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2017.05.12

特別展 「雪村-奇想の誕生-」

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特別展 「雪村-奇想の誕生-」展は

東京藝術大学美術館で開催されています。

会期: 2017年3月28日(火)- 5月21日(日)
※会期中、作品の展示替えがあります。

雪村作品一番の魅力 は、動感あふれる作品、ありえない動きですね!
本展での、私のお気に入りは列子御風図です。
6
列子御風図 紙本墨画
東京・公益法人 アルカンシエール美術財団

もう、身体は宙に浮いちゃってるし、長いひげが強風で水平になびき、袖は千切れんばかり・・・・輪郭線の筆の動き、この勢いは素晴らしい!

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図録巻頭で、辻惟雄氏は語っています。(雪村の奇想から)
東北大学教授福井利吉郎著「雪村新論」を引用して・・・
 彼が雪村を"水-滝-雪-自然の威力”の画家と見るくだりである。学者の言としては意外な、このすばらしい、ロマンチックな形容に、私が何かを加えることが許されるならば、”風”と”波”を入れたい。その上でさらに加えたいのは、雪村が鳥羽僧正のような伝統的存在を例外として、日本絵画史上最初に誕生した「奇想の画家」と言うことである。

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雪村は、佐竹氏の一族として常陸の国部番で誕生。
常陸の国時代は、画僧雪村が生まれる第一期の修業時代です。
そして、50歳代半ばに会津へと旅立ち、さらに小田原、鎌倉へと向かい滞在します。
この時代が二期目で、中国の牧谿や玉澗を学んだ飛躍の時期にあたります。
そして、鎌倉を離れた雪村は、会津を経て奥州に向かい、この地で雪村芸術の絶頂期を迎えます。
晩年を三春で過ごした雪村の筆力に、衰えることはありませんでした。


雪村の足跡(公式サイトから)
(「○○か」という表現が多いですね)
1489~1492年(延徳年間)
常陸の国部番で誕生か(本朝画史)

1504~1521年(永生年間)
正宗寺にこの頃入寺か(10代)

1546年(天文15年)
この年までに、常陸を出発し、会津に向かう
会津で蓮な盛ん氏に「画軸卷舒法」を授ける
鹿沼の今宮神社に神馬図を奉納
この後、佐野、足利をまわり、小田原、鎌倉は向かうか
(50代)

1555年(天文24年)
景初周随賛(叭々鳥図)を描く(60代)

1560年(永禄3年)
この頃小田原、鎌倉を離れ、鹿島神宮を廻り、奥州へ向かう

1572年(元亀3年)
常陸に流寓(80代)

1573年(天正元年)
この頃までに、三春」に住す(雪村庵扁額墨書)

1573~1590年(天正年間)
86歳で《瀟湘八景図屏風》を描く
間もなく三春で没するか

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 雪村は、出家した正宗寺で、だれを師として(なにを模して)絵画を学んだのか?
鎌倉時代の学んだ牧谿や玉澗に学んだ作品、小田原狩野派からの吸収・・・
そして”禅僧雪村(自分)一人だけの絵画”「奇想の画家」への到達。
雪村の足跡を追いながらの観賞です。
そして、雪村に私淑した光琳、抱一、乾山など後世の画家の作品も含め全体像を検証しています。


展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 常陸時代 画僧として生きる
第2章 小田原・鎌倉滞在 独創的表現の確立
第3章 奥州滞在 雪村芸術の絶頂期
第4章 身近なものへの眼差し
第5章 三春時代筆力衰えぬ晩年
第6章 雪村を継ぐ者たち


5
瀧見観音図 紙本彩色 室町時代 16世紀
茨城 正宗寺

1
重要文化財《呂洞賓図(りょどうひんず)》 紙本墨画 室町時代 16世紀
大和文華館蔵

2
山水図 紙本墨画 室町時代 16世紀
群馬県立近代美術館(戸方庵井上コレクション)

3
《龍虎図屏風》(右隻) 紙本墨画 室町時代 16世紀
根津美術館蔵

4
重要文化財《呂洞賓図(りょどうひんず)》
紙本墨画 室町時代 16世紀

HPの解説です。
 首の骨が折れるくらいに仰ぎ見る顔から、斜め上に向かってピンと伸びる長いヒゲ。足元を見れば、ギョロッとした目つきの龍。「呂洞賓図(りょどうひんず)」に描かれる場面は、何から何までありえません。
この作品を描いたのは、戦国時代の画僧、雪村周継(せっそんしゅうけい)です。武将の子として生まれながら出家して画業に専心した雪村は、故郷である茨城や福島、神奈川など東国各地を活躍の場としました。その生涯は未だ謎に包まれていますが、ひときわ革新的で、また人間味あふれる温かな水墨画を描き続けた、ということだけは確かです。雪村の作品は江戸時代の尾形光琳らを魅了し、狩野芳崖ら近代の画家たちへと受容されたのでした。
この展覧会は、雪村の主要作品約100件と関連作品約30件で構成される最大規模の回顧展です。
雪村の「奇想」はどのようにして生まれたのか、その全貌に迫ります。

東京藝術大学大学美術館「雪村-奇想の誕生-」
InternetMuseum

第1章「常陸時代 画僧として生きる」、第2章「小田原・鎌倉滞在 ─ 独創的表現の確立」


第3章「奥州滞在 ─ 雪村芸術の絶頂期」、第4章「身近なものへの眼差し」


第5章「三春時代 筆力衰えぬ晩年」、テーマ展示「光琳が愛した雪村」、第6章「雪村を継ぐ者たち」


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