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2017.10.16

運慶 興福寺中金堂再建記念特別展

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運慶展は、
東京国立博物館 平成館で開催されています。

会期2017年9月26日(火)~11月26日(日)

人気の展覧会ですので、混んでいます。
一日かけて運慶と向き合うというのはどうでしょうか?
トーハクの門外に出ない限り再入場できますので・・・

疲れたら展覧会場を出て、本館ソファーでゆっくり休むもよしですし、

こちらもお勧めです。
本館14室で開催されている「運慶展」関連展示
運慶の後継者たち―康円と善派を中心に
会期 2017年8月29日(火) ~ 2017年12月3日(日)

拙ブログ関連投稿はこちら

秋の庭園開放も行われます。
2017年10月24日(火) ~ 2017年12月3日(日)

そして再入場。
私が行った日は、16時30分頃(閉館時間30分前)になるととても空いてきました。
予めじっくり鑑賞したい作品を決めておいて・・この時間帯でそこに向かうといいですよ。

あくまでも私が行った日の状況下でのことですが・・・

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運慶作の仏像は現在31体とされていますが、その中の22体が上野トーハクに集合です。
(展示替えがあります)

特に興福寺北円堂を模した空間は圧巻です。
弥勒如来坐像(写真パネル展示)を背景にして右に無著菩薩立像、左に世親菩薩立像が置かれ、
そして四隅に四天王像が配置されています。
無著菩薩立像と世親菩薩立像は、人気仏像ランキングではトップクラスですね。
大振りな体躯に憂いを帯びて僅か俯く無著、その目は潤んでいるようにも見えます。
正面を見据えた弟の世親の面立ち。

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国宝 無著菩薩立像 運慶作
鎌倉時代 建暦2年(1212)頃
奈良 興福寺

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国宝 世親菩薩立像 運慶作
鎌倉時代 建暦2年(1212)頃
奈良 興福寺

老若男女、置かれた立場、その時の感情で、受け取る思いは異なるでしょうが、この菩薩像から全ての人が何らかのメッセージを感受するはずです。

四天王が 無著菩薩と世親菩薩を四方に立って守ります。
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国宝 四天王立像 
奈良時代 13世紀 奈良 興福寺


運慶の仏像の眼(玉眼)は同じものは無いとされます。
「目は心の鏡」運慶仏の魅力の重要要素ですね。
但し如来には玉眼は使わず彫眼の様です。
そこは分けているのですね。
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国宝 大日如来坐像 運慶作
平安時代 安元2年(1176) 奈良 円城寺
運慶の初期作品で師匠康慶(父親)の下で11か月をかけて作られた。
展示会場に入ると直ぐに展示されています。


八大童子立像はとてもリアルに作られていて、観ていて楽しくなります。
その表情、身体の動きが様々な想像に導いてくれます。
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国宝 八大童子立像 運慶作 
鎌倉時代 建久8年(1197)頃 和歌山 金剛峯寺


この毘沙門天立像はかっこいい~
力強い立派な体に、滑らかな肌を感じさせる美男子、この仏像も人気ですね!
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国宝 毘沙門天立像 運慶作
鎌倉時代 文治2年(1186) 静岡 願成就院


平安から鎌倉へと移り行く時代を背景に、貴族仏教から民衆も含めた大乗への変化の兆しの中、仏像に革命をもたらした運慶は、偉大なる仏師として、偉大な彫刻家として、現在の私たちに感動を与えてくれます。
素晴らしい展示空間に立ち去りがたい思いが募ります。

仏像はお寺で拝見するのが良いのでしょうが・・・360度全周を鑑賞できるのは展覧会展示の素晴らしいところですね。


第1章、第3章含めて慶派の全体像を体感することができるのも、この展覧会での収穫のひとつです。

展示構成は次の通りです。
第1章 運慶を生んだ系譜ー康慶から運慶へ
第2章 運慶の彫刻ーその独創性
第3章 運慶風の展開ー運慶の息子と周辺の仏師

HPの解説。
日本で最も著名な仏師・運慶。卓越した造形力で生きているかのような現実感に富んだ仏像を生み出し、輝かしい彫刻の時代をリードしました。本展は、運慶とゆかりの深い興福寺をはじめ各地から名品を集めて、その生涯の事績を通覧します。さらに運慶の父・康慶、実子・湛慶、康弁ら親子3代の作品を揃え、運慶の作風の樹立から次代の継承までをたどります。


東京国立博物館「運慶」展 第1章「運慶を生んだ系譜 ― 康慶から運慶へ」
InternetMuseum


東京国立博物館「運慶」展 第2章「運慶の彫刻 ― その独創性」
InternetMuseum


東京国立博物館「運慶」展 第3章「運慶風の展開 ― 運慶の息子と周辺の仏師」
InternetMuseum

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