、空海にまつわる数々の名宝をはじめ、東寺に伝わる文化財の全貌を紹介するものです。空海が作り上げた曼荼羅の世界を体感できる講堂安置の21体の仏像からなる立体曼荼羅のうち、史上最多となる国宝11体、重文4体、合計15体が出品されるほか、彫刻、絵画、書跡、工芸など密教美術の最高峰が一堂に会します。東寺が1200年にわたり、空海の教えとともに守り伝えてきた至宝をご堪能ください。

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2019.05.13

神田祭 神輿宮入当日 令和元年5月

日本三大祭、江戸三大祭と言われる神田祭。
その神田祭、神輿宮入の日(5月13日)に神田明神とその周辺、秋葉原電気街を歩いてきました。
今年は本祭りですから、神幸祭(附け祭も・・)そして神輿巡行、宮入が盛大に行われました。100基に及ぶ大小神輿が順次宮入する景色は壮観です。

ミラーレス一眼カメラで撮った動画です。
神田明神境内とその周辺で撮った動画です。千貫神輿の宮入までは居ることができませんでした。動画の最後に宮入に向かい巡行中の千貫神輿が映っています。

 

秋葉原電気街で撮りました。
何基もの神輿が練り歩く姿に群衆のテンションも上がります。

 

江戸三大祭

赤坂日枝神社山王祭 下町連合渡御2016

富岡八幡宮例大祭神輿渡御(平成29年)

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2019.05.12

神田祭 神幸祭 令和元年5月

神田祭、神幸祭を見に行ってきました。
今年は、2年に1度の本祭りです。
美術館に寄り道して、頃合いを見計らって日本橋三越本店前の通りに向かいました。
午後の4時頃に到着、皆さんしっかりリサーチして来ているのでしょうね、既に大勢の人が場所取りしていました。
予定通り4時半ころ神幸祭の行列が見えてきました。

ミラーレスカメラで撮った動画です。

 

神田神社(明神)、深川・富岡八幡宮、赤坂・日枝神社の例大祭は江戸三大祭りといわれています。

神田祭は「天下祭」とも呼ばれ、江戸城に祭礼の列が入ることを許され、将軍が上覧した祭りのことを指しています。これが許されたのは神田神社(明神)と赤坂・日枝神社(山王権現)の祭礼だけで、例祭中のこの巡行だけを指して特に「神幸(しんこう)祭」と呼んでいます。

神田祭日程

5月 9日(木) 午後7時 鳳輦神輿遷座祭
5月10日(金) 夕刻 氏子町会神輿神霊入れ
5月11日(土) 終日 神幸祭(神田、日本橋、大手・丸の内、秋葉原巡行)
5月11日(土) 午後3時 附け祭
5月11日(土) 午後4時 神幸祭神輿宮入
5月12日(日) 終日 神輿宮入
5月14日(火) 午前11時 献茶式表千家家元奉仕
5月14日(火) 午後6時 明神能・幽玄の花(金剛流薪能)
5月15日(水) 午後2時 例 大 祭

神田祭の由来などの詳細はこちら神田祭特設サイトで。

赤坂日枝神社山王祭 神幸祭2016

 

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2019.05.09

銀座アート巡り 令和元年5月

銀座の午後、1丁目から8丁目まで歩いて3つの展覧会を見てきました。

束芋の作品展観るのは何年か振りかな〜
フィラメントが眩しい裸電球とアンティークな家具、そこに不思議な?油彩画、そんな作品が数点。
さらにアニメ映像作品が2点展示されています。今回の作品には私、思考停止状態!(ポーラミュージアムアネックス
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《ふたり》2016年 映像インスタレーション作品

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《振り向きざまの》2018年 キャンヴァスに油彩

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ショーウィンドウに展示されている作品をスマホ撮影(三点のなかの一点)

 

続いて、ミキモトホールでボンボニエール。
会期終了したトーハク  「御即位30年記念「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」でも第2会場はボンボニエールの展示会場になっていました。ミキモトホールのこの展覧会には60点ものボンボニエールが展示されていて豪華絢爛。陶磁器に鮮やかな色彩を施した可愛らしいボンボニエールも展示されていて、皇室の歴史と共に堪能です。
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このボンボニエールのみ撮影可でした。
鶴亀形 明治天皇大婚25年祝典
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最後は、資生堂ギャラリーで、荒木悠の映像作品。
明治期日本を訪れた ピエール・ロティが「秋の日本」で記した「芝増上寺、浅草浅草寺」「日光東照宮」「京都清水寺」の旅行記の文章がテロップで紹介されて、記載内容場所の現在風景が映像でながれます。ロティが感じた西洋の文化と無縁の隔絶した日本の文化芸術の不思議世界と、観光地と化したの今現在の対比。面白い作品ですよ。

ピエール・ロティ(Pierre Loti 1850-1923)は、海軍将校としてポリネシア、アフリカ、アジアなどに滞在し、さまざまな紀行文や小説を書き残しています。
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ポーラミュージアムアネックス
束芋「透明な歪み」
会期 2019年4月26日(金)〜6月2日(日)

束芋は2016年シアトル美術館で、美術館の所蔵品とそれを基に制作した映像インスタレーション作品を一緒に展示する企画を行いました。その後、それらの作品は別の展覧会でも展示され、オリジナルと自身の作品を切り離して展示したことをきっかけに、作品とオリジナルを分けることで、オリジナルに囚われない自由さや可能性が作品に出てくるのではないかと考えるようになりました。
本展では、新作アニメーション作品と、自身初の試みである油絵を含む、約10点を展示予定です。
作品には全て原作が存在しますが、それはあえて公開せず、鑑賞者は自由な発想で各々違った角度で見ることを楽しんでいただければ幸いです。(HPから)

 

ミキモトホール
ようこそ、ボンボニエールの世界へ —皇室からのかわいい贈りもの—
4月5日(金)~ 5月10日(金)

手のひらサイズの小箱「ボンボニエール」は、天皇のご即位や皇族方のご成婚など、慶事の際に皇室から贈られる引出物です。明治期よりこの慣習が始まり、外国賓客にも贈られ、日本の高い美意識を世界に示す役割も担ってきました。

本展では、伝統文化が息づく意匠と装飾技巧を施した約60点のボンボニエールと、同じく錺職(かざりしょく)の技術を取り入れたMIKIMOTOのアーカイブジュエリーを展示します。
皇位の継承により新しい時代が始まる今、ボンボニエールという小さな世界に込められた日本の技と美をぜひこの機会にご覧ください。
※なお、2019年5月現在のご尊号にて記載しています。(HPから)

資生堂ギャラリー
荒木悠展 : LE SOUVENIR DU JAPON ニッポンノミヤゲ
会期:2019年4月3日(水)~6月23日(日)

本展のメインとなる映像作品は、『秋の日本』のなかの「江戸の舞踏会」の章がベースになります。これは、明治18年に鹿鳴館で催された舞踏会を訪れたロティが、35歳の自身の視線でその様子を描いた見聞録です。これをもとに芥川龍之介が1920年に『舞踏会』を書いていますが、それは、舞踏会でロティのダンスの相手をした17歳の初々しい日本人女性が主人公です。映像では、このふたつを原作として東洋と西洋の「まなざし」がワルツを軸に同じ時空間のなかで交差する情景を作り出します。そしてもうひとつの映像作品は、『秋の日本』に収録されている「聖なる都・京都」「日光霊山」「江戸」の章でロティが記録した場所を荒木が撮影し、100年以上前と現在とのズレから、映像に写らない「風景」を描写することを試みます(HPから)

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2019.05.07

キスリング展 エコール・ド・パリの夢

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「キスリング展 エコール・ド・パリの夢」は、
東京都庭園美術館で開催されています。

会期 2019年4月20日(土)〜 7月7日(日)

「モンパルナスのプリンス」と呼ばれたコロリスト、キスリング(1891〜1953)。

ポーランドのクラクフで生まれ、19歳でパリに渡ったキスリングは、ピカソ、ジョルジュ・ブラック、モディリアーニ、パスキン、藤田嗣治などと親交を持ちました。社交的で人望のあったキスリングには、早逝の親友モディリアーニの葬儀費用を負担したというエピソードも残しています。この時代に活躍した画家の宿命のように第一次世界大戦ではフランスの外人部隊に参加して負傷し、第二次世界対戦ではユダヤ人であったこともあって、一時期アメリカに身を移しました。1946年フランスに戻り1953年にて没しています。

キスリングは多くの肖像画を描きました。透明感のある色彩豊かな画面に、アーモンド型の瞳は正面を見つめることなく憂いを帯びています。背景の配色にも注目して鑑賞してきました。

静物画、風景画ににも見入ってしまう作品が多く展示されています。絵肌が面白い作品、同時代画家の影響などなど、肖像画も含めてキスリングの見事な個性を楽しんできました。

国内で12年ぶりの「キスリング展」、2007年に私はそごう美術館で観ているのですが・・・・・

大好きなキスリングの作品が、アール・デコの内装にどのように映えるのか?この美術館での楽しみのひとつでもありす。

 

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《サン=トロペでの昼寝(キスリングとルネ)》 1916年 油彩・カンヴァス プティ・パレ美術館 / 近代美術財団、ジュネーヴ

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《赤い長椅子に横たわる裸婦》 1918年 油彩・カンヴァス プティ・パレ美術館 / 近代美術財団、ジュネーヴ

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《ル・ベック氏の息子》 1926年 油彩・カンヴァス 熊本県立美術館

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《ベル=ガズー(コレット・ド・ジュヴネル)》 1933年 油彩・カンヴァス  カンティーニ美術館、マルセイユ

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《花》 1939年 油彩・カンヴァス ギャルリーためなが 

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《姉妹》 1950年 油彩・カンヴァス DIC川村記念美術館

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《果物のある静物》 1953年 油彩・カンヴァス 国立近代美術館ポンピドゥー・センター、パリ

― HPの解説から ―
エコール・ド・パリを代表する画家、キスリング(Kisling 1891-1953)。ポーランドのクラクフで生まれたキスリングは、美術学校を卒業後、19歳でパリに出ました。モンマルトルやモンパルナスで、ピカソ、ジョルジュ・ブラック、モディリアーニ、パスキン等、多くの芸術家と知り合います。初期はキュビスムの影響も受けましたが、キュビストのように現実世界から離れることには抵抗し、すぐに主題を写実的に表わすようになります。そしてイタリアやフランドルの古典的な絵画に積極的に学び、1920年代の絵画に見られる秩序への回帰の動きに同調していきました。

風景画、静物画、裸婦などにおいて独自のスタイルを発展させていきましたが、なかでも肖像画にその特徴が最もよく表れています。丁寧な筆致による洗練されたレアリスムと、静謐なムードに満ち、輝かしく官能的な色彩によって、キスリングはエコール・ド・パリの重要な芸術家として位置付けられるのです。本展では1920~30年代のパリで「モンパルナスのプリンス」と呼ばれ、時代の寵児となったキスリングの画業を滞米時代の作品を含む約60点の作品により振り返ります。

 

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2019.05.03

The 備前―土と炎から生まれる造形美―

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「The 備前―土と炎から生まれる造形美―」は、
東京国立近代美術館工芸館で開催されています。

会期 2019年2月22日(金)〜5月6日(月・休)

備前市伊部地域を中心に作られたやきものが「備前焼」と呼ばれています。釉薬を施さず、薪窯による焼成で生まれた器には「窯変」「緋襷」「牡丹餅」「胡麻」「桟切」などの独特な景色がみられます。その素朴な個性が数寄者に好まれました。作為的に歪められたフォルムも魅力のひとつですね。この展覧会は、桃山時代の古備前、古備前に魅せられ作陶に取り組んできた近代の作家、さらに現代の若手作家の作品で構成されています。

展覧会の構成は以下の通りです。
Ⅰ章:源流としての備前焼-茶の湯のうつわを中心に-
(古備前:約40点)
Ⅱ章:近代の陶芸家と備前焼-写しと創作-
(金重陶陽、藤原啓、山本陶秀、金重素山、藤原雄、伊勢﨑満:約40点)
Ⅲ章:現代の備前焼-表現と可能性-
(伊勢﨑淳、森陶岳、島村光、金重晃介、隠﨑隆一、金重有邦、伊勢﨑創、矢部俊一、伊勢﨑晃一朗:約60点)

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《三角花入》桃山時代 個人蔵

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《矢筈口耳付水指》桃山時代 個人蔵

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金重陶陽《耳付水指》 1958年 東京国立近代美術館
 
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山本陶秀《窯変耳付花入》 1987年 個人蔵

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伊勢崎淳《風雪》2015年 個人蔵

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隠崎隆一《混淆花器》 2016年 個人蔵


この展覧会には、撮影が可能な展示室があります。以下の写真はスマホで撮りました。
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森陶岳《茶入》 1999年

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金重友邦《伊部茶盌》 2014年 グレンバラ美術館

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伊勢崎晃一朗《緋襷畝水差》 2018年 塗蓋/高月國光

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隠崎隆一作品の展示風景

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2019.05.01

観てきた展覧会備忘録 2019年4月

特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」
会期  2019年3月26日(火) ~ 6月2日(日)
東京国立博物館 平成館 特別展示室

特別展 御即位30年記念「両陛下と文化交流―日本美を伝える―」
会期 2019年3月5日(火) ~ 4月29日(月)
東京国立博物館 本館 特別4室・特別5室

特別展「大哺乳類展2ーみんなの生き残り作戦」
会期 2019年3月21日(木・祝)~6月16日(日)
国立科学博物館

国立民族学博物館・国立科学博物館 共同企画展「ビーズ -自然をつなぐ、世界をつなぐ-」
会期 2019年4月9日(火)~6月16日(日)
国立科学博物館

「御即位30年・御成婚60年記念特別展 御製・御歌でたどる両陛下の30年」
会期 平成31年2月2日(土)~ 4月21日(日)
三の丸尚三館

平成31年春の特別展 江戸時代の天皇
平成31年4月6日(土)〜5月12日(日)
国立公文書館

ラファエル前派の軌跡展
会期 2019年3月14日(木)~6月9日(日)
三菱一号館美術館

藝大コレクション展 2019 第1期
会期 第1期:2019年4月6日(土)〜 5月6日(月・休)
東京藝術大学美術館

トルコ文化年2019
トルコ至宝展 チューリップの宮殿 トプカプの美
会期 2019年3月20日(水)~5月20日(月)
国立新美術館

写真の起源 英国 
会期 2019年3月5日(火)〜5月6日(月)
東京都写真美術館

大石芳野写真展  戦禍の記憶
会期 2019年3月23日(土)〜5月12日(日)
東京都写真美術館

志賀理恵子 ヒューマン・スプリング
会期 2019年3月5日(火)〜5月6日(月)
東京都写真美術館

シャルル=フランソワ・ドービニー展
会期 2019年4月20日(土)~6月30日(日)
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

サントリー芸術財団50周年
左脳と右脳でたのしむ日本の美
会期 019年4月27日(土)~6月2日(日)
サントリー美術館

女・おんな・オンナ~浮世絵にみる女のくらし
会期 2019年4月6日(土)~5月26日(日)
渋谷区立松濤美術館

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