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2017.11.28

ディエゴ・リベラの時代 メキシコの夢とともに

01

開館35周年記念展 「ディエゴ・リベラの時代 メキシコの夢とともに」は、
埼玉県立近代美術館で開催されています。

会期 2017年10月21日(土)~ 12月10日(日)


リベラというと、フリーダ・カーロとの関係で語られることが多かったような気がします(私だけかなぁ~)
そしてメキシコ革命と、壁画運動の中心としての活躍。

この展覧会は、リベラの仕事を軸にして、メキシコ近代美術史の多様性を検証しています。


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リベラは20歳の時ヨーロッパに渡り、様々な絵画表現を学びました。
そしてキュビズムに傾倒、キュビズムの画家としても評価を得ています。
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ディエゴ・リベラ《農地》 1904年 ディエゴ・リベラ生地美術館蔵

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ディエゴ・リベラ《銃を持つ水兵(昼食をとる船乗り》 1914年 ディエゴ・リベラ生家美術館蔵


パリ滞在中に、先住民の末裔が中心となってメキシコ革命(1910年)がおこります。
1921年、帰国したリベラは先住民の暮らしや風習に取材した作品を描くようになります。
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ディエゴ・リベラ《とうもろこしをひく女》 1924年 メキシコ国立美術館蔵

そして「革命の精神を絵画で伝えよう」と壁画運動が起こり、中心的存在となります。
(壁画についてはヴィデオと解説書が用意されています)

原住民の暮らしから革命、そしてメキシコの現在と未来を描くリベラの壁画は、大きな支持を得て国民的画家となります。

私生活では、フリーダと結婚しますが、お互いの強烈な個性のぶつかり合いで・・・困難な結婚生活が続きます(堅い結びつきの時期と疎遠になることの繰り返し)

壁画運動が落ち着くと、リベラの作品は、人物を描いた作品が多くなります。
メキシコ固有の題材を採り入れた風俗画や肖像画においてもリベラは優れた作品を多く残しました。
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ディエゴ・リベラ《裸婦とひまわり》 1946年 ベラクルス州立美術館蔵

展覧会の後半はメキシコ美術の動向、普遍性と多様性について紹介しています。

8章に分けて詳しい解説がなされていて、本展に向けての入念な準備がうかがえ勉強になりました。
ただ頭の中が整理しきれなかったのは残念。
私が訪れた11月上旬の段階で図録は完成してませんでした。最近このケース、多いように思うのですが、何故なのでしょうか?

06
ディエゴ・リベラ《聖アントニウスの誘惑》 1947年 メキシコ国立美術館蔵

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レオナール・フジタ《ディエゴ・リベラの肖像》 個人蔵

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アブラーム・アンフェル《自画像》 1923年 メキシコ国立美術館蔵

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ラモン・アルバ・デ・ラ・カナル《エストリデンティスタのための建築》 1926年 個人蔵

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マリア・イスキエルド《巡礼者たち》 1945年 名古屋市美術館蔵

展覧会の構成は次の通りです。
1. プロローグ
2. ヨーロッパ時代のディエゴ・リベラ
3. 壁画へ
4. 野外美術学校/美術教育/民衆芸術
5. メキシコの前衛-エストリデンティスモから¡ 30-30 !へ
6. ディエゴ・リベラをめぐる日本人画家
7. 肖像-人間への眼差し
8. 普遍性と多様性

HPの解説。
 メキシコの美術は革命後の1920‐30年代に独自の展開を遂げて隆盛を極め、世界の注目を集めました。その歴史を語る上で欠かせない画家が、ディエゴ・リベラ(1886-1957)です。画才に恵まれたリベラは10歳の頃から美術学校に通い始め、1907年にヨーロッパに留学すると、キュビスムなどの最先端の画風を試み、ピカソとも交流しました。

 1921年に帰国すると、メキシコの社会の動きに眼を向け、公共空間に絵画を描く「メキシコ壁画運動」に積極的に携わります。また、メキシコ固有の題材を採り入れた風俗画や肖像画においても、優れた作品を数多く残しました。

 メキシコ国立芸術院(INBA)との共同企画によるこの展覧会では、初期から晩年にいたるリベラの画業を油彩画、素描、版画など約30点の作品でたどります。また、リベラの師でありメキシコ近代絵画を拓いたべラスコ、同時代のメキシコの様々な美術動向、リベラと関わりのあったレオナール・フジタや北川民次ら日本人画家も紹介し、メキシコの近代美術が掲げた夢を振り返ります。


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コメント

どちらかというと日本では「フリーダ・カーロ」が人気ですよね。トロツキー晩年の恋人?でもあったんですよね。
ディエゴ・リベラのパリ時代と以前の作品も面白かったですね。リベラの全体像が概観出来ました。
壁画、見てみたいですね~

投稿: みわさんへ | 2017.12.28 17:31

この展示は仕事の自己研修会場と道を挟んで目の前たったので、研修の休憩時間を使って一時間だけ観て来ました♪思っていたより内容や絵のジャンルが沢山で楽しめました。なにより藤田嗣治とフリーダ・カーロが観れただけでもう充分なのに(←私的にはこちらがメインだったので)リベラの作風も知れて良かったです。

投稿: みわ | 2017.12.28 12:44

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