特別展「名作誕生-つながる日本美術」
特別展「名作誕生-つながる日本美術」は、
東京国立博物館で開催されています。
会期 2018年4月13日(金) ~ 2018年5月27日(日)
名作が作られた背景に着目し、その「つながり「」や影響関係を検証する展覧会です。
中国憧憬というフレーズはよく使われます。
絵画も模倣から始まるのは当たり前、この図は分かり易いですね。
モチーフはそっくりですが、丹念に見ていくと、羽の描き方、背景、波の描き方に絵師による工夫、個性が見られます。
陳伯沖、文正、探幽、若冲の鶴図が並べて展示されていて、それぞれの関係を興味深く観てきました。
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抜き出された美人
洛中洛外図・風俗図等々の中に、このポーズは、散見されます。
人の美の型としてとらえる鑑賞者の視線が風俗画から美人を抜き出し、浮世絵を誕生させました。
見返り美人図 菱川師宣筆 江戸時代 17世紀 東京国立博物館
風俗図屏風(彦根屏風) 江戸時代 17世紀 滋賀・彦根城博物館
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「顔輝筆寒山図を学び岸田劉生これを写す」と画面左上に記す。
チョット奇妙?な野童女の風貌にはこんな「つながり」、があったんですね。
寒山拾得図 伝顔輝筆 中国・元時代 14世紀 東京国立博物館l
野童図 岸田劉生筆 大正11年(1922)年 神奈川県立院大美術館寄託
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雪舟と中国
雪舟は明の画風を取り入れて、ダイナミックで複雑な画面構成の花鳥画を描き出した。
もちろん四季を描く屏風は中国にはない。
雪舟は同時代の「漢」の画風を「和」のフォーマットにアレンジして、新たな花鳥画を作り上げた。
それらをすっきりと整理して見せたのが、次世代を代表する狩野元信。
かたちは単純化されてすっきりとした印象になっている。
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「テーマ1 一木の祈り」では、木彫仏が完成形をみせるまでの経緯i「つながり」を検証しています。
木で作られた仏像が主流になるのは平安時代以降で、古くは銅や漆の仏像が主で、土で作られることもあった。
木の仏像が主流になるのは、鑑真に伴って渡来した工人が木で仏像を作ったことによると考えられている。
中国では石で仏像を作っていたが、日本には適した石がなかったからだと・・・・材と彫の変遷を検証しています。
変遷を示す、ずらりと並んだ仏像・・・・分かり易くて素晴らしい空間です。
十一面観音菩薩立像 奈良時代 八世紀 大阪・道明寺蔵
伝薬師如来立像 奈良時代 8世紀 奈良・唐招提寺蔵
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展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 祈りをつなぐ
1. 一木の祈り
2. 祈る普賢
3. 祖師に祈る
第2章 巨匠のつながり
4. 雪舟と中国
5. 宗達と古典
6. 若冲と模倣
第3章 古典文学につながる
7. 伊勢物語
8. 源氏物語
第4章 つながるモチーフ/イメージ
9. 山水をつなぐ
10. 花鳥をつなぐ
11. 人物をつなぐ
12. 古今をつなぐ
HPの解説です。
日本美術史上に輝く「名作」たちは、さまざまなドラマをもって生まれ、受け継がれ、次の名作の誕生へとつながってきました。本展では、作品同士の影響関係や共通する美意識に着目し、地域や時代を超えたさまざまな名作誕生のドラマを、国宝・重要文化財含む約130件を通してご紹介します。
東京国立博物館「名作誕生-つながる日本美術」 第1章「祈りをつなぐ」
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東京国立博物館「名作誕生-つながる日本美術」 第2章「巨匠のつながり」
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東京国立博物館「名作誕生-つながる日本美術」 第3章「古典文学につながる」
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東京国立博物館「名作誕生-つながる日本美術」 第4章「つながるモチーフ/イメージ」
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