フェルメール展は、
上野の森美術館 で開催されています。
東京展会期 2018年10月5日(金)~2019年2月3日(日)
(会期中、一部作品の展示替えがあります。「赤い帽子の娘」10/5(金)〜12/20(木)、「取り持ち女」1/9(水)〜2/3(日))
混んでいると嫌だな~と、グズグズしていたら一部展示替え間近(12月20日)になってしまっていた・・・
ということで、展示替え前に 行ってきました。
12月18日には、入場者が40万人を突破したそうです。
この美術館では、何度か大混雑を経験しているので、心配でしたが・・・
フェルメール作品は、列に並ばないと最前列では観られませんが、他の展示は時間帯によっては並ばずに見ることができました。(私が観に行ったのは平日の15時~16時30分までに入場するコースです、退場時間制限なし)
15時半過ぎに入場しました。
入場時の行列も無いようです。
ロッカーも空きが結構あって使うことができました。
日時指定入場制にしたのが良かったのかもしれませんね。
夕方以降は、比較的ゆっくり鑑賞できそうです。
チケット購入サイトを見ると18時30分までの時間帯の「図録と入場セット券」は最終日(2月3日)まで完売ですが、19時~20時半の同チケットは直近でも購入できそうです。
因みに、当日券で入場する方もおられますが、心配症の人は前売り券購入が良いですね。
前売り2500円
当日2700円
図録3000円
図録と入場セット5000円
これから先、最終日まで休館日なしです。
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入場口で、小冊子(作品解説書)と貸し出し音声解説(無料)を受け取ります。
これも、観客の流れをスムーズにする工夫なのでしょうか・・・展示会場、個々の作品キャプションは掲示していません、皆さん小冊子を読みながら鑑賞していました。
展覧会の構成は次の通りです。
第1章 オランダ人との出会い:肖像画
第2章 遠い昔の物語:神話画と宗教画
第3章 戸外の画家たち:風景画
第4章 命なきものの美:静物画
第5章 日々の生活:風俗画
第6章 光と影:フェルメール
展示会場に入ると、長い行列ができていました。
私は、フェルメールルームに直行しました。
流石に、なかなか進まない行列に並んでの鑑賞です。
よかったのか悪かったのか、じっくり鑑賞することができました。
フェルメール作品は細部にこだわった作品で、小品が殆どですから単眼鏡などを持って行った方が良いと思います。衣服等々の質感表現の素晴らしさが実感できると思います。
テレビ、雑誌等で盛んに特集を組んでいて、様々な感想が語られています。
柔らかな光の表現(完璧なグラデーション)の中に一人か二人の登場人物、その心象と寓意。
構図、カメラ・オブスクラ・・・
調度、クロス、服の質感、歴史的背景・・・語りつくせない内容を含んでいるように思われます。
名画の所以ですね。
東京都美術館で2008年に7点展示があり、その前後1~3点展示する展覧会が何度か開催されてきました。
今回は、展示替えを含むと9点見ることができます、これが魅力です。フェルメールという画家の全体像を垣間見ることができる絶好の機会です。
フェルメール作品は、次の順に展示されています。
(解説は、基本配布された小冊子から引用しています)
マルタとマリアの家のキリスト 1654-1655年頃 油彩・カンヴァス 158.5×141.5cm スコットランド・ナショナル・ギャラリー
現在知られるフェルメール作品で最も大きく、聖書に取材した唯一の作品。
(フェルメールなの?と思ってしまう・・・)
ワイングラス 1661-1662年頃 油彩・カンヴァス 67.7×79.6cm ベルリン国立美術館
楽譜やリュートは男女の愛を暗示する。窓の紋章には、馬の手綱を持つ女性が描かれている。この女性像は節制の擬人像で色恋沙汰を戒める寓意であるという。
リュートを調弦する女 1662-1663年頃 油彩・カンヴァス 51.4×45.7cm メトロポリタン美術館
窓の外に向ける視線の先には、彼女と演奏するはずの、あるいは演奏を終えた人物がいるのかもしれない。
8. 真珠の首飾りの女 1662-1665年頃 油彩・カンヴァス 56.1×47.4cm ベルリン国立美術館
窓から光が差し込む室内で、女性が真珠の首飾りを結ぼうとリボンを手に、壁に掛かる鏡を見つめている。
手紙を書く女 1665年頃 油彩・カンヴァス 45×39.9cm ワシントン・ナショナル・ギャラリー
着ている黄色い上着は、フェルメールの財産目録に記載されたものと同一ものとみられ、《リュートを調弦する女》や《真珠の首飾りの女》にも描かれている。
手紙を書く婦人と召使い 1670-1671年頃 油彩・カンヴァス 71.1×60.5cm アイルランド・ナショナル・ギャラリー
背景の絵画は旧約聖書の一場面「モーセの発見」。この手紙がラブレターならば、女主人の恋はモーセの生涯のように運命づけられているのだろうか。フェルメール後期の傑作。
初来日の作品です。展示期間:2018.10/5(金)〜12/20(木)
赤い帽子の娘 1665-1666年頃 油彩・板 23.2×18.1cm ワシントン・ナショナル・ギャラリー
この作品は右から光があたっていて、ハイライト部分が際立ちますね。
牛乳を注ぐ女 1658-1660年頃 油彩・カンヴァス 45.5×41cm アムステルダム国立美術館
フェルメールの絵の中でもっともよく知られる傑作の一つ。
2007年新国立美術館の展覧会で展示も・・・・
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「取り持ち女」の展示期間は2019年1/9(水)〜2/3(日)です。
取り持ち女 1656年 油彩・カンヴァス143×130cm ドレスデン国立古典絵画館
フェルメールが主要画題を歴史画から風俗画へと転じる画期となった作品。
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同時代画家の名作も展示されています。
ヘラルト・ダウ 本を読む老女 1631-32年頃 油彩・板 71.2×55.2cm アムステルダム国立美術館
ダウはレンブラントの弟子の一人。
この細密描写は超人的、見ほれること間違いなしです。
ハブリエル・メツー 手紙を読む女 1664-1666年頃 油彩・板52.5×40.2cm アイルランド・ナショナル・ギャラリ
ハブリエル・メツー 手紙を書く男 1664-1666年頃 油彩・板52.5×40.2cm アイルランド・ナショナル・ギャラリ
恋文をやりとりする男女は、17世紀後半のオランダ風俗画でで流行した画材で、ヘラルト・デル・ボルフによって生み出された。絵にカーテンが掛けてあるのも面白いですね。荒れた海を航行する船が描かれていて、寓意を込めているのですね。フェルメールからの影響が論じられているそうです。
監修者メッセージ(HPから)
本展覧会は、上野の森美術館と大阪市立美術館で、2018年から2019年にかけて開催されます。ヨハネス・フェルメールの傑作8点が展示される予定であり、その中にはオランダのアムステルダム国立美術館の「牛乳を注ぐ女」も含まれます。そのほか、オランダ黄金期を代表する画家であるハブリエル・メツー、ピーテル・デ・ホーホ、ヤン・ステーンなど世界的にもごく稀少で非常に評価の高い作品約50点を展示する予定です。
この素晴らしい展覧会は、フェルメールや彼の同時代の画家たちにとって非常に重要だった芸術的な原理を明らかにします。こうした原理に適応した偉大な画家たちの様々な手法が、絵が息をのむほどリアルに見えながらも絵画上の特徴がそれぞれ異なる理由を教えてくれます。
フェルメールは、オランダの最も偉大な画家の一人であり、作品の美しさや静謐さは、世界中に知れ渡っています。本展覧会において、一般的に彼の知られている35作品のうち、日本初公開を含む8点が集まるというのは祝福すべきことでしょう。フェルメールの傑作がこれほどまでに一度に集められることは滅多にありません。本展覧会で展示される作品はキャリアのほぼ全段階から選ばれており、彼の芸術表現の幅広さを示します。
フェルメールは、長きにわたって誇らしい歴史を持つオランダの小さな都市、デルフトで生まれ育ちました。画家としてのキャリアを、スコットランド・ナショナル・ギャラリーの「マルタとマリアの家のキリスト」のような聖書や神話の場面から始めたフェルメールでしたが、すぐにアイルランド・ナショナル・ギャラリーの「手紙を書く婦人と召使い」にみられるように、日常の場面にスポットを当てるようになりました。このいずれの作品も今回の展覧会で貸し出されます。フェルメールの作品は、アメリカとヨーロッパの主要な美術館においても貴重な宝であり、本展覧会に快く作品を貸し出してくださることに、心より感謝申し上げます。
本展覧会が日本のみなさまに喜びをもたらすことを信じてやみません。
VIDEO
上野の森美術館 フェルメール展
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