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2017.01.12

クラーナハ展―500年後の誘惑

Photo

クラーナハ展―500年後の誘惑は、

国立西洋美術館で開催されています。

会期 2016年10月15日(土)~2017年1月15日(日)

1472年生まれのクラーナハは、同じ時代を生きたアルプレフト・デューラー(1471-1528)と並び称された、存命中から成功を収めた巨匠です。

父から絵の技術を学んだクラーナハは、32歳のころ宮廷画家として招かれて、ザクセン公国の都ヴィッテンベルクへ向います。
やがて、大規模な工房を経営して、絵画の大量生産をしていました。

当時のドイツでは、マルティン・ルターを中心とした宗教改革が行われていました。

クラーナハとルターは友人で、記憶に残っている(私の?)ルターの肖像画は、クラーナハによるものです。

宗教改革の余波で、祭壇画などの需要が減少したため、工房維持の為に、裸婦画等の作品制作が増えるという一面もあったようですが、カトリックの顧客である諸侯の作品も引き続き描いていたそうです。

《ヴィーナス》 (1532年)に代表される裸婦画と、数年間の修復を終えて日本初公開となる《ホロフェルネスの首を持つユディト》(1530年頃)がこの展覧会の目玉作品ですね。

「女のたくらみ」とうテーマが通底した作品群も・・・・そういう見方で鑑賞するのも面白いと思いました。

クラーナハの作品に刺激を受けた、近現代アーティストの作品んも多く展示されていて、二通りの楽しみ方ができる展覧会でもあります。

展覧会の構成。

1 蛇の紋章とともに─宮廷画家としてのクラーナハ

2 時代の相貌─肖像画家としてのクラーナハ

3 グラフィズムの実験─版画家としてのクラーナハ

4 時を超えるアンビヴァレンス─裸体表現の諸相

5 誘惑する絵─「女のちから」というテーマ系

6 宗教改革の「顔」たち─ルターを超えて

1
ルカス・クラーナハ(父)
《マルティン・ルターの肖像》
1525年、油彩/板、ブリストル市立美術館


7
ルカス・クラーナハ(父) ホロフェルネスの首を持つユディト
1530年頃、油彩/板 ウィーン美術史美術館

ユディトやサロメ、ヴィーナスやルクレティアといった物語上のヒロインたちを多くの画家が作品を残していますね!

信仰篤い未亡人ユディトが住むベツリアの町を、ホロフェルネス率いるアッシリア軍が包囲した。

ユディトは「ベツリアの攻略方法を教える」と言って敵将ホロフェルネスに近づいた。

ホロフェルネスはユディトの美しさに気を許し、酒宴に招いた。

ユディトはホロフェルネスが酔いつぶれて寝込んでしまうのを待ち、首を切り落とした。

将軍のいないアッシリア軍はあっさりと敗退した。

旧約聖書外典の1つである『ユディト記』

5
ルカス・クラーナハ(父)  ルクレティア
1529年 油彩/板 サラ・キャンベル・ブラッファー財団、ヒューストン


6
ルカス・クラーナハ(父)  正義の寓意(ユスティティア) 
1537年 油彩/板 個人蔵

4
ルカス・クラーナハ(父) ヴィーナス  
1532年 油彩/板  シュテーデル美術館、フランクフルト


9
ルカス・クラーナハ(父)  泉のニンフ
1537年以降 ワシントン・ナショナル・ギャラリー


8
ルカス・クラーナハ(父)   不釣り合いなカップル
1530/40年頃 ウィーン美術史美術館

2
ルカス・クラーナハ(父)   ヘラクレスとオンファレ  
1537年 油彩/板 バンベルク財団、トゥールーズ

HPの解説。

ルカス・クラーナハ(父、1472-1553年)は、ヴィッテンベルクの宮廷画家として名を馳せた、ドイツ・ルネサンスを代表する芸術家です。大型の工房を運営して絵画の大量生産を行うなど、先駆的なビジネス感覚を備えていた彼は、一方でマルティン・ルターにはじまる宗教改革にも、きわめて深く関与しました。けれども、この画家の名を何よりも忘れがたいものにしているのは、ユディトやサロメ、ヴィーナスやルクレティアといった物語上のヒロインたちを、特異というほかないエロティシズムで描きだしたイメージの数々でしょう。艶っぽくも醒めた、蠱惑的でありながら軽妙なそれらの女性像は、当時の鑑賞者だけでなく、遠く後世の人々をも強く魅了してきました。

日本初のクラーナハ展となる本展では、そうした画家の芸術の全貌を明らかにすると同時に、彼の死後、近現代におけるその影響にも迫ります。1517年に開始された宗教改革から、ちょうど500年を数える2016-17年に開催されるこの展覧会は、クラーナハの絵画が時を超えて放つ「誘惑」を体感する、またとない場になるはずです。



クラーナハ展 細部に宿る美 西洋美術館で
NIKKEI


クラーナハ《ホロフェルネスの首を持つユディト》 国立西洋美術館 クラーナハ展 ─ 500年後の誘惑
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クラーナハ展 4章「裸体表現の諸相」 国立西洋美術館 クラーナハ展 ─ 500年後の誘惑
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コメント

一度見たら忘れられない作品ばかりの展覧会でした。
修復を終えた「ホロフェルネスの首を持つユディト」の妖艶と狂気の不思議な魅力!

投稿: みわさんへ | 2017.03.30 14:00

私も行きました~♪クラーナハの作品とても独特で魅力的でした~☆

投稿: みわ | 2017.03.30 12:22

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