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2018.04.30

「木島櫻谷 PartⅡ 木島櫻谷の「四季連作屏風」+近代花鳥図屏風尽し」

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「木島櫻谷 PartⅡ 木島櫻谷の「四季連作屏風」+近代花鳥図屏風尽し」は
泉屋博古館で開催されています。

会期
2018年4月14日(土) - 5月6日(日)

PartⅠ 近代動物画の冒険に引き 続き行ってきました。
狭い?(失礼)展示空間が却って良かったのかもしれません。

「木島櫻谷作「四季連作屏風」は、琳派が流行した大正期、公家出身で古典をこよなく愛した住友春翠の審美眼にかなって、櫻谷に制作発注されたものだそうです。

中央に燕子花図、右に柳桜図 、左に菊花図 が展示されていて、それぞれの作品の前に椅子が置かれ置かれています。その椅子に座っての目線がちょうど良いです。
この展示空間は素晴らしいと思いました。
展示作品に近づいてみると、胡粉の使い方(厚塗り・・レリーフのような?)も興味深いです。

大阪茶臼山にあった住友本邸の大広間を飾った木島櫻谷作「四季連作屏風」のもう一点は、
雪中梅花図です。
菊花図 の左横に展示されています。

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柳桜図 (部分)
大正6年 絹本金地着色・屏風 六曲一双

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燕子花図 (部分)
大正6年 絹本金地着色・屏風 六曲一双

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菊花図 (部分)
大正6年 絹本金地着色・屏風 六曲一双


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雪中梅花図(部分)
大正7年 絹本金地着色・屏風 六曲一双

さらに、2点の屏風が展示されています。
竹林白鶴図(大正12年 絹本金地着色・屏風 六曲一双)と

秋草図 (大正12年 絹本金地着色・屏風 六曲一双)です。
金地に淡い色彩で描かれた秋の草花、その風景は夢のような美しさです。


木島櫻谷と同時代の画家の作品も素晴らしいものばかりでした。
展示作品の点数は少ないですが、その分、気が散らず?じっくり時間をかけて鑑賞できました。

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2018.04.27

こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション

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「こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション」は、
国立新美術館で開催されています。

会期 2018年4月11日(水)~5月28日(月)

「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」は会期終了(5月7日)が近づいてきて混雑度が増してきているようです。
混雑の中で熱心に鑑賞すると疲労感を覚えますよね。
そんなときには2階の上がってみてください。


『こいのぼり』で思い浮かぶ、あのこいのぼりが泳いでいるわけではありません。
様々な布で作られた色とりどりのこいのぼり300匹が泳いでいます。
会場内には環境音楽が流れ、所々にクッションが置かれています。

座り込んでのんびり、寝転んでゆっくり・・・・環境音楽がここちよい・・・・・疲れを癒してから帰りましょう。
入場無料です。
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ワークショップで自分でデザインしてみるのも楽しいですよ。
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展示風景をスマホで撮りました。


展覧会概要

日本を代表するテキスタイルデザイナー、須藤玲子がデザインした約300匹のこいのぼりが、展示室をダイナミックに泳ぎまわります。須藤は、日本の伝統行事に着想を得たこのインスタレーションを、フランスの展示デザイナーのアドリアン・ガルデールとコラボレーションし、2008年にはワシントンD.C. のジョン・F・ケネディ舞台芸術センターにおいて、2014年にはパリのギメ東洋美術館にて発表しました。国立新美術館のもっとも大きい展示室(2000㎡、天井高8m)を使った今回の新しいヴァージョンには、ライゾマティクスの活動で知られる齋藤精一も加わります。また会場には、どなたでも参加できる体験コーナーも用意されています。色とりどりのこいのぼりが生み出す「なう!」な空間に、ぜひご期待ください。


Dir:本間無量(ライゾマティクス)/ Muryo Honma (Rhizomatiks)


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2018.04.24

至上の印象派展 ビュールレ・コレクション

至上の印象派展 ビュールレ・コレクションは、
国立新美術館で開催されています。

会期 2018年2月14日(水)~5月7日(月)

会期も後半に入って、曜日・時間帯によっては入場待ちが発生しているようです。
私は始まってまもない時に行ってきたので、じっくり見ることができましたが・・・投稿が遅れてしまいました。

チラシに「絵画史上最強の美少女」とあるからでしょう・・・ルノワールのダンヴェール嬢の前に鑑賞者が集中します。
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ピエール=オーギュスト・ルノワール 《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》
1880年 油彩、カンヴァス

ダンヴェール嬢も勿論魅力的な作品ですが、
「6章ポール・セザンヌ」「7章 フィンセント・ファン・ゴッホ」では、数点の作品で画家の生涯とその描き方の傾向を分かり易く見せてくれるています。
とても良い展示だと思いました。

ビュールレのコレクターとしての意図が伝わってきます。

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「7章 フィンセント・ファン・ゴッホ」の概要です。

ファン・ゴッホは伯父が経営に関わっていた美術商のグービル商会に就職しハーグ・ロンドン・パリの各支店に赴任しましたが、勤務態度態度を理由に解雇されてしまいます。
オランダに戻って伝道師を志しますが失敗してしまいます。
画家として生きていくことを決めたのは1880年でした。りょうsn01
フィンセント・ファン・ゴッホ 《古い塔 》 1884年 油彩、カンヴァス
ハーグから戻ったゴッホは両親の住むニューネンに移り住み2年を過ごします。
農民の墓地や十字架と何世紀もの時間を刻んだ塔は、ニューネンでの暮らしの中で絶えずファンゴッホの心を捉えていました。


1885年3月26日、父のテオドロスが急死すると、周りの人々との関係も悪化し、ファンゴッホはニューネンを去ることを決意する。
ベルギーに向かうが、ベルギーでの生活も長くは続かず、2886年弟テオのいるパリに移った。パリでの生活が2年目を迎えた頃に描かれた作品。
ファン・ゴッホが色彩へのあなたなアプローチを試みたことがうかがえる。
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フィンセント・ファン・ゴッホ 《自画像》 1887年 油彩、カンヴァス 

1886年にパリに出るとファンゴッホは、ニューネン時代にテオから話を聞いていた印象派の絵画を実際に目にする機会に恵まれた。そして印象派の画家などと同様に戸外での制作に取り組むようになった。
パリ郊外のアニエルに足を運び日の光を浴びる風景を描いた。
色彩の表現を研究していたゴッホですが、印象派の絵画とは一線を画するファンゴッホ独特の色彩表現が緻密な構図の中に発揮されている。
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フィンセント・ファン・ゴッホ 《アニエールのセーヌ川にかかる橋》 1887年 油彩、カンヴァス 

1888年2月19日、ファンゴッホはパリを離れて南仏のアルルに向かった。この地で1年3ヶ月を過ごす間に約200点もの作品を制作しており、ゴッホの制作活動の中でもとりわけ実り多き時代として知られている。
ゴッホとゴーギャンは2カ月間アルルで共同生活を送った。
この時、2人は形態の単純化やその強調について議論したと伝えられている。
そのただ中に描かれた本作品は、ゴーギャンとの深い関係を物語る。
長年のミレーへの敬愛が明確に表れている一方、構図の取り方は、日本の浮世絵から借用したものだ。
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フィンセント・ファン・ゴッホ 《日没を背に種まく人》 1888年 油彩、カンヴァス 

ファンゴッホは、ゴーギャンとの関係悪化から精神障害の発作を起こし、自らの耳を切り落とす事件を起こしてしまう。半年後にファンゴッホは、サンレミにある療養院に自ら入院し、1年間を過ごす。
1890年の春に制作されたこの作品は、ミレーの《落ち穂拾い》に想を得て得て制作された作品で、懸命に労働に向き合う農夫の姿を描くことでファンゴッホは画面に故郷へのノスタルジックな思いを込めた。
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フィンセント・ファン・ゴッホ 《二人の農夫》 1890年 油彩、カンヴァス 


1890年5月16日、ファン・ゴッホはサン・レミの療養院を退院し、パリで・弟テオとその妻ヨーと3日ほど過ごし、5月20日にオーヴェール=オワーズに到着した。その2ヶ月後の7月末にピストル自殺を計って37年の人生に幕を閉じた。
この作品はゴッホ最晩年の作品の一つで、ビュルレコレクションのゴッホ作品唯一の花の絵画。
ゴッホは、花が咲く枝を誕生や新生といった人生の節目における始まりとみなしていた。
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フィンセント・ファン・ゴッホ 《花咲くマロニエの枝》 1890年 油彩、カンヴァス 

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そして印象派作品を中心として、派生的に19世紀、20世紀初頭のフランス絵画、そして肖像画、風景画、モダンアート作品に分類しての展示構成になっています。

紹介したい作品が盛りだくさんですが長くなるので・・・・・

この作品一点のみ撮影可能です。
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クロード・モネ 《睡蓮の池、緑の反映》 1920-26年 油彩、カンヴァス 

展覧会の構成は以下の通りです。
1章 肖像画
2章 ヨーロッパの都市
3章 19世紀のフランス絵画
4章 印象派の風景 ―マネ、モネ、ピサロ、シスレー
5章 印象派の人物 ―ドガとルノワール
6章 ポール・セザンヌ
7章 フィンセント・ファン・ゴッホ
8章 20世紀初頭のフランス絵画
9章 モダン・アート
10章 新たなる絵画の地平


HPの展覧会概要より
スイスの大実業家エミール・ゲオルク・ビュールレ(1890-1956年)は、生涯を通じ絵画収集に情熱を注いだ傑出したコレクターとして知られています。主に17世紀のオランダ絵画から20世紀の近代絵画に至る作品、中でも印象派・ポスト印象派の作品は傑作中の傑作が揃い、そのコレクションの質の高さゆえ世界中の美術ファンから注目されています。 この度、ビュールレ・コレクションの全ての作品がチューリヒ美術館に移管されることになり、コレクションの全体像を紹介する最後の機会として、日本での展覧会が実現することとなりました。

本展では、近代美術の精華といえる作品64点を展示し、その半数は日本初公開です。絵画史上、最も有名な少女像ともいわれる《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》、スイス国外に初めて貸し出されることになった4メートルを超えるモネ晩年の睡蓮の大作など、極め付きの名品で構成されるこの幻のコレクションの魅力のすべてを、多くの方々にご堪能いただきたいと思います。

国立新美術館 至上の印象派展 ビュールレ・コレクション
InternetMuseum


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2018.04.20

よく歩く道(明治神宮)

原宿や渋谷に行く時は、時間が許す限り小田急線参宮橋駅で降りて、西門から入って、西参道の森を歩いて本殿へ、本殿を出て南参道を歩いて原宿に抜け、そして目的地に向かうようにしています。

原宿から南参道を、ぞろぞろと大勢の人が本殿に向かいますが、参宮橋から本殿に向かう人はまばらで、緑の道をのんびり歩くことができます。

ご存じのことと思いますが神宮の森は人工の森です。
「明治神宮が出来る前はこの辺り一帯は南豊島御料地(皇室の所有地)といって、現在の御苑一帯を除いては畑がほとんどで、荒れ地のような景観が続いていたそうです。」(明治神宮HPから)
100年後には自然の森に・・・・と考えた設計者の思いを感じながら歩くのも楽しいものです。

現在、明治神宮は、鎮座百年を迎えるにあたって改修工事が進められています。
蘇る神社建築を、その変化の過程を観るのも楽しいですよ。
「明治神宮では現在、鎮座百年祭記念事業の一環として御社殿群の銅板屋根葺替え工事を行っております。工事は外拝殿の銅板屋根葺替え工事を終え、内拝殿、本殿へと進んでいきます。(明治神宮HPから)
 
スマホで撮りながら歩いてみました。
西参道の鳥居→本殿に向かう道(西参道)→チョット左の道に寄り道、広場へ→西参道に戻って→本殿→本殿を出て→南門を振り返る→原宿方面へ向かう道(南参道)→日本一の大鳥居をくぐって・・・・・・

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2018.04.17

「ルドン ― 秘密の花園」展

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「ルドン ― 秘密の花園」展は、
三菱一号館美術館で開催されています。


会期 2018年2月8日(木)~5月20日(日)


この企画展の注目作品は、
ドムシー男爵が、ルドンに注文した城館の食堂装飾画ですね。
オルセー美術館所蔵の15点と三菱一号館美術館の《グラン・ブーケ(大きな花束)》が揃って展示されるのはこの展覧会が初めてだそうです。

ちょっと残念だったのは、食堂の雰囲気丸ごとを感じられるような展示にはなっていなかったことです。
その点を配慮してでしょうか、何時もの?撮影コーナー(室)四方にコピーを展示していました。
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ルドンというと「異形のフォルム、モノトーン、思索的」な作品を多く見てきたように思いますが、この企画展でルドンの画家人生と作品を網羅的に観ることができたと思います。


展覧会の構成は次の通りです。
(会場内のキャプションを参考にしています)
1、コローの教え、ブレスダンの指導
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《スペインにて》
1865年 エッチング/紙 22.2×15.9 cm  シカゴ美術館
パリからボルドーに帰郷した当時、ボルドーには、ロドルフ・ブレースタンが滞在しており、ルドンはこの版画家からエッチングの手ほどきを受ける。
本作はこの頃制作された初期のエッチング作品の1つ。

2、人間と樹木
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《夢の中で》『ゴヤ頌 』 III. 陰気な風景の中の狂人
1885年 リトグラフ/紙(シーヌ・アプリケ)22.7×19.3 cm 三菱一号館美術館
ルドンは1874年頃からレイサック夫人のサロンに通っていた。
新たな技法を獲得したルドンは、次々と石版画を製作するようになり、1879年に最初の石版画集「夢の中で」が完成する。
わずか25部のみの印刷部数で、そのほとんどがメイサック夫人やサロンの仲間たちによって引き取られた。

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《アレゴリー(太陽によって赤く染 められたのではない赤い木)》
1905年 油彩/カンヴァス 46.0×35.5 cm  三重県立美術館
「赤い木」をルドンは幾度も描いており、画家にとって特別な象徴性を持っていると考えられる。
中央に描かれた人物は「キリストの洗礼」や「ノリ・ナ・タンゲレ(我に触れるな)」と言ったキリスト教美術の伝統的な主題と関連付けられている。
一方で、明るい色彩や貝殻のようなモチーフは神話主題も想起させる。

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《キャリバンの眠り》
1895-1900 年 油彩/カンヴァス 48.3×38.5 cm オルセー美術館
シェイクスピアの戯曲「テンペスト」に登場するキャリバンは、主人公プロスペローに仕えた野蛮な奇形の奴隷である。
異形の生物を好んで描いたルドンにとって「テンペスト」に出てくる小怪物は創作意欲を刺激されるキャラクターだった。
樹木は、空想上の存在の寄り代として描かれる・・・・

3、植物学者アルマン・クラヴォー

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『夢想(わが友アルマン・クラヴォーの思い出に)』 VI. 日の光
1891年 リトグラフ/紙(シーヌ・アプリケ) 21.0×15.8 cm 三菱一号館美術館
1891年に80部限定で出版された石版画集「夢窓」の題名は、その前年にボルドーの自宅で自殺したルドンの年上の友、アルマン・クラヴォーに捧げられた。
窓枠の向こうに樹木が描かれ、室内には胞子か細胞のようなものが舞っており、植物学者へのオマージュとなっている。

4、ドムシー男爵の食堂装飾
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《グラン・ブーケ(大きな花束)》
1901年 パステル/カンヴァス 248.3×162.9 cm  三菱一号館美術館
ロベール・ド・ドムシー男爵(1862-1946)の城館を飾った16点の壁画のうちの1点です。
16点のなかで最大、華やかさがひときわ目立つ三菱一号館美術館自慢の所蔵品ですね。

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左《人物》右 《人物(黄色い花)》
1900-1901年 木炭、油彩、デトランプ/カンヴァス  オルセー美術館
「オルセー所蔵15点のドムシー男爵の城館の食堂壁画」のうちの2点。
暖炉のマントルピ-ス上の壁に配された作品。

5、、「黒」に棲まう動植物

6、、蝶の夢、草花の無意識、水の眠り
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《 蝶 》
1910 年頃 油彩/カンヴァス73.9×54.9 cm ニューヨーク近代美術館( MoMA)
描かれているのは蝶なのか花なのか?ルドンの絵にはこうした曖昧な部分がみられ、鑑賞者には多様な解釈が許されています。


7、再現と想起という二つの岸の合流点にやってきた花ばな
ルドンは初期から花瓶の花を描いてきたが、晩年には特別に制作数が増えている。合計81種類の花瓶が使われたことが判明しているが、そのうち1つは陶芸家のマリー・ボトキンの手によるもので角度を変えながら計7点が描かれている。また日本の役者を描いた上も数点描かれ描かれている。
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《野の花のいけられた花瓶》
1910年頃 油彩/カンヴァス 55.9×39.4 cm  NGAナショナル・ギャラリー、ワシントン

8、装飾プロジェクト


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HPの「本展の見どころ」から
三菱一号館美術館では2018年2月8日(木)~5月20日(日)まで「ルドン―秘密の花園」展を開催します。
オディロン・ルドン(1840-1916年)は、印象派の画家たちと同世代でありながら、幻想的な内面世界に目を向け、その特異な画業は、今も世界中の人の心を魅了して止みません。なかでも本展は植物に焦点をあてた、前例のない展覧会となります。
本展の大きな見どころは、フランス・ブルゴーニュ地方に居を構えた美術愛好家のドムシー男爵が、ルドンに注文した城館の食堂の装飾画です。完成後、装飾画はドムシー城に秘蔵され、当館所蔵の《グラン・ブーケ(大きな花束)》を除く15点は食堂の壁から取り外され1980年には日本でも公開されましたが、1988年にフランスの“相続税の美術品による物納”制度により国家所有に帰し、現在はオルセー美術館の所蔵となっています。残された《グラン・ブーケ》は制作後110年目の2011年3月、パリで開催されたルドン展にて初公開され、今日まで当館の所蔵品として幾度か公開してきましたが、本展では、オルセー美術館所蔵の15点と合わせてドムシー城の食堂を飾ったルドンの装飾画が一堂に会す日本初の機会となります。
このほか、世界有数のルドンコレクションとして名高い岐阜県美術館をはじめ、国内の美術館、そして、オルセー美術館、ボルドー美術館、プティ・パレ美術館(パリ)、ニューヨーク近代美術館[MoMA]、ワシントン・ナショナル・ギャラリー、シカゴ美術館、フィリップス・コレクションなど海外の主要美術館から、植物のモティーフのルドン作品が来日し、およそ90点により構成する大規模なルドン展となります。



三菱一号館美術館 ルドン ─ 秘密の花園
第1章「コローの教え、ブレスダンの指導」
第2章「人間と樹木」
第3章「植物学者アルマン・クラヴォー」
InternetMuseum


三菱一号館美術館 ルドン ─ 秘密の花園
第4章「ドムシー男爵の食堂装飾」
InternetMuseum


三菱一号館美術館 ルドン ─ 秘密の花園
第5章「『黒』に棲まう動植物」
第6章「蝶の夢、草花の無意識、水の眠り」
第7章「再現と想起という二つの岸の合流点にやってきた花ばな」
第8章「装飾プロジェクト」
InternetMuseum

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2018.04.15

牡丹の美しさ

どちらかといえば可憐な草花が好みですが、この牡丹には魅了されました。
完璧なフォルムと、色味、グラデーション。

理想の草花を探しに散策するのに最適な季節ですね。

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2018.04.13

音声入力(iPhone + Googleドキュメント)

展覧会などに行った時のメモなどは、音声入力を使って入力することが多いです。
iPhone、iPadを使ったり、ノートパソコンでGoogleドキュメントに音声入力ししたりしていますが、
iPhone (iPad) + Googleドキュメントは使い勝手が良いので紹介して見ます。
入力した文章をコピペしてブログなどに使っています。

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2018.04.10

ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより

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「ヌード NUDE ―英国テート・コレクションより」展は、
横浜美術館で開催されています。

会期 2018年3月24日(土)~6月24日(日)

19世紀のイギリスでは、ヌードは古典文学や神話、聖書を題材とした歴史画でのみ、描くことが許されていました。
19世紀も後半になると、周辺の身近な人々のヌードを描くようになります。
20世紀に入ると、ヌードそのものを対象として描き、抽象表現も現れ、性と無意識という新たな領域(シュルレアリスム)にも挑戦しました。
政治的表現の一手段としてのヌード。
筆触、デフォルメ、構図による人体の物質性と内面性の表現。
移ろいゆく肉体とヌード。

永遠の画題、テーマであるヌードを社会的背景、美術史的視点、表現手法、画法・・・あらゆる視点で分かり易く展示しています。
油彩画を中心に、彫刻、写真、版画等130点の展示です。

本展ではロダンの《接吻》のみ撮影可です。
オーギュスト・ロダン《接吻》 1901-4年、ペンテリコン大理石
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美術ナビのロダン接吻の秘密はこちらから
人気漫画家あべ美幸がヌード展のために描きおろしたロダン『接吻』の秘密。ロダン彫刻で”最もエロティック”な大理石像に秘められたストーリーを描きます。


展覧会の構成は次の通りです。
第1章 物語とヌード
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フレデリック・レイトン 《プシュケの水浴》 1890年発表 油彩/カンヴァス
ビクトリア王朝の典型的なヌード。


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ハーバート・ドレイパー イ 《カロス哀悼》 1898年発表 油彩/カンヴァス
ドレイパー イは、ラファエル前派の画家で海を舞台とした神話的作品を得意とした。

第2章 親密な眼差し
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エドガー・ドガ 浴槽の女性 1883年頃 パステル/紙
「われわれは鍵穴を通して彼女たちを覗き見ている」と彼自身が語ったようにドガは日常生活の一瞬を捉えた自然な体勢の裸婦を多く描きました。

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ピエール・ボナール 浴室 1925年 油彩/カンヴァス
浴槽にいる妻マルトを描いた連作の中で初めて全身像。
ボナールは、対象を観察しすぎることで第一印象から遠ざかることを避けるために目の前にいるモデルは描かず、記憶を頼りに描くことを好んだ。

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オーギュスト・ルノワール ソファに横たわる裸婦 1915年 油彩/カンヴァス

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アンリ・マティス 布をまとう裸婦 1936年 油彩/カンヴァス


第3章 モダン・ヌード
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ヘンリー・ムーア 倒れる戦士 1956–57年(1957–60年頃鋳造) ブロンズ
戦いで傷つき弱った人間の死を前にした劇的な瞬間を描いている。

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パブロ・ピカソ 首飾りをした裸婦 1968年 油彩/カンヴァス
マネのオランピアを参照したことが指摘されている。
モデルはピカソの2番目の妻ジャクリーヌ・ロックといわれる。

第4章 エロティック・ヌード
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デイヴィッド・ホックニー 23、4歳のふたりの男子「C.P.カヴァフィスの14編の詩」のための挿絵より 1966年
エッチング・アクアチント/紙
イギリスで同性愛が違法だった時代に男性同士の親密な関係を描いた。


ターナーは風景を描くため旅行に携えたスケッチブックに観察と想像に基づいたエロチックなスケッチが残されている。
1850年代ターナーの名声を守るための遺産管理人によってこうしたデッサンの多くが消去されたが、近年その存在が明らかになり研究が進んでいる。
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ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー ベッドに横たわるスイス人の裸の少女とその相手「スイス人物」スケッチブックより 1802年 黒煙、水彩/紙

第5章 レアリスムとシュルレアリスム
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ポール・デルヴォー 眠るヴィーナス 1944年 油彩/カンヴァス
スピッツナー博物館の展示物に触発された作品。
人体の骨格標本や横たわる女性のポーズも博物館の展示品からとられている。
本作は爆撃被害に遭っていた戦時中のブリュッセルで描かれており、画家は後に、本作についてヴィーナスの静謐さと当時の劇的な状況を意図したと述べている。

第6章 肉体を捉える筆触
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ルシアン・フロイド 布切れの側に佇む 1988–89年 油彩/カンヴァス
長時間に及ぶモデルの観察を経て描かれる彼の作品には、画家とモデルとの間の心理的な緊張が反映されている。

第7章 身体の政治性
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バークレー・L・ヘンドリックス ファミリー・ジュールス:NNN (No Naked Niggahs[裸の黒人は存在しない]) 1974年
油彩/カンヴァス
裸の黒人男性を伝統的なオダリスクに置き換え、それをシャツに描かれた白人女性が見つめるという構図で描き、黒人男性の身体に対する白人の恐怖感や性的固定観念に向き合った 。
理想化された黒人像ばかりを描いてきた当時の黒人芸術に対する挑戦でもあった。


第8章 儚き身体

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シンディ・シャーマン 無題 1982年 タイプCプリント


HPから「展覧会概要」です。
ヌード――人間にとって最も身近といえるこのテーマに、西洋の芸術家たちは絶えず向き合い、挑み続けてきました。美の象徴として、愛の表現として、また内面を映しだす表象として、ヌードはいつの時代においても永遠のテーマとしてあり続け、ときに批判や論争の対象にもなりました。
本展は、世界屈指の西洋近現代美術コレクションを誇る英国テートの所蔵作品により、19世紀後半のヴィクトリア朝の神話画や歴史画から現代の身体表現まで、西洋美術の200年にわたる裸体表現の歴史を紐ときます。フレデリック・ロード・レイトンが神話を題材として描いた理想化された裸体から、ボナールらの室内の親密なヌード、男女の愛を永遠にとどめたロダンの大理石彫刻《接吻》[日本初公開]やシュルレアリスムの裸体表現、人間の真実に肉迫するフランシス・ベーコン、さらにはバークレー・L・ヘンドリックスやシンディ・シャーマンなど、現代における身体の解釈をとおして、ヌードをめぐる表現がいかに時代とともに変化し、また芸術表現としてどのような意味をもちうるのか、絵画、彫刻、版画、写真など約130点でたどります。
2016年のオーストラリアを皮切りにニュージーランド、韓国へと国際巡回する本展。待望の日本上陸です

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2018.04.07

Amazon echoでkindle本を読んでみました(聴いてみました)

電子ブックリーダーで本を読む方も多いかと思います。
私も、ブックリーダー、タブレット端末、スマホで読むことはありますが、最近は本(紙媒体)に戻っています。ただし、雑誌はタブレット端末で読んでいます。
特別な理由はありませんが、長年の習慣で染み付いた、何か?が作用しているようです。
(かつて、スマホで漱石の小説を読み切ったこともあたのですが・・・・)

オーディオブックを利用する方も増えています。
Amazonにもaudibleがあり、聴き放題月額1500円ということですが、プライムビデオで経験した方も多いと思いますが、必ずしも読みたい、見たい作品があるわけではありません・・・と思います。

1500円が高いか?安いか?微妙な価格設定ですね。
プライム会員3ヵ月無料体験してみようかな〜

オーディオブックアプリは無料も含めて他にもあります。
一長一短ありで、利用頻度、どんな本を読むかで選択することになります。

そこで、Amazon echoでkindle本を読んでみました。(聴いてみました)
パブリックドメイン作品を読むといえば定番の『青空文庫』
青空文庫に収められている作品もkindleで読むことができます。


朗読という感じではなく所謂棒読みですが、寝転がって、ボケーとしながら古典名作の世界へというのもいいかもしれませんよ。

別の章に移動したり、早送り、巻き戻しはAlexaアプリでの手作業になります。
勿論、アプリ操作で読み(聴き)始めたり、止めたりできます。



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2018.04.05

「生誕140年記念特別展 木島櫻谷 PartⅠ近代動物画の冒険」

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「生誕140年記念特別展 木島櫻谷 PartⅠ近代動物画の冒険」は、
泉屋博古館(東京)で開催されています。

会期 2018年2月24日(土)~ 4月8日(日)

人気作品は「寒月」ですね。
作品前の椅子に座って鑑賞するのがお勧めです。
目線がちょうどいいですよ。
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寒月 大正元年(1912) 絹本着色 六曲一双 京都市美術館
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モノクロームのように見えますが・・・
青、緑、茶を上手く使っています。岩絵の具を工夫し(使いこなして)微妙な表現を獲得しています。
・・・こだわり満載の作品です。
冷気に包まれた空間に冴えわたる下弦の月、慎重に歩を進める鋭い目つきの狐。
臨場感が見事に伝わってきます。
(夏目漱石が徹底的に酷評した、いわくつきの屏風だそうですが・・・)

木島櫻谷の描く動物は高く評価されました。
野卑に走らず、どこか知的で優美な動物たち、その優しいまなざしは、生涯にわたり櫻谷の作品に生き続けました。(キャプションより)

展覧会の構成は次の通りです。
青年のころ ―雄渾自在な筆勢
壮年のころ ―洗練の色彩、緻密な彩色
暮年のころ ―動物を見つめ、自身を見つめ


輪郭線はほとんど見られず、塗り重ねた色面のみで肉体を描いています。
丹念に繰り返した写生による画力が結実しているようです。
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獅子虎図屏風(右隻) 紙本着色 六曲一双 明治37年(1904)


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写生帖 猫(部分) 明治後期 櫻谷文庫


割筆を使って乾いた墨調で剛毛の質感を、潤った墨調で顔や足先などを描いています。
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熊鷲図屏風(右隻部分) 紙本墨画着色 二曲一双  明治後期

鹿は動物園や奈良公園で、中央の大木は今なお衣笠の自邸画室前に健在の唐楓を写生したそうです。
晩秋から初冬の景色。生え変わったばかりの豊かな冬毛が丹念に描かれています。
古来鹿は、その姿や声に秋の到来、もの悲しさ、孤独が重ねられ絵画化されてきました。
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角とぐ鹿 絹本着色 1幅 昭和7年(1932) 京都市美術館

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かりくら(部分) 絹本着色 2幅 明治43年(1910) 櫻谷文庫
「かりくら」とは狩り競べのことです。

HPの解説です。
京都の円山・四条派の流れをくむ今尾景年に学んだ櫻谷は、20代で頭角を現し、明治後半から大正期にかけて文展の花形として活躍しました。画業のなかで、最も高く評価されたのが動物画です。それは徹底した写生を基礎に、卓越した技術と独自の感性により創造されたもの。確実で精緻にとらえられた動物の表情は、一方で情趣にあふれ、どこかもの言いたげです。
本展では彼の描いた"動物"に着目し、その代表作はもちろん未公開作品を一堂にあつめ、多様な表現とその変遷をたどります。また櫻谷文庫に遺された多くの資料調査から、それらの制作背景や画材などをあわせて紹介します。(展示替えがあります)


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2018.04.03

町田ぼたん園2018-04

園内は広いとはいえませんが、百花繚乱の趣。
若葉と花の彩りはパステルカラーの世界、最も好きな季節到来です。
ぼたん園の(牡丹の)満開シーズンは一か月程先ですが、今のこの時期も好きです。

今回はミラーレスを持っていきました。


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2018.04.02

観てきた展覧会備忘録 2018年3月

浜田知明 100年のまなざし
2018年3月10日(土)〜4月8日(日)
町田市立国際版画美術館


博物館でお花見を
会期 2018年3月13日(火)~2018年4月8日(日)
東京国立博物館


人体―神秘への挑戦―
会期 3月13日(火)~6月17日(日)
国立科学博物館


日本スペイン外交関係樹立150周年記念 プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光
会期 2018年2月24日(土)~2018年5月27日(日)
国立西洋美術館


マーグ画廊と20世紀の画家たち―美術雑誌『デリエール・ル・ミロワール』を中心に
2018年2月24日(土)~2018年5月27日(日)
国立西洋美術館[新館 版画素描展示室]


寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽
会期 2018年2月14日(水)〜4月8日(日)
サントリー美術館


至上の印象派展 ビュールレ・コレクション
会期 2018年2月14日(水) ~ 5月7日(月)
国立新美術館


河鍋家伝来・河鍋暁斎記念美術館所蔵(内覧会参加)
暁斎・暁翠伝 ─先駆の絵師魂!父娘で挑んだ画の真髄─
会期 2018年4月1日(日)~6月24日(日)
東京富士美術館


「en[縁]:アート・オブ・ネクサス――第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館帰国展」  (会期終了)
会期2018年1月24日(水)~ 3月18日(日)
TOTOギャラリー・間(ま)

 
江戸の女装と男装
会期 2018年3月2日(金)~3月25日(日)  (会期終了)
太田記念美術館


ボストン美術館 パリジェンヌ展  (会期終了)
時代を映す女性たち
会期 2018年1月13日(土)~4月1日(日)
世田谷美術館

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2018.04.01

トーハク春の庭園開放2018

トーハクでは、春の庭園開放が行われています。上野恩賜公園桜祭りの喧騒とは違い、作品鑑賞の合間、静かな空間でノンビリ過ごせました。風に散りゆく桜も風情です。今年は開花が早かったので、既に散ってしまったかな?と思っていたのですが・・・

春の庭園開放 3月13日(火)~5月20日(日)


スマホで撮りました。

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「博物館でお花見を」開催中
会期 3月13日(日)~4月8日(日)

さくらに纏わる作品が展示されていて楽しいです。
各種イベントも開催されています。

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