プーシキン美術館展──旅するフランス風景画
「プーシキン美術館展──旅するフランス風景画」展は、
東京都美術館で開催されています。
会期 2018年4月14日(土)~7月8日(日)
初来日となるモネの若き日の意欲作《草上の昼食》が注目作品ですが・・・・会場では詳細解説、イメージ映像等、力が入っています。
クロード・モネ《草上の昼食》1866年 油彩・カンヴァス
本展には、《草上の昼食》に勝るとも劣らない魅力のある(と私が思った)作品が多数展示されています。
セザンヌ作品の大きなテーマの一つがサント=ヴィクトワール山ですが・・・本展では3点が並んでいます。
ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山の平野、ヴァルクロからの眺め》1982-85年 油彩・カンヴァス
そして、後年に描かれた作品です。
ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め》1905年 油彩・カンヴァス
抽象表現が顕著ですね。
キュビズムの画家が絶賛したともいわれる作品です。
(この作品を観ることができたのは大収穫でした)
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「風景画の展開」と「印象派以後の風景」の組み合わせは、我々日本人にとっては入り込み易く、楽しめます。(印象派も含んだ)
風景画の位置づけと展開、印象派とパリ・・・その後の拡がり。
夫々の画家が刺激し合い個性ある作風を完成発展させていく過程を、キャプションを丹念に読みながら追っていく・・・・お勧めです。
展覧会の構成は以下の通りです。
【第一部】
風景画の展開
クロード・ロランからバルビゾン派まで
第1章 近代風景画の源流
第2章 自然への賛美
【第二部】
印象派以後の風景
第3章 大都市パリの風景画
第4章 パリ近郊―身近な自然へのまなざし
第5章 南へ―新たな光と風景
第6章 海を渡って/想像の世界
クロード・ロラン《エウロペの掠奪》1655年 油彩・カンヴァス
17世紀頃までは、風景そのものを主題として描くことはなく、神話や聖書の物語の背景として描かれてきました。
ジュール・コワニエ/ジャック・レイモン・ブラスカサット
《牛のいる風景》19世紀前半 油彩・カンヴァス
共作です。
ブラスカサットが苦手とする風景描写をコワニエが補っています。
ギュスターヴ・クールベ《山の小屋》ギュスターヴ・クールベ 1874年頃 油彩・カンヴァス
クールベ晩年の作品。
亡命先のスイスで亡くなる3年前に描かれた。(58歳の生涯)
ピエール=オーギュスト・ルノワール《庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰》1876年 油彩・カンヴァス
後姿の女性はルノワールのお気に入りのモデルであったニニ、その後ろから顔をのぞかせるのは画家モネです。
モネは200点以上もの作品に睡蓮を描いていますが 、本作は最初期の一点。
モネも晩年は、抽象表現に傾倒していきますね。
アンドレ・ドラン《港に並ぶヨット》1905年 油彩・カンヴァス
「フォーヴ(野獣)」と批判された1905年のサロン・ドートンヌの第7室に展示された、記念すべき作品の1点。
アンリ・ルソー《馬を襲うジャガー》1910年 油彩・カンヴァス
アート・ブリュット画家ルソーは、「植物園の温室より遠くへ旅行したことはない」と述べていました。
想像力を駆使して、あこがれの熱帯を描いたんですね。
HPの解説です。
珠玉のフランス絵画コレクションで知られるモスクワのプーシキン美術館から、17世紀から20世紀の風景画65点が来日します。神話の物語や古代への憧憬、あるいは身近な自然や大都市パリの喧騒、果ては想像の世界に至るまで、描かれた時代と場所を軸にフランス近代風景画の流れをご紹介します。様々な情景を舞台にした風景画は、その土地のにおいや太陽の煌めき、風にそよぐ木々や街のさざめきをも感じさせてくれます。
なかでも、初来日となるモネの《草上の昼食》では、同時代の人物たちとみずみずしい自然の風景が見事に調和しています。印象派の誕生前夜、26歳となる若きモネの魅力溢れる作品です。ほかにもロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ルソーらの作品が集います。新緑の上野で、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る美しい風景を巡る「旅」をどうぞお楽しみください。
東京都美術館 プーシキン美術館展 ─ 旅するフランス風景画 1~2章
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東京都美術館 プーシキン美術館展 ─ 旅するフランス風景画 3~4章
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東京都美術館 プーシキン美術館展 ─ 旅するフランス風景画 5~6章
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