沖縄の旧石器時代が熱い!
「沖縄の旧石器時代が熱い!」展は、
国立科学博物館日本館1階 企画展示室で開催されています。
会期 2018年4月20日(金)~6月17日(日)
沖縄は、どのようにして今の姿になったのでしょうか?
ユニークな動物が棲む亜熱帯の豊な自然の沖縄に旧石器時代に初めて人が渡ってきました。
1960年代から続けられる沖縄旧石器時代の研究から様々なことが分かってきました。
この展覧会は・・その成果の一部の展示解説です。
今も沖縄各地で続けられる発掘調査は、これからどんな発見をもたらしてくれるのでしょうか。
まだまだ熱い!沖縄旧石器時代研究。
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この展覧会には、世界最古の釣り針が展示されています。(「4 見えてきた旧石器人の暮らし」に展示)
2012年8月21日、サキタリ洞の調査区で2万3000年前の地層を掘っていると、丸い形の貝製品が姿を現しました。竹串で丁寧に土を取り除くと、半円形に弧を描き、一方の先端が尖っています。
洞穴の暗がりでヘッドライトの明かりをうけ、輝く見事な釣り針が発見された瞬間です。
同じくらい古い可能性のある釣り針の破片(1万6000から2万3000年前)が、東ティモールのジェリマライ遺跡でも発見されています。島に暮らす旧石器人たちは、私たちが思うよりずっと、魚釣りに親しんでいたのかもしれません。(解説パネルから)
貝製釣り針(2万3千年前) 沖縄県立博物館・美術館所蔵
キンダカハマの底部を磨いて作られた世界最古の貝製釣り針
右から「キンダカハマ(現生標本)」「砂岩の砥石(2万3千年前)」「未完成釣り針」「釣り針の素材」
沖縄県立博物館・美術館所蔵
では、何を釣っていたのでしょうか?
旧石器人といえば、石斧を手にナウマンゾウなどの大型獣を狩猟するイメージが強いですが、沖縄の旧石器人は川でカニやカワニナ、オオウナギなどを捕らえ、食料としていたようです。
展覧会の構成は以下の通りです。
1 沖縄の環境
地質からわかる琉球列島
古生代の石灰石チャート、中生代のチャートや砂岩、泥岩は、琉球列島がこれらの時代に海の底だったことを物語っています。中生代から新生代にかけて隆起して陸地となり、その後、一部が再び水没して新しい石灰岩が形成されました。
2 島に生きるユニークな動物たち
3 旧石器人の渡来
旧石器人の全身骨発見:港川遺跡
港区川遺跡では人骨だけでなく多くの動物の骨も発見されている。
4 見えてきた旧石器人の暮らし
5 新たな人骨発見
沖縄は旧石器時代の人骨が次々と発見される珍しい地域で、2010年から始まった石垣島の白保竿根田原洞穴遺跡の調査でも、保存の良い新たな旧石器人骨が続々と発見されました。
石垣島の白保竿根田原洞穴遺跡で発見された旧石器人骨
白保人骨のデジタル再現
6 まだまだ熱い!沖縄旧石器時代研究
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(HPの解説です)
日本の人類史でもっとも古く、もっとも長く、もっとも謎に包まれている旧石器時代。そのころの日本列島に暮らした人々は、どのような姿をして、どのように暮らしていたのでしょうか。彼らの生前の姿を現代に伝えてくれる旧石器時代人骨の大半は、沖縄で発見されています。しかし、沖縄では石器などの道具が見つからず、彼らの暮らしぶりは長い間、謎とされてきました。そんな沖縄で、近年、世界最古の釣り針や旬のカニを味わうユニークな暮らしぶり、そして石垣島からの全身にわたる新たな旧石器人骨など、旧石器時代の大発見が沖縄の各地で相次いでいます。本企画展では、そんな熱気あふれる沖縄旧石器時代研究の最新情報をご紹介します。
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