国宝 雪松図と花鳥 - 美術館でバードウォッチング -
「国宝 雪松図と花鳥 - 美術館でバードウォッチング -」は、
三井記念美術館で開催されています。
会期 2017年12月9日(土)~2018年2月4日(日)
三井記念美術館新年恒例の「国宝 雪松図屏風」展示、今年は花鳥の(花鳥にまつわる)作品、花鳥図、茶道具、工芸品とともに展示しています。
国宝 雪松図屏風(右隻) 丸山応挙 六曲一隻 江戸時代 北三井家旧蔵
応挙の作品で国宝に指定されているのは”この屏風のみ”です。
三井家の注文により特別に制作されたものとされる。
展示室 3 の 茶室「如庵」展示ケース には、国宝の志野茶碗「銘卯花墻」が展示されています。
国宝 志野茶碗「銘卯花墻」 桃山時代 室町三井家 旧蔵
鳥類真写図巻 渡辺始」興 紙本着色 江戸時代 新町三井家旧蔵
本上46枚全長17m余りに全部で63種の鳥が描かれている。
各図には多くの書き込みがあるが、色や形など描くときの参考としてのコメントがほとんどである。
鳥類真写図巻は博物学を好んだ近衛家煕の影響下で制作されたものと考えられ、円山応挙などの後世の絵師に大きな影響を与えた。
(キャプションから)
蓬莱山・竹鶏図(三幅の中、左幅、右幅) 丸山応挙 江戸時代 北三井家旧蔵
松と鶏に楼閣山水の蓬莱山を中幅とし、左、右幅に竹と雌雄の鶏を描いている。
蓬莱山に鶏の組合せは珍しいが新春のおめでたい画題であることは想像できる。
(キャプションから)
名品ぞろいの展示品の中で、他に注目した作品は・・・・
小林古径の 「木菟図」
沈 南蘋の写実性に富んだ素晴らしい花鳥画。
北三井家に古くから伝来した沈 南蘋の11幅の作品から鳥が描かれた6幅を展示しています。
(円山応挙、伊藤若冲など江戸中期の画家に影響を与えたのも、うなずけますね)
東山御物として伝わった伝牧谿「蓮燕図」
江戸時代に数寄大名松平不昧の所持したもので昭和初期に三井家所蔵になった作品。
ハスの花托にとまるツバメを描いた”かれた”趣が素晴らしい。
・・・・等々です。
素晴らしい工芸品も!
HPの解説です。
国宝 雪松図屏風の新春公開にあわせ、館蔵品のなかから、今回は花鳥、なかでも「鳥」に焦点をあわせた展覧会です。鳥に関連した茶道具や工芸品、花や鳥が描かれた屏風や掛軸などを展示いたしますが、特に、渡辺始興筆「鳥類真写図巻」は、全長17m余りの長大な鳥類図巻で、近世の写生図を考える上でも重要な作品として知られています。今回はこの図巻の全図を一挙に展示いたします。
この鳥類真写図巻を収集したのは、新町三井家の三井高遂(たかなる)氏(1896~1986)ですが、高遂氏は、大正時代に東京帝国大学(現在の東京大学)の大学院で動物学(遺伝学)を修めました。小さいころからニワトリが好きで、大学での研究も鶏を研究し、卒業後の昭和8年には衣川氏との共著『家禽図鑑』を著しています。また昭和16年から亡くなるまで、全日本チャボ保存協会の会長を務められました。
このほか三井家では北三井家の7代高就(たかなり)(1786~1857)と9代高朗(たかあき)(1837~1894)が、鳥を趣味としており、特に高朗は亡くなったときに400羽以上の鳥を飼っていた記録があり、京都の博覧会に多くの飼鳥を出品した記録もあります。三井家は概して鳥好きの人が多かったようで、三井家の人が描いた鳥の絵も伝わっています。今回の展示は、三井家の鳥好きを反映した展示にもなっています。また、最近の新寄贈作品を3点紹介しますが、この中にも渡辺始興の花鳥画が含まれています。
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