至上の印象派展 ビュールレ・コレクションは、
国立新美術館 で開催されています。
会期 2018年2月14日(水)~5月7日(月)
会期も後半に入って、曜日・時間帯によっては入場待ちが発生しているようです。
私は始まってまもない時に行ってきたので、じっくり見ることができましたが・・・投稿が遅れてしまいました。
チラシに「絵画史上最強の美少女」とあるからでしょう・・・ルノワールのダンヴェール嬢の前に鑑賞者が集中します。
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》
1880年 油彩、カンヴァス
ダンヴェール嬢も勿論魅力的な作品ですが、
「6章ポール・セザンヌ」「7章 フィンセント・ファン・ゴッホ」では、数点の作品で画家の生涯とその描き方の傾向を分かり易く見せてくれるています。
とても良い展示だと思いました。
ビュールレのコレクターとしての意図が伝わってきます。
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「7章 フィンセント・ファン・ゴッホ」の概要です。
ファン・ゴッホは伯父が経営に関わっていた美術商のグービル商会に就職しハーグ・ロンドン・パリの各支店に赴任しましたが、勤務態度態度を理由に解雇されてしまいます。
オランダに戻って伝道師を志しますが失敗してしまいます。
画家として生きていくことを決めたのは1880年でした。りょうsn
フィンセント・ファン・ゴッホ 《古い塔 》 1884年 油彩、カンヴァス
ハーグから戻ったゴッホは両親の住むニューネンに移り住み2年を過ごします。
農民の墓地や十字架と何世紀もの時間を刻んだ塔は、ニューネンでの暮らしの中で絶えずファンゴッホの心を捉えていました。
1885年3月26日、父のテオドロスが急死すると、周りの人々との関係も悪化し、ファンゴッホはニューネンを去ることを決意する。
ベルギーに向かうが、ベルギーでの生活も長くは続かず、2886年弟テオのいるパリに移った。パリでの生活が2年目を迎えた頃に描かれた作品。
ファン・ゴッホが色彩へのあなたなアプローチを試みたことがうかがえる。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《自画像》 1887年 油彩、カンヴァス
1886年にパリに出るとファンゴッホは、ニューネン時代にテオから話を聞いていた印象派の絵画を実際に目にする機会に恵まれた。そして印象派の画家などと同様に戸外での制作に取り組むようになった。
パリ郊外のアニエルに足を運び日の光を浴びる風景を描いた。
色彩の表現を研究していたゴッホですが、印象派の絵画とは一線を画するファンゴッホ独特の色彩表現が緻密な構図の中に発揮されている。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《アニエールのセーヌ川にかかる橋》 1887年 油彩、カンヴァス
1888年2月19日、ファンゴッホはパリを離れて南仏のアルルに向かった。この地で1年3ヶ月を過ごす間に約200点もの作品を制作しており、ゴッホの制作活動の中でもとりわけ実り多き時代として知られている。
ゴッホとゴーギャンは2カ月間アルルで共同生活を送った。
この時、2人は形態の単純化やその強調について議論したと伝えられている。
そのただ中に描かれた本作品は、ゴーギャンとの深い関係を物語る。
長年のミレーへの敬愛が明確に表れている一方、構図の取り方は、日本の浮世絵から借用したものだ。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《日没を背に種まく人》 1888年 油彩、カンヴァス
ファンゴッホは、ゴーギャンとの関係悪化から精神障害の発作を起こし、自らの耳を切り落とす事件を起こしてしまう。半年後にファンゴッホは、サンレミにある療養院に自ら入院し、1年間を過ごす。
1890年の春に制作されたこの作品は、ミレーの《落ち穂拾い》に想を得て得て制作された作品で、懸命に労働に向き合う農夫の姿を描くことでファンゴッホは画面に故郷へのノスタルジックな思いを込めた。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《二人の農夫》 1890年 油彩、カンヴァス
1890年5月16日、ファン・ゴッホはサン・レミの療養院を退院し、パリで・弟テオとその妻ヨーと3日ほど過ごし、5月20日にオーヴェール=オワーズに到着した。その2ヶ月後の7月末にピストル自殺を計って37年の人生に幕を閉じた。
この作品はゴッホ最晩年の作品の一つで、ビュルレコレクションのゴッホ作品唯一の花の絵画。
ゴッホは、花が咲く枝を誕生や新生といった人生の節目における始まりとみなしていた。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《花咲くマロニエの枝》 1890年 油彩、カンヴァス
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そして印象派作品を中心として、派生的に19世紀、20世紀初頭のフランス絵画、そして肖像画、風景画、モダンアート作品に分類しての展示構成になっています。
紹介したい作品が盛りだくさんですが長くなるので・・・・・
この作品一点のみ撮影可能です。
クロード・モネ 《睡蓮の池、緑の反映》 1920-26年 油彩、カンヴァス
展覧会の構成は以下の通りです。
1章 肖像画
2章 ヨーロッパの都市
3章 19世紀のフランス絵画
4章 印象派の風景 ―マネ、モネ、ピサロ、シスレー
5章 印象派の人物 ―ドガとルノワール
6章 ポール・セザンヌ
7章 フィンセント・ファン・ゴッホ
8章 20世紀初頭のフランス絵画
9章 モダン・アート
10章 新たなる絵画の地平
HPの展覧会概要より
スイスの大実業家エミール・ゲオルク・ビュールレ(1890-1956年)は、生涯を通じ絵画収集に情熱を注いだ傑出したコレクターとして知られています。主に17世紀のオランダ絵画から20世紀の近代絵画に至る作品、中でも印象派・ポスト印象派の作品は傑作中の傑作が揃い、そのコレクションの質の高さゆえ世界中の美術ファンから注目されています。 この度、ビュールレ・コレクションの全ての作品がチューリヒ美術館に移管されることになり、コレクションの全体像を紹介する最後の機会として、日本での展覧会が実現することとなりました。
本展では、近代美術の精華といえる作品64点を展示し、その半数は日本初公開です。絵画史上、最も有名な少女像ともいわれる《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》、スイス国外に初めて貸し出されることになった4メートルを超えるモネ晩年の睡蓮の大作など、極め付きの名品で構成されるこの幻のコレクションの魅力のすべてを、多くの方々にご堪能いただきたいと思います。
国立新美術館 至上の印象派展 ビュールレ・コレクション
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