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2019.01.13

ルーベンス展―バロックの誕生

Photo

「ルーベンス展―バロックの誕生」は、
国立西洋美術館で開催されています。


会期 2018年10月16日(火)~2019年1月20日(日)

ペーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)は、17世紀バロック美術を代表する画家であり、外交官、人文学者としても優れた才能を発揮し、真のヨーロッパ人として活躍しました。

ルーベンスは、現在のベルギーの町アントウェルベンで修業し大工房を構え活動しました。
画家としての修業の初期に、イタリアに渡った彼は、ヴェネツィア、、マントヴァ、フィレンツェ、ジェノヴァ、ローマで8年間を過ごし、古代の美術やイタリアの巨匠たちから大きな影響を受けるとともに、彼もまた何世代もの芸術家に影響を与え、全く新しい芸術潮流の基礎を築きました。

「ルーベンス展―バロックの誕生」は、イタリアとルーベンスの関係に光を当て、ルーベンスが学び参考にした古代彫刻、同時代画家、ルーベンスの影響を受けた画家の作品を共に展示してその全貌を解明しています。

いわば、ルーベンスをイタリアの画家として紹介する試みです。(主催者解説から)


展示内容は次の通りです。
1章 ルーベンスの世界
2章 過去の伝統
3章 英雄としての聖人たち ― 宗教画とバロック
4章 神話の力 1 ― ヘラクレスと男性ヌード
5章 神話の力 2 ― ヴィーナスと女性ヌード
6章 絵筆の熱狂
7章 寓意と寓意的説話

大作が並び、圧倒される展覧会場になっています。
それぞれの作品のドラマチックな世界に惹きこまれます。


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ペーテル・パウル・ルーベンス《ラオコーン群像》の模写素描 1601-02年 黒チョーク、おそらく部分的に白チョーク、褐色の淡彩/紙
ルーベンスはレニズム彫刻《ラオコーン群像》に魅了され、あらゆる角度から少なくとも15点の素描を残したらしい。

002
《ベルヴェデーレのトルソ》 20世紀前半に紀元前1世紀のオリジナル彫刻から型取り 石膏 ローマ、ラ・サピエンッァ大学古典美術館
ミケランジェロはこのトルソを崇拝していた。ルーベンスも素描を残していて、ルーベンスの作品にはこのトルソを思わせるものが数多い。

006
グイド・レーニ《ヒュドラ殺害後休息するヘラクロス》 1620年頃 油彩/カンヴァス フィレンツェ、パラティーナ美術館
《ベルヴェデーレのトルソ》を模した作品。 
ルーベンスがレーニに寄せた関心は、自身がレーニの作品の模写を行ったほか、弟子の修業のためにレーニの素描を工房内に所有していたことによっても知られている。
レーニの作品は常設展にも《ルクレティア》が展示されています。

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ペーテル・パウル・ルーベンス《ローマのじ慈愛(キモンとペロ)》 1610-12年 油彩/カンヴァス(板絵から移し替え) サンクトペテルブルグ、エルミタージュ美術館

007
ペーテル・パウル・ルーベンス《天使に治療される聖セバスティアヌス》 1601-03年頃 油彩/カンヴァス ローマ国立古典美術館、コルシーニ宮

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ペーテル・パウル・ルーベンス《聖アンデレの殉教》 1638-38年 油彩/カンヴァス マドリード、カルロス・デ・アンベレス財団

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ペーテル・パウル・ルーベンス《法悦のマグダラのマリア》 1625-28年 油彩/カンヴァス リール美術館

10
ペーテル・パウル・ルーベンス《マルスとレア・シルウィア》 1616-17年 油彩/カンヴァス ファドューツ/ウィーン、リヒテンシュタインン侯爵家コレクション

とても愛らしい作品も・・・・
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ペーテル・パウル・ルーベンス《幼児イエスと洗礼者聖ヨハネ》 1625-28年 油彩/板 ローマ、フィンナット銀行


――HPの解説―― 
ペーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)は、バロックと呼ばれる壮麗華美な美術様式が栄えた17 世紀ヨーロッパを代表する画家です。彼は大工房を構え時代に先駆ける作品を量産し、同時代以降の画家たちに大きな影響を与えました。さらにその能力は画業にとどまらず、ヨーロッパ各地の宮廷に派遣されて外交交渉をも行いました。
本展覧会はこのルーベンスを、イタリアとのかかわりに焦点を当てて紹介します。イタリアは古代美術やルネサンス美術が栄えた地であり、バロック美術の中心もローマでした。フランドルのアントウェルペンで育ったルーベンスは、幼いころから古代文化に親しみ、イタリアに憧れを抱きます。そして1600年から断続的に8年間この地で生活し、そこに残る作品を研究することで、自らの芸術を大きく発展させたのです。本展はルーベンスの作品を、古代彫刻や16世紀のイタリアの芸術家の作品、そしてイタリア・バロックの芸術家たちの作品とともに展示し、ルーベンスがイタリアから何を学んだのかをお見せするとともに、彼とイタリア・バロック美術との関係を明らかにします。近年では最大規模のルーベンス展です。



国立西洋美術館 ルーベンス展 ─ バロックの誕生
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