表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち
「表現への情熱 カンディンスキー、ルオーと色の冒険者たち」は、
パナソニック 汐留ミュージアムで開催されています。
会期 2017年10月17日(火)~12月20日(水)
「 20 世紀の色彩画家たちの共演!秋に楽しむ3展覧会」ということで・・・
(今年は、共催、関連企画展が多かったような気がします)
東京ステーションギャラリーで”シャガールの三次元作品(平面作品も)”
Bunkamura ザ・ミュージアムで”オットー・ネーベルとシャガール、カンデンスキー、クレー”
この展覧会で”カンデンスキーとルオーを中心に、ドイツ表現主義(「ブリュッケ」「青騎士」)の画家たち”と繋がっています。
ヴァシリー・カンディンスキー(1866-1944)は抽象絵画の創始者という印象が強く、抽象画しかイメージしていなかったのですが・・・
本展の第一章で展示されていた作品がとても印象に残りました。
故郷ロシアへの憧憬を理想郷的に描いた作品で、抽象画に至る以前の代表作だということです。
ヴァシリー・カンディンスキー《商人たちの到着》1905年
宮城県美術館蔵
色彩、描かれた人々、その表情からフォーブ、象徴主義の下地を感じましたが・・・
ルオーの個性は一度見たら忘れられませんよね。
ジョルジュ・ルオー《キリストの洗礼》1911年
ジョルジュ・ルオー財団蔵
カンディンスキーとルオーは、互いが本拠とする展覧会へ出品し合い、いわば活躍の場を共有していた時期がありました。
また、カンディンスキーは、1906年にパリ郊外に長期滞在した時期に、当時ルオーが館長を務めていたモロー美術館も訪ねています。
本展は、カンディンスキーらドイツ表現主義者とルオーとが共有した芸術表現への志向を探る初の展覧会です。
ドイツ表現主義(青騎士、ブリュッケ)に連なる、未知の画家にも興味を惹かれました。
展覧会の構成は以下の通りです。
1章:カンディンスキーとルオーの交差点
2章:色の冒険者たちの共鳴
ジョルジュ・ルオー《ヒンデンブルク》1930年頃
個人蔵(ルオー財団協力)
ヴァシリー・カンディンスキー《E.Rキャンベルのための壁画№4」の習作
(カーニバル・冬)1914年
宮城県美術館蔵
エーリッヒ・ヘッケル《木彫りのある静物》1913年
宮城県美術館蔵
ガブリエーレ・ミュンター《抽象的コンポジション》1917年
横浜美術館蔵
3章:カンディンスキー、クレー、ルオー -それぞれの飛翔
パウル・クレー《橋の傍らの三軒の家》1922年
宮城県美術館蔵
HPの解説。
抽象絵画の創始者ヴァシリー・カンディンスキー(1866-1944)と、20 世紀フランス最大の宗教画家ジョルジュ・ルオー(1871-1958)。本展は、色とかたちを軸として、カンディンスキーを中心とするドイツ表現主義とルオーが共鳴するさまを探る初の試みです。
20世紀の初め、ルオーが重視したパリのサロン・ドートンヌにカンディンスキーが出品を続け、カンディンスキー率いるミュンヘン新芸術家協会の展覧会にルオーが出品するという時期がありました。それぞれがフォーヴィスムとドイツ表現主義の拠点となった展覧会で、互いの運動への関心を深めていたこともうかがえます。また、ドイツ表現主義の画家たちとルオーが共有していた感覚を、彼らの作品の色彩やモティーフに見出すこともできます。やがてカンディンスキーは「内的必然性」に導かれて抽象絵画に至り、彼と交流を深めていたパウル・クレー(1879-1940)も独自の抽象世界を築きます。ルオーもまた、彼の内的必然性に従ってキリスト教の信仰に根差した独自の絵画を追求しました。
本展には、国内有数のカンディンスキーやクレー、ドイツ表現主義絵画のコレクションを誇る宮城県美術館の作品を中心に、パリのルオー財団や国内の美術館などから、油彩画を中心に水彩画、版画、デッサン、書籍など、貴重な作品約130点※が出品されます。
HPの動画。
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