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2019.01.30

テクニカル北斎展 ~進化する浮世絵木版画の技と美~

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「テクニカル北斎展 ~進化する浮世絵木版画の技と美~」は、
伊藤忠青山アートスクエアで開催されています。


会期 2019年1月17日(木)~2月16日(土)


森アーツセンターギャラリーで開催されている「新・北斎展」の協賛展で、浮世絵制作の技術に焦点を当てた展覧会です。

先ずは、彫師と摺師の伝統技術(伝承技術)のビデオの観賞から・・・・
そしてアダチ版復刻浮世絵版画の展示、北斎の名作から、現代のアーティストの作品まで紹介しています。


展示風景です。

浮世絵のできるまで
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色鮮やかな復刻版で、北斎の画業を辿る
本展で紹介するアダチ版復刻浮世絵は、伝統木版画の技術を高度に継承した熟練の彫師・摺師を抱える工房兼版元であるアダチ版画研究所によって製作されたものです。

草創期の北斎
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西洋に学んだ北斎
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波を追求した北斎
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流行色を駆使したカラリスト・北斎
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西洋に影響を与えた北斎
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神羅万象を描いた北斎
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未来、そして世界へ継ぐ伝統木版画の可能性

インスパイア・北斎 北斎摸様画譜より
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現代アーティスト×伝統木版技術

山口晃
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N.Sハルシャ
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ジェームス・ジーン
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現代の浮世絵師発掘プロジェクト アダチUKIYOE大賞
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――HPの解説――
この度、伊藤忠商事では、メセナ活動支援の一環として森アーツセンターギャラリー(東京都港区)にて2019年1月17日(木)から行われる「新・北斎展」に協賛します。同日から、伊藤忠青山アートスクエアでもその開催記念として、「テクニカル北斎展~進化する浮世絵木版画の技と美~」を開催し地域の文化創出に貢献します。伊藤忠青山アートスクエアでは、森アーツセンターギャラリーとは異なり、特に浮世絵制作の技術に焦点をあて、アダチ版復刻浮世絵版画を通して、北斎の名作や制作の裏側をご紹介いたします。また、技術を継承した現代の彫師・摺師が国内外で活躍するアーティストと新たに創造したオリジナル木版画(現代の浮世絵)も展観いたします。進化しながら継承される伝統木版技術の魅力を是非、ご覧ください。


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2019.01.26

没後50年記念 加藤土師萌展 色絵磁器を極めた人間国宝 その技とデザイン

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「没後50年記念 加藤土師萌展 色絵磁器を極めた人間国宝 その技とデザイン」は、
町田市立博物館で開催されています。

会期 2018年12月8日(土)~2019年1月27日(日)

加藤土師萌は、
中国色絵磁器の中でも最も難しいとされた「黄地紅彩」や「萌黄金襴手」などを再現し、昭和36年(1961年)には「色絵磁器」で人間国宝に認定されました。
晩年は皇居新宮殿におさめる高さ150センチの大作「萌黄金襴手菊文蓋付大飾壺」の制作に没頭し、完成間近の昭和43年(1968年)にこの世を去りましたが、遺族の手によって仕上げられ、現在の皇居正殿の竹の間で国賓などを迎えています。

展覧会の構成は以下の通りです。
⒈瀬戸時代 図案家から陶芸家へ
⒉多治見時代 岐阜県陶磁器試験場の陶工技師として
⒊横浜時代 色絵磁器の人間国宝 

以下、展覧会場のキャプションを部分引用しています。
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萌黄金襴手丸筥、昭和33年、東京国立近代美術館蔵
萌葱金襴手によって器面全体に宝相華を施した優美な作品。加藤土師萌は、金箔を施したものを金襴手、金泥のものを金彩と区別している。こうした萌葱金襴手や黄地紅彩などの再現を経て昭和36年(1961)には、色絵磁器で人間国宝に認定されている。
萌葱金襴手は、中国明時代、嘉靖年間の景徳鎮窯で最も高度に発展した。加藤土師萌は昭和30年(1955)頃再現に成功している。


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色絵染付金襴手迎春花文喰朗籠 昭和42年(1967) 個人蔵
迎春花とは黄梅の漢名で、中国原産のモクセイ科の落葉低木。葉より先に黄色く筒状で先の6裂した花を付ける。染付と上絵付によりこの迎春花を描き、内部にはさらに、鶯も描いている。また帯状の金襴手による菱格子に十文字や上絵付による間道文、鋸歯文が見られる。


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瑠璃釉雲文金彩コーヒーセット 昭和14年81939)頃 岐阜県セラミックス研究所
瑠璃釉に雲の文様を白抜きし、その輪郭部分を金線で絵付けしたもの。
昭和15年(1940)の日本工芸品ブラジル国際見本市に出展されたと伝わる。


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柿釉色絵菊花文大皿 昭和17年(1942) 瀬戸市美術館


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辰砂釉華文飾壺 昭和4年(1929) 愛知県陶磁美術館


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スケッチ「均窯鶴首壺(デイヴィット・コレクション)」 昭和32年(1957) イギリス 個人蔵


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スケッチ「オーフス」 昭和32年(1957) デンマーク 個人蔵


  

展覧会概要(HPから)
萌黄金襴手丸筥、昭和33年、東京国立近代美術館蔵
重要無形文化財保持者(人間国宝)加藤かとう土師萌はじめ(1900年から1968年)は、横浜市の日吉に窯を築いて作陶した、日本を代表する陶芸家です。
加藤は愛知県瀬戸市に生まれ、地元で図案を学んだ後、岐阜県多治見の岐阜県陶磁器試験場(現・岐阜県セラミックス研究所)に迎えられ、窯業技術と陶磁器デザインの開発に取り組みました。昭和12年(1937年)パリ万国博覧会では、日本館の室内調度を手がける陶磁器デザイナーとして活躍しただけではなく、個人としての出品作がグランプリを受賞しました。やがて、加藤の芸術家としての才能は、独立と日吉窯開窯の道に向かいました。多治見時代に培った豊富な技術や知識とデザイン力を大きくはばたかせていきます。
加藤は横浜に移った後、東京藝術大学初の陶器講座担当教授として教鞭をとる傍ら、苦心の末、中国色絵磁器の中でも最も難しいとされた「黄おう地じ紅こう彩さい」や「萌もえ黄ぎ金きん襴らん手で」などを再現し、昭和36年(1961年)には「色絵磁器」で人間国宝に認定されました。晩年は皇居新宮殿におさめる高さ150センチの大作「萌黄金襴手菊文蓋付大飾壺」の制作に没頭し、完成間近の昭和43年(1968年)にこの世を去りました。
本展覧会は、加藤土師萌の没後50年を記念し、初期の岐阜県陶磁器試験場で制作された多数の作品をはじめ、その後横浜時代に手がけた技法の作品により、加藤の比類ない技術と創造性を明らかにします。また、古陶磁の調査や海外視察の際に描かれた美しいスケッチ類などを併せて展示し、芸術家にして陶磁器研究者、そしてデザイナーとしてもすぐれた功績を残した幅広い創作活動を紹介します。

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2019.01.25

Bunkamura30周年記念 国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア

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「Bunkamura30周年記念 国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア」は、

Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されています。

会期 2018年11月23日(金・祝)〜2019年1月27日(日)

投稿が会期末になってしまいました。
開催間もなく行ったときは、クラムスコイの作品 《忘れえぬ女ひと》《月明かりの夜》に鑑賞者が集まっていたのですが・・・今回(2回目)は風景画に行列ができていました。
クラムスコイの作品は勿論素晴らしいのですが、祖国の風景に対する愛情が際立つ、写実を極めた風景画に皆さん見入っていました。


展覧会の構成は次の通りです。
第1章 ロマンティックな風景
1-1、春
1-2、夏
1-3、秋
1-4、冬
第2章 ロシアの人々
2-1、ロシアの魂
2-2、女性たち
第3章 子供の世界
第4章 都市と生活
4-1、都市の風景
4-2、日常と祝祭


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イワン・クラムスコイ 《忘れえぬ女ひと》
1883年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery
クラムスコイの名作《忘れえぬ女ひと》は、この美術館で以前にも鑑賞しています。
モデルは、トルストイの小説『アンナ・カレーニナ』とも言われているそうですが・・・諸説あるようです、目には涙?
その容姿から想像が膨らみます。


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イワン・クラムスコイ 《月明かりの夜》
1880年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery
クラムスコイの創作に常にみられる叙情的な側面が強く表れた本作で、彼は「幻想的」で「魔法のようなもの」を表現したがったと語っている。当初本作も「魔法の夜」と名付けている。


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《帰り道》 1896年 油彩、キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery
道は、ロシアの藝術でしばしば取り上げられるテーマ。
本作も御者を歌った民謡や文学作品を連想させる。


10
イワン・シーシキン 《正午、モスクワ郊外》
1869年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery
1866年シーシキンは、カーメネフとともにモスクワ近郊に滞在した。その夏の最も重要な作品。これ以後祖国の自然というテーマがシーシキンの創作に加わった。


08
イワン・シーシキン 《雨の樫林》
1891年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery
シーシキンの画家としての絶頂期の作品。シーシキンは愛してやっまない自然に身を委ね曇りや雨の日にさえロシアの風景の美しさを見出した。


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ワシーリー・バクシェーエフ 《樹氷》
1900年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery
バクシェーエフは、樹氷というモチィーフを繰り返し描き、冬の太陽の日差し照らされて輝く白い雪の美しさを表現した。


07
ニコライ・グリツェンコ 《イワン大帝の鐘楼からのモスクワの眺望》
1896年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery
モスクワ要塞のパノラマは何世紀もわたり、その美と偉容によって詩人や画家たちを魅了してきた。


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ワシーリー・コマロフ 《ワーリャ・ホダセーヴィチの肖像》
1900年 油彩・キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery
幸福な幼年時代が象徴的に描かれている作品。


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ウラジミール・マコフスキー《ジャム作り》 1876年 油彩、キャンヴァス © The State Tretyakov Gallery
ロシアにのダーチャと呼ばれる菜園付きのセカンドハウスでの一場面。
老後を自然の中で過ごすための場としても使われるこの家での心和む風景を描いたのでしょうか・・・・・


――HPの解説です――
ロシア美術の殿堂・国立トレチャコフ美術館が所蔵する豊富なコレクションより、19世紀後半から20世紀初頭の激動のロシアを代表する作家の作品72点を、自然や人物像に内在するロシア的なロマンに思いを馳せてご紹介。
白樺や樫の木の深い森、雪に覆われた大平原。そして街には独特の丸屋根の教会、透き通るような白い肌の女性たち―。こうしたロシアの日常的な情景に画家たちは大いなるロマンを見出し、絵に描きとめるようになっていきました。それは19世紀後半、ロシア帝国崩壊の足音が聞こえはじめ、やがてロシア革命が起こる激動の時代でした。芽生えはじめた郷土愛と美しい自然とともに、当時のロシアの複雑な社会、そしてこの時代を生き抜いた人々もまた絵画の題材となりました。
ロシア文学の世界のビジュアル化とも言える、一枚の絵に込められた奥深い物語を、ぜひご堪能ください。


Bunkamura ザ・ミュージアム ロマンティック・ロシア
InternetMuseum

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2019.01.19

扇の国、日本

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「扇の国、日本」は、
サントリー美術館で開催されています。


会期 2018年11月28日(水)~2019年1月20日(日)


夏の間は、扇子(扇)を持ち歩いていますし、購入の際にはデザインも気になりますね。

過去の展覧会でも扇面屏風など、扇に纏わる展示は良く見てきましたが・・・・

扇をメインテーマにし、これだけ盛りだくさんの作品を展示した展覧会ってなかったような気がします。

「扇」が日本の発明品であることをご存知でしょうか。中国から伝わった団扇をもとに、日本で生まれた折り畳み式の扇は、早く10世紀末には中国や朝鮮半島に特産品としてもたらされ、近代に至るまで日本が世界に誇る一品であり続けました。(チラシより)

10世紀初頭には扇は「アフキ」、団扇は「ウチハ」と訓じられていたそうです。

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展覧会の構成は次の通りです。
序章 ここは扇の国
第1章 扇の呪力
第2章 流れゆく扇
第3章 扇の流通
第4章 扇と文芸
第5章 花ひらく扇
終章 ひろがる扇


神聖な檜扇
扇には、薄い木片を束ねた檜扇と、竹骨に紙や絹を張る紙扇の2種類があります。
古の檜扇には、扇いで涼をとるというより、もっと神秘的な役割があったと考えられるそうです。

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国宝 彩絵檜扇(熊野速玉大社古神宝類のうち) 十握のうち一握 和歌山・熊野速玉大社

02jpg03
重要文化財 彩絵檜扇 一握 島根・佐太神社(島根県立古代出雲歴史博物館寄託)
永く社殿の奥に秘められ、ご神体に準ずる扱いを受けてきたそうです。(本展パンフレットから)

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扇は遊びにも現れます。水面に扇を投じ、そのさまを楽しむ「扇流し」。
扇を屛風や襖に扇を散らすように配置し、背景に流水や波を描く「扇流し図」も様々な形のものが作り出されていきました。

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重要文化財 扇面流図(名古屋城御湯殿書院一之間北側襖絵) 狩野杢之助 画 四面 名古屋城総合事務所

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尾道市重要文化財 源氏物語絵扇面散屛風 六曲一双のうち右隻  広島・浄土寺

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日明貿易の主要な輸出品のひとつとして喜ばれ、日本では、中世を通して、扇は季節の贈答品として用いられ、人々が日常的に身につけるアクセサリーとしても欠かせないものになっていきました。

特別な注文品のほか、すでに14世紀半ば頃には、既製品の扇が店頭販売されていたことが知られ、貴賤を問わずより多くの人々に享受されたと考えられます。(HPから)

扇を作る工程は、室町時代から現代まで変わらないそうです。
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扇屋軒先図 二曲一隻
江戸時代 17世紀 大阪市立美術館 (田万コレクション)


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扇は末広がりにつながる縁起の良いモチーフとして、
屏風、巻物、工芸、染織などと結びつき多彩な作品を生み出してきました。


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梅樹扇模様帷子 一領 女子美術大学美術館

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ぢがみうり 中村富十郎 鳥居清広 画 一枚 千葉市美術館

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織部扇面形蓋物 一合 梅澤記念館

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重要文化財 桜に破扇図鐔 伝 林又七 作 一枚 永青文庫

――HPの解説です――
「扇」は、日本で生まれ発展したものです。その起源は詳らかではありませんが、早く10世紀末には中国や朝鮮半島に特産品としてもたらされ、中国の文献には、それまで一般的だった団扇と区別して、折り畳む意味の「摺」の字をあてた「摺扇」「摺畳扇」や、「倭扇」などと登場します。すなわち、扇が日本のオリジナルであったことを物語っています。
宗教祭祀や日常生活での用具としてだけでなく、気分や場所、季節に応じて取りかえ携帯できる扇は、貴賤を問わずいつでもどこでも楽しめる、最も身近な美術品でした。和歌や絵が施された扇は、贈答品として大量に流通し、また、人と人をつなぐコミュニケーション・ツールの役割も担いました。
さらに扇は、屛風や巻物、そして工芸や染織などとも結びついて、多彩な作品を生み出していきます。あらゆるジャンル、あらゆる流派と交わる扇には、日本人が求めた美のエッセンスが凝縮されているのです。
本展では、日本人が愛した「扇」をめぐる美の世界を、幅広い時代と視点からご紹介します。手中の扇がひらひら翻るたび表情を変えるように、「扇」の多面的な世界をお楽しみください。

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2019.01.15

サンタフェ リー・ダークスコレクション 浮世絵最強列伝 江戸の名品勢ぞろい!

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「サンタフェ リー・ダークスコレクション 浮世絵最強列伝 江戸の名品勢ぞろい!」は、
日本橋高島屋本館8階ホールで開催されています。


会期 2019年1月9日(水)~21日(月)


「リー・ダークスコレクション」とは?初耳。
さらに「浮世絵最強列伝 江戸の名品勢ぞろい!」というコピーに惹かれて行ってみました。

江戸期の浮世絵を通覧するような網羅的な展示で、展覧会としての強烈な個性は感じませんでしたが・・・・保存状態、発色も良く見応えは十分ありました。
一点ごとにキャプションもあり丁寧な展示です。

じっくり鑑賞して、この浮世絵師が好きだな~なんて、あらためて思ったりしてきました。


展覧会の構成は次の通りです。
第1章 江戸浮世絵の誕生―初期浮世絵版画
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菱川師宣「衝立のかげ」 横大判墨摺筆彩 延宝後期から天和気(1679-84)


第2章 錦絵の創生と展開
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鈴木晴信「お百度参り」 中判錦絵 明和2年(1765)


第3章 黄金期の名品
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喜多川歌麿 「歌撰恋之部 物思恋」 大判錦絵 寛政5-6年(1793-94)

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東洲斎写楽 「中島和田右衛門のぼうだら長左衛門と中村比蔵の船宿かな川やの権」 大判錦絵 寛政6年(1794)


第4章 精緻な摺物の流行とその諸相


第5章 北斎の錦絵世界
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葛飾北斎 「風流なくてなゝくせ遠眼鏡」 大判錦絵 享和年間(18 (1801-04)


第6章 幕末歌川派の隆盛
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歌川広重 「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」 大判錦絵 安政(1857)

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歌川国政 「二代目中村仲蔵の松王丸」 大判錦絵 寛政8(1796)


――HPの解説です――
アメリカ、サンタフェのリー・ダークス氏が収集した、浮世絵版画のコレクションをご紹介。アメリカ空軍に服務後、大手新聞社の記者等を経て、新聞業界の経営に携わるという経歴を持つダークス氏は、空軍士官として日本に駐留した際に日本美術に関心を持ち、その後、特に感銘を受けた浮世絵版画を収集してきました。そのコレクションには、浮世絵の祖・菱川師宣、美人画の喜多川歌麿、役者絵の東洲斎写楽、そして葛飾北斎や歌川広重など、浮世絵史を代表する絵師たちの優品が揃っています。また保存状態の良さに加えて、初摺などの貴重な作品も含まれており、世界的に優れたコレクションと評価されています。誰もが一度は目にしたことのある名品から、浮世絵ファン垂涎の珍品まで、これぞUkiyo-e!というべき充実の展示を、ぜひお楽しみください。


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2019.01.13

ルーベンス展―バロックの誕生

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「ルーベンス展―バロックの誕生」は、
国立西洋美術館で開催されています。


会期 2018年10月16日(火)~2019年1月20日(日)

ペーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)は、17世紀バロック美術を代表する画家であり、外交官、人文学者としても優れた才能を発揮し、真のヨーロッパ人として活躍しました。

ルーベンスは、現在のベルギーの町アントウェルベンで修業し大工房を構え活動しました。
画家としての修業の初期に、イタリアに渡った彼は、ヴェネツィア、、マントヴァ、フィレンツェ、ジェノヴァ、ローマで8年間を過ごし、古代の美術やイタリアの巨匠たちから大きな影響を受けるとともに、彼もまた何世代もの芸術家に影響を与え、全く新しい芸術潮流の基礎を築きました。

「ルーベンス展―バロックの誕生」は、イタリアとルーベンスの関係に光を当て、ルーベンスが学び参考にした古代彫刻、同時代画家、ルーベンスの影響を受けた画家の作品を共に展示してその全貌を解明しています。

いわば、ルーベンスをイタリアの画家として紹介する試みです。(主催者解説から)


展示内容は次の通りです。
1章 ルーベンスの世界
2章 過去の伝統
3章 英雄としての聖人たち ― 宗教画とバロック
4章 神話の力 1 ― ヘラクレスと男性ヌード
5章 神話の力 2 ― ヴィーナスと女性ヌード
6章 絵筆の熱狂
7章 寓意と寓意的説話

大作が並び、圧倒される展覧会場になっています。
それぞれの作品のドラマチックな世界に惹きこまれます。


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ペーテル・パウル・ルーベンス《ラオコーン群像》の模写素描 1601-02年 黒チョーク、おそらく部分的に白チョーク、褐色の淡彩/紙
ルーベンスはレニズム彫刻《ラオコーン群像》に魅了され、あらゆる角度から少なくとも15点の素描を残したらしい。

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《ベルヴェデーレのトルソ》 20世紀前半に紀元前1世紀のオリジナル彫刻から型取り 石膏 ローマ、ラ・サピエンッァ大学古典美術館
ミケランジェロはこのトルソを崇拝していた。ルーベンスも素描を残していて、ルーベンスの作品にはこのトルソを思わせるものが数多い。

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グイド・レーニ《ヒュドラ殺害後休息するヘラクロス》 1620年頃 油彩/カンヴァス フィレンツェ、パラティーナ美術館
《ベルヴェデーレのトルソ》を模した作品。 
ルーベンスがレーニに寄せた関心は、自身がレーニの作品の模写を行ったほか、弟子の修業のためにレーニの素描を工房内に所有していたことによっても知られている。
レーニの作品は常設展にも《ルクレティア》が展示されています。

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ペーテル・パウル・ルーベンス《ローマのじ慈愛(キモンとペロ)》 1610-12年 油彩/カンヴァス(板絵から移し替え) サンクトペテルブルグ、エルミタージュ美術館

007
ペーテル・パウル・ルーベンス《天使に治療される聖セバスティアヌス》 1601-03年頃 油彩/カンヴァス ローマ国立古典美術館、コルシーニ宮

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ペーテル・パウル・ルーベンス《聖アンデレの殉教》 1638-38年 油彩/カンヴァス マドリード、カルロス・デ・アンベレス財団

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ペーテル・パウル・ルーベンス《法悦のマグダラのマリア》 1625-28年 油彩/カンヴァス リール美術館

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ペーテル・パウル・ルーベンス《マルスとレア・シルウィア》 1616-17年 油彩/カンヴァス ファドューツ/ウィーン、リヒテンシュタインン侯爵家コレクション

とても愛らしい作品も・・・・
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ペーテル・パウル・ルーベンス《幼児イエスと洗礼者聖ヨハネ》 1625-28年 油彩/板 ローマ、フィンナット銀行


――HPの解説―― 
ペーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)は、バロックと呼ばれる壮麗華美な美術様式が栄えた17 世紀ヨーロッパを代表する画家です。彼は大工房を構え時代に先駆ける作品を量産し、同時代以降の画家たちに大きな影響を与えました。さらにその能力は画業にとどまらず、ヨーロッパ各地の宮廷に派遣されて外交交渉をも行いました。
本展覧会はこのルーベンスを、イタリアとのかかわりに焦点を当てて紹介します。イタリアは古代美術やルネサンス美術が栄えた地であり、バロック美術の中心もローマでした。フランドルのアントウェルペンで育ったルーベンスは、幼いころから古代文化に親しみ、イタリアに憧れを抱きます。そして1600年から断続的に8年間この地で生活し、そこに残る作品を研究することで、自らの芸術を大きく発展させたのです。本展はルーベンスの作品を、古代彫刻や16世紀のイタリアの芸術家の作品、そしてイタリア・バロックの芸術家たちの作品とともに展示し、ルーベンスがイタリアから何を学んだのかをお見せするとともに、彼とイタリア・バロック美術との関係を明らかにします。近年では最大規模のルーベンス展です。



国立西洋美術館 ルーベンス展 ─ バロックの誕生
InternetMuseum


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2019.01.10

国立西洋美術館2018年度収蔵作品ルカス・クラーナハ(父)《ホロフェルネスの首を持つユディト》

ありえないことですが・・・・・
2016-17に開催された「クラーナハ展―500年後の誘惑」で目玉作品として人気を集めたあの《ユディト》だったら大騒ぎですよね!

こちらは、小振りで地味な作品ですが・・・
華奢な身体の右手に刀剣を持ち、左手は斬首したホロフェルネスの頭部に置かれています。
凄惨な場面と醒めた表情のユディト、その対比が変わらぬ魅力です。

敵将ホロフェルネスを酒に酔わせて斬首し、故郷べトリアを救った美しき女性――そんな勇敢さと美貌を兼ね備えたユディトは、中世のキリスト教社会においては美徳の象徴でした。(パンフレット(ゼフェロス №77から)


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ルカス・クラーナハ(父)(1472年-1553年)
《ホロフェルネスの首を持つユディト》 1530年頃 油彩/板

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1月20日まで開催されている
特別展 ルーベンス――バロックの誕生に出展されている
グイド・レーニ《ヒュドラ殺害後休息するヘラクレス》は素晴らしい作品です。(男性ヌード)
ルーベンスはレーニの作品に感心を寄せていて、自身もレーニ作品の模写を行ったほか、工房内に所有していました。

その、レーニの作品が展示されていますので、こちらもお勧めです。
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グイド・レーニ(1575年-1642年)
《ルクレティア》 1636-38年頃 油彩/カンヴァス

ルクレティアは、古代ローマの伝説上の人物。
タルクィニウス・コラティヌスの貞淑な妻であったが、ローマ王タルクィニウス・スペルブスの息子に陵辱され、自殺した。
この事件は、王の暴君ぶりと相まって市民の武装蜂起を招き、王は追放されて共和政が樹立される契機となった、と伝えられている。

特別展を観たら、さっさと帰らずに常設展も観ましょう!


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2019.01.07

日経平均、為替(ドル円)アナリスト予想2019

突然どうしちゃったの?
・・・・ですよね。
政治経済ネタは投稿しないつもりでしたが、これからも控えたいと思いますが、日経平均、為替は、世の中の動静を端的に反映していますよね。

何といっても私のような一般的庶民の生活への影響を考えると、その動きは気懸りです。

ということで年初のテレビに出演されたアナリストの予想を下記に載せてみます。
まあ~、当たらないですけどね。
専門家でも、想定できない事態が発生するのは毎年のことですし、仕方ないですよね。

さて、改元の今年、景気は上向くでしょうか?どうも怪しいようです。

モーニングサテライト(テレビ東京)から。
日経平均
年末高予想
マネックス証券 広木氏 安値:1月1万9000円 高値:12月:2万8000円

大和証券 石黒氏  安値:1月1万9000円 高値::12月2万6000円
 
UBSウェルネス・マネジメント 青木氏 安値:1月1万9000円 高値:11月頃:2万4000円


年央高
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 藤戸氏 安値:10月頃1万8000円 高値:6月頃2万3500円

野村証券 松浦氏 安値:1月:1万9000円 高値6月末2万4000円

JPモルガン証券 坂上氏 安値:1月1万9000円 高値:6月頃2万4000円


ドル円相場
円安派
JPモルガン・チェース 銀行 佐々木氏 年央:118円 年末:112円

シティーグループ証券 高島氏 3月頃:105円 9月頃:115円 年末:110円

野村証券 池田氏 8.9月頃:122円 年末:120円 
               
ソニーフィナンシャルホールディングス 尾河氏 安値:103円 9月頃:115円 年末113円

円高派
三菱UFJ銀行 内田氏 年央:109円 9.10月頃:102円 年末:104円

バークレーズ証券 門田氏 年央:110円 年末:107円


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サンデーニュース Bizスクエア(BS TBS)から。
日経平均
りそな銀行 黒瀬氏 最安値:1万8000円 最高値:2万2000円 年末:2万円

SMBC信託銀行 山口氏 最安値:1万8000円 最高値:2万2500円 年末:2万1000円

ニッセイ基礎研究所 井出氏 最安値:1万8000円 最高値:2万3000円 年末:2万3000円

野村証券 小高氏 最安値:1万8500円 最高値:2万5000円 年末:2万3000円


ドル円相場

バルタリサーチ 花王氏 円安:115円 円高:100円 年末115円

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 植野氏 円安:118円 円高:104円 年末:112円

住友信託銀行 瀬良氏 円安:113円 円高:103円 年末:106円

バンクオブアメリカ・メリルリンチ 山田氏 円安:118円 円高:100円 年末:105円

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2019.01.06

マイケル・ケンナ写真展

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マイケル・ケンナ写真展は、

東京都写真美術館で開催されています。

会期 2018年12月1日(土)~2019年1月27日(日)

この美術館でもよく見かける「長々と難解説を付け加えた」作品には辟易とさせられるのですが・・・


マイケル・ケンナは、ケレン味の無い、本当に写真を楽しんでる写真家という印象です。
マイケル・ケンナは只管・・・・理想の光に包まれたフォルムを求め続けて何度も、何度も通い続けます。
そして、現像段階で現れる意外性にわくわくします。
私が見たい写真って・・・この様なものとあらためて感じさせてくれました。

45年間マイケル・ケンナのスタイルは変わることがなかった。いつも探し求めるのは、視覚的なパターンや面白い抽象であり、絵画的な構図を持つ被写体だ。余分なものを削り落としたミニマムな作品にしたいと考えている。実際に目に見えるものではなく、それがどうなりえるのかを想像するのだ。
昔ながらの暗室で、今でも白黒のシルバープリントを焼いている。(図録から引用)


――チラシから――
代表作から初公開作品まで、マイケル・ケンナ45年間の集大成
心象世界の旅 印画紙に綴られたモノクロームの叙事詩

展示構成は次の通りです。
A 45 YEAR ODYSSEY 1973-2018
IMPOSSIBLE TO FORGET 1989-2000
RAFU〔裸婦〕:JAPANESE NUDE STUDIES 2008-2018

A45YEAR ODYSSEY 1973-2018のみ撮影可でした。
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――HPの解説です――
世界屈指の風景写真家として知られるマイケル・ケンナの日本初の回顧展を開催いたします。
マイケル・ケンナは、これまでに開催された個展が約450回、出版されたハイクオリティな写真集は約70タイトルにものぼる全世界で圧倒的な人気を誇るカリスマ的存在です。崇高な美意識と独特のコンポジットの中で、移ろう自然の神秘と多様な文化への憧憬を、時には長時間露光を駆使して一葉の写真に焼きつけていく芸術性が、世界中で高く評価され、多くの写真ファンのみならずプロの写真家たちをも魅了し続けています。また、静謐で叙情を湛えたケンナのプリント作品は、ロンドンのビクトリア&アルバート美術館やサンフランシスコ近代美術館をはじめ、世界各国の著名美術館に収蔵され、その絶対的な価値を確立しているのです。
本展では、45年に渡るケンナのキャリアの中から代表作を選りすぐって展示。長年にわたり毎年のように訪れた彼の愛する日本の写真も数多く含む展覧会となります。また、ケンナは、美しい風景描写のみならず、原発や廃れゆく工場地帯などの数々の社会的なテーマにも取り組んでおり、1988年からは約12年の歳月をかけてナチスドイツの強制収容所28ケ所の撮影を敢行、300点のプリントとネガをフランス政府に寄贈し芸術文化シュヴァリエ章を受章しています。今回、特別展示として、この連作「Impossible to Forget」を日本で初めて展覧するとともに、被写体に「人物」を選んだまったく新たな試みとしてこの10年にわたり日本の古い家屋で撮影された未発表のヌード作品も、本年11月のパリでの世界初公開に続き日本初公開。すべて作家自身が暗室でプリントした約165点のオリジナルプリントにより構成される本展は、孤高の写真家マイケル・ケンナの芸術性と社会的側面を紹介する作家活動45年の集大成に相応しい画期的レトロスペクティブとなります。

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2019.01.03

博物館に初もうで 2019年

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「博物館に初もうで」は東京国立博物館で開催されています。

会期 2019年1月2日(水)~1月27日(日)


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2日、3日には毎年新春イベントが行われます。
いつも同じ内容?・・・でも正月にはやはり獅子舞ですからね。
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本館特別1室・特別2室で干支にちなんだ
特集「博物館に初もうで イノシシ 勢いのある年に」が開催されています。
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国宝 袈裟襷文銅鐸 伝香川県出土 弥生時代(中期)・前2~前1世紀

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猪図 岸連山(1804~59) 紙本着色 江戸時代・19世紀

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萩野猪図屏風 望月玉泉(1834~1913)筆 紙本着色 江戸〜明治時代・19世紀 

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重要文化財 埴輪 猪  群馬県伊勢原市大字境上武字天神山出土 古墳時代・6世紀

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そして新春に相応しい名品が沢山展示されています。
「国宝 松林図屏風」を目当てに毎年訪れる人も多いのでは・・・(14日までの展示です、ご注意を)
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国宝 松林図屏風 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀 

高精細複製品による新しい屏風体験(国宝 松林図屏風)
高精細複製品と映像によるインスタレーションです。

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公式キャラクター/広報大使の「トーハクくん」「ユリノキちゃん」が登場
記念撮影に大わらわでした。
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名刺をもらってきました。
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Photo


まとめです。
動画と静止画でスナップ風に。

――トーハクHPから――
お正月は、日本の伝統を感じにトーハクへ!
新年恒例となる「博物館に初もうで」も、今年で16年目を迎えます。
トーハクのお正月の定番となった国宝「松林図屛風」が、このお正月2年ぶりに本館で展示します。その他にもお正月ならではの名品と、新年の干支「亥」をテーマにした作品で皆様のご来館をお待ちしております。和太鼓や獅子舞などの伝統芸能も盛りだくさん。
新年のスタートをぜひトーハクでお迎えください。
新春名品紹介
特集「博物館に初もうで イノシシ 勢いのある年に」
黒田記念館
新春イベント
お年玉・プレゼント

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2019.01.01

新年のご挨拶 平成31年(2019)

明けましておめでとうございます。
旧年中は、拙ブログにお付き合い頂きありがとうございました。
本年も宜しくお願い致します。

今年も、美術館、博物館の訪問記が中心になりますが、旅行記、読後感想などの投稿も増やせたらいいな、とも思っています。
時間の余裕があるときにでも覗いてみてください。

2019a            鈴木其一 十二ヶ月図扇(一月)

昨年末に掛けてのニューヨーク、東京株式市場の歴史的とも言える乱高下は今年の多難な政治、経済を予感させました。
今年は日本の改元をはじめ国内、世界的にも将来を決定づけるような重要イベントが盛り沢山です。
平和な一年となるように祈るばかりです。
なによりも、皆様が充実した一年を送れますように。


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