日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念 スケーエン:デンマークの芸術家村
「日本・デンマーク外交関係樹立150周年記念 スケーエン:デンマークの芸術家村」展は、
国立西洋美術館の[新館展示室](常設展示室内)で開催されています。
常設展示室の入場券で観ることができます。
会期 2017年2月10日(金)~5月28日(日)
海岸の村の素朴な生活、大気の湿度まで伝わってくるような色調は、とても新鮮で良い作品ばかりです。
素描も含めて59点の作品が展示されています。
素描は、アンナ・アンカー、P.Sクイヤー、ミカエル・アンカーの作品で構成されていますが・・・画家の実力が伝わてきます。
HPの解説。
潮風が舞う荒野、白い砂浜、どこまでも広がる空と海。バルト海と北海にはさまれたユトランド半島の最北端に位置するスケーエンは、19世紀のデンマークの人々にとって、自国の中の異郷でした。しかし1870年代から、首都コペンハーゲンで活動していた若い画家たち数人がここを訪れ、その広漠とした自然の光景に惹きつけられます。スケーエンの独特の風土は次第に芸術家たちのあいだで関心を呼び、鉄道の駅も港さえもなかった小さな漁村は、19世紀末から20世紀初めにかけて、北欧の国々から画家や詩人、作曲家などが集まる国際的な芸術家村として知られるようになりました。
スケーエンを制作の拠点とした画家たちは、フランスに発祥してヨーロッパ絵画の新しい潮流となっていた自然主義の考え方に立ち、漁師たちの労働、海辺の風景、素朴な村人たちの生活、芸術家とその家族の日常を題材とした作品を描きました。現実そのものの中から自然と人間の本質にかかわる主題を見出した彼らの作品は、当時のデンマークの美術界に「近代の革新」と呼ばれる転換をもたらし、今日もなおみずみずしい魅力を放っています。
デンマークと日本の外交関係樹立150周年を記念して開催される本展は、スケーエン美術館が所蔵する59点の作品により、デンマークの近代美術を代表するスケーエン派の絵画を紹介します。
展覧会の構成は次の通りです。
漁師たち
ミカエル・アンカーは救助のために嵐の海へ乗り出そうとするスケーエンの漁師たちを当代の英雄として描いた大作により、デンマークの美術界で大きな成功を収めました。他の画家たちは、日常の漁師たちが共同して働く場面を描きました。
ミカエル・アンカー《ボートを漕ぎ出す漁師たち》
1881年油彩、カンヴァス
スケーエン美術館
ペーダー・セヴェリン・クロヤー《スケーエンの南海岸の画家たち》
1882年 9月15日油彩、カンヴァス
スケーエン美術館
風景
1890年代に入ると、鉄道の開通による観光客の急増に伴い海岸の漁師たちの働く場としてだけでなく、人々の憩いの場として描かれるようになります。
ミカエル・アンカー《海辺の散歩》
1896年油彩、カンヴァス
スケーエン美術館
アンナ・アンカー《戸外の説教》
1903年油彩、カンヴァス
スケーエン美術館
室内
アンナ・アンカーは、スケーエン派の中で唯一の地元出身者です。19世紀には、女性が芸術家として活動するには大きな制約がありましたが、彼女は夫ミカエル・アンカーと対等の立場で絵画制作に取り組み、主として室内の主題を取り上げ家族のとりわけ母の肖像を描きました。
アンナ・アンカー《母の肖像》
1913年 油彩、カンヴァス
スケーエン美術館
マリー・クロヤー《縫い物をする女性のいる室内》
制作年不詳油彩、カンヴァス
スケーエン美術館
マリー・クロイヤーとP.Sクイヤー
スケーエン芸術村の中心的存在だったP.Sクイヤーは1889年に当時22歳の画家マリー・トリプケと結婚。
その2年後から毎年夏を彼女と過ごします。
ペーダー・セヴェリン・クロヤー《ばら》
1893年 油彩、カンヴァス
スケーエン美術館
©The Art Museums of Skagen
ペーダー・セヴェリン・クロヤー《マリー・クロヤーの肖像1889 年、ステインビャーにて》
1889年油彩、カンヴァス
スケーエン美術館
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