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2018.02.28

「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」

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特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」は、
東京国立博物館で開催されています。

会期 2018年1月16日(火)~2018年3月11日(日)

会期末も迫ってきたこの展覧会、平日でも時間帯によっては入場制限になるほどの人気です。
内容が豊富で、混雑する展覧会は、半日掛かりの鑑賞になります。


宇多天皇の開創による仁和寺は、歴代天皇の厚い帰依を受けながら代々の皇族が住職(御室)となる門跡寺院として高い格式を誇ってきた古刹であり、現在は全国に約790寺ある真言宗御室派の総本山でもあります。

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宇多法皇像 室町時代・15世紀 京都・仁和寺

本展は、これまでまとまったかたちで紹介されることのなかった御室派寺院の宝物が一堂に会するというという、またとない機会になっています。

「千手観音菩薩坐像(葛井寺)」(展示期間:2月14日~3月11日)と「仁和寺の観音堂再現展示」がお目当ての方が多いようですが・・・その他の作品も素晴らしく、見どころ満載です。

江戸時代に再建され、一般には非公開の仁和寺・観音堂を展示室に再現!
(僧侶の修行道場のため普段は公開されていません)
仁和寺の大幅改修のため、33軀の仏像が貸し出されました。
このエリアは撮影可です(条件付き)
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頭上に11面をいただき、胸前で合掌する手と、像をまわりに半円形に拡がる脇手と合わせて1041本の手(40本の大きな手と1001本の小さな手)ををもち、各手の掌には眼が描かれる十一面千手千眼観音菩薩坐像です。
日本最古の千手観音像です。
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国宝 千手観音菩薩坐像 奈良時代・8世紀 大阪・葛井寺  2/14~3/11展示


端正な面立ちと、美しい衣の造形が素晴らし一木造り(かやの木)仏像です。
ほれぼれ・・です。
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国宝 十一面観音菩薩立像 平安時代・8~9世紀 大阪・道明寺


仁和寺創建当時の本尊です。
定印を結んだ阿弥陀如来では、日本最古の仏像です。
(両脇侍立像とともに展示されています。)
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国宝 阿弥陀如来坐像 平安時代・仁和4年(888) 京都・仁和寺


密教修法の孔雀経法を修する際の本尊画像です。
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国宝 孔雀明王像 中国・北宋時代・10~11世紀 京都・仁和寺


弘法大師空海が中国で書写して持ち帰り、真言密教の秘書として伝わる。
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国宝 三十帖冊子 空海ほか筆30帖 平安時代・9世紀 京都・仁和寺

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国宝 宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱 平安時代・10世紀 京都・仁和寺


展示構成は以下の通りです。
第1章 御室仁和寺の歴史
第2章 修法の世界
第3章 御室の宝蔵
第4章 仁和寺の江戸再興と観音堂
第5章 御室派のみほとけ

HPの解説です。
御室桜で知られる仁和寺は、光孝(こうこう)天皇が仁和2年(886)に建立を発願し、次代の宇多天皇が仁和4年(888)に完成させた真言密教の寺院です。歴代天皇の厚い帰依を受けたことから、すぐれた絵画、書跡、彫刻、工芸品が伝わります。創建時の本尊である阿弥陀如来像(国宝)は、当時もっともすぐれた工房の作品です。また、高倉天皇宸翰消息(国宝)は皇室との深いかかわりを物語るものです。本展覧会では、仁和寺の寺宝のほか、仁和寺を総本山とする御室派寺院が所蔵する名宝の数々を一堂に紹介します。



東京国立博物館「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」
第1章「御室仁和寺の歴史」
InternetMuseum



東京国立博物館「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」
第2章「修法の世界」、第3章「御室の宝蔵ほうぞう」
InternetMuseum



東京国立博物館「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」
第4章「仁和寺の江戸再興と観音堂」
InternetMuseum


東京国立博物館「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」
第5章「御室派のみほとけ」
InternetMuseum


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2018.02.23

パンダ親子に会ってきましたが・・・・2018年2月

香香(シャンシャン)は寝てました!
面会時間は2分弱でした!
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上野の美術館に行ったついでというか・・・整理券が手に入りそうだったので列に加わってみました。
10時半ころ並び始めて整理券を貰ったのは11時頃でした。

券売所で入園券を購入し、入場ゲートを通過して(入園券を渡して)整理券配布場所に向かいます。

(私は予め入場券を持っていましたが、並びました)

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10時半頃の行列です。

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整理券はテント内で配布することになっています。
この写真は、午後再入園した時に撮りました。(配布は既に終了している状態)

集合時間が15時10分~30分という整理券を貰いました。
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整理券を貰った後、直ぐ動物園を出て美術館へ行きました。
整理券があれば、再入園できますので。


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行列に並んでいるときに気が付いたのですが・・・並ばずに、団体入場口から入園している人が結構いるようです!
後で知ったのですが、予め入園券をもっている方は、並ばずに入園して整理券を受け取ることができるようです!

要するに行列は当日入園券を購入するためのものだった!
因みに私は入場券を持っていました。
(行列整理をしている方に訊いたら、入園券を持っていても、並んで・・と言われたんだけど?)
しかし、小さいお子さんを連れた方、ご高齢の方も並んでいます。
我慢です。
動物園も配慮が足りないな~
(これから行こうと思っている方、動物園に確認してくださいね)

上野動物園のHPはこちら

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午後2時半過ぎに動物園に戻って・・・
お父さんの「りーりー」は運動場で公開されていますので、整理券がなくても会えます。
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会場整理の方が15時10分の看板を掲げたので既にできている行列に加わりました。
30分弱並んだあと、受付テントで待機している方に整理券を渡して・・・・・・

ここから20人(だと思う)のグループに分けられて、いよいよ「シンシン」「シャンシャン」母子のもとへ・・・・

観覧時間は、HPでは4ヶ所で夫々30秒になっていますが、実際はもう少し短い感じでした。

香香(シャンシャン)は寝てました、お疲れかな~
動いてるシャンシャン見たいな~


当日は動物園が(シャンシャンに会うのが)目的ではなかったので、カメラは持っていませんでした、スマホで撮りました。

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2018.02.22

仁和寺の観音堂を展示室に再現! トーハク

東京国立博物館の特別展「仁和寺と御室派のみほとけ ― 天平と真言密教の名宝 ―」で
仁和寺の観音堂を展示室に再現!しています。

特別展では、この展示のみ撮影可です。
監視員が「フラッシュはお切りください」と常時アナウンスしているにもかかわらず、あちらこちらで”ピカッ、ピカッ”
その都度、駆け寄り注意・・・・監視員大忙しです。

そんな喧噪状態ですが・・・上野でこの空間を体験できるのは有難いです。
写真を撮ってさっさと行ってしまう方も多いですが・・・・じっくり見てきました。

他にも素晴らしい作品が沢山展示されていて、大満足の企画展です。

展覧会の感想も、後で再度投稿するつもりです。


HPの解説
江戸時代の仁和寺再興期に再建され、僧侶の修行道場のため一般には非公開の観音堂を、展示室に再現します。実際に安置されている仏像33体に加え、壁画も高精細画像で再現し、仁和寺の僧侶により守り伝えられてきた観音堂の姿を体感いただきます。本展が観音堂改修工事を記念して開催されることにより実現した、特別な空間となります。

スマホで撮りました。
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仏像は江戸時代・17世紀 京都・仁和寺

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風神立像(左端)と二十八部衆立像(画像の右端は不動明王立像)

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手観音菩薩立像の左下に不動明王立像

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手観音菩薩立像(中央)  

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手観音菩薩立像の右下に 降三世明王立像

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雷神立像(右端)と二十八部衆立像

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観音堂壁画再現

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2018.02.19

Amazon echoとグーグルホームminiを使ってみました

日経電子版2018/2/15 に、「AIスピーカー、日本語機能の充実競う
アマゾンが仮想通貨情報、LINEは3カ国語翻訳」という記事が掲載されました。

野村総合研究所によると国内の世帯普及率は2023年に48%になるという。AIスピーカーは1人の消費者が複数社の製品を使い分けるといった使い方は想定しにくい。早期のシェア獲得に向けて、サービス拡充の競争が続きそうだ。

Amazon echo、LINE、グーグルホーム共に日本向けの機能強化を急いでいますが・・・

アマゾンやグーグルのAIスピーカーは英語対応が先行している。アマゾンのAI「アレクサ」は英語では既に2万種類もの機能に対応している。国内では日本語での使用が大半になるため、日本語機能への対応度合いがシェア獲得競争に影響しそうだ。

と、結んでいます。

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Amazon echoを購入しました。
昨年11月にリクエストして、招待メールが届いたのは2月中旬、既にグーグルホームminiを使っていたので、購入を控えようとも思いましたが、miniが思いがけない廉価で購入できたこともあって、Amazon echoも買ってみました。


まだ使い始めですが・・・・個性がありますね・・・双方に一長一短があって、もう少し使ってみないと何とも言えません。

朝の挨拶から・・・・


AIスピーカーをoffにしてみましょう。
echo(アレクサ)は「ストップ」にしか応答しない様です。
グーグルホームは、「終了」「終わり」「ストップ」いずれにも応答してくれます。
チョットしたことですが、こんなところにも日本語機能の違いを感じてしまいます。


テレビを見ている時などに、分からない単語に出会うとAIスピーカーに聞くことにています・・・・
どの辞書(ウキペディアなどの)を引用するかによって違いが顕著になりますね。


3社共に個性があり、購入者の使用頻度の高い機能の良し悪しによって選択すれば良いと思いますが、
日本語機能の充実はシェア獲得の決定的要素であろことは間違いありませんね。
これからが(進歩が)楽しみです。

Amazon echoとグーグルホームminiを居間と寝室に分けて置こうと思いますが・・・・何をどちらに・・・・一長一短があって結論が出ない〜

もう少し使った後に、再度投稿できると思います。


関連投稿

Google Home miniを買ってみました。


Google Home mini&Googleカレンダー

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2018.02.16

古代アンデス文明展

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古代アンデス文明展は、
国立科学博物館で開催されています。

会期 10月21日(土)~2018年2月18日(日)

人類のアンデス到達(紀元前3000年頃)からスペインによるインカ帝国征服(1572年)まで5000年、アンデス文明を代表する9つの文化を通して、宗教、社会、文化、政治について解説展示しています。
最終章(第6章)は、
「身体から見たアンデス文明」チリバヤ文化(紀元900年頃から1440年頃)
アンデスの自然から生まれた死生観がとても印象に残りました。

アンデスで思いつくのは、「マチュピチュ」と「ナスカの地上絵」くらいしか無かったのですが・・・勉強になりました。 


HPの解説です。
アンデス文明を代表する9つの文化の特徴や、いまだ残る数々の「謎」、身体加工の風習など最新の知見を、優れた意匠の土器・織物、黄金の仮面やミイラなど約200点の貴重な資料で紹介します。


古代アンデス文明展公式動画

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序章「人類のアンデス到達とその後の生活」
・アンデスへの人類到達
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第1章アンデスの神殿と宗教の始まり

・カラル文化(紀元前3000年頃~前2000年頃)

第2章「複雑な社会の始まり」
・チャビン文化(紀元前1300年頃~前500年頃)
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自身の首を斬る人物の象形鐙型土器
宗教指導者の象形と類推されている

神様の話
太陽、月、海、山、川。アンデスの人たちは自然のもの全てに神様が宿っていると考えました。その中でも特に、アンデスの高い山々は、雨や作物の実を助けてくれる神様として信仰を集め、ときには子供を高い山に連れて行って神に捧げる儀式を行いました。神様に自分たちの1番大切なものを捧げることで、願いを叶えてもらうおうとしたのです。
(展示会場のキャプションから)

第3章「さまざまな地方文化の始まり」
・ナスカ文化(紀元前200年頃~紀元650年頃)
・モチェ文化(紀元200年頃~750/800年頃)
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死者を包むマント

モチェ人が住む4つの世界
モチェの立体土器を観察すると、彼らは折り重なるように存在している4つの世界を生きていたと感じていたことがわかる。ひとつは植物が茂り動物が遊ぶ自然の世界、そして同じ自然の世界に隣あわせに行きながら独特な世界を形作る人間の世界、三つ目が自然と人間に影響を与えて支配する神々の世界、最後が死者や祖先たちの世界である。本展覧会に出品された死者をかたどった2つの土器を見ると、モチェの人々は死者が身近に暮らし、人間の世界と交わり影響を与えていると感じていたことがわかる。
(展示会場のキャプションから)

文字のない文明
アンデスには文字がありませんでした。その代わりに、神話や物語が描かれた土器や、キープと呼ばれる道具があります。キープは、結目の場所、ひもの色、素材、作り方などを区別することで、数だけではなく品物の名前や産地や使い道など様々な情報を記録できました。
(展示会場のキャプションから)


国立科学博物館 古代アンデス文明展
序章・第1章〜第3章
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第4章「地域を超えた政治システムの始まり」
・ティワナク文化(紀元500年頃~1100年頃)
・ワリ文化(紀元650年頃~1000年頃)
・シカン文化(紀元800年頃~1375年頃
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お金のない文明
アンデスにはお金がありませんでした。では、どうやって品物を手に入れていたのでしょうか。ひとつは何でも自分で作ってしまうことです。アンデスは標高4,000メートルの涼しい高地から50メートルの暑い砂漠までいろいろな環境がそろっているので、いろいろな農作物を作ることができました。もう一つは物々交換です。例えば土器を手に入れるにはその土器に入るだけのトウモロコシと交換することもありました。
(展示会場のキャプションから)


国立科学博物館 古代アンデス文明展
第4章
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第5章「最後の帝国―チムー王国とインカ帝国」
・チムー王国(紀元1100年頃~1470年頃)
・インカ帝国(紀元15世紀早期~1572年)
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金合金製の小型人物像

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アンデスの黄金
アンデスの人々は黄金をお金としてではなく、太陽であり神様への儀式に使う道具を作るときの素材として扱っていました。そのためスペイン人が金を集めるのを見て、スペイン人が金を食べていると言う噂が流れたほどです。インカ帝国時代の金はスペイン人に奪われたため、現在残っているアンデス文明の金製品は発掘で発見されたものがほとんどです。
(展示会場のキャプションから)

アンデスの戦闘
アンデスの人たちの戦争は、遠くにいるときは石を投げ合い、近くでは棍棒ので殴り合うというものでした。武器として使われたのは、棍棒の外には石つきの投げ縄などで、攻撃力があまり強くありませんでした。インカが少人数のスペイン人に征服された理由の一つとして、彼らの武器がスペイン人に比べてあまりに原始的で、戦争のルールも全く異なったものだったことがあげられます。
(展示会場のキャプションから)

第6章「身体から見たアンデス文明」
チリバヤ文化(紀元900年頃から1440年頃)

インカ帝国には、死後もミイラとして生き続けるというミイラ信仰がありました。死者がミイラとして残っていれば、いつまでも子孫を守ってくれると考えていたからです。
ある地方ではミイラを家の中に置き、衣服を着せ替え食事を与えるなど、まるで生きている家族の一員のように暮らしていたといわれています。


国立科学博物館 古代アンデス文明展
第5章〜第6章
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2018.02.12

特集 刀剣鑑賞の歴史

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「特集展示 刀剣鑑賞の歴史 」 は、

東京国立博物館 本館 14室 で開催されています。

会期 2017年12月5日(火) ~ 2018年2月25日(日)

昨日の上野は三連休の中日とあって、科学博物館の企画展は、30分の入場待ちも・・・、常設展入口も長蛇の列が出来ていました。
科博の企画展目的で上野に行ったのですが、とてもまともに見られそうにないので、この日はパスに決めました。

そして東博へ・・・・
東博も多くの観賞客で賑わっていました。
刀剣女子は健在でした・・・刀剣展示室では国宝の刀剣展示ケースには行列が出来ていました。


国宝の工芸品に分類される文化財の中でも、その数が多い(約半数)のが刀剣(日本刀 ):太刀、大太刀、短刀などです。


東博も国宝、重文指定の太刀、刀、短刀などを所蔵しています。
国宝は年間の展示期間が決められているので、常時展示というわけにはいきません。
東博総合文化展の刀剣展示室でも、展示替えをして順次公開しています。

現在(25日まで)別途14室で特集展示も行っています。
平安時代、南北朝、鎌倉時代の刀剣15件が展示されています。

HPの解説です。
わが国では、刀剣を単なる武器ではなく、鑑賞する対象として扱ってきた長い歴史があります。それは、現在に残る記録などからみると600年ほど遡ります。

その長い時のなかで行なわれてきた刀剣鑑賞においては、刀工の名が銘に切られた刀剣と、銘はないものの、作風を整理した知識によってその刀工の作とみなすことが盛んに行なわれており、こうしたとき、二口(ふたくち)の刀剣はよく似ています。しかし、実際の鑑賞は、そう単純なものだけではありません。たとえば、歴史的に高い評価を受けてきた刀剣のなかには、銘がないものでも、名が知られている刀工による作品とみなされているものが数多くあります。また、作風が違う刀剣であっても、同じ刀工の作とされているものさえ見受けられます。日本刀には、作風の整理が高度に進められてきた歴史がある一方で、こうした鑑賞の様相があり、刀剣に関する知識や理屈を超越した美しさも大事であることを教えてくれます。

刀剣の鑑賞は、見どころが抽象的で、その特徴を表現することばも、日常生活では使わない用語が多く理解するのが困難です。しかしながら、先人たちは刀剣の美を尊重し、特殊な用語を駆使して理解しようと試みてきました。

この特集を通じて、刀剣鑑賞の歴史から紡ぎ出された「理解しがたい、しかし、確実に存在する美」をご覧いただければ幸いです。


以下の画像は別の日にスマホで撮りました。

HPに展示品リストがありますので参考にされるといいと思います。

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古今銘尽大全 4冊のうち1冊 江戸時代・享保2年(1717) ページ替あり


展示ケース1
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展示ケース2
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展示ケース3
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展示ケース4
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国宝 刀(金象嵌銘 城和泉守所持 正宗磨上 本阿(花押)) 相州正宗 鎌倉時代・14世紀
相州正宗は地鉄の強さと、沸(にえ)のはげしい大きなのたれば刃の妙を表現した刀工で、相州伝の作風を完成した。これは武田家家臣で、のちに家康に仕えた城昌茂が所有したもので、本阿弥光徳が正宗と極め、埋忠寿斎に象嵌させた。正宗の代表作で、陸奥津軽家に伝来した。(本展キャプションから)

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国宝 刀(無銘) 相州正宗(名物 観世正宗) 鎌倉時代・14世紀
相州政宗の代表作で、その名は能楽の観世家に伝わったことに由来し、観世家から徳川家康に献じられ、明治に徳川慶喜から有栖川熾仁親王に献上された。上図の正宗の刀に比べると大胆で力強い印象を受けるが、沸(にえ)を主体にした刀中の複雑な変化は共通している。(本展キャプションから)

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2018.02.10

石内都 肌理と写真

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「石内都 肌理と写真」は、
横浜美術館で開催されています。

会期 2017年12月9日(土)~2018年3月4日(日)

「どうしても見に行きたい」というよりも「気になる」写真家です。
今回の展示作品の殆どが、既に観てきたシリーズです。(絹のシリーズを除いて)
「扱うテーマが重い」 という印象を持っているからかな〜


森村泰昌氏も記しています。(図録から)
「重い記憶を記録する写真家であると思われている石内都の根幹にある、この覚悟のできた人の見事なまでの透明感を見逃してはなるまい」

三脚を使わず手持ちの35ミリカメラで自然光のもとで撮る写真と、暗室作業で作り上げる作品が被写体にさらなる”何か”を付けくわえているのかもしれません。

展示会場には、暗室作業の様子が放映されています。
大きな印画紙に”焼き付け”そして”現像”と”定着”乾燥”・・・・・
自ら、黙々と作業をされるんですね・・・

この暗室工程の微妙な調整で石内作品の肌理を作っているんですね。

この展覧会は、石内都全仕事を概観する良い機会だと思います。

展示構成は次の通りです。
・横浜
金沢八景」1975-76年/「Apartment」1977-78年/「連夜の街」1978-80年/「yokohama 互楽荘」1986-87年/「Bayside Courts」1988-89年/「1906 to the skin」1991-93年/「Yokohama Days」2011年
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《Bayside Courts #76》

・絹
「絹の夢」2011年/「幼き衣へ」2013年 他
(このコーナーは撮影可です)
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《絹の夢 #84》 2011年

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エントランスに展示されている作品です。(撮影可です)

・映像作品

・無垢
「Innocence」1995-2017年/「不知火の指」2014年
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《1906 to the skin #60》 1991-93年

・残されたもの
「Mother’s」2000-2005年/「Frida by Ishiuchi」2012年/「Frida Love and Pain」2012年/「ひろしま」2007年〜
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《Frida by Ishiuchi #24》 2012年

・写真展示室(撮影可です)
絶唱、横須賀ストーリー
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横浜の地に暗室を設けて早くも40年の歳月が過ぎた。暗室から生まれた写真はヴィンテージプリントとなり、時間と空気をたっぷり吸って粒子の粒を際だたせる。横須賀からスタートした写真の行方は、固有の気風をのせて歴史と身体と遺されたもの達が一体となり、肌理(きめ)を整え、未来へ向けて発信する。

石内 都

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HPの解説です。
石内都(1947年生まれ)は、2014年にアジア人女性として初めてハッセルブラッド国際写真賞を受賞するなど、現在、国際的に最も高く評価される写真家のひとりです。

多摩美術大学で織りを学んだ石内は、1975年より独学で写真を撮り始め、思春期を過ごした街・横須賀や、日本各地の旧赤線跡地などを撮影した粒子の粗いモノクローム写真で一躍注目を集めました。近年は、被爆者の遺品を被写体とする「ひろしま」やメキシコの画家フリーダ・カーロの遺品を撮影したシリーズで、その活動は広く知られています。

2017年は、石内が個展「絶唱、横須賀ストーリー」で実質的なデビューを果たしてから40年を迎える年にあたります。本展は、この節目の年に、石内自らが「肌理(きめ)」というキーワードを掲げ、初期から未発表作にいたる約240点を展示構成するものです。

住人のいなくなったアパート、身体の傷跡、日本の近代化を支えた大正・昭和の女性たちが愛用した絹織物、亡き母や被爆者らの遺品の写真を通して、存在と不在、人間の記憶と時間の痕跡を一貫して表現し続ける石内の世界を紹介します。



「横浜 Yokohama」「絹 Silk」
InternetMuseum



「無垢 Innocence」「遺されたもの Belongings」
InternetMuseum


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2018.02.06

坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME

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「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」は、NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]ギャラリーAで開催されています。

会期 2017年12月9日(土)—2018年3月11日(日)


ライブパフォーマンスを鑑賞してきました。(坂本龍一 さんはライブ参加はしていませんよ)
(行かれる方は、せっかくですから、HPの日程を参考にパフォーマンスに参加しては如何でしょうか)

長方形の空間、暗闇の奥中央、ほのかな明かりの中にピアノが置かれています。
左右の側面に正方形のディスプレー、それぞれのディスプレーの下にはスピーカーが設置してあります。

鑑賞者の殆どがフロアに座り込み、その間を楽器を携えたパフォーマーが単調な音を奏でながらゆっくり歩きまわります。クラリネット、バイオリン、アルトフルート、バスクラリネット、笙、アコーディオン・・・近づいて、離れて音空間が拡がります。
そして、たまに呟くようにスピンドルがピアノの鍵盤をたたきます。

”東日本大震災の津波で被災した宮城県名取市の高校のピアノ”です。

楽器を置いたパフォーマー、”1(いち)”2(に)”3(さん)”を順不同に発音しながら鑑賞者の間をめぐります。リズミカルに、和音の様に、そして”ぽつり”と呟くように・・・・・
そして、スピンドルが”ぽつり”とピアノの鍵盤をたたきます。

30分ほどのパフォーマンスですが、とても印象深いものでした。


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ライブ終了後は皆さんそれぞれ、ピアノを囲んで・・・・・・
「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」インスタレーションが進行する中、スピンドルの動きなどを見てました。

電子音が暗闇を包むように流れます(14台のスピーカーから)
左右に設置されたディスプレー10台が明滅し、ノイズ画面、パルス状になったり・・・・
そして時々スピンドルがピアノの鍵盤をたたきます。
「世界中の地震のデータと連動して演奏するよう、プログラムした」そうです。
”東日本大震災の津波で被災した宮城県名取市の高校のピアノ”の鍵盤をたたきます。

座り込んでじっくり聞き入る人も・・・、さまようように歩く鑑賞者も・・・・・


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展覧会に寄せて
もとはモノだったものが,人によって変形され,時間とともに,あるいは巨大な自然の力によってまたモノに還っていく.
都市もそうだ.都市の素材も鉄,ガラス,コンクリートなど,もとはみな自然のモノ.それらを人は惑星各地から集積し,あたかも彫刻のように形を与えていく.しかしそれも時間の経過とともに,モノに還っていく.

自分が住んでいるマンハッタンを見ていて,以前からそう思えて仕方なかった.これは単なる個人の妄想ではないんだと最近は思うようになった.

坂本龍一

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HPの解説です。

はじめに
坂本龍一は,近年,美術展や芸術祭への参加など,展示作品としてのインスタレーションの制作を行ない,これまでの自身の音楽の発表の場と異なる状況で発表を行なうことが増えています.また,音楽活動のみならず社会活動にも重点を置いた活動を精力的に行なっており,その活動は,音楽や社会,あるいは自然や根源的な生の思索へと向かっています.
坂本が2017年に発表した8年ぶりのアルバム『async』は,坂本にとっての新境地であるだけではなく,その音楽自体これまでにない新たな聴取体験をもたらすものでした.また,『async』はCDやレコードといったフォーマットで発表された後に,5.1チャンネルオーディオと3組のアーティストによる映像とのコラボレーションによって展示空間に設置され,「設置音楽」というフォーマットによって提示されました.

本展覧会は,そのタイトルが示すように,「坂本龍一|設置音楽展」(ワタリウム美術館)に続く二番目の「設置音楽」シリーズです.展示される《IS YOUR TIME》は,坂本とアーティスト・グループ,ダムタイプおよびソロ・アーティストとしても世界的に活躍する高谷史郎によって,今回の展覧会のために制作された新作インスタレーションです.

東日本大震災の津波で被災した宮城県名取市の高校のピアノに出会い,近代を象徴する楽器を自然が物に返したと感じた坂本が,そこから音楽の再生を試みながら,物理的な音を感知することだけではない音楽を感覚する場を作り上げます.


ICC企画展「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」トレイラー vol. 1
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]



ICC企画展「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」トレイラー vol. 2 坂本龍一+高谷史郎インタヴュー(short ver.)
NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]


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2018.02.03

没後40年 熊谷守一 生きるよろこび

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没後40年 熊谷守一 生きるよろこび展は、
国立近代美術館で開催されています。

会期 2018年1月12日(金)~3月25日(日)


熊谷守一の作品が存在すると”その空間がとても豊かになる”そんな印象をもちながら鑑賞してきました。

動物好きの私にとって”猫ちゃんのシリーズ”はたまりません!
熊谷守一の長男、黄は「家には野良猫か飼い猫かわからない猫が常にいて、熊谷は猫が暮らしやすいように細かく気を配っていた」と語っています。

この展覧会でいうところの「守一になった守一 1950-70年代」の作品です。すでに70歳を過ぎていました。
70代半ばに身体を壊して以降は、それまでのように海や山に出かけて風景を描くことはむずかしくなり、自宅の庭の植物や昆虫を主題にすることが増えました。

01
白仔猫 1958(昭和33)年 油彩・キャンバス 愛知県立美術館 木村定三コレクション


02
白猫 1962(昭和37)年 油彩・板 愛知県立美術館 木村定三コレクション


03
三毛猫 1959(昭和38)年 油彩・キャンバス 愛知県立美術館 木村定三コレクション


05
猫 1965(昭和40)年 油彩・板 愛知県立美術館 木村定三コレクション

ーーーーーーーーーーーーーー

展覧会の構成は次の通りです。

第1章 闇の守一 1900-10年代
この時期熊谷がもっぱら関心を抱いたのは、光と影の問題です。
列車に飛び込んで亡くなった女性を描く《轢死》(1908年)や《蝋燭》 (1909年)はいずれも暗闇で対象がどのように見えるかという問題を扱った作品です。
11
蝋燭(ローソク)1909(明治42)年 油彩・キャンバス 岐阜県美術館


第2章 守一を探す守一 1020-50年代
守一は両親の死で一時期故郷に帰って、木材運搬の仕事などをしていましたが、友人の勧めで東京に戻ります。
この時期に注目すべきは、またしても光と影です。風景画にも裸婦にも、山や岩の縁を照らす日の光や、裸婦の身体を縁取る逆光の描写などを見ることができます。
いわゆる守一様式の特徴の一つ、赤い輪郭線が姿を現します。
12
野火 1961(昭和36)年 油彩・板 愛知県立美術館 木村定三コレクション


守一は、色彩の科学を研究しています。
また、海外の作家からも学んでいます。
06
ヤキバノカエリ 1956(昭和319年 油彩・キャンバス 岐阜県美術館
アンドレ・ドランの《ル・ペックを流れるセーヌ川》を下敷きに制作したと考えられます。
長女、萬の遺骨を抱いて帰る次女、榧、長男、黄、そして熊谷守一自身を描いています。

こちらはアンリ・マティスの《ダンス》からですね・・
07
稚魚 1958(昭和33)年 油彩・板 天童市美術館


第3章 守一になった守一 1950-70年代
1950年代になると、赤い輪郭線に囲まれた明快な色と形を特徴とする作風がほぼ完成します。風景、静物、裸婦、動植物など良く知られる作品が生み出されます。
09
ハルシヤ菊 1954(昭和29)年 油彩・板 愛知県立美術館 木村定三コレクション


08
朝の日輪 1955(昭和30)年 油彩・板 愛知県立美術館 木村定三コレクション


HPの解説です。
熊谷守一(くまがい・もりかず 1880‐1977)は、明るい色彩とはっきりしたかたちを特徴とする作風で広く知られます。特に、花や虫、鳥など身近な生きものを描く晩年の作品は、世代を超えて多くの人に愛されています。
その作品は一見ユーモラスで、何の苦もなく描かれたように思えます。しかし、70年以上に及ぶ制作活動をたどると、暗闇でのものの見え方を探ったり、同じ図柄を何度も使うための手順を編み出したりと、実にさまざまな探究を行っていたことがわかります。描かれた花や鳥が生き生きと見えるのも、色やかたちの高度な工夫があってのことです。穏やかな作品の背後には、科学者にも似た観察眼と、考え抜かれた制作手法とが隠されているのです。
東京で久々となるこの回顧展では、200点以上の作品に加え、スケッチや日記などもご紹介し、画家の創造の秘密に迫ります。
明治から昭和におよぶ97年の長い人生には、貧困や家族の死などさまざまなことがありました。しかし熊谷はひたすらに描き、95歳にしてなお「いつまでも生きていたい」と語りました。その驚くべき作品世界に、この冬、どうぞ触れてみて下さい。


色と形の科学者 熊谷守一の画業をたどる
日本経済新聞

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2018.02.01

観てきた展覧会備忘録 2018年1月

博物館に初もうで  (会期終了)
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無垢と経験の写真 日本の新進作家 vol. 14 (会期終了)
会期 2017年12月2日(土)~2018年1月28日(日)
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会期 2017年11月25日(土)~2018年1月28日(日)
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装飾は流転する 「今」と向きあう7つの方法
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松岡コレクション 屏風と掛軸
大画面の魅力・多幅対の愉しみ
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神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展
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会期 2018年1月13日(土)~3月25日(日)
資生堂ギャラリー


没後40年 熊谷守一 生きるよろこび
会期 2018年1月12日(金)~3月25日(日)
国立近代美術館


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ポスターでみる映画史Part 3 SF・怪獣映画の世界
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グレース・タン「Materials &Methods」
会期 2018年1月19日(金)~2月18日(日)
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「本をめぐる美術、美術になった本-近代日本の装幀美本からブック・アートまで:1905-2004」
会期 2018年1月20日(土)~3月18日(日)
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国宝 雪松図と花鳥 -美術館でバードウォッチング-
会期 2017年12月9日(土)~2018年2月4日(日)
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野生展 飼いならされない感覚と思考
会期 2017年10月20日(金)~ 2018年2月4日(日)
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未来を担う美術家たち 20th DOMANI・明日展 文化庁新進芸術家海外研修制度の成果
会期 2018年1月13日(土)~2018年3月4日(日)
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クインテットIV 五つ星の作家たち
会期 2018年1月13日(土)~2月18日(日)
東郷青児記念 損保ジャパン日本興和美術館


色絵 Japan CUTE !
会期 2018年1月12日(金)~3月25日(日)
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写真歴史博物館 企画写真展 「民俗写真の巨匠 芳賀日出男 伝えるべきもの、守るべきもの」
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