国立西洋美術館の新収蔵品「舞台袖の3人の踊り子」
国立西洋美術館の企画展を観に行ったので、常設展も観てきました。
「新収蔵作品」が数点展示されていました、その中の一点「エドガー・ドガ 舞台袖の3人の踊り子」を紹介してみます。
ドガはバレエを扱った作品を多く描いていますが・・・・
オペラ座の定期会員になっていたドガは、楽屋や稽古場に自由に立ち入ることが許されていました。
そのため楽屋や練習風景、舞台袖といった一般人では出入りできない場所での場面を多く描いています。
ドガの時代のバレエダンサーは、社会的に今とは全く違う状況に置かれたいました。
ドガは、バレエダンサーとともに、暗示するように(影のように)パトロンをよく登場させています。
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エドガー・ドガ 舞台袖の3人の踊り子 1880-85年頃 油彩・カンヴァス
2016年購入
ドガにとってバレエは、最も重要な主題でした。彼が残した作品のうち過半数が、踊り子を対象にしています。19世紀パリの代表的な社交の場であったオペラ座で垣間見られる、現代生活の心理的諸相を鋭く観察するまなざしが、ドガにはあったのです。この作品では3人の踊り子のあいだにシルクハットをかぶった男性が影のように浮かび上がり、彼らの関係をめぐる想像を掻き立てます。素早い筆致、塗り残しによって光を表現する大胆な手法は、ドガの作品にあっては異例でした。
(展示品のキャプションから)
俯く踊り子、直立するシルクハットの影のような男。
取り囲む表情の見えない2人の踊り子。
嵐のときの空のような背景。
4人の心模様が見事に伝わってきます。
とても良い作品ですので、行かれることがあったら注目してくださいね。
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