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2018.11.12

ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅

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「ヨルク・シュマイサー 終わりなき旅」は、
町田市立国際版画美術館で開催されています。


会期 2018年9月15日(土)~11月18日(日)


この展覧会は「変化」をキーワードに、ヨルク・シュマイサーの初期から晩年まで50年に及ぶ創作の全貌を紹介しています。

私の作品を流れている主題は、変化―
人間に、物あるいは風景に、あるいは私に繰り返し起こった変化だ。版画がもつ可能性のうちで、最も魅力的なもののひとつがステートだ。版を刷り、さらに手を加え、変更し、また刷ってまた変える・・・。これはまるで変化の経過に応えるかのようなプロセスだ。
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変化Ⅱ 1984年 町田市立国際版画美術館

シュマイサーは1962年にハンブルク造形大学に入学し、パウル・ヴンダーリッヒのもとで版画とドローイングを学びました。アーティストの道を歩き始めると・・中東の考古学発掘にボランティアの記録画家として参加しています。

シュマイサーは技術の大切さも認識していました。
「芸術制作においては思考を展開することが本質であり、それを思い通りに表現できる技術を身に付けなくてはいけない」

そして、旅するアーティストでもありました。
ドイツに生まれ、日本に学び、オーストラリアを拠点に世界各地を旅し多くの作品を残しました。

1968年京都市立芸術大学に留学し四年半を京都で過ごします。
後に日本で知り合った日本人女性とオーストラリアで結婚しました。

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京都清水寺 「春・夏・秋・冬」の内の春 1979-80年 エッチング、アクアチント、ディープ・エッチング 個人蔵

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故宮への入口、北京981年 エッチィング、アクアチント、ソフトグランド 個人蔵

シュマイサーの作品には、記憶を留めるかの様に?文章と様々なフォルムが盛り込まれた作品があります。
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日記とエアーズ・ロック 1983年 エッチィング、アクアチント、ソフトグランド、フォト・エッチング ギャルリー宮脇

シュマイサーには貝や海藻などの「砂浜のかけら」、蕾、植物の芽(蕾)など、くりかえし描いたモティーフがあります。なかでもひとつひとつ記録された百個の蕾に日々の記憶が伴った《日記と百の蕾》はその集大成といえる作品です。(本展解説より)
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日記と百の蕾 1984年 エッチング、アクアチント 個人蔵

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炎 1988-89年 エッチィング、アクアチント、ソフトグランド 町田市立国際版画美術館

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ティクセ 1985年 エッチィング、アクアチント、ソフトグランド 個人蔵

《イルパラ海岸のかけら》連作は、シュマイサーが最後の情熱を注いだ連作です。版画に手彩色とドローイングを加え、少なくとも15点のバリエーションが制作されました。
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イルパラ海岸のかけら 2010-2011年 エッチィング、アクアチント、ソフトグランド、ドライポイント、水彩、グワッシュ、鉛筆 個人蔵


展覧会の構成は次の通りです。
I. 変化へのまなざし
II. 旅
III. 日記と「小さなもの」
IV. 連作―変化を追う
V. 変化を創る

(HPの解説)
世界を舞台に活躍したアーティスト、ヨルク・シュマイサー。ドイツに生まれ、日本に学び、オーストラリアを拠点に各地を旅した彼は、その経験を美しい多色刷り銅版画で描いた「旅する版画家」です。その足跡は京都やヴェネツィアなどの古都、中東やアジアの遠隔地、数千万年かけ形成されたオーストラリアの岩山、そしてついには南極にまで及んでいます。世界を巡るその旅を180点の作品で追体験してみませんか。2012年の逝去後初となる本格的な回顧展です。

この展覧会は写真撮影可です。(条件あり)

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