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2017.05.21

特別展 「茶の湯」

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特別展「茶の湯」は、
東京国立博物館で開催されています。
会期 2017年4月11日(火)~6月4日(日)

東京ですと、静嘉堂文庫美術館 、三井記念美術館、根津美術館、畠山美術館、五島美術館、トーハクなどで観てきた名品が展示されていて、この企画展、妙に懐かしい気分になったりします。

これだけ集めて展示していただくと、もう感謝しちゃいます。
ただし、展示期間が8期に分けられていて、ひとつ残らず見ようと思うと大変!

この展覧会で、茶の湯全般を網羅的に復習できたような気分になりました。

「茶の湯」は日本人の美意識の根幹をもっとも分かり易く表現していると、あらためて感じました。

今年の展覧会のお勧めは「陶磁器」と仰る方がいましたがこの展覧会は、象徴的意味合いを持つと思いました。

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12世紀頃、僧侶を中心とした往来により中国から唐絵などとともに抹茶の喫茶法が伝わり禅宗寺院、公家、武家の間で広まった。
1
国宝 観音猿鶴図 牧谿筆 中国南宋時代 13世紀 京都大徳寺蔵

室町時代になると、唐物を用いた喫茶が権力を示す一つの道具となる。
足利将軍家は、唐絵、唐物を収集し所謂「東山御物」 として現代に伝わる。
6
重要文化財 木葉天目 中国 吉州窯 南宋時代12~13世紀 大阪市立東洋陶磁美術館

7
重要文化財 青磁輪花茶碗 銘馬蝗絆 中国 龍泉窯 南宋時代12~13世紀 東京国立博物館


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室町時代の後期になると、茶の湯を嗜む人々が、戦国武将、豪商へと広がっていく。
禅に親しんだ村田珠光は、日常の暮らしの中から心と眼にかなうものを見出し取り合わせる茶、「数寄」の茶いわゆる「侘茶」を創出する。その精神は、酒井の豪商武野焼香ら町衆へと広がっていく。
茶道具も唐物から高麗物、和物へと移り広がる。
3
重要文化財 唐物肩衝茶入 松屋肩衝 中国 南宋~元時代・13~14世紀
東京・根津美術館

4
国宝 大井戸茶碗 喜左衛門井戸 朝鮮 朝鮮時代・16世紀 京都・弧篷庵蔵

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安土桃山時代になると、千利休により侘茶の完成を見て、天下人から大名、町衆に至るまで、広く深く浸透していく。さらに教えを受けた、古田織部、織田有樂斎、細川三斎へとその精神は伝えられていく。
2
重要文化財 黒楽茶碗 銘ムキ栗 長次郎 安土桃山時代・13~14世紀 文化庁蔵

8
伊賀耳付水指 銘 破袋 伊賀 江戸時代・17世紀
東京・五島美術館

9
国宝 志野茶碗 銘 卯花墻 美濃 安土桃山時代~江戸時代・16~17世紀
東京・三井記念美術館 

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太平の世、江戸時代になると、小堀遠州による武家茶の再興、それに倣った江戸後期の松平不昧が道具を収集。千家との交流化から三井家、鴻池家などの豪商が独自の茶の湯を展開していく。
5
重要文化財 祥瑞蜜柑水差 中国・景徳鎮窯 明時代・17世紀 大阪・湯木美術館

10
重要文化財 色絵鱗波文茶碗 仁清 江戸時代・17世紀 京都・北村美術館

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そして近代、幕末から明治にかけて、寺院や旧家から流出した宝物、茶道具を平瀬露香、藤田春雪、益田鈍翁、原三渓らの実業家が収集し一大コレクションを形成する。
さらに大正、昭和にかけて、畠山即翁らの数寄者に引き継がれて行く。

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展覧会の構成は以下の通りです。
第一章 足利将軍家の茶湯―唐物荘厳と唐物数寄
第二章 侘茶の誕生―心にかなうもの
第三章 侘茶の大成―千利休とその時代
第四章 古典復興―小堀遠州と松平不昧の茶
第五章 新たな創造―近代数寄者の眼

HPの解説。
 本展覧会は、おもに室町時代から近代まで茶の湯の美術の変遷を大規模に展観するものです。「茶の湯」をテーマにこれほどの名品が一堂に会する展覧会は、1980(昭和55)年に当館で開催した「茶の美術」展以来、実に37年ぶりとなります。
各時代を象徴する名品を通じて、それらに寄り添った人々の心の軌跡、そして次代に伝えるべき日本の美の粋をご覧ください。

 12世紀頃、中国で学んだ禅僧によってもたらされた宋時代の新しい喫茶法は、次第に禅宗寺院や武家など日本の高貴な人々の間で浸透していきました。彼らは中国の美術品である「唐物」を用いて茶を喫すること、また室内を飾ることでステイタスを示します。その後、16世紀(安土桃山時代)になると、唐物に加えて、日常に使われているもののなかから自分の好みに合った道具をとりあわせる「侘茶」が千利休により大成されて、茶の湯は天下人から大名、町衆へより広く普及していきました。このように、日本において茶を喫するという行為は長い年月をかけて発展し、固有の文化にまで高められてきたのです。
本展覧会は、おもに室町時代から近代まで、「茶の湯」の美術の変遷を大規模に展観するものです。「茶の湯」をテーマにこれほどの名品が一堂に会する展覧会は、昭和55年(1980)に東京国立博物館で開催された「茶の美術」展以来、実に37年ぶりとなります。
各時代を象徴する名品を通じて、それらに寄り添った人々の心の軌跡、そして次代に伝えるべき日本の美の粋をご覧ください。


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