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2016.12.22

生誕百年記念 小林斗盦 篆刻の軌跡 ―印の世界と中国書画コレクション―

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生誕百年記念 小林斗盦 篆刻の軌跡 ―印の世界と中国書画コレクション―は、
東京国立博物館東洋館8室で開催されています。

会期  2016年11月1日(火) ~2016年12月23日(金)


篆刻をじっくり鑑賞する機会は少ないですね。
「朱文印」「白文印」、線刻の幅、印の大小、正方形、長方形・・・この展覧会で、篆刻デザインの多様性、魅力を堪能しました。

「第6部 翰墨の縁」には、錚々たる有名人の小林斗盦刻印が展示されています。

「康成」朱文印

「荷風散人」朱文印

「武者小路実篤璽」白文印

「寂聴」朱文印

「真澄」朱文印 桑田真澄氏です。

「海老蔵」朱文長方印

「文部大臣之印」朱文印

「江沢民印」白文印

などなど・・・


普段は気に留めることも少ないですが、篆書体文字、篆刻印は、パスポート、お札などにも使われています。
探してみるのも楽しいかもしれませんね!

展覧会の構成は以下の通りです。

プロローグ 篆刻家 小林斗盦

第1部 古典との対峙

第2部 作風の軌跡  

第3部 篆刻コレクション

第4部 制作の風景

第5部 中国書画コレクション

第6部 翰墨の縁

エピローグ 刻印の行方


HPの解説。

小林斗盦(とあん 1916~2007)は祖父の代より印章業を営む家庭に生まれ、10歳の頃に父から手ほどきを受け、篆刻(てんこく)に親しみました。その後、比田井天来(ひだいてんらい)、石井雙石(いしいそうせき)、河井荃廬(かわいせんろ)、西川寧(にしかわやすし)といった明治から昭和にかけて活躍した書・篆刻の名手に教えを乞いながら、一貫して古典と向き合い続けます。更に文字学や漢籍、印学といった篆刻に不可欠な学問を加藤常賢(かとうじょうけん)、太田夢庵(おおたむあん)に学び、中国の古印・書画の研究に没頭するとともに、幅広い作品を世に発表しました。
書壇の重鎮として長らく篆刻界を牽引し続け、88歳の時にはその功績が称えられ、篆刻家として初めて文化勲章を受章します。91歳の生涯を閉じるまで、知性に裏付けられ、洗練を極めた作品を数多く残しました。

平成28年(2016)は、小林斗盦の生誕100年にあたります。本展は小林斗盦の篆刻・書画や、旧蔵になる中国の書画や印譜(いんぷ)などを展示し、91歳の天寿を全うした小林斗盦の偉大な業績を回顧します。代表作「柔遠能邇」白文円印をはじめ、「愚者之定物以疑決疑」朱文印や「独往」朱文印など斗盦の制作した篆刻の名品に加えて、「異耳」朱文印、趙之謙(ちょうしけん)筆「隷書張衡霊憲四屛」、呉熙載(ごきさい)筆「梅花図軸」などかつて斗盦が所蔵し、学んだ璽印(じいん)や中国書画の優品が一堂に会します。是非この機会に、斗盦が生涯をかけて取り組んだ「方寸の世界」をご堪能下さい。


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「享寿」白文印 1顆,1枚 小林斗盦刻 1990日展 平成2年(1990) 原印=個人蔵


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「為五斗米折腰」朱文印
趙之謙刻 中国 清時代・19世紀


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「隋侯之珠不飾以銀黄」白文印(印材) 小林斗盦刻 昭和60年(1985) 原印=個人蔵、印影=個人蔵


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篆書朱韓山座右篇軸 1幅 鄧石如筆 中国 清時代・18~19世紀 個人蔵

6
菊花老少年図紈扇
趙之謙筆 中国 清時代・同治8年(1869) 個人蔵


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