宮崎進-すべてが沁みる大地-
「宮崎進-すべてが沁みる大地-」は、
多摩美術大学美術館で開催されています。
会期 2017年7月15日(土)~10月9日(月)
「私はこの布に特別の愛着と何よりも物質としての存在感や材質を越えた不思議な生命のようなものを感じるのである」
宮崎進は作品に麻布を多用しています。
若き日の4年間をシベリアの抑留所で過ごした宮崎進にとってこの布(ドンゴロス(麻袋))は、絵を描くときのカンヴァス代わりでもありました。
宮崎進の創作意欲の根底には、あの大戦での体験、人々の風景があります。
過酷な極寒の大地。
劣悪な環境に、衰弱死した、逃走し損ねて死んだ、発狂した仲間たち・・・・
彫刻も含めた立体作品、平面作品(ミクストメディア)で構成された
4ヶ所の展示空間それぞれが、とても説得力のある空間です。
立体作品「風に吹かれて」を中心にした展示室は圧巻です。
.「ヒロシマ」この大地の上で
2006年 油絵具、ミクストメディア、麻布、合板 広島市現代美術館蔵
花咲く大地
2008年 ミクストメディア、麻布、合板 公益財団法人東日本鉄道文化財団蔵
習作「ヒロシマ」記憶と祈り
2005年 コンテ、紙 神奈川県立近代美術館蔵
LAND すべてが沁みる大地
2006年頃 油絵具、麻布、合板 個人蔵
生きるもの
1990年 油絵具、ミクストメディア、麻布、合板 広島市立大学蔵
手
1998年 石膏、鉄、木 個人蔵
HPの解説。
宮崎進(1922~)は、近代社会の不条理を抱えながら従軍した第二次世界大戦後、過酷なシベリア抑留体験により昇華された戦渦による加害と被害の確執を超え、人間とは、生命とは何かという命題に、自らの美術表現で挑み続けています。2009年に多摩美術大学美術館にて、初期からの作品による「宮崎進-漂泊 Wandering-」展を開催しました。今回はそれに続く1990年代以降の作品を展示します。平面作品と立体作品、および数多くのドローイングやモノタイプ作品から響き渡る芸術家のエネルギー、過去への情景や悔悟、記憶や記録ではない表現する「今」を問い、生きる歓びを詠い、あらゆる想いが大地に沁みゆく宮崎の作品をご堪能下さい。
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