横山華山展
横山華山展は、
東京ステーションギャラリーで開催されています。
会期 2018年9月22日(土)~11月11日(日)
会期中、展示替えがあります。
この様な表現が適当かどうかはわかりませんが・・・・
昨年の「不染鉄展」に続いて、この美術館で掘り出し物見つけた!という感じです。
横山華山の作品は、様々な見方ができて、何時間居ても楽しめる展覧会です。
華山は横山惟聲の娘と結婚しました。
婿養子です。(惟聲も養子です)
崋山の、子供の頃からの秀でた画力が見込まれたようです。
華山の父となった横山惟聲も本格的に絵を学んだ人で、曽我蕭白にも習ったことがあるようです。
そして惟聲の父(華山の祖父ですね)の兄の横山喜兵衛が曽我蕭白のパトロンだったそうです。
華山は、岸駒に直接指導を受けますが、曽我蕭白、長澤芦雪、呉春を研究し、その筆使いを学んだと伝えられています。
岸駒は丸山応挙の弟子であり、華山作品も円山四条派の写実性、遠近表現の影響が顕著です。
様々な絵師の画風を研究し学んだ華山は、横山派といえる独特の世界を形成し、人気絵師となりました。
展示構成は次の通りです。
蕭白を学ぶ -華山の出発点-
人物 -ユーモラスな表現-
花鳥 -多彩なアニマルランド-
風俗 -人々の共感-
描かれた祇園祭 -《祇園祭礼図巻》の世界-
山水 -華山と旅する名所-
華山の出発点。
どちらの作品が好みでしょうか?
華山の性格が表れているかもしれませんね、おとなしい感じです。
蝦蟇仙人図 横山華山 絹本墨画淡彩
蝦蟇仙人図 曽我蕭白 絹本墨画淡彩
寒山拾得図 横山華山 ボストン美術館
蕭白?と思ってしますが、華山です。
岸駒の描法も見て取れると解説にはあります。
唐子図風 横山華山左隻(部分) 横山華山 文政9(1826)年 個人蔵
金地に木々、岩は墨、子供たちは、鮮やかな色彩で描かれています。
グラデーションで立体感を表現していて写実的です。
子供の表情まで拘っています。
二幅対の作品。
明治天皇の御遺物として下賜された作品。
猫が可愛い!錦雉の鮮やかな色彩が素晴らしい。
蕣花猫図 横山華山 絹本着色 江戸時代 19世紀 泉涌寺
桃錦雉 横山華山 絹本着色 江戸時代 19世紀 泉涌寺
富士遠景図 横山崋山 絹本墨画 江戸時代 19世紀
蕭白の富士山図を原図として描かれた作品。
原図と比較してみたいですね。
紅花屛風 横山崋山 六曲一双(左隻) 文政8年(1825) 紙本着色
山形美術館・ 長谷川コレクション
紅花屛風 横山崋山 六曲一双(右隻) 文政6年(1823) 紙本着色
山形美術館・ 長谷川コレクション
最良質の岩絵の具や紙、金を惜しげもなく使い、長い年月をかけて制作された作品。
種まきから、収穫、紅花の出荷までの生産工程を描いた四季耕作図。
この展覧会の一番人気化もしれません。(前期展示)
祇園祭礼図巻(部分) 横山崋山 紙本着色 江戸時代 天保6~8年
江戸時代後期の祇園祭の全貌を上下巻30メートルにわたって克明に描いています。
細かい所にも手抜きなし・・丁寧に、丹念に描いています。
一点一点取り出しても、それだけでも立派な作品になりそうです。
横山崋山の仕事の集大成と言えそうです。
祇園祭の歴史資料としての価値もあるそうです。
HPの解説。
横山華山(1781/4~1837)は、江戸時代後期の京都で活躍した人気絵師です。彼は曾我蕭白(そがしょうはく)に傾倒し、岸駒(がんく)に入門した後、呉春(ごしゅん)に私淑して絵の幅を広げ、多くの流派の画法を身につけました。そして、諸画派に属さず、画壇の潮流に左右されない、自由な画風と筆遣いで人気を博しました。その名声は日本中に広がり、ほかの絵師たちにも大きな影響を与え、門人も抱えました。
華山は作品の画題に合わせて自由自在に筆を操り、幅広い画域を誇りました。本展は、華山の多彩な画業を系統立てて紹介する初めての回顧展です。そんな彼の本領を余すところなく伝える代表作のひとつ、《祇園祭礼図巻(ぎおんさいれいずかん)》も出品します。山鉾や神輿などの祭列を細かく描写する記録性、臨場感を与える構図、店先にいる人々までをも豊かに描き出した華山ならではの作品です。
華山の名は、没後しばらくは有名な書画家の一覧表に掲載されたり、夏目漱石の『坊ちゃん』に登場するなど、知られていたようです。また、フェノロサら海外の研究者やコレクターからも評価され、その優品が何点も欧米の美術館に収蔵されましたが、今や知る人ぞ知る絵師となっています。本展は、ボストン美術館や大英博物館といった海外に渡った作品も里帰りし、曾我蕭白や弟子たちの作品も含め会期中約100点の展示で、華山の画業とその魅力に光を当てようとするものです。
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