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2018.05.25

宋磁 ―神秘のやきもの

01

「宋磁 ―神秘のやきもの」は、
出光美術館で開催されています。

開催期間 2018年4月21日(土)~6月10日(日)

宋磁はシンプルなフォルムと釉薬の微妙な色調、そして抑え気味の艶。
この辺の微妙な調和が作品の魅力ですね。
シンプルだからこそ、チョットした破綻が決定的な作品価値の差になってしまいますね。

この展覧会では、多様な宋磁窯の作品を展示し詳しく解説しています。
〈定窯〉〈磁州窯〉〈遼磁〉〈耀州窯〉〈鈞窯〉〈景徳鎮窯〉〈越州窯〉〈官窯〉〈龍泉窯〉〈地方窯〉
宋磁の多様性、全体像を理解するうえでも貴重な展覧会だと思いました。


展覧会の構成は以下の通りです。
第一章 宋磁の世界 ―神秘のやきもの
02
青磁浮牡丹不遊環耳瓶 中国 南宋時代 出光美術館
中国では北宋時代に博古趣味により、中国古代の祭祀などに用いた青銅器が作られた。南宋時代においてもその動向は継承され、ますます洗練されていく。
一方本作品は古い時代にはあまり見られないタイプの青銅器の瓶に倣った龍泉窯で作られた砧青磁の瓶(花生)である。全体に厚くかけられた釉は鮮やかな粉青色を呈する。唐物と称された中国の文物は鎌倉時代以降わが国でも珍重され多くの人々を魅了してきた。(展示キャプションから)

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白磁長頸瓶 中国 金時代 定窯 出光美術館

第二章 多様なる宋磁 ―窯系・様式美の展開
〈定窯〉
〈磁州窯〉
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褐釉刻花牡丹文梅瓶 中国 金時代 磁州窯系 出光美術館

〈遼磁〉
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白地緑彩草花文長頸瓶 中国 遼時代 乾瓦窯 出光美術館
白磁の背景に線刻により飾り気なく表された草花文の上に緑釉がかけられたら遼三彩とも称される鉛釉陶器に属する長頸瓶である。
地味ながらも力強くのびてゆく草花の意匠は宋時代の中原の陶磁器にはほとんど見られない遼磁の特徴ともいえる。
日本ではこの草花文を「葱坊主」と呼び鑑賞を楽しんだ。(展示キャプションから)

[トピック展示 1 ] 宋磁の広がり ~新たなるやきものの創出への導き~
〈耀州窯〉
07
青磁刻花牡丹文壺 中国 北宋時代 耀州窯 出光美術館

〈鈞窯〉
[トピック展示 2 ] 絵画の中の宋磁
〈景徳鎮窯〉
06
青白磁刻花牡丹唐草文吐魯瓶 一対 中国 北宋時代 景徳鎮窯 出光美術館
その形は唐の詩人李白が携えていた酒瓶に似ていたとされることから「太白樽型(李白の酒瓶)」とも言われる。
胴には一面に細かく丁寧に牡丹唐草文が比較的深く彫られ、その周りを櫛文で埋めており文様の凹凸が明瞭でメリハリのある意匠となっている。(展示キャプションから)

〈越州窯〉
〈官窯〉〉
[トピック展示 4 ] 宋磁の茶碗
08
青磁碗 中国 南宋時代 龍泉窯 出光美術館
天目形を呈した青磁碗である。小さな底部でロート状に開きながら立ち上がり口縁下で一度ややすぼまり、口縁端部にかけて外に広がるいわゆるスッポン口を呈する。
厚くかけられた青磁釉は全体に施釉され、その後高台脇、畳付を釉剝ぎしている。中国では梅子青と呼ばれる紛青色を呈する。
いわゆる砧青磁に属する作例である。(展示キャプションから)

〈龍泉窯〉
〈地方窯〉
第三章 宋磁から元磁へ ―継承と革新

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HPの解説です。
悠久の歴史を有する中国陶磁の中で、宋時代(960 - 1279)にはその美しさが頂点に達したとも評されます。
宋時代の陶磁器である「宋磁」は、官窯(かんよう)、景徳鎮窯(けいとくちんよう)、定窯(ていよう)などに見られるように青磁・白磁・黒釉磁(こくゆうじ)などの単色の釉薬(ゆうやく)をまとい、非常にシンプルかつ研ぎ澄まされた造形性が美しく、格調高き陶磁器です。北宋時代末期から南宋時代にかけては絵画の世界で文芸復興運動がおこりました。この頃宋磁においても、中国古代の王朝が祭祀で用いた青銅器に倣った陶磁器がつくられており、古典へのまなざしを「やきもの」という立体造形で象っています。そこには皇帝や士大夫といった文人達の高貴かつ清逸な美意識が表わされているのです。その一方で磁州窯(じしゅうよう)、吉州窯(きっしゅうよう)などの搔き落としや鉄絵、さらには五彩(宋赤絵)などの色彩に変化を凝らした絵付陶磁も生み出され、それらには一般庶民の生活に根ざした活気に溢れる、ユーモラスなデザインも展開されています。
明時代の『格古要論』や清時代の『年窯墨注歌』などの文献にも宋磁の素晴らしさは語りつがれています。宋時代から長い年月を経た後世の人々もまた、宋磁に畏敬の念を抱き続けていたのです。さらに日本でも古くから唐物として知られる作品があり、近代以降には「鑑賞陶器」としても宋磁が愛でられてきました。
このように宋磁は同時代の人々にとっても、後世の人々にとっても魅力的で、神秘的なものであったといえます。本展覧会では、優雅な美、また親しみ溢れる多様な「宋磁」の世界を、宋時代前後のやきものの様相とあわせてご紹介いたします。


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