ミュシャ展 (国立新美術館開館10周年 チェコ文化年事業 )
国立新美術館開館10周年 チェコ文化年事業
ミュシャ展は、
国立新美術館で開催されています。
会期 2017年3月8日(水)~6月5日(月)
展覧会ホームページ
チェコ国外 世界初公開
超大作《スラヴ叙事詩》全20作
全20作すべてを日本で観ることができるのは、最初で最後でしょうね!
ミュシャは人気で、過去沢山の企画展が行われた中でも、《スラヴ叙事詩》は断片的に取り上げられてきました。
まさか、全20作が東京で観られるなんて夢にも思っていませんでした。
50歳で故郷に戻り、晩年の約16年間を捧げた画家渾身の作品《スラヴ叙事詩》(1912-1926年)です。およそ縦6メートル、横8メートルにも及ぶ巨大なカンヴァスに描かれた20点の油彩画は、古代から近代に至るスラヴ民族の苦難と栄光の歴史を映し出す壮大なスペクタクルであると言えます。(HPから)
チェコの歴史を描いた作品が10点。
残りの10点は、独立国家と国民文化の自立を目指すスラブ諸民族の、苦闘の時代の中の連帯を主題として描かれています。
日本流にいえば、大河ドラマを見ているようで、また、人々の表情が丹念に描かれていてドラマチックです。
単眼鏡、双眼鏡持参がお勧めです。
作品タイトルを以下に記します。
1 原故郷のスラヴ民族
2 ルヤーナ島でのスヴァントヴィート祭
3 スラヴ式典礼の導入
4 ブルガリア皇帝シメオン1世
5 ボヘミア王プシェミスル・オタカル2世
6 東ローマ皇帝として戴冠するセルビア皇帝ステファン・ドゥシャン
7 クロムニェジージュのヤン・ミリーチ
8 グルンヴァルトの戦いの後
9 ベツレヘム礼拝堂で説教をするヤン・フス師
10 クジーシュキでの集会
11 ヴィートコフ山の戦いの後
12 ヴォドニャヌイ近郊のペトル・ヘルチツキー
13 フス派の王、ポジェブラディとクンシュタートのイジー
14 ニコラ・シュビッチ・ズリンスキーによるシゲットの対トルコ防衛
15 イヴァンチツェの兄弟団学校
16 ヤン・アーモス・コメンスキーのナールデンでの最後の日々
17 聖アトス山
18 スラヴ菩提樹の下でおこなわれるオムラジナ会の誓い
19 ロシアの農奴制廃止
20 スラヴ民族の賛歌
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作品番号1の作品は《原故郷のスラヴ民族》です。
チラシに使われている作品で《スラブ叙事詩》を象徴するようなドラマチックな作品です。
原故郷のスラヴ民族(部分)
アダムとイブを表す二人のスラブ人
原故郷のスラヴ民族(部分)
(中央)多神教の祭司
(右)平和を象徴する娘
(左)若い戦士
スラヴ民族の祖先(3-6世紀)が他民族の侵入者から身を隠す様子を描いた場面。画面右上では、防衛と平和の擬人像に支えられたスラヴ民族の司祭が神に慈悲を乞う。
1912年 テンペラ、油彩/カンヴァス 610×810cm
会場風景(作品番号15、17、18、19、20は撮影可です)スマホで撮りました。
(写真右)聖アトス山(作品番号17)
ギリシャのアトス山は正教会の最も神聖な場所である。スラヴ民族をビザンティンの教育や文化へとつないだ正教会への賛辞をこめた作品。
1926年 テンペラ、油彩/カンヴァス 405×480cm
(写真左)ロシアの農奴制廃止(作品番号19)
ヨーロッパのいかなる地域よりはるかに遅れて、ロシアの農奴制は1861年にようやく廃止された。モスクワのクレムリン宮殿前の聖ワシリー大聖堂の影で皇帝アレクサンドル2世による勅令が読み上げられ、人々が「自由」を獲得した場面が描かれている。
1914年 テンペラ、油彩/カンヴァス 610×810cm
子供を連れた母親(作品番号19部分)
(写真右)スラヴ民族の賛歌(作品番号20)
スラヴ民族の勝利のヴィジョン。画面右下の青はスラヴ史の神話の時代、左上の赤はフス戦争、中央の黒い人物像はスラヴ民族の敵、黄色い人物たちはスラヴ民族に自由と平和と団結をもたらす人々。
1926年 テンペラ、油彩/カンヴァス 480×405cm
(写真左)スラヴ菩提樹の下でおこなわれるオムラジナ会の誓い(作品番号18)
1894年にスラヴ文化の再興を求めるオムラジナと呼ばれる民族主義的な団体が結成された。20世紀初頭に団体は弾圧を受け、提唱者たちは公職から締め出された。
1926年(未完成) テンペラ、油彩/カンヴァス 390×590cm
(作品番号18)
ムハの娘ヤロスラヴァをモデルにした少女(作品番号18部分)
ムハの息子イジーをモデルにした少年(作品番号18部分)
イヴァンチツェの兄弟団学校(作品番号15)
画家の故郷モラヴィア地方イヴァンチツェでは、領主ジェロティーン公により最初のモラヴィア兄弟団が設立され、クラリツェ聖書が翻訳、印刷された。少年が聖書を盲人の老父に読み聞かせる様子が描かれている。
1914年 テンペラ、油彩/カンヴァス 610×810cm
盲目の老人のため聖書を読み上げる少年がこちらを見つめています。この少年は若き日のムハ自身をモデルに描かれました。(キャプションから)(作品番号15部分)
展覧会の構成は次の通りです。
スラブ叙事詩20展
Ⅰミュシャとアール・ヌーボー
Ⅱ世紀末の祝祭
Ⅲ独立のための闘い
Ⅳ習作と出版物
—HPの解説ー
国立新美術館(東京・六本木)では、2017年3月8日(水)から6月5日(月)まで、「ミュシャ展」(主催:国立新美術館、NHK、NHKプロモーション、朝日新聞社ほか)を開催いたします。2017年は日本とチェコが国交を回復してから記念すべき60周年を迎える年にあたります。
アール・ヌーヴォーを代表する芸術家の一人、アルフォンス・ミュシャ(チェコ語発音ムハ※、1860-1939)は、オーストリア=ハンガリー帝国領モラヴィア(現チェコ)に生まれ、ウィーンやミュンヘンを経て、27歳でパリに渡り絵を学びました。なかなか才能を発揮する機会に恵まれなかったミュシャは、34歳の時に、女優サラ・ベルナール主演の舞台「ジスモンダ」のポスターを手がけることになり、一夜にして成功をおさめます。以降、優美で装飾的な作風は多くの人を魅了し、時代の寵児として活躍しました。
美しい女性像や流麗な植物文様など、華やかで洗練されたポスターや装飾パネルを手がける一方で、ミュシャは故郷チェコや自身のルーツであるスラヴ民族のアイデンティティをテーマにした作品を数多く描きました。その集大成が、50歳で故郷に戻り、晩年の約16年間を捧げた画家渾身の作品《スラヴ叙事詩》(1912-1926年)です。およそ縦6メートル、横8メートルにも及ぶ巨大なカンヴァスに描かれた20点の油彩画は、古代から近代に至るスラヴ民族の苦難と栄光の歴史を映し出す壮大なスペクタクルであると言えます。
本展はこの《スラヴ叙事詩》をチェコ国外では世界で初めて、全20点まとめて公開するものです。プラハ市のために描かれた《スラヴ叙事詩》は、1960年代以降、モラヴィアのモラフスキー・クルムロフ城にて夏期のみ公開されてはいたものの、ほとんど人の目に触れることはありませんでした。その幻の傑作が、80年以上の時を経て2012年5月、ついにプラハ国立美術館ヴェレトゥルジュニー宮殿(見本市宮殿)にて全作品が公開されました。そしてこのたび国立新美術館では、パリで活躍したミュシャが《スラヴ叙事詩》を描くに至るまでの足跡を約80点の作品を通じて辿りつつ、これら幻の最高傑作の全貌を一挙、紹介します。
※パリでその名を広く知られるようになったため、日本では「ミュシャ」というフランス語の発音に基づく表記が用いられてきたが、本展ではチェコで制作された《スラヴ叙事詩》に関してはチェコ語の発音に基づき「ムハ」と表記する。
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コメント
アドバイス有難うございます。
投稿: 内田 | 2017.03.15 08:40
両展とも混んでます!草間彌生87歳のパワーを実感してきました。私は、ファンなので行かない手はありません。行かれるのであれば、チケットは前もって準備した方が良いです。休日は、時間帯によってチケット売場に行列ができます。(平日も)グッズも大人気!ミュージアムショップレジ待ちは日中60分以上の大行列です。
投稿: 内田さんへ | 2017.03.15 06:57
草間彌生さんの作品は観ましたか? 見に行こうか悩んでいるところです。
投稿: 内田 | 2017.03.14 23:14