坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME
「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」は、NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]ギャラリーAで開催されています。
会期 2017年12月9日(土)—2018年3月11日(日)
ライブパフォーマンスを鑑賞してきました。(坂本龍一 さんはライブ参加はしていませんよ)
(行かれる方は、せっかくですから、HPの日程を参考にパフォーマンスに参加しては如何でしょうか)
長方形の空間、暗闇の奥中央、ほのかな明かりの中にピアノが置かれています。
左右の側面に正方形のディスプレー、それぞれのディスプレーの下にはスピーカーが設置してあります。
鑑賞者の殆どがフロアに座り込み、その間を楽器を携えたパフォーマーが単調な音を奏でながらゆっくり歩きまわります。クラリネット、バイオリン、アルトフルート、バスクラリネット、笙、アコーディオン・・・近づいて、離れて音空間が拡がります。
そして、たまに呟くようにスピンドルがピアノの鍵盤をたたきます。
”東日本大震災の津波で被災した宮城県名取市の高校のピアノ”です。
楽器を置いたパフォーマー、”1(いち)”2(に)”3(さん)”を順不同に発音しながら鑑賞者の間をめぐります。リズミカルに、和音の様に、そして”ぽつり”と呟くように・・・・・
そして、スピンドルが”ぽつり”とピアノの鍵盤をたたきます。
30分ほどのパフォーマンスですが、とても印象深いものでした。
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ライブ終了後は皆さんそれぞれ、ピアノを囲んで・・・・・・
「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」インスタレーションが進行する中、スピンドルの動きなどを見てました。
電子音が暗闇を包むように流れます(14台のスピーカーから)
左右に設置されたディスプレー10台が明滅し、ノイズ画面、パルス状になったり・・・・
そして時々スピンドルがピアノの鍵盤をたたきます。
「世界中の地震のデータと連動して演奏するよう、プログラムした」そうです。
”東日本大震災の津波で被災した宮城県名取市の高校のピアノ”の鍵盤をたたきます。
座り込んでじっくり聞き入る人も・・・、さまようように歩く鑑賞者も・・・・・
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展覧会に寄せて
もとはモノだったものが,人によって変形され,時間とともに,あるいは巨大な自然の力によってまたモノに還っていく.
都市もそうだ.都市の素材も鉄,ガラス,コンクリートなど,もとはみな自然のモノ.それらを人は惑星各地から集積し,あたかも彫刻のように形を与えていく.しかしそれも時間の経過とともに,モノに還っていく.
自分が住んでいるマンハッタンを見ていて,以前からそう思えて仕方なかった.これは単なる個人の妄想ではないんだと最近は思うようになった.
坂本龍一
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HPの解説です。
はじめに
坂本龍一は,近年,美術展や芸術祭への参加など,展示作品としてのインスタレーションの制作を行ない,これまでの自身の音楽の発表の場と異なる状況で発表を行なうことが増えています.また,音楽活動のみならず社会活動にも重点を置いた活動を精力的に行なっており,その活動は,音楽や社会,あるいは自然や根源的な生の思索へと向かっています.
坂本が2017年に発表した8年ぶりのアルバム『async』は,坂本にとっての新境地であるだけではなく,その音楽自体これまでにない新たな聴取体験をもたらすものでした.また,『async』はCDやレコードといったフォーマットで発表された後に,5.1チャンネルオーディオと3組のアーティストによる映像とのコラボレーションによって展示空間に設置され,「設置音楽」というフォーマットによって提示されました.
本展覧会は,そのタイトルが示すように,「坂本龍一|設置音楽展」(ワタリウム美術館)に続く二番目の「設置音楽」シリーズです.展示される《IS YOUR TIME》は,坂本とアーティスト・グループ,ダムタイプおよびソロ・アーティストとしても世界的に活躍する高谷史郎によって,今回の展覧会のために制作された新作インスタレーションです.
東日本大震災の津波で被災した宮城県名取市の高校のピアノに出会い,近代を象徴する楽器を自然が物に返したと感じた坂本が,そこから音楽の再生を試みながら,物理的な音を感知することだけではない音楽を感覚する場を作り上げます.
ICC企画展「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」トレイラー vol. 1
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
ICC企画展「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」トレイラー vol. 2 坂本龍一+高谷史郎インタヴュー(short ver.)
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
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