茶の湯のうつわ ―和漢の世界
「茶の湯のうつわ ―和漢の世界」は、
出光美術館で開催されています。
会期 2017年4月15日(土)〜 6月4日(日)
出光美術館での前回の展覧会は、古唐津でした。
その豊富な所蔵品にチョットびっくりでしたが、今回は桃山・江戸時代 を通しての名品が並びます。
今回の展示作品の中で「仁清作品」の素晴らしさを再確認しました。
色絵扇面散文茶碗
野々村仁清 日本 江戸時代前期
出光美術館
派手目の絵付けされた作品もいいのですが、単色系でまとめたデザイン、釉薬の光沢の品の良さ、確実な作陶技術に裏打ちされた緊張感のあるフォルム・・・・見入ってしまいました。
以下に展示されている仁清作品を記しておきます。
色絵羽子板香合
色絵尺八香合
色絵扇面散文茶碗
銹絵富士山文茶碗
色絵熨斗文茶碗
信楽写共蓋水指
白釉耳付水指
灰釉胴張共蓋水指
白釉水指
白釉獅子香炉
色絵鳳凰文共蓋壺
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勿論、樂、萩、唐津の詫びた景色も素晴らしいです。
唐物、煎茶の器も美しい!
目線の関係で、軽いスクワット繰り返し状態で観覧してきました。
出光美術館所蔵品は、茶の湯の器も素晴らしい!
展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 一楽二萩三唐津
第2章 京焼 ─古典へのまなざし、そして前衛的うつわへ
第3章 愛でられる漢のうつわ ─唐物・高麗・安南
第4章 懐石、宴のうつわ
第5章 煎茶の世界
特集展示 雲州蔵帳とその美
萩茶碗 銘 雪獅子
日本 江戸時代前期
紀州徳川家伝来
高麗写荒磯文急須
青木木米 日本 江戸時代後期 出光美術館
色絵魚介文鮑形鉢
中国 明時代末期 景徳鎮窯 出光美術館
唐物大海茶入 銘 山桜
中国 南宋時代 福建系
松浦家伝来 出光美術館
五彩十二ヵ月花卉文杯 12客のうち ※1-6月の場面
中国 清「大清康煕年製」銘 景徳鎮官窯 出光美術館
展示概要(HPから)
桃山時代、千利休(1522 - 91)により侘び茶が確立すると、それまでの中国から渡ってきた唐物を万能とする茶の湯の価値観は大きく変わることが知られています。その変化は、利休より遡る村田珠光(1423 - 1503)の時代から徐々に「備前物」や「信楽物」の使用に始まり、天正15年(1587)頃になると茶会記には唐物はほとんど見られなくなり、高麗茶碗と和物が主要な茶道具となっていきました。
江戸時代になると、楽茶碗のようにそれまでの侘び茶の世界を継承するうつわ作りが行われる一方で、野々村仁清(生没年不詳)の華麗な色絵や尾形乾山(1663 - 1743)のように大胆な図様、賛文や自身の銘を記すといった新しい感覚・視点によりうつわが作られ始めました。また京都や瀬戸・美濃以外の地域でも、唐津(佐賀)や萩(山口)、高取や上野(福岡)といった西国地域をはじめ、全国各地で茶の湯のうつわが作られ、地域を特徴付けるやきものが盛んに作られるようになりました。また国産のやきもの以外にも、中国産をはじめ、朝鮮半島産、東南アジア産、その中には日本側からの注文によるうつわもあります。さらに唐物として重宝され日本国内で伝世してきたうつわについても再評価され、茶の湯の世界で再び脚光をあびることになります。
江戸時代中期から後期にかけては、文人文化や中国趣味の隆盛を背景に煎茶の風習も広がり、そこにも趣向を凝らした新たな雰囲気のうつわが用いられるようになります。
このように江戸時代には茶の湯が幅広く展開し、武家のみならず、公家、豪商さらには町衆まで茶の湯の風習が広がっており、用いられるうつわも多様になったのです。
本展では江戸時代に流行した茶の湯のうつわを中心に、さらに当館が所蔵する出雲(島根)松平家の茶の湯に関する道具帳である『雲州蔵帳』とその世界観についても特集展示として取り上げ、茶の湯のうつわとその美意識をお楽しみいただきます。
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