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2018.01.22

「野生展:飼いならされない感覚と思考」

Photo


「野生展:飼いならされない感覚と思考」は、
21_21 DESIGN SIGHTで開催されています。


会期 2017年10月20日(金)~ 2018年2月4日(日)

この展覧会のディレクター、中沢新一氏のメッセージ

「人間みんなが同じ世界に生き、同じような体験をして、夜見る夢も同じようになっていく現代に、まだ管理され尽くしていない、まだ飼いならされていない心の領域が、どこかに生き残っている。私たちはそれを「野生の領域」と呼ぶことにした。

この「野生の領域」に触れることができなければ、どんな分野でも新しい発見や創造は不可能だ。

どうやったら、私たちは心の中の「野生の領域」に触れることができるか、どうしたらそこへの通路を開くことができるか。生活と仕事の中でこの「野生の領域」への通路を開く鍵を発見することが、「野生展」のテーマである。

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丸石信仰(自然信仰)から始まり、南方熊楠の思考方法における「野生発見方法の着想」。
「野生の依り代」としての土偶、埴輪など・・・
野生の化身としてのかわいい玩具など。
さらに、芸術における研究やインスピレーションのフィールドを「野」ととらえ、大地に根付いた思考、信仰などから生まれた、仮面、人形、映像などを展示しています。

(南方熊楠の思考、方法論を上手く解説していました)
実践的な科学者であった熊楠は、世界の真実のありさまは「因果関係」のような狭いデータ処理方法ではとらえることができないことを体験でよく知っていました。熊楠は科学者であると同時に、仏教思想にも深い知識と理解を持っていましたから、「因果」の論理を超える「縁起」のネットワークによって、はじめて世界の実相はわかると考えました。そしてこの「縁起」の超論理を土台に据えた新しい科学方法論を構想したのです。


展覧会の構成は次の通りです。
野生への入り口
脳の中の森 - 南方熊楠の発見方法
「かわいい」の考古学:野生の化身たち
野(の)をひらく鍵


展示風景です。
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この展覧会は一部の展示品を除いて撮影可です。(条件あり)
以下にまとめてみました。


HPの解説です。
21_21 DESIGN SIGHTでは、2017年10月20日より企画展「野生展:飼いならされない感覚と思考」を開催します。展覧会ディレクターには、思想家で人類学者の中沢新一を迎えます。中沢は、各地のフィールドワークを通じて、時代や領域を横断し、学問の垣根を超えた研究を行ってきました。

人間の文化と生活には、心の土台となる「野生」の能力が欠かせません。私たちのもつ本能であり、知性でもある野生は、創造力に大きな刺激を与えるきっかけになります。たとえば、明治時代の日本が生んだ大博物学者、南方熊楠(みなかたくまぐす)は、偶然の域を超えた発見や発明、的中(てきちゅう)を「やりあて」と呼び、それを繰り返すことで、粘菌学の領域をはじめ神話学や民俗学にも優れた足跡を残しています。熊楠のような思考の跳躍は、ものづくりや表現の歴史においても、度々その例を見いだすことができます。

理性や合理性ばかりが前面にあらわれる現代においても、野生の感覚と思考は、いまだ失われていません。中沢は、「私たち人間の内に潜み、『まだ飼いならされていない心の領域』こそが、今まさに大切になってきている『野生』のすみかである」と言います。

現代における野生とはなにか。自身の内に潜む野生をどのように見いだすのか。見たことのない物事の意味をどのように理解し、表現するのか。本展では、現代の表現者たちのもつ野生の魅力に着目し、さまざまな作品や資料を通して、その力を発動させるための「野生の発見方法」を紐解いていきます。

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