色絵 Japan CUTE !
「色絵 Japan CUTE !」展は、
出光美術館で開催されています。
会期 2018年1月12日(金)~3月25日(日)
展示会場の冒頭で、色絵の器を、寿ぎのモチーフ・季節のモチーフ(春・夏・秋)に分けて紹介し
次のコーナーでは小袖の摸様、文学の景色を反映した器
さらに、西欧を魅了した柿右衛門・古伊万里と、模倣(応用)して作られたウースター窯、チェルシー窯などの作品を並置して分かり訳す解説しています。
後半では、丸文・多角形・などの器形・摸様に分類して
また、青と緑・赤の色彩の組み合わせと、花模様の数々を表した器
最終章では、茶会に用いられる多様な器が展示されています。(輸出用のものも含めて)
江戸時代前期から、明治、昭和(展示数は少ないですが)までの色絵を施した器を分かり易く解説した展覧会になっています。
柿右衛門、鍋島、乾山、仁清の作品が、やはり印象に残りました。
色絵の器の中で、これらの作品の位置づけを再確認するのにも役立つ展覧会だと思いました。
展覧会に構成は以下の通りです。
第1章 季節を祝う、慶びを贈る
第2章 ファッションと文学
第3章 Japan CUTE、世界を駆ける
第4章 かたち・色 百花繚乱
第5章 色彩茶会(カラフル・ティーパーティ)
色絵七福神文酒器 古伊万里 江戸時代中期
欧州へ輸出された古伊万里の酒器。
七福神や美しい飾りがついていて、欧州に美しい色絵への憧憬を掻き立てた。
色絵花鳥文大皿 古伊万里 江戸時代中期 出光美術館蔵
色絵紅葉文壺 尾形乾山 江戸時代中期 出光美術館蔵
小さな壺をあざやかな緑色で塗りこめ、その上に星のような形に抽象化した紅葉文を、型紙摺であらわしています。紅葉文の中央は赤・青・黄・黒といったさまざまな色彩で飾られ、素朴な筆づかい
とあいまって、にぎやかな可愛らしい器になっています。(キャプションを引用しました)
色絵梅菊文水注・ティーカップ ドイツ・マイセン窯 18世紀 出光美術館蔵
色絵菊花文鉢 江戸時代前期 出光美術館蔵
色絵花鳥流水紋蓋者 柿右衛門 江戸時代前期 出光美術館蔵
白くなめらかな白磁に流水文が彫られ、その波間に浮かぶように藍・赤・緑の菊花が漂っています。流水文は流麗な線をみせ、白い陰影の効果は、浮世絵の「空摺を連想させます。清明な色彩にもまして、柿右衛門色絵の見どころといえるのが、乳白色の白磁の美しさです。(キャプションを引用しました)
色絵熨斗文茶碗 野々村仁清 江戸時代前期 出光美術館蔵
ゆったりとした椀形の茶碗に金彩で縁取りをした赤・藍・水色の熨斗がめぐっています。熨斗文は祝儀に用いる吉祥意匠で、友禅染などにも使われました。椀をめぐる熨斗の動きはよどみなく明るく澄んだ色調、ほつれた根元おの部分を表あらわす表す繊細な金彩など茶席においてどの角度から見ても美しく人々を魅了したことでしょう。
(キャプションを引用しました)
HPの解説。
色絵は、古九谷・柿右衛門・鍋島といった磁器や、野々村仁清(ののむら にんせい)・尾形乾山(おがた けんざん)の京焼に代表される、江戸時代に花開いたカラフルなやきものです。
将軍家や御三家への贈物として、佐賀・鍋島藩で作られた特別なうつわ〈鍋島〉に宿るのは、こまやかな季節の移ろいに心を寄せ、上巳(じょうし 雛祭)や七夕(しちせき)といった「五節句」に季節を祝う、日本人の繊細な季節感です。小袖意匠をアレンジした〈古九谷〉には、流行に敏感で、時に大胆なデザインを生活に取り入れる、斬新なファッション性がみられます。
仁清や乾山の京焼を飾る和歌・能の意匠は、豊かな文学の伝統を、遊戯性あふれる宴のうつわに仕立てたもの。そして欧州の王侯貴族など、世界を魅了した〈柿右衛門〉〈古伊万里〉は、カラフルで楽しい日本デザインに、国境を越えて人々を幸せにする、普遍的な魅力があることを物語っています。
色絵は、狭義には釉薬(ゆうやく)をかけて焼いてから、色絵具で絵付けをしたやきものです。しかしこの展覧会では「色絵」をより広く、カラフルな色彩の美を楽しむやきものとしてご紹介いたします。日本文化の多彩な特性を映し出す、絢爛として愛らしい色絵の世界を、どうぞお楽しみください。
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