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2018.12.30

観てきた展覧会備忘録 2018年12月&11月まで

「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア」
会期 2018年11月23日(金・祝)〜2019年1月27日(日)
Bunkamuraザ・ミュージアム


扇の国、日本
会期 2018年11月28日(水)〜2019年1月20日(日)
サントリー美術館


「吉村芳生 超絶技巧を超えて」

会期 2018年11月23日(金・祝)-2019年1月20日(日)
東京ステーションギャラリー


「東西数寄者の審美眼 ―阪急・小林一三と東急・五島慶太のコレクション―」
会期 2018年10月20日(土)~12月9日(日)
五島美術館


第82回展 「明治美術の一断面-研ぎ澄まされた技と美」
会期 208年11月3日(土・祝)~12月24日(月・振休)
三の丸尚三館


「江戸絵画の文雅 ─魅惑の18世紀」展

会期 2018年11月3日(土・祝)~12月16日(日)
出光美術館


〜生誕200年記念〜
幕末の北方探検家 松浦武四郎展
会期 2018年9月24日(月・祝)~12月9日(日)
静嘉堂文庫美術館


WE ARE LOVE photographed by LESLIE KEE
会期 2018年11月23日(金・祝)〜12月24日(月・祝)
ポーラミュージアムアネックス


富士屋ホテルの営繕さん-建築の守り人-
会期 2018年12月6日(木)~2019年2月23日(土)
LIXILギャラリー


マイケル・ケンナ写真展
会期 2018年12月1日(土)~2019年1月27日(日)
東京都写真美術館


小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家 vol.15
会期 2018年12月1日(土)~2019年1月27日(日)
2018.12.1(土)—2019.1.27(日)
東京都写真美術館


砂丘に眠る弥生人-山口県土井ヶ浜遺跡の半世紀-
会期 2018年12月11日(火)~2019年3月24日(日)
国立科学博物館日本館1階 企画展示室


フェルメール展
東京展会期 2018年10月5日(金)~2019年2月3日(日)
上野の森美術館


終わりのむこうへ : 廃墟の美術史
会期 2018年12月8日(土)~2019年1月31日(木)
渋谷区立松濤美術館


観てきた展覧会備忘録 2018年11月

観てきた展覧会備忘録 2018年10月

観てきた展覧会備忘録 2018年9月

観てきた展覧会備忘録 2018年8月

観てきた展覧会備忘録 2018年7月

観てきた展覧会備忘録 2018年6月


観てきた展覧会備忘録 2018年5月

観てきた展覧会備忘録 2018年4月

観てきた展覧会備忘録 2018年3月

観てきた展覧会備忘録 2018年2月

観てきた展覧会備忘録 2018年1月

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2018.12.28

観てきた展覧会ベストテン 2018年

ベストテンを選ぶにあたって、まず20程度の展覧会をピックアップしました。甲乙つけがたいのですが、今年は幅広いジャンルからということを意識して選んでみました。選んだ他に、ギャラリーでの展覧会で観た現代作家の素晴らしい作品も記憶にあります。所蔵品のみの展覧会にも、とても勉強になる企画が沢山ありました。正直、このジャンルはもういいかな〜と思う展覧会もありましたが、行ってみると意外な作品に出会えたり・・でした。来年はクリムト、バスキアあたりに期待でしょうか?

例年通り、選んだ展覧会に順位はつけませんでした。


フェルメール展
Photo
東京展会期 2018年10月5日(金)~2019年2月3日(日)
上野の森美術館
フェルメールの秀作が8点(展示替えも含めると9点)が一度に観ることができる絶対見逃せない展覧会。
日時指定入場制などの運営方法にも注目でした。

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「田根 剛|未来の記憶」展
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会期 2018年10月19日[金]─ 12月24日[月]
東京オペラシティ アートギャラリー
TOTOギャラリー・間でも、田根剛の展覧会が同時期に開催されました。
田根 剛の作品は、物語があってユニーク、楽しい。

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オルオルセー美術館特別企画
ピエール・ボナール展

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会期 2018年9月26日(水)~ 12月17日(月)
国立新美術館
「日本かぶれのナビ」というイメージを持ち続けていたのですが・・・色彩豊かな構図を計算尽した作品がメインの画家だった!ボナールの魅力を再認識。

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「世界を変えた書物」展
01
会期 2018年9月8日(土)~9月24日(月・祝)
上野の森美術館
理学、工学、建築などの初版本をこれだけ大量に展示している展覧会は初めて見ました。
素晴らしい経験ができました。

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特別展「縄文―1万年の美の鼓動」展
01
会期 2018年7月3日(火) ~ 2018年9月2日(日)
東京国立博物館 平成館
土偶、土器などの企画展は人気があります・・・この企画展はその集大成の趣「縄文の美」とその美を育んだ時代にも思いを巡らせながら・・・・展示方法も秀逸でした。

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「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界 ―1780年パリに始まるエスプリ」展

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会期 2018年6月28日(木)~9月17日(月・祝)
三菱一号館美術館
宝石の類には縁の無い私ですが、この様な展覧会には度々出かけました。とてもこだわりのある展示空間で、
美しさが際立つ素晴らしい展覧会でした。

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「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび「」展
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会期 2018年1月12日(金)~3月25日(日)
国立近代美術館
展示会場が(展示空間が)心豊かな、幸せな空間になっていた。
熊谷の人柄がよく表現された作品だと思いました。

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「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」世界文化遺産登録記念
特別展「キリシタン―日本とキリスト教の469年―」展

469
会期  平成30(2018)年9月15日(土)~10月28日(日)
國學院大學博物館
キリシタン関連企画展が多く開催されました。代表として・・・・
MOA美術館の「信長とクアトロ・ラガッツィ 桃山の夢と幻 + 杉本博司と天正少年使節が見たヨーロッパ」展を観に行けなかったのが心残りです。 

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太宰治 三鷹とともに —太宰治没後70年— 
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会期 2018年 6月16日(土)〜7月16日(月・祝)
三鷹美術津ギャラリー
太宰と三鷹を中心に、時代と思潮、太宰の全体像を丹念な幅広い研究資料で見せてくれた展覧会。

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特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」
Photo
会期 2018年1月16日(火)~2018年3月11日(日)
東京国立博物館平成館
仏像展示はトーハク!
仁和寺観音堂の再現展示は圧巻でした。


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2018.12.25

ムンク展―共鳴する魂の叫び

201801


ムンク展―共鳴する魂の叫び

東京都美術館

会期 2018年10月27日(土)~2019年1月20日(日)


「叫び」の展示場所には通路が設けられていて、最前列で鑑賞するためには通路の後列に並ばなければなりません。
立ち止まるのも不可です。
ムンクの代表作「叫び」は、絵画3点と複数の版画が現存しています。本展に展示されている作品はオスロ市立ムンク美術館所蔵の叫び1910年?)です。

ムンクは「接吻」「叫び」「マドンナ」「吸血鬼」というお馴染みのモチーフで繰り返し作品を制作しました。私も様々な展覧会で観てきました。

本展の特徴のひとつはこの様な作品に加え、自画像が沢山展示されている点にあるかもしれません。
十代から晩年までの自画像を記憶して、同じ年代の作品を鑑賞するのも面白いと思いました。

初期から晩年までの作品(油彩画約60点に版画などを合わせた約100点)を通してムンクの80年の生涯をたどる回顧展です。
展示作品はオスロ市立ムンク美術館所蔵がほとんどです。


展覧会の構成は以下の通りです。
1 ムンクとは誰か
2 家族─死と喪失
3 夏の夜─孤独と憂鬱
4 魂の叫び─不安と絶望
5 接吻、吸血鬼、マドンナ
6 男と女─愛、嫉妬、別れ
7 肖像画
8 躍動する風景
9 画家の晩年

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以下のムンクの言葉は展示会場に記されています。
(キャプションの一部も引用しています)

私の芸術は自己告白である
スケッチブックより
1927ー34年
06
自画像 1895年 リトグラフ オスロ市立ムンク美術館蔵
ムンク30歳代初めの作品。

ーーー

私の芸術は、人生の不均衡を解明しようとする思索から生まれた。何故、私は他の人と違うのか?頼みもしないのに、なぜこの世に生を受けたのか?この呪いと、それをめぐる思索が、私の芸術の礎となった。
201802
病める子 1896年 リトグラフ オスロ市立ムンク美術館蔵
展覧会でムンク作品が展示されると、必ずと言っていいほど展示される「病める子」(数バージョンあり)。
ムンクの出発点だと思う。
ムンクの姉は15歳のとき結核で亡くなった。

ーーー

私は見えるものを描くのではない、見たものを描くのだ
ノートより
1928年
11
夏の夜、渚のインゲル オスロ市立ムンク美術館蔵
1889年 油彩、カンヴァス
妹のインゲルを描いた作品。
1890年代以降のムンクを象徴するテーマの重要な特徴をそなえた作品。それはつまり、浜辺にいるメランコリックな人物である。

ーーー

芸術は、自然の対極にある
芸術作品は人間の内なる魂から生まれる
ノートより、ヴァルネミュンデ
1907-08年
201804
叫び 1910年? テンペラ、油彩、厚紙 オスロ市立ムンク美術館蔵
夕暮れの道を歩いていた
一方には町とフィヨルドが横たわっている
私は疲れていて気分が悪かった
立ちすくみフィヨルドを眺める
太陽が沈んでいく
雲が赤くなった
血のように
私は自然をつらぬく叫びよようなものを感じた
叫びを聞いたと思った
私はこの絵を描いた
雲をほんとうの血のように描いた
色彩が叫んでいた
この絵が〈生命のフリーズ〉の《叫び》となった

ーーー

読書する人や編み物する女のいる室内画を、もう描いてはならない。呼吸し、感じ、苦悩し、愛する、生き生きとした人間を描くのだ
ノートより
1929年
12
月明り、浜辺の接吻 1914年 油彩、カンヴァス オスロ市立ムンク美術館蔵
いくつかの恋愛関係は別として、ムンクは独身のままで過ごした。
ムンクは、芸術家が十分に力量を発揮するには孤独であるべきだと考えていた。
だが、実際の彼は、友人、支持者、パトロンと広いネットワークを持っていた。

ーーー

老人たちが「愛は炎である」というのは正しい
それは炎のように、
たった一山の灰を跡に残すのだ
スケッチブックより
1891-92年
08
生命のダンス 1925年 油彩、カンヴァス オスロ市立ムンク美術館蔵
白いドレスを着た若い女性は、青春期の純真さを表している。画面中央では、赤いドレスを着た女性とパートナーがダンスを踊っている。右側では、黒い服を着た年配の女性が、人生の終わりに近ずきつつあることを表している。

ーーー

カメラが筆とパレットに勝ることはない
それが天国か地獄で
使われない限りは
ノートより
1890-92年
201805
フリードリッヒ・ニーチェ 1906年 油彩、テンペラ、カンヴァス オスロ市立ムンク美術館蔵
ニーチェの死6年後に写真をもとに描かれた作品。

ーーー

自然とは、目に見える物ばかりではない
瞳の奥に映し出されるイメージ
魂の内なるイメージでもあるのだ
ノートより、ヴァルネミュンデ
1907-08年
13
並木道の新雪 1906年 油彩、カンヴァス


ーーー

我々は誕生の時に、すでに死を体験している
これから我々を待ち受けているのは、
人生のなかで最も奇妙な体験、
すなわち死と呼ばれる、真の誕生である
一体、何に生まれるというのか?
スケッチブックより
1927-34年
14
庭のリンゴの木 1932-42年 油彩、カンヴァス オスロ市立ムンク美術館蔵
エーケリーの地の、自邸周辺の庭と近隣の田園地帯の森は、ムンクの重要なインスピレーションの源となる。
自然主義と印象派という自身の芸術のルーツに部分的ながら立返ることになった。
ムンクは、内面のありようを探るべく、これらの美術運動から距離を置いていた。

201803
エドヴァルド・ムンク
《自画像、時計とベッドの間》1940-43年
オスロ市立ムンク美術館蔵
ムンク最晩年の自画像。


展覧会の解説(HPから)
世界で最もよく知られる名画の一つ《叫び》を描いた西洋近代絵画の巨匠、エドヴァルド・ムンク(1863-1944)。画家の故郷、ノルウェーの首都にあるオスロ市立ムンク美術館が誇る世界最大のコレクションを中心に、約60点の油彩画に版画などを加えた約100点により構成される大回顧展です。
複数描かれた《叫び》のうち、ムンク美術館が所蔵するテンペラ・油彩画の《叫び》は今回が待望の初来日となります。愛や絶望、嫉妬、孤独など人間の内面が強烈なまでに表現された代表作の数々から、ノルウェーの自然を描いた美しい風景画、明るい色に彩られた晩年の作品に至るまで、約60年にわたるムンクの画業を振り返ります。

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2018.12.22

フェルメール展

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フェルメール展は、
上野の森美術館で開催されています。

東京展会期 2018年10月5日(金)~2019年2月3日(日)
(会期中、一部作品の展示替えがあります。「赤い帽子の娘」10/5(金)〜12/20(木)、「取り持ち女」1/9(水)〜2/3(日))

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混んでいると嫌だな~と、グズグズしていたら一部展示替え間近(12月20日)になってしまっていた・・・
ということで、展示替え前に 行ってきました。

12月18日には、入場者が40万人を突破したそうです。

この美術館では、何度か大混雑を経験しているので、心配でしたが・・・
フェルメール作品は、列に並ばないと最前列では観られませんが、他の展示は時間帯によっては並ばずに見ることができました。(私が観に行ったのは平日の15時~16時30分までに入場するコースです、退場時間制限なし)
15時半過ぎに入場しました。
入場時の行列も無いようです。
ロッカーも空きが結構あって使うことができました。
 
日時指定入場制にしたのが良かったのかもしれませんね。
夕方以降は、比較的ゆっくり鑑賞できそうです。

チケット購入サイトを見ると18時30分までの時間帯の「図録と入場セット券」は最終日(2月3日)まで完売ですが、19時~20時半の同チケットは直近でも購入できそうです。
因みに、当日券で入場する方もおられますが、心配症の人は前売り券購入が良いですね。
前売り2500円
当日2700円
図録3000円
図録と入場セット5000円
これから先、最終日まで休館日なしです。

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入場口で、小冊子(作品解説書)と貸し出し音声解説(無料)を受け取ります。
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これも、観客の流れをスムーズにする工夫なのでしょうか・・・展示会場、個々の作品キャプションは掲示していません、皆さん小冊子を読みながら鑑賞していました。


展覧会の構成は次の通りです。
第1章 オランダ人との出会い:肖像画
第2章 遠い昔の物語:神話画と宗教画
第3章 戸外の画家たち:風景画
第4章 命なきものの美:静物画
第5章 日々の生活:風俗画
第6章 光と影:フェルメール

展示会場に入ると、長い行列ができていました。
私は、フェルメールルームに直行しました。
流石に、なかなか進まない行列に並んでの鑑賞です。
よかったのか悪かったのか、じっくり鑑賞することができました。

フェルメール作品は細部にこだわった作品で、小品が殆どですから単眼鏡などを持って行った方が良いと思います。衣服等々の質感表現の素晴らしさが実感できると思います。

テレビ、雑誌等で盛んに特集を組んでいて、様々な感想が語られています。
柔らかな光の表現(完璧なグラデーション)の中に一人か二人の登場人物、その心象と寓意。
構図、カメラ・オブスクラ・・・
調度、クロス、服の質感、歴史的背景・・・語りつくせない内容を含んでいるように思われます。
名画の所以ですね。

東京都美術館で2008年に7点展示があり、その前後1~3点展示する展覧会が何度か開催されてきました。
今回は、展示替えを含むと9点見ることができます、これが魅力です。フェルメールという画家の全体像を垣間見ることができる絶好の機会です。


フェルメール作品は、次の順に展示されています。
(解説は、基本配布された小冊子から引用しています)
06
マルタとマリアの家のキリスト 1654-1655年頃 油彩・カンヴァス 158.5×141.5cm スコットランド・ナショナル・ギャラリー
現在知られるフェルメール作品で最も大きく、聖書に取材した唯一の作品。
(フェルメールなの?と思ってしまう・・・)

08
ワイングラス 1661-1662年頃 油彩・カンヴァス 67.7×79.6cm ベルリン国立美術館
楽譜やリュートは男女の愛を暗示する。窓の紋章には、馬の手綱を持つ女性が描かれている。この女性像は節制の擬人像で色恋沙汰を戒める寓意であるという。

07
リュートを調弦する女 1662-1663年頃 油彩・カンヴァス 51.4×45.7cm メトロポリタン美術館
窓の外に向ける視線の先には、彼女と演奏するはずの、あるいは演奏を終えた人物がいるのかもしれない。

05
8. 真珠の首飾りの女 1662-1665年頃 油彩・カンヴァス 56.1×47.4cm ベルリン国立美術館
窓から光が差し込む室内で、女性が真珠の首飾りを結ぼうとリボンを手に、壁に掛かる鏡を見つめている。

04
手紙を書く女 1665年頃 油彩・カンヴァス 45×39.9cm ワシントン・ナショナル・ギャラリー
着ている黄色い上着は、フェルメールの財産目録に記載されたものと同一ものとみられ、《リュートを調弦する女》や《真珠の首飾りの女》にも描かれている。

02
手紙を書く婦人と召使い 1670-1671年頃 油彩・カンヴァス 71.1×60.5cm アイルランド・ナショナル・ギャラリー 
背景の絵画は旧約聖書の一場面「モーセの発見」。この手紙がラブレターならば、女主人の恋はモーセの生涯のように運命づけられているのだろうか。フェルメール後期の傑作。

初来日の作品です。展示期間:2018.10/5(金)〜12/20(木)
03
赤い帽子の娘 1665-1666年頃 油彩・板 23.2×18.1cm ワシントン・ナショナル・ギャラリー
この作品は右から光があたっていて、ハイライト部分が際立ちますね。

01
牛乳を注ぐ女 1658-1660年頃 油彩・カンヴァス 45.5×41cm アムステルダム国立美術館 
フェルメールの絵の中でもっともよく知られる傑作の一つ。
2007年新国立美術館の展覧会で展示も・・・・

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「取り持ち女」の展示期間は2019年1/9(水)〜2/3(日)です。
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取り持ち女 1656年 油彩・カンヴァス143×130cm ドレスデン国立古典絵画館
フェルメールが主要画題を歴史画から風俗画へと転じる画期となった作品。

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同時代画家の名作も展示されています。

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ヘラルト・ダウ 本を読む老女 1631-32年頃 油彩・板 71.2×55.2cm アムステルダム国立美術館 
ダウはレンブラントの弟子の一人。
この細密描写は超人的、見ほれること間違いなしです。

02
ハブリエル・メツー 手紙を読む女 1664-1666年頃 油彩・板52.5×40.2cm アイルランド・ナショナル・ギャラリ

01_3
ハブリエル・メツー 手紙を書く男 1664-1666年頃 油彩・板52.5×40.2cm アイルランド・ナショナル・ギャラリ
恋文をやりとりする男女は、17世紀後半のオランダ風俗画でで流行した画材で、ヘラルト・デル・ボルフによって生み出された。絵にカーテンが掛けてあるのも面白いですね。荒れた海を航行する船が描かれていて、寓意を込めているのですね。フェルメールからの影響が論じられているそうです。

監修者メッセージ(HPから)
本展覧会は、上野の森美術館と大阪市立美術館で、2018年から2019年にかけて開催されます。ヨハネス・フェルメールの傑作8点が展示される予定であり、その中にはオランダのアムステルダム国立美術館の「牛乳を注ぐ女」も含まれます。そのほか、オランダ黄金期を代表する画家であるハブリエル・メツー、ピーテル・デ・ホーホ、ヤン・ステーンなど世界的にもごく稀少で非常に評価の高い作品約50点を展示する予定です。
この素晴らしい展覧会は、フェルメールや彼の同時代の画家たちにとって非常に重要だった芸術的な原理を明らかにします。こうした原理に適応した偉大な画家たちの様々な手法が、絵が息をのむほどリアルに見えながらも絵画上の特徴がそれぞれ異なる理由を教えてくれます。
フェルメールは、オランダの最も偉大な画家の一人であり、作品の美しさや静謐さは、世界中に知れ渡っています。本展覧会において、一般的に彼の知られている35作品のうち、日本初公開を含む8点が集まるというのは祝福すべきことでしょう。フェルメールの傑作がこれほどまでに一度に集められることは滅多にありません。本展覧会で展示される作品はキャリアのほぼ全段階から選ばれており、彼の芸術表現の幅広さを示します。
フェルメールは、長きにわたって誇らしい歴史を持つオランダの小さな都市、デルフトで生まれ育ちました。画家としてのキャリアを、スコットランド・ナショナル・ギャラリーの「マルタとマリアの家のキリスト」のような聖書や神話の場面から始めたフェルメールでしたが、すぐにアイルランド・ナショナル・ギャラリーの「手紙を書く婦人と召使い」にみられるように、日常の場面にスポットを当てるようになりました。このいずれの作品も今回の展覧会で貸し出されます。フェルメールの作品は、アメリカとヨーロッパの主要な美術館においても貴重な宝であり、本展覧会に快く作品を貸し出してくださることに、心より感謝申し上げます。
本展覧会が日本のみなさまに喜びをもたらすことを信じてやみません。


上野の森美術館 フェルメール展
InternetMuseum


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2018.12.19

遠藤周作著 「キリシタン時代 殉教と棄教の歴史」を再読してみました。

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1992年2月20日初版第一刷発行
(株)小学館

「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」がユネスコ世界遺産に登録されたのが今年の7月でした。
前後して、関連企画展が沢山開催されました。

最近では、トーハクで、
「世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」登録記念 キリシタンの遺品」展 が
( 本館 特別2室 2018年10月10日(水) ~ 12月2日(日))

國學院大學博物館で、
「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」世界文化遺産登録記念
特別展「キリシタン―日本とキリスト教の469年―」展(2018年9月15日(土)~10月28日(日) )
が開催され、観てきました。

また、仙台博物館に行って、
仙台博物館テーマ展示室Ⅱで、
ユネスコ記憶遺産・国宝慶長遣欧使節関係資料
を見てきたりもしました。

さらに、トーハク昨年末の特集展示 
特集「親指のマリアとキリシタン遺品」
(2017年12月5日(火) ~12月25日(月) )

長崎、天草地方に行ってみたいな~、とも思っているのですが・・・・

ということで、
遠藤周作著 「キリシタン時代 殉教と棄教の歴史」を再読してみました。
かなり前に読んだ本なので、おぼろげな記憶しか残っていなかったのですが、再読してみて、あらためて切支丹関連展覧会の内容をより深く理解するうえでの最良の書物(参考書?)だと思いました。
長崎・天草地方を訪れることができる時が来たならば・・・必ず持参したい!

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目次
日本と西洋の激突
キリシタン時代―日本と西洋の激突
切支丹時代の知識人
切支丹と遺跡―長崎とその周辺
「沈黙」―踏絵が育てた想像
日記
細川ガラシャ―神だけを拠りどころに
東北の切支丹―支倉常長とペドロ岐部
トマス荒木―最初のヨーロッパ留学生の苦悩
フェレイラ(沢野忠庵)―苦悩する背教者の祈り
キャラからシドッチ―最後の潜入宣教師たち
日本の沼の中で―かくれ切支丹考

異邦人の苦悩
日本の宗教心理について
日本人の信仰について
黙示禄と現代
宗教家
異邦人の苦悩
  
解説 佐藤泰正
初出一覧

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トーハク 特集「親指のマリアとキリシタン遺品」展から
(2017年12月5日(火) ~12月25日(月) )

以下、以前拙ブログに投稿した内容と重複します。

平成2年(2014)文京区小日向の切支丹屋敷跡から発掘された人骨が、文京区、国立科学博物館、早稲田大学の調査によって、イタリア人宣教師ジョバンニ・バッティスタ・シドッチ(1667~1714)のものと確認された。新井白石(1657~1725)がまとめたシドッチ尋問記録『西洋紀聞』によると、シドッチはシチリア島パレルモ出身。キリスト教禁制下日本に潜入したところを捕らえられ、切支丹屋敷の地下牢に幽閉されたまま47歳で没した。
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西洋紀聞(写本)
新井白石著
「小宮山氏之蔵書」印記
江戸時代・文政4年(1821)
徳川宗敬氏寄贈
江戸幕府高官で学者の新井白石がシドッチへの尋問をまとめた記録の写本。白石はキリスト教の教養の他、ヨーロッパの状勢、哲学、地理など幅広く尋ねている。その問答からは、文化的背景や立場の異なる二人が互いを敬う姿が浮かび上がってくる。

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重要文化財 聖母像(親指のマリア)
17世紀後期 銅板油彩
長崎奉行所旧蔵品
新井白石が書き残したシドッチの携行品の記録に表れるマリア像。中世においてキリストの死を嘆く聖母の悲しみの色とされた、青色のマントに身を包む。17世紀のフィレンツェで活躍した宗教画家カルロ・ドルチ(1616~87)に酷似する。


宗教画家カルロ・ドルチの作品「悲しみの聖母」は、同じ上野の国立西洋美術館が所蔵していて、人気があります。
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悲しみの聖母 1655年頃 油彩、カンヴァス 82.5 x 67(cm)
国立西洋美術館
ドルチは17世紀フィレンツェを代表する画家です。鮮やかで深みのある色彩と緻密な描写を特徴とし、冷ややかながら甘美な愁いを帯びた、独自に理想化された宗教人物(とりわけ女性)像で人気を博しました。本作の主題は、わが子キリストの運命をめぐって悲しみにくれる聖母マリアという極めて伝統的なもので、ドルチはこれを何枚も制作しています。ドルチ本人も敬虔な信仰の人で、生涯ベネディクトゥス信者会に属していました。


(展示会場のキャプションを引用しています)


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キリシタン時代 殉教と棄教の歴史
「キャラからシドッチ―最後の潜入宣教師たち」から引用。

最後の潜入宣教師
そして幕府もやっと胸をなでおろしたと見えた宝永五年(1708)の八月二十六日に一隻の大きな船が大隅の口の屋久島に突然現れた。そして、その翌日、同島の村民藤兵衛が木を伐っていると、一人の大男がうしろから声をかけた。手招きするのでそばによると言葉はわからぬが水を欲しがっているらしいので水をやって、気配をうかがった。
この大男が、日本最後の宣教師ともいうべきシドッチである。

(中略)

この上陸の状況は新井白石の「西洋紀文」に目に見えるように書いてあるが、先ほどの場面も白石によると、
この日、かの島の恋泊りという村の人、炭焼かむ料に、松下という所に行きて木を伐るに、うしろの方にして人の声したりけるを、かえり見るに、刀おびたるものの、手して招く一人あり。その言うところの言葉も聞きわかつべからず。水を乞うさまをしければ、器に水汲みてさしおく、近ずきて飲みて、また招きしかど、その人、刀を帯びたれば、恐れて近ずかず。かれもその心をさとりぬと見えて、やがて刀を鞘ながら抜きて差し出しければ、近ずくに黄金の方なる一つ取り出して与う。昨日、見えし船なる人の陸の上がりしにや、と思ひしかばその刀をも金をも取らずして磯の方に打ち出てみるに、その船も見えず。又、外に人ありとも見えず。我すむ方に立帰りて、近きほとりの村々に人はしらかして、かくと告ぐ。

(中略)

村民たちの注進で捕らえられた彼は(シドッチは)大隅から長崎に送られ、9月25日にその長崎をたち11月江戸につくとキリシタン屋敷に入れられた。

新井白石とシドッチ
宝永7年(1710)、1月22日から12月4日に至るまで3回にわたって白石はこのシドッチの尋問を行った。1月22日の午後シドッチは2人の役人に両側からささえられるようにして庭に入り、縁に座った白石や奉行に恭しく一礼をした。

その日シドッチは茶褐色の綿入れと島津家から与えられた紬を着ていたが、庭に座ると額に指で十字の印をした。白石たちがその衣服が夏物なのを哀れんで冬物のものを与えようとすると固辞して受けようとはしなかった。信者以外のものから衣服はもらえぬと言うのである。しかし、シドッチは、誠心誠意、日本布教の熱意を披瀝したが、またそのために日本人たちに面倒を引き起こしたことをわびた。シドッチのそうした真剣な態度は奉行や白石を動かしたようである。

(中略)

この日本の知識人は(新井白石)は、それまでの狭量な役人たちと違って聞くべきものは聞き、採るべきものは採り、宣教師に対する印象も改めたたところが多かったようである。彼は、キリシタン禁制を必要として、キリスト教を反儒教的だと考えたが、これを妖教とみる考えは捨てている。私は「西洋紀聞」をその意味で日本の生んだ最も美しい本の一つだと考えている。

「長助、おはる」事件
だがシドッチにとっては、波濤万里、この日本に来たのに、ただ1人も自らが信ずる信仰を伝えないで死ぬことができなかったのであろう。ここで「長助、おはる」の事件が起こったのである。
長助とおはるとは、シドッチの身の回りの世話をする召使いであった。

(中略)

いずれにしろこの夫婦が自首したのである。自分たちは昔、仕えていた南蛮伴天連から洗礼を受けていたが国禁にそむくとは知らなかった。しかし、シドッチに仕えてから、その立派さにうたれてキリシタンとなったが、法にそむく以上、どんな罰をうけてもかまわないと言うのである。奉行所ではまず夫婦を別々の牢に入れ、翌年、約束を破って布教したシドッチを獄につないだ。
シドッチはこのとき初めて、その真情をあらわし、長助、おはるの名を呼んで、「信仰を棄てるな、死を賭してでも志を変えるな」と日夜大声で叫んでいたと言う。
そして入牢すること7か月、長助もおはるも、病死し、それを追うように同じ月の10月21日の夜半シドッチも病死したのである。47歳であった。


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2018.12.17

吉村芳生 超絶技巧を超えて

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「吉村芳生 超絶技巧を超えて」展は、
東京ステーションギャラリーで開催されています。


会期:2018年11月23日(金・祝)-2019年1月20日(日)


僕は小さいころから非常にあきらめが悪かった。しつこくこだわってしまう。僕はこうした人間の短所にこそ、すごい力があると思う。

私の作品は誰にでもできる単純作業である。
・・・・私は小手先で描く。
上っ面だけを写す。
自分の手を、目を
ただ機械のように動かす。
あとはえんえんと
作業が続くだけである。


写真を模写する(ドローイング 写真)シリーズは、以下の過程で制作されます。(気の遠くなるような作業ですね)
自身が撮影したモノクロ写真を拡大して紙焼きにし、上から鉄筆で格子状にマス目を引く、つぎに、ひとマスごとの濃淡を10段階に分け0から9の数字を記入する。
写真の真っ暗な部分には一番暗いトーンとなる9の文字が鉄筆で刻まれる。

写真に記した数字をもとに、今度は、まっさらな方眼紙へ数字のみを書き写す。
吉村の目と手によるアナログ作業によって写真がデジタル化されていく。

数字を書き写した方眼紙を下敷きに、透明フィルムを上から重ね・・ひとマスずつの数字に従い「4の場合は斜線を5本引く」といった機械的なルールにそって描くことで、写真の濃淡がモザイクの様に再現される。
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《ジーンズ》1984年 インク・フィルム 個人蔵


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《SCENE85-8》1985年 鉛筆/紙、東京ステーションギャラリー蔵


1985年以降吉村は制作拠点を東京から郷里山口県の徳地へと移す。
郷里の環境によるものなのか・・・徐々にモノクロから色彩豊かな作品を多く描くようになる。
学校の講師をしながらの生活で、「売り絵」を描く必要からとも・・・・
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《無数の輝く生命に捧ぐ》2011-13年、色鉛筆/紙 個人蔵
本作制作の動機は東日本大震災で、吉村は花のひとつひとつが亡くなった人の魂だと思って描いたという。


自画像は吉村のライフワークのようなもの。
生涯描き続け膨大な作品を残しました。
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《新聞と自画像2008.10.8毎日新聞》2008年 鉛筆・色鉛筆他/紙 個人蔵
吉村は「新聞は社会の肖像」で「自画像と同じ」と語ります。
新聞も自画像も拡大転写しています。

本展は、吉村芳生の全貌を62件600点以上の作品により3 部構成で紹介しています。
・ありふれた風景
・自画像の森
・・百花繚乱
中国・四国地方以外の美術館では初めて開催される吉村芳生の個展です。


開催概要(HPより)
超絶技巧?そんな単純な言葉で説明することはできません。延々と17メートルにわたって描かれた金網、1年間毎日描き続けた365枚の自画像、1文字1文字をすべて書き写した新聞紙――。吉村芳生(1950-2013)が生み出した作品は、どれも超絶リアルでありながら、見る者の度肝を抜く凄味を感じさせます。本展は東京初となる回顧展で、初期のモノトーンによる版画やドローイング、後期の色鮮やかな花の作品、生涯を通じて描き続けた自画像など、600点を超える展示品によって吉村の全貌を伝えます。ただ上手いだけの絵ではない、描くこと、生きることの意味を問い直す真摯な作品の数々を、ぜひその眼で目撃してください。

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2018.12.14

田根 剛|未来の記憶

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「田根 剛|未来の記憶」「展は、
東京オペラシティ アートギャラリーで開催されています。

会期 2018年10月19日[金]─ 12月24日[月]

TOTOギャラリー・間でも、田根剛の展覧会が同時期に開催されています。

「古墳スタジアム」は、田根 剛が、新国立競技場基本構想国際デザイン競技(ザハ・ハディド案選出時)に参加したときの作品です。、11人のファイナリストに選ばれたました。
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〈新国立競技場案 古墳スタジアム〉 東京 2012
世界で最大の祭典となるオリンピックと古代最大の日本のピラミッドである古墳が一体となる建築を提案した。その建築は、明治神宮の森の作り方に倣い、日本の各地から木々を集め、民衆の手によって100年の森をつくるナショナル・プロジェクトとすることで、場所の記憶を未来に向ける夢の構想であった。(キャプションより部分引用)


「場所の記憶から未来を作る」という田根 剛の設計思想は「物語があって、ユニーク」、観ていて楽しい展覧会です。

その思考方法、過程を最初の展示室で公開しています。
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これは記憶の考古学的なリサーチである。ここでは、古代から未来へ向かう記憶を12のテーマに掘り下げ、建築の思想と思考を支えるアイデアは記憶の連鎖によって呼び起こされる(キャプションより部分引用)

展示会場では、現在進行中のプロジェクトなどの7作品を空間展示しています。
藤井光による各プロジェクトの映像が理解を深めてくれます。
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〈エストニア国立博物館〉 タルトゥ 2006-16
エストニアは1991年の独立後、国立博物館の建設を国民に約束した。
国際設計競技による国立博物館の敷地に選んだのが旧ソ連の軍用施設として占拠された軍用滑走路。
このプロジェクトは「メモリーフィールド(記憶の原野)」と名付けられ、民族の記憶が世代から世代へと受け継がれ、負の遺産である場所の意味を転化し、エストニアの未来への記憶を繋ぐ建築となる。この博物館は、2006年の国際設計競技で最優秀案として選ばれ、約10年の歳月をかけ2016年に開館した。(キャプションより部分引用)


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〈A House for Oiso〉 神奈川 2014-15
縄文=竪穴、弥生=高床、中世=掘立柱、江戸=町家、昭和=邸宅を統合したひとつの家、日本が忘れた日本の家、そんな家を作りたいと思った。新しい未来の家を夢見るよりも、遠い場所の記憶を掘り返すことで未来へと残せるような家をここに作りたいと思った。(キャプションより部分引用)


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〈Todoroki House in Valley〉 東京 2017-18
本来この場所は渓谷の深い森で覆われていたため、失われた森を取り戻すように、建築をつくりながら再び森をつくることは可能かと考え始めた。大きな森に覆われながら、地面の中に埋もれる原始的な居心地、空間が立体化され積み重なっていく都市的な複雑さと、それらすべてが渾然一体となろ、家も植物も森も生活もすべてが生き生きと暮らせるような未来の家を目指した。(キャプションより部分引用)


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〈(仮称)弘前市文化施設設計業務〉 弘前 2017 -
弘前の煉瓦倉庫を美術館にするプロジェクト。
煉瓦建築の記憶を継承していくために、あらゆる場所で煉瓦を多用し尽して改修を行う現代煉瓦建築とした。
内部空間は倉庫がもつ大らかな空間を最大限活かし、サイト・スペシフィックとタイム・スペシフィックをコンセプトとした現代アートと場が対峙する空間となる。(キャプションより部分引用)


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〈10 kyoto〉 京都 2015 -
京都で解体された建物の大量の古材を集め集成材とする「古材集成材」によって全体を覆う建物は、アートスペース、リビングスペース、フードスペース、リサイクルシステムが一体となった文化複合施設となる。(キャプションより部分引用)

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TOTOギャラリー・間田根 剛|未来の記憶

会期2018年10月18日(木)~12月23日(日・祝)

展示会場風景です。
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開催概要(HPから)
フランスを拠点に世界各地でプロジェクトを進め、現在幅広い注目を集める気鋭の建築家・田根 剛。20代の若さでドレル・ゴットメ・田根(DGT.)として〈エストニア国立博物館〉の国際設計競技に勝利し、選出から約10年の歳月を経た2016年秋に同プロジェクトが竣工を迎えるなど、国内外の注目がさらに高まっています。また、2012年に行われた新国立競技場基本構想国際デザイン競技(ザハ・ハディド案選出時)に参加し、11人のファイナリストに選ばれた〈古墳スタジアム〉は幅広い層に知られるきっかけとなりました。2017年のDGT.解散後はAtelier Tsuyoshi Tane Architectsをパリに設立し、活動の場をさらに広げています。
このたび東京オペラシティアートギャラリーとTOTOギャラリー・間は、田根剛の展覧会を同時期に開催します。「Archaeology of the Future ─ 未来の記憶」を共通のテーマにしながら、田根の密度の高いこれまでの活動と、建築は記憶を通じていかに未来をつくりうるかという挑戦を、ふたつの会場で紹介します。東京オペラシティアートギャラリーでは「Digging & Building」と題して、場所をめぐる記憶を発掘し、掘り下げ、飛躍させる手法と、そこから生み出された〈エストニア国立博物館〉〈古墳スタジアム〉といった代表作や最新プロジェクトを大型の模型や映像などによって体感的に展示します。TOTOギャラリー・間においては「Search & Research」にもとづき、建築における思考と考察のプロセスが展開され、田根のすべてのプロジェクトで実践されている「Archaeological Research(考古学的リサーチ)」の方法論を展観します。ふたつの展覧会は、場所の記憶をさまざまな角度から分析することで新たな系をつくり、未来につながる建築へと展開させていく、田根の探求と実践のプロセスを総合的に提示しようとするものです。
記憶は現在を動かし、未来をつくる ─ この信念にもとづいた田根の創造は、都市の担い手である私たち一人一人にとって建築の持つ力や使命、未来への可能性を考えるきっかけとなるでしょう。

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2018.12.11

スマート家電コントローラを使ってみました。

残っていたAmazonポイントに少しプラスして購入しました。

スマート家電コントローラ(RS-WFIREX3)を使ってみての感想です。

Photo


先に結論を言ってしまえば・・・あっても無くてもいいかな~です。

登録したのは「テレビ」「照明」「エアコン」です。
(照明は2台まで登録できます)

取り合えず設定を済ませて、以下の発声で動かしてみました
アレクサテレビ点けて
アレクサボリュームを3つ上げて(望む音量の増減を数字で・・・・)
アレクサボリュームを3つ下げて(望む音量の増減を数字で・・・・)
アレクサチャンネル5(1〜12迄)
アレクサテレビ消して

アレクサ照明点けて
アレクサ照明消して

アレクサ空調点けて
アレクサ空調消して

動画です。


家電製品は取説をたいして読まなくても「電源を入れればすく使える」というのが基本ですが・・・・この製品は流石にそうはいきません。
設定にかなりの時間を要しました。

―基本的な話―

購入して、送られてくる内容物は「本体」「USBケーブル」「クイックスタートガイド」「保証書」です。
「本体」に「USBケーブル」経由で電源供給する「USBーACアダプター」は事前に用意する必要があります。
(私は使っていないスマホ充電用の「USBーACアダプター」で接続)

釈迦に説法ですが・・・上記の設定、操作(動画のような使い方)を行うには「Amazon echo」「Wi-Fi ルーター」と「Alexa アプリ」そして「家電リモコン アプリ」のリンクが必要です。(android、Google homeにも対応しています)

「家電リモコン アプリを開いて」手順に従って設定を行うのですが、これが結構戸惑うことが多くて・・・

予め「本機の取説」を「タブレット端末」または」「パソコン」に表示させて、詳しい手順に従って確実に作業するのが良いと思いました。(急がば回れですね)


使い方としては、動画のような使い方のほかに「スマホがリモコン」になりますからスマホで「テレビ」「照明」「エアコン」を一括管理、コントロールできますね。


さらにcloud経由、屋外から(外出先から)コントロールすることができます。
(この家電コントローラ内臓センサーで感知した「室温」「湿度」「照度」はアプリ画面に表示されます、どこからでも確認できます)


もっと使える機能もあると思いすが、この程度でしばらく使ってみます。

何でも、試してみるのは楽しいですね・・・・


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2018.12.10

江戸絵画の文雅 ─魅惑の18世紀

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「江戸絵画の文雅 ─魅惑の18世紀」展は、
出光美術館で開催されています。

会期 2018年11月3日(土・祝)~12月16日(日)


元禄年間(1688 - 1704)という時代、社会を背景に「漢文学・和歌に代表される雅」と「俳諧や戯作といった新興の俗」が相互に混じり合いながら豊かな文化が形成されました。こうした文化を端的にあらわす言葉に「雅俗」があります。
本展では18世紀に生まれた雅俗の絵画を、「文雅」、すなわち文芸をキーワードに見ていきます。(展示概要から引用)

大雅と蕪村の作風をじっくり比較鑑賞する良い機会にもなりました。

展示概要は次の通りです。
第1章 孤高の美学―大雅・蕪村の競演
第2章 文雅の意匠―琳派のみやび
第3章 禅味逍遥
第4章 王朝文化への憧れ―「見立て」の機知
第5章 幻想の空間へ―「文雅の時代」を継承するもの


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十二ヶ月離合山水図屏風(右隻部分) 池大雅 明和6年(1769)頃 重要文化財 出光美術館
一幅ずつ独立した図でありながら各幅をつなげると一つの大画面になる離合山水図。古来中国の文人たちの間では掛軸で好まれた形式であるが、大雅は一月から十二月までの季節の変化を主題として月次屏風として蘇らせた。(キャプションより)

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竹裏館図(部分) 池大雅 江戸時代 出光美術館

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山水図屏風(右隻部分) 与謝蕪村 宝暦13年(1763) 重要文化財 出光美術館
蕪村は宝暦十三年(1763)から明和三年(1766)頃にかけて、高価な絖(ぬめ)を用いた屏風作品を数多く制作している。これらは主に「屏風講」と呼ばれる屏風頒布会のために制作されたものと考えられ、この時期に数多くの大作を制作している。(キャプションより)
絖(ぬめ)→繻子織の光沢ある絹)

04
富士図扇面 伝 尾形光琳 江戸時代 出光美術館
三保の松原を見越して雪をかぶった富士を望む金地の扇面である。本作は掛軸装にあらためられる祭に、江戸琳派の絵師鈴木基一(1795~1858)が薄を下地に描いている。本作の富士を「伊勢物語」「東下り」の段に擬した上で同書の「武蔵野」の段を暗示させる薄を下絵として描いたのであろう。(キャプションより)

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雪図(四幅対の内) 尾形乾山 寛保2年(1742) 出光美術館
四幅に春の白梅、夏の撫子、秋の萩、冬の雪山と、日本の四季にちなんだ景物を描き、そこに和歌をしたためている。乾山はその晩年に「深省」の号で書画の制作を行っており、文人趣味の色合いが濃い画賛を伴う作例を多く制作した。雪中図の款記に「八十」とあることから没する前年寛保二年(1742)の作であることがわかる。(キャプションより) 

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銹絵菊図角皿 尾形乾山 絵 尾形光琳 江戸時代 出光美術館
仲秋の露に濡れる菊と薄が描かれる。賛に見られる「花中真隠逸」とは、晋の詩人陶淵明が菊をこよなく愛したことにちなむもの。(キャプションより)

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美人鑑賞図 勝川春章 江戸時代 出光美術館
「俗中の雅」
身近な美人画に古典文学のネタを落とし込み、出典とあわせて味わう「見立絵」はその真骨頂。

展示概要(HPから)
元禄年間(1688 - 1704)、日本は経済活動の発展により、空前絶後の繁栄を極めました。開府よりおよそ100年を経た江戸は人口100万を突破、世界屈指のメガロポリスの地位を確たるものにしました。また、大坂・京都も数十万規模の大都市へと発展します。
「都市」という新たな生活空間の誕生は、文学・演劇・美術など、多様な文化の成立・発展に結びつきます。こうした文化を端的にあらわす言葉に「雅俗」、すなわち、漢文学・和歌に代表される伝統的な「雅」と、俳諧や戯作といった新興の「俗」があります。この言葉は、ふたつの文化が画然と分かたれるものであったかのような印象を私たちに与えるかもしれませんが、実際は相互に混じりあいながら、豊かな文化を形成していったのです。
こうした雅俗の混交は、当時の画壇にも当てはまります。本展では18世紀に生まれた雅俗の絵画を、「文雅」、すなわち文芸をキーワードに見ていきます。
文芸と絵画は古くより不可分の存在です。しかし、その裾野が大きく広がったのはこの時代です。人々の世相や風俗を描く「俗」なる絵画の典型という印象とは裏腹に、古典をもとにした「見立て」を繰り広げた浮世絵。王朝の風雅に対する深い理解と憧れを、絢爛たる色彩に託した琳派。そして、「雅」なるものの象徴ともいえる文人画においては、漢文学に対する深い素養とともに、俳諧など「俗」なる文芸が混ざり合うことによって、日本独自の情趣性を帯びてゆきます。「文雅」をもとに、多様な展開を見せる18世紀の豊饒な絵画の競演を、どうぞご堪能ください。



出光美術館 江戸絵画の文雅 ― 魅惑の18世紀
InternetMuseum

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2018.12.08

皇居乾通りと師走の東京駅界隈 2018年12月

この日は、出光美術館に行ってから西銀座チャンスセンターで年末ジャンボを買って、銀座界隈のギャラリーを巡るという予定で出かけましたが・・・・・出光美術館の休憩場所から二重橋方向(坂下門方向)を遠望すると、白いテント屋根がかすかに見えました。そうか、乾通り一般公開か~
ということで予定変更して、行ってきました。数年前は大行列に並んででしたが、もうそんなには混まないだろうと、寒くもなかったので・・・・散歩。


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坂下門

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乾通りで

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乾通りで

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乾通りで

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乾門から北の丸公園の紅葉が見えます。

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乾門


乾門を出て、北桔橋門から東御苑に入りました。

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東御苑桃華楽堂前で・・・(設計は今井兼次氏)

三の丸尚三館で「第82回展 「明治美術の一断面-研ぎ澄まされた技と美」を観て大手門から出ました。

所用でKITTEへ・・・行幸通り経由です。

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行幸通り

Post from RICOH THETA. - Spherical Image - RICOH THETA
THETAをクリックすると見やすくなると思います。

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KITTE ホワイトツリー

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旧東京中央郵便局長室(保存・再現)

動画にまとめました。
坂下門→乾通り→皇居東御苑→三の丸尚三館→行幸通り→KITTE

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2018.12.06

ワタボウシタマリン (上野動物園2018年11月)

上野に行くと、少しの時間でも寄り道したいのが上野動物園 ・・・そしてシャッターチャンスがあればスマホで撮っています。

ということで、今回は「ワタボウシタマリン」です。
可愛いと思うか否かはそれぞれ違うと思いますが・・・・

ワタボウシタマリンは「夜の森」にいます。
暗闇の中を、薄明かりを頼りに鑑賞することになりますので、目的の動物に会えないこともしばしばです。

「レッサースローロリス」にも会いたかったのですが・・・今回は暗闇の中に隠れたまま?で見ることはできませんでした。

この動画は、2012年撮影(Sonyのブロギーというカメラで撮っています)


以下は、東京ズーネット 動物図鑑からの転載です。動物図鑑の中には2分程度の動画もありますので、もっと知りたい方(見たい方)はそちらでご覧ください。


名称
ワタボウシタマリン
飼育園館
上野動物園
生息地
中央アメリカのコスタリカ最南東部からコロンビア北西部
体の大きさ
体長20〜30cm、尾長20〜40cm、体重300〜550g
えさ
雑食性で、果実、葉、根、芽、昆虫、小鳥などを食べます。動物園では、バナナ、りんごなどの果実、ゆで卵、ミールワームやバッタなどの昆虫をあたえています。
特徴
熱帯雨林の樹上に3〜19頭の群れでくらしています。動作がびんしょうで、枝から枝へ身軽にとびまわり、小鳥のような高い鳴き声を出します。行動域は広く、7〜8ヘクタールと考えられています。1回の出産で1頭の子どもが生まれ、オスも育児をします。子どもはいつも父親の体にしがみついていて、哺乳のときだけ母親が世話をします。

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2018.12.05

東西数寄者の審美眼 ―阪急・小林一三と東急・五島慶太のコレクション―

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「東西数寄者の審美眼 ―阪急・小林一三と東急・五島慶太のコレクション―」展は、
五島美術館で開催されています。


会期 2018年10月20日(土)~12月9日(日)


阪急電鉄の創始者小林一三/雅号「逸翁」(1873~1957)と逸翁の勧めで鉄道経営に携わり、東急グループの基礎を築いた五島慶太/雅号「古経楼」(1882~1959)。その収集品を所蔵する逸翁美術館と五島美術館から
約100点を展示、紹介しています。国宝、需要文化財がずらりと並ぶ豪華な展覧会です。

展示作品・構成は以下の通りです。
絵画

陶芸・ガラス
漆芸・染織
逸翁と古経楼の交流―茶会・書簡
古経楼の茶会 ―昭和25年(1950)5月11日 延命会(於 五島邸・松寿庵)


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重要文化財 佐竹本三十六歌仙絵 藤原高光 逸翁美術館蔵

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重要文化財 佐竹本三十六歌仙絵 清原元輔 五島美術館蔵
紙本著色・墨書/一幅 鎌倉時代前期・13世紀
三十六歌仙を描いた絵巻の断簡。
大正8年(1919)の売却の際、全部ではあまりに高額なため、歌仙ごとに切断し、抽選で各歌仙の購入者を決定したと・・・
清原元輔は、清少納言の父。 

04
降雪狗児図 長沢芦雪筆 逸翁美術館蔵

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重要文化財 豊臣秀吉像画稿 狩野光信筆 逸翁美術館蔵
下絵を何枚も描き、秀吉に見せたところ一番良く似ているとして選ばれた一枚と考えられる。秀吉の真像に最も近いとされ多くの秀吉画像の根本となった。(キャプションより)

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重要文化財 継色紙 伝 小野道風筆 五島美術館蔵

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重要文化財 継色紙 伝 小野道風筆 逸翁美術館蔵

08
草花文ガラス壺(茶器) エミール・ガレ作 逸翁美術館蔵
小林一三により茶器として使われた。
(抹茶を入れる容器)

09
五彩蓮華文呼継茶碗 逸翁銘 家光公 逸翁美術館蔵
割れた破片を繋いで作った茶碗です。「呼継」と呼ばれているそうです。
逸翁が「家光公」と名付けたのは、徳川三代将軍として幕府権力の基礎固めを行った家光への思いからだそうです。

010
重要文化財 鼠志野茶碗 銘 峯紅葉 五島美術館蔵
桃山時代・16世紀末期~17世紀初期
近代に入り、国宝「卯花墻」(志野茶碗 三井記念美術館蔵)、重要文化財「山端」(鼠志野茶碗 根津美術館蔵)とともに桃山時代の志野焼を代表する茶碗とされる。

011
重要美術品 井戸茶碗 銘 美濃 五島美術館蔵
朝鮮(李朝)時代・16世紀
姫路藩主酒井宗雅(1755~90)、雲州の松江藩主松平不昧(1751~1818)が所持した伝来をもつ。

012
堆黒屈輪文稜花盆 逸翁美術館蔵

013
重要文化財 蒔絵螺鈿花鳥文洋櫃 付 籐編外櫃 逸翁美術館蔵

014
蒔絵松竹文手箱 五島美術館蔵

015
重要文化財 奥の細道画巻(部分)  与謝蕪村筆 逸翁美術館蔵


―― 素材、年代はHPから引用、展示リスト等に記載 がない作品については載せませんでした ――

(HPの解説)
阪急電鉄の創始者小林一三(こばやしいちぞう/雅号「逸翁」 1873~1957)は、鉄道・百貨店・宝塚歌劇と現在に続く事業を、関西圏を中心に拡げてきました。そして、逸翁の勧めで鉄道経営に携わり、首都圏で東急グループの基礎を築いた五島慶太(ごとうけいた/雅号「古経楼」 1882~1959)。逸翁美術館(大阪府池田市)と五島美術館の収蔵品から、絵画・書跡・茶道具など自らが選び蒐集し二人の心の安らぎとなった美術品の数々約100点を紹介します(会期中一部展示替あり)。


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2018.12.03

駒井哲郎―煌めく紙上の宇宙

201801

「駒井哲郎―煌めく紙上の宇宙」展は、
横浜美術館で開催されています。


会期 2018年10月13日(土)~12月16日(日)

駒井哲郎は述べています。
「ルドンという名前を知り」また。その作品に触れてからもうかなりの時間が経過したが、その遺した芸術によってぼくの魂を相変わらず支えてくれている」


この展覧会の展示・・・ルドンが後年色彩豊かな作品を制作していたように、駒井の作品も、モノクロームから色彩豊かな作品(モノタイプ(多色)作品)へと展開していきます。そして、ルドンをはじめとして、学んだ画家、時代を共に生きた画家などの作品も多く展示されています。

駒井哲郎作品は度々見てきましたが・・・とても惹きつけられるのは詩人との共作(共演)、欲しくなります!

「ルドンを愛した銅版画のパイオニア」駒井哲郎の全体像をとても分かり易く構成した展覧会です。

展覧会の構成は次の通りです。
プロローグ
第1章 銅版画との出会い
主な関連作家:
レンブラント・ファン・レイン/シャルル・メリヨン/ジェームス・マクニール・ホイッスラー/西田武雄/須田國太郎/関野凖一郎
第2章 戦後美術の幕開けとともに
主な関連作家:
オディロン・ルドン/恩地孝四郎/岡鹿之助/清宮質文/浜田知明
第3章 前衛芸術との交差
主な関連作家:
パウル・クレー/北代省三/山口勝弘/湯浅譲二
第4章 フランス滞在と「廃墟」からの再生
主な関連作家:
ロドルフ・ブレダン/オディロン・ルドン/長谷川潔
第5章 詩とイメージの共演
主な関連作家:
大岡信/安東次男/粟津則雄/福永武彦/埴谷雄高/金子光晴/谷川俊太郎
第6章 色彩への憧憬
主な関連作家:
オディロン・ルドン/パウル・クレー/ジョアン・ミロ/マックス・エルンスト

201803
駒井哲郎《束の間の幻影》1951年 サンドペーパーによるエッチング 横浜美術館(北岡文雄氏寄贈)
ふとした瞬間、人の心を通り過ぎるなんともいえない開放感を銅版画として視覚化して見たかったのです。そうするにはやはり夢の中のイメージに、ある種の具体的な表現性を与えることによって成立するように思われました。(キャプションより)

201805
駒井哲郎《黄色い家》1960年 ディープ・エッチ、アクアチント(1版多色) 世田谷美術館(福原義春コレクション)


201804
駒井哲郎《R夫人の肖像》1971年 アクアチント、エッチング 横浜美術館蔵


201802
駒井哲郎《題名不詳》1971年頃 モノタイプ(多色、パステル粉 世田谷美術館(福原義春コレクション)


201806
オディロンン・ルドン《二人の踊女》制作年不詳 油彩、カンヴァス 横浜美術館蔵(坂田武雄氏寄贈)


201807
パウル・クレー《大聖堂(東方風の)》1932年 油彩、ガーゼ、厚紙に貼付し木枠に釘付け アサヒビール株式会社蔵

展覧会概要(HPの解説)
日本における現代銅版画の先駆者(パイオニア)である駒井哲郎(1920-1976)は、深淵な詩的世界が刻まれた版画により、国内外で高く評価されてきました。黒いインクと白い紙の豊かな表情のなかに立ち上がる、夢と狂気のあわいを彷徨う駒井の宇宙。それは、デジタル時代の今こそ観る者を魅了します。
駒井は銅版画を追求した一方、詩人や音楽家と交流し、総合芸術グループ「実験工房」での活動や詩画集の出版などで、文学や音楽との領域横断的な表現を試みました。またルドンをはじめ西洋画家たちへの敬愛も、駒井の芸術観の形成に深く関わっています。
本展では、初期から晩年までの駒井作品の展開を縦糸に、芸術家たちとの交流や影響関係を横糸とすることで、多面的な駒井の姿を捉えなおし、その作品の新たな魅力に迫ります。色彩家としての知られざる一面も、福原義春氏のコレクション(世田谷美術館蔵)を核とした色鮮やかなカラーモノタイプ(1点摺りの版画)によってご紹介します。駒井の版画作品や詩画集など計約210点とともに、関連作家作品約70点を展示し、さまざまなジャンルとの有機的な繋がりにより紡ぎ出された、豊穣な世界をご覧いただきます。

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横浜美術館 駒井哲郎―煌(きら)めく紙上の宇宙
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2018.12.01

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