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2016.12.30

観てきた展覧会ベストテン 2016年

開催中で、まだ行っていない魅力的な展覧会もありますし、次点展覧会も多数ありますが、直感的に思いつくまま選んでみました。
順位はつけませんでした。(考え始めるといつまでも纏められないので)

選んだ展覧会以外にも、
シーボルト関連の企画も記憶に残っているし、鉄道模型の展覧会も印象に残った。
国立科学博物館の一連の企画展も見逃せません。

出光美術館の、山種美術館の年間を通しての「開館記念展」にも注目しました。


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八木重吉 さいわいの詩人(うたびと)展
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町田市民文学館 ことばらんど

会期 2016年10月22日(土)~12月25日(日)
八木重吉は好きな詩人。
この規模の回顧展は、今後ないかもしれない?
重吉が詩を書き留めた紙片を纏めて富子がリボンでとじた詩集がたくさん展示されていて、とても微笑ましかった。

MIYAKE ISSEY展: 三宅一生の仕事
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国立新美術館
会期 2016年3月16日(水)~6月13日(月)
展示作品も、展示レイアウトも素晴らしいけど、三宅一生のファッション制作過程全体、総合力の凄さが実感できた展覧会。


開館50周年記念美の祝典
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出光美術館
2016年4月9日(土)~2017年3月26日(日)

開館50周年記念美の祝典Ⅰ ―やまと絵の四季
2016年4月9日(土)~5月8日(日)

開館50周年記念美の祝典Ⅱ ―水墨の壮美
2016年5月13日(金)~6月12日(日)

開館50周年記念美の祝典Ⅲ ―江戸絵画の華やぎ
2016年6月17日(金)~7月18日(月・祝)

開館50周年記念東洋・日本陶磁の至宝 ―豊麗なる美の競演
2016年7月30日(土)~9月25日(日)

開館50周年記念大仙厓展 ―禅の心、ここに集う
2016年10月1日(土)~11月13日(日)

開館50周年記念時代を映す仮名のかたち ―国宝手鑑『見努世友』と古筆の名品
2016年11月19日(土)~12月18日(日)

来年も続きます・・・

開館50周年を記念して1年かけて出光美術館の館蔵優品を展示する企画。
作品群の重厚さに毎回、感心しきりです。

生誕300年記念 若冲展
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東京都美術館
会期 2016年4月22日(金)~5月24日(火)
釈迦三尊像を中心に左右円弧状に展示された動植綵絵の荘厳のさまは、圧巻でした。


ゴッホとゴーギャン展
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東京都美術館
会期 2016年10月8日(土)~12月18日(日)
ゴッホとゴーギャンがそれぞれに、最高傑作と認め合った作品。
フィンセント・ファン・ゴッホ《収穫》と
ポール・ゴーギャン《ブドウの収穫、人間の悲惨》
の並置展示が忘れられない。


クラーナハ展―500年後の誘惑
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国立西洋美術館
会期 2016年10月15日(土)~2017年1月15日(日)
観ておくべき展覧会と・・・

ボッティチェリ展
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東京都美術館
期間 2016年1月16日(土) ~ 4月3日(日)
サンドロ・ボッティチェリ 《聖母子(書物の聖母)》
の完璧な美しさと、政治(宗教)に翻弄される晩年の作品。

鈴木其一 江戸琳派の旗手
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サントリー美術館
会期 2016年9月10日(土)~10月30日(日)
鈴木其一の回顧展開催を待ち望んでいた方は多いのではないでしょうか?
期待を裏切らない展覧会でした。

臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念 特別展「禅―心をかたちに―」
Zenns
東京国立博物館 
会期  2016年10月18日(火) ~2016年11月27日(日)
この規模の展示は、トーハクならでは。
国宝、重文を多く含んだ作品内容の重厚さも格別。

ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞
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Bunkamura ザ・ミュージアム
会期 2016/3/19(土)〜6/5(日)
保存状態がよく、まるで摺りたてのような鮮やかさの作品群にびっくり!
国貞のデザイン性にすぐれた作品も魅力的だった。

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観てきた展覧会備忘録 2016年

今年も、無計画に、だらだら見てきました。
趣味の”ぶら美”はこれが楽しい!

観てきた展覧会備忘録(2016年12月)

観てきた展覧会備忘録(2016年11月)

観てきた展覧会備忘録(2016年10月)

観てきた展覧会備忘録(2016年9月)

観てきた展覧会備忘録(2016年8月)

観てきた展覧会備忘録(2016年7月)

観てきた展覧会備忘録(2016年6月)

観てきた展覧会備忘録(2016年5月)

観てきた展覧会備忘録(2016年4月)

観てきた展覧会備忘録(2016年3月)

観てきた展覧会備忘録(2016年2月)

観てきた展覧会備忘録(2016年1月)

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2016.12.29

観てきた展覧会備忘録(2016年12月)


世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画
会期 2016年11月16日(水)~2017年1月9日(月・祝)
サントリー美術館


戦国時代展 -A Century of Dreams-
会期 2016年11月23日(水)〜2017年01月29日(日)
江戸東京博物館


セラミックス・ジャパン
陶磁器でたどる日本のモダン
会期 2016年12月13日(火)〜2017年1月29日(日)
渋谷区立松涛美術館


戸栗コレクション1984・1985―revival―展 (会期終了)
会期 2016年10月4日(火)~12月23日(金・祝)
戸栗美術館


BODY/PLAY/POLITICS (会期終了)
会期 2016年10月01日(土)~年12月14日(水)
横浜美術館


開館50周年記念時代を映す仮名のかたち ―国宝手鑑『見努世友』と古筆の名品 (会期終了)
会期 2016年11月19日(土)~12月18日(日)
出光美術館


館蔵 茶道具取合せ展 (会期終了)
2016年12月10日[土]〜2017年2月12日[日]
五島美術館


漆芸名品展 ―うるしで伝える美の世界― (会期終了)
2016年10月8日[土]〜2016年12月11日[日]
静嘉堂文庫美術館


生誕百年記念 小林斗盦 篆刻の軌跡 ―印の世界と中国書画コレクション―  (会期終了)
会期 2016年11月1日(火) ~ 2016年12月23日(金)
東京国立博物館東洋館 8室

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2016.12.26

セラミックス・ジャパン 陶磁器でたどる日本のモダン

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セラミックス・ジャパン
陶磁器でたどる日本のモダン
は、

渋谷区立松涛美術館で開催されています。

会期 2016年12月13日(火)〜2017年1月29日(日)


幕末から明治時代初期、万国博覧会に出展された浮世絵、工芸品が西洋でジャポニズムを起こしました。

陶芸品は京都や九谷の産地以外にも、殖産興業の一環として輸出用に作られた作品も含めて横濱などの新設された輸出商社を通じて大量に送り出されました。

そして、輸出市場の拡大とともに、西洋の技術を導入し、工業化を図る製陶会社が産地に登場します。

その後、日本の美術や工芸を源泉にアール・ヌーボーが欧米で、流行すると日本でもその影響を受けて図案研究が進みます。(学校・試験研究機関・陶磁器研究所などの開設などを通じて・・・)

大正時代以降になると、生活用品としての陶磁器がメーカーによって量産されるようになり、食器以外にもタイル等々の建築資材も生産されるようになりました。

鑑賞用の作品、実用食器、日用調度品、建材など161点で明治時代初期から第二次世界大戦までの70年にわたる近代陶芸のデザインを概観する展覧会です。


宮川香山、板谷波山、バーナード・リーチ、石黒宗馬、河井寛二郎などの作品、帝国ホテルなどのホテルで使われた食器、宮邸電燈台、火鉢、
代官山同潤会アパートの洗面台などなど、
アートから実用のデザインまで、美しさと、何か?懐かしさと・・・
電線ガイシなんかも展示されていましたよ!


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《百合花摸様花瓶》図案:武田五一 清作:錦光山宗兵衛 1912(大正元年)
京都工芸繊維大学美術工芸資料館蔵

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《上絵菊花図花瓶》 井村彦次郎陶器店 1904(明治34)年頃 個人蔵

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《生命の木》 バーナード・リーチ 1928(昭和3)年頃 京都国立近代美術館蔵

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《蒔絵蝕プラタナス文ベリーセッ》ト 清作:大倉陶園 デザイン:日野厚
1925-29(大正14-昭和4)年 個人蔵


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《タイル》 淡陶株式会社、佐治タイル、佐藤化粧煉瓦他 20世紀前期(明治時代末期~昭和時代初期) 個人蔵

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《白磁貼菊花文籠型壺》 出石磁気会社 20世紀初(明治時代後期)
兵庫陶芸美術館蔵


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《装飾電燈台》陶磁器試験所 1927(昭和2)年
滋賀県信楽窯業試験所蔵


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《鉄釉練炭ストーブ》 岐阜県陶磁器試験所 1940(昭和15)年
岐阜県セラミックス研究所蔵


HPの解説。


ジャポニスムで迎えられた近代日本の陶磁器は、世界に誇る品質とデザインでした。各製陶所や試験場での新展開により万博などで好評を博するとともに、和洋食器、建築タイルや照明器具などに新感覚が息づく一方で、板谷波山らの豊かな個性が開花していきました。技術革新と新しいデザイン手法を獲得し、量産製品の世界的流通に至る、創意とエネルギーにあふれた近代日本陶磁器づくりを見ることのできる初めての機会です。

展覧会の構成は以下の通りです。

Ⅰ 近代化の歩み

Ⅱ 産地の動向

Ⅲ 発展・展開

Ⅳ 終章


続きを読む "セラミックス・ジャパン 陶磁器でたどる日本のモダン"

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2016.12.22

生誕百年記念 小林斗盦 篆刻の軌跡 ―印の世界と中国書画コレクション―

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生誕百年記念 小林斗盦 篆刻の軌跡 ―印の世界と中国書画コレクション―は、
東京国立博物館東洋館8室で開催されています。

会期  2016年11月1日(火) ~2016年12月23日(金)


篆刻をじっくり鑑賞する機会は少ないですね。
「朱文印」「白文印」、線刻の幅、印の大小、正方形、長方形・・・この展覧会で、篆刻デザインの多様性、魅力を堪能しました。

「第6部 翰墨の縁」には、錚々たる有名人の小林斗盦刻印が展示されています。

「康成」朱文印

「荷風散人」朱文印

「武者小路実篤璽」白文印

「寂聴」朱文印

「真澄」朱文印 桑田真澄氏です。

「海老蔵」朱文長方印

「文部大臣之印」朱文印

「江沢民印」白文印

などなど・・・


普段は気に留めることも少ないですが、篆書体文字、篆刻印は、パスポート、お札などにも使われています。
探してみるのも楽しいかもしれませんね!

展覧会の構成は以下の通りです。

プロローグ 篆刻家 小林斗盦

第1部 古典との対峙

第2部 作風の軌跡  

第3部 篆刻コレクション

第4部 制作の風景

第5部 中国書画コレクション

第6部 翰墨の縁

エピローグ 刻印の行方


HPの解説。

小林斗盦(とあん 1916~2007)は祖父の代より印章業を営む家庭に生まれ、10歳の頃に父から手ほどきを受け、篆刻(てんこく)に親しみました。その後、比田井天来(ひだいてんらい)、石井雙石(いしいそうせき)、河井荃廬(かわいせんろ)、西川寧(にしかわやすし)といった明治から昭和にかけて活躍した書・篆刻の名手に教えを乞いながら、一貫して古典と向き合い続けます。更に文字学や漢籍、印学といった篆刻に不可欠な学問を加藤常賢(かとうじょうけん)、太田夢庵(おおたむあん)に学び、中国の古印・書画の研究に没頭するとともに、幅広い作品を世に発表しました。
書壇の重鎮として長らく篆刻界を牽引し続け、88歳の時にはその功績が称えられ、篆刻家として初めて文化勲章を受章します。91歳の生涯を閉じるまで、知性に裏付けられ、洗練を極めた作品を数多く残しました。

平成28年(2016)は、小林斗盦の生誕100年にあたります。本展は小林斗盦の篆刻・書画や、旧蔵になる中国の書画や印譜(いんぷ)などを展示し、91歳の天寿を全うした小林斗盦の偉大な業績を回顧します。代表作「柔遠能邇」白文円印をはじめ、「愚者之定物以疑決疑」朱文印や「独往」朱文印など斗盦の制作した篆刻の名品に加えて、「異耳」朱文印、趙之謙(ちょうしけん)筆「隷書張衡霊憲四屛」、呉熙載(ごきさい)筆「梅花図軸」などかつて斗盦が所蔵し、学んだ璽印(じいん)や中国書画の優品が一堂に会します。是非この機会に、斗盦が生涯をかけて取り組んだ「方寸の世界」をご堪能下さい。


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「享寿」白文印 1顆,1枚 小林斗盦刻 1990日展 平成2年(1990) 原印=個人蔵


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「為五斗米折腰」朱文印
趙之謙刻 中国 清時代・19世紀


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「隋侯之珠不飾以銀黄」白文印(印材) 小林斗盦刻 昭和60年(1985) 原印=個人蔵、印影=個人蔵


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篆書朱韓山座右篇軸 1幅 鄧石如筆 中国 清時代・18~19世紀 個人蔵

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菊花老少年図紈扇
趙之謙筆 中国 清時代・同治8年(1869) 個人蔵


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2016.12.17

色の博物誌-江戸の色材を視る・読む

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色の博物誌-江戸の色材を視る・読むは、

目黒区美術館で開催されています。

会期 2016年10月22日(土)~12月18日(日)

「この様な展示って、常設していただくとありがたい 」と思ってしまう企画展に出会うことがありますね。
この展覧会もそのうちのひとつです。
(無理な話ですよね~)

「浮世絵は、どのように描かれるのか」
色材、画材、画法(画法書)を網羅して分かりやすく解説しています。

情報量があまりにも膨大で、素人では何度も通わないと頭に入りません!

国絵図の展示、解説も秀逸です。


展覧会の構成は以下の通り。

1.「江戸の色材への導入」 さまざまな色材

2.《国絵図》 4点+復元作品1点 

3.《浮世絵》」 鈴木春信、鳥居清長、葛飾北斎、歌川国貞、溪斎英泉、歌川国芳ほか約30点
  立原位貫の復刻・復元作品 40点(会期中ごろに展示替えがあります)

4.江戸時代の主な色材-20種

5.画法書にみる色材・絵具箱-『本朝画史』、『絵本倭比事』、『漢画獨稽古』、『絵本彩色通 初編』ほか

6.画材の引き出し博物館(目黒区美術館企画制作)


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鳥居清長
三代目市川八百蔵の古手屋八郎兵衛、 中村里好の丹波屋のおつま、浄瑠璃富本斎宮太夫、 三絃名見崎徳治
天明 5 年(1785) 版元:西村屋与八
大判錦絵 千葉市美術館蔵

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石黄(色材)

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紅+ウコン(色材)

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紅+青花(色材)


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喜多川歌麿
山姥と金太郎 煙草のけむり
享和1-3年 大判錦絵
山口県立萩美術館・浦上記念館蔵

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復刻 立原位貫
山姥と金太郎 煙草のけむり(喜多川歌麿)
平成27年(昭和52年の再制作)
大判錦絵 個人蔵

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備前国図
岡山大学付属図書館蔵 池田文庫

HPの解説。


目黒区美術館は、1992(平成4)年から2004(平成16)年にかけて「青」「赤」「白と黒」「緑」「黄色」をテーマにした「色の博物誌」シリーズを開催し、考古・民俗・歴史・美術を横断しながらそれぞれの色材文化史を紡いできました。色材そのものをフォーカスするという企画は、美術館ではあまり取り上げられないテーマですが、色の原材料とその特質を知ることによって、見えてくることはたくさんあり、作品も違う方向から楽しむことができます。
このたび、これまでの研究と出会いをもとに、6回目となる「色の博物誌」を企画しました。今度のテーマは、「江戸時代の豊饒な色材」です。展示では、緑青、朱など、粒子が際立つ不透明感のある無機系の色材と、藤黄、アオバナ、紅、藍などの透明感のある有機系の色材に着目し、人の知恵と工夫により丁寧に作られてきた色料や絵の具により制作された絵図と版画、二つのトピックを取り上げました。


第2章「浮世絵」 目黒区美術館 江戸の色材を視る・読む



第3章~第5章 目黒区美術館 江戸の色材を視る・読む


第1章「国絵図」 目黒区美術館 江戸の色材を視る・読む

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2016.12.15

拝啓 ルノワール先生-梅原龍三郎に息づく師の教え

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拝啓 ルノワール先生-梅原龍三郎に息づく師の教えは、

三菱一号館美術館で開催されています。

会期 2016年10月19日(水)~2017年1月9日(月・祝)


1908年秋、渡仏した梅原は、
1909年にカーニュにあったルノワール邸を、今風に言えばアポなしで訪れている。
当時のルノワールは既に68歳、梅原は21歳だった。

すぐに打ち解けた二人は、4年間に及ぶ交流が続き、ルノワールは梅原を評価している。

「君は色彩を持つ、デッサンは勉強で補うことのできるものだが、色彩は気質によるものだ」

1913年帰国した6年後に、ルノワールの訃報に接した梅原は、自宅を売って渡航費を捻出し、渡仏しています。


さて、ルノワール先生から梅原が学んだものとは・・・・何だったのだろうか?

作品を見比べていくと、作風は全く異なるように思えるのですが・・・・・

梅原は、留学中にパリ画壇の最新流行の画家たち(ヴァン・ドンゲン、ルオーなど)にも興味を持ったし、ピカソと知り合って晩年まで付き合いがありました。
これらの経緯も含めて、

ルノワールの作品、梅原龍三郎の作品、さらに多彩な秘蔵品、梅原が寄贈した公的コレクションの展示を通して二人の師弟関係を検証しています。

展覧会の構成は以下の通りです。

第1章 ルノワールとの出会い

第2章 梅原龍三郎 掌(たなごころ)の作品

第3章 秘蔵品から公的コレクションへ

第4章 交友と共鳴 梅原と時代、梅原の時代

第5章 ルノワールの死

第6章 ルノワールの遺産

HPの解説。

日本の洋画界を牽引し、その豪快な性格から『画壇のライオン』と呼ばれた梅原龍三郎 (1888-1986年)。近代化が進み、油彩画が日本に定着した頃の1908(明治41)年、20歳の梅原は渡仏し、翌年ルノワール(1841-1919年)に会いました。梅原はルノワールを師と仰ぎ、その制作現場を見、師との対話から多くを学び、親密な関係を築きました。
梅原は後に、ヨーロッパで学んだ油彩画に、桃山美術・琳派・南画といった日本の伝統的な美術を取り入れ、個性あふれる豪華絢爛な画風を展開し、日本の洋画を確立した巨匠として高く評価されます。本展はルノワールと梅原の作品だけでなく、梅原が蒐集した作品、梅原と親交のあったピカソやルオーらの作品約80点により、近代絵画における東西の交流をご紹介します。


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梅原龍三郎留学初期の作品。

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梅原が所有していた「ルノワールのブロンズ」を中心に描いた作品。
(当のブロンズも展示)

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梅原龍三郎が描いた「パリスの審判」

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ルノワールが描いた「パリスの審判」


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以上の画像は、内覧会参加時に撮ったものです。



拝啓ルノワール先生―梅原龍三郎に息づく師の教え|安井裕雄学芸員
三菱一号館美術館公式チャンネル


第1章「ルノワールとの出会い」 三菱一号館美術館「拝啓 ルノワール先生 ─ 梅原龍三郎に息づく師の教え」
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第2章~第4章 三菱一号館美術館「拝啓 ルノワール先生 ─ 梅原龍三郎に息づく師の教え」
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第5章「ルノワールの死」 三菱一号館美術館「拝啓 ルノワール先生 ─ 梅原龍三郎に息づく師の教え」
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第6章「ルノワールの遺産」 三菱一号館美術館「拝啓 ルノワール先生 ─ 梅原龍三郎に息づく師の教え」
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2016.12.13

ポーラミュージアムアネックス、資生堂ギャラリー 12月

銀座ソニービルに行ったついでに、
ポーラミュージアムアネックスがある銀座1丁目(京橋側)から
資生堂ギャラリーのある8丁目(新橋側)まで、歩いて来ました。

定番コースです。

銀座通りには、クリスマスイルミネーションが飾られ、いつもより賑やかでした。

銀座ソニービル展示室、ポーラミュージアムアネックス、資生堂ギャラリーいずれも入場無料、写真撮影可です。
(スマホで撮りました)


ポーラミュージアムアネックス


Mon YVES SAINT LAURENT

会期 2016年12月10日(土)〜12月25日(日)

HPの解説。

イヴ・サンローランのヴィンテージとユナイテッドアローズ2016年秋冬の商品を共に展示する、ヴィンテージと現代のリアルクローズを融合したファッション展を開催します。
本展ではランウェイを歩く姿を映像に納めたヴァーチャルファッションショーにより、臨場感溢れる空間を創り出します。マネキンでは伝わらない、実際の動きによる本来のシルエットの美しさを感じることができます。


本展覧会では、日本服飾文化振興財団が所有するイヴ・サンローランのヴィンテージ資料に加え、ユナイテッドアローズ社の協力のもと、2016年秋冬の商品と共に展示。マネキン、写真等のグラフィックに加え、ランウェイを歩く姿を映像に納めた財団初の試みであるヴァーチャルファッションショーにより、臨場感溢れる空間を創り出します。マネキンでは伝わらない、実際の動きによる本来のシルエットの美しさを感じることができます。

総合演出は、世界各国にて数々のファッションイベントを手がけるDRUMCAN Inc.が行い、スタイリストには雑誌やCM等で活躍している亘つぐみ氏を起用しています。一般の方にはヴィンテージミックスのコーディネートを楽しんでいただけ、デザイナーを目指す方、そしてモノ作りに携わる方々へ向けては、映像による保存・伝承などの活用法を提唱するべく、充実した内容となっております。
ヴィンテージのリアルクローズ(イヴ・サンローラン)と現代のリアルクローズ(ユナイテッドアローズ社)をミックスしたクリエイティブなスタイリングを通して、デザイン当時とはまた一味違った印象を届けます。

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資生堂ギャラリー

「Les Parfums Japonais ―香りの意匠、100年の歩み―」

会期 2016年11月2日(水)~12月25日(日)

HPの解説。

資生堂ギャラリーでは、2016年11月2日(水)から12月25日(日)まで、銀座から文化を発信するプロジェクト「BEAUTY CROSSING GINZA」※の第4弾の一環として、「商品の芸術化」をめざした資生堂の香水瓶展「Les Parfums Japonais(レ・パルファム・ジャポネ) ―香りの意匠、100年の歩み―」を開催します。

※ 銀座に立地する資生堂の4つの拠点(資生堂銀座ビル(Ginza Communication Space)、資生堂ギャラリー、資生堂パーラービル(東京銀座資生堂ビル)、SHISEIDO THE GINZA)から同一テーマで文化を発信する2016年よりスタートしたプロジェクト

1910年代後半、化粧品事業に主軸をおいて経営に乗り出した初代社長の福原信三は、パリの芸術文化への憧れとともに、「香りを芸術まで高めたい」という想いで西欧の香水に勝るとも劣らない日本のオリジナリティあふれる香水づくりをめざしました。福原信三は、芸術とビジネスのコンビネーションを常に念頭におき、自らの化粧品づくりの姿勢を「商品の芸術化」という言葉で表しました。福原信三は化粧品製造にあたって西欧文化の消化に努め、それを栄養素としながらも、日本的美意識をベースに、製品の細部にまでこだわった日本発の本物を生み出そうとしました。

この「商品の芸術化」という精神は、今日の資生堂の商品開発まで受け継がれています。

この度、資生堂ギャラリーでは、福原信三が憧れたパリの芸術文化の一端を示すフランスの香水瓶とともに、福原信三が自ら手がけた初期の資生堂の香水瓶と「商品の芸術化」の精神を受け継ぐ現代の香水瓶(約40点)を展示します。

ガラス工芸家 ルネ・ラリックがデザインした香水瓶を始めとするフランスの香水瓶は、初期の資生堂がめざした格調ある西欧の香水瓶の魅力を放ちます。また、「梅」や「セレナーデ」など資生堂が戦前に完成させた日本的なスタイルの香水には西欧の香水瓶とは一線を画す独自のデザイン的な豊かさがみなぎっています。これらと併せて展示する現代の資生堂デザイナーが生み出す香水瓶にも独自のデザイン感覚を感じ取っていただくことができれば幸いです。

展示空間の演出は、インタラクティブ・アート/デザインのグループ「plaplax(プラプラックス)」とのコラボレーションにより、香水瓶の魅力を引き出します。ギャラリーの空間全体から深みのある香水瓶の世界をお楽しみください。

なお、同時期に資生堂銀座ビルでは、戦後から現代に至る資生堂製品の香水瓶(約50点)、SHISEIDO THE GINZAでは、「セルジュ・ルタンス」の香水瓶、資生堂パーラービル(東京銀座資生堂ビル)では、「現代詩花椿賞」の受賞者に贈呈された特製香水入れを展示します。

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2016.12.12

It's a Sony展

銀座 ソニービルが2018年に銀座ソニーパークと名称を変えて再スタートします。

ソニー創業70年、銀座 ソニービル開館50年を迎えて、ソニー製品をを顧みる展覧会(Part-1)が開催されています。
その名もずばり「It's a Sony展」です。

会期
Part-1 2016年11月12日(土) 〜 2017年2月12日(日)
Part-2 2017年2月17日(金) 〜 2017年3月31日(金)

過去にソニー製品は、沢山使ってきました。
今でも、ミラーレス一眼カメラはソニー製を使っていて、最近の投稿画像、動画は殆どこのカメラで撮ったものです。(今回はスマホで撮りましたが・・)

家の中には、使わないのに、いつまでも置きっぱなしのソニー製品もあります。

懐かしい気持ちと、ソニーの現状を思い、複雑な心境になりました。
(過去に33000円までいった株価は一時は1000円台、現状は3000円台)
「Appleがソニー化するかもしれない?」なんていう言い方をする業界評論家まで・・・

どなたも、懐かしい製品に出合えると思いますよ!
銀座に行ったら、有楽町に行ったら、西銀座チャンスセンターに行ったら覗いてみてはいかがですか・・・・・
(チャンスセンターの一番窓口は大行列で2時間待ちでした。勿論並びませんでした。)


HPの解説。

2017年4月1日からこのビルの解体が始まります。50年もこの地でみんなと出会ってきたビルです。言葉にならない気持ちで一杯です。でも、戻ってきます。2018年の夏までお待ちください。Sonyプロダクトを展示していた建物から、思いきって、この土地を"Park"にします。想像してください、このビルの先に抜ける青空を。想像してください、この銀座で始まる、新しい創造性の聖地を。銀座のみんな、すこしの間だけ、さようなら。そして、50年間、ありがとう。時代が変わっても、テクノロジーが変わっても、ソニーはここにあります。


ソニー創業70年、銀座 ソニービル開館50年を迎えて、ソニーが歩んできた歴史を振り返ると共に、2018年に誕生する銀座ソニーパークを見据えた多様なイベントプログラムを実施します。ソニーの過去・現在・未来を体感いただける特別展示です。

Part-1では、ソニービル竣工当時の柱や床、設計意図である「花びら構造」を体感できる空間に歴代のソニー商品やエンタテインメント (音楽、映画、ゲーム) の作品など時代時代で皆さんと共に歩んできたソニーとソニービルの歴史的展示物を一挙集結します。


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電気炊飯器・電圧計・電信機

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初めて買ったテープレコーダーがソニー製のオープンリールだった。


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いつ買ったか覚えてないほど古い短波放送を聞くために買ったソニーラジオは最近まで生きていた。
そろそろ廃棄しないと!

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この押し下げボタンスイッチ!

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ポータブル電子計算機。
子供の頃の記憶として、ショールームに長い行列が出来ていたのを微かに覚えている。
放電管?表示器の数字がちらついていたような・・・・

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当時のコンポの定番デザイン。
このテープレコーダーは屋根裏収納に、まだあるかも?
アンプ、チューナーはTechnicsを買った。

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「デンスケ」まだ持ってます!
動作するかな~

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ウォークマン、CDプレーヤー、MDプレーヤのラインナップ。

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買えなかった!
黒柳徹子さんが持っていて、一緒にTVに出ていた記憶がある。

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TVゲームにも挑戦しようか・・と購入したPSXですが、TV放送の録画再生にしか使わなかった。
今でも置いてある、そろそろ廃棄しないと!

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2016.12.10

宇宙と芸術展 かぐや姫 ダ・ビンチ チームラボ

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宇宙と芸術展 かぐや姫 ダ・ビンチ チームラボは、
森美術館で開催されています。

会期 2016年7月30日(土)~2017年1月9日(月・祝)

過去から現代に至るまで、人類は宇宙をどの様に捉え、そして表現してきたのか?
古今東西の宗教、科学、文学などの分野を通して概観した展覧会。
曼荼羅、竹取物語、種の起源、隕石から作った日本刀、隕石、化石、ロボット、ダビンチの手稿等、あらゆる分野を網羅した200点余りの作品が展示されています。

会場の半分程度は、撮影可ですよ。

展覧会の構成は以下の通りです。
SECTION 1
人は宇宙をどう見てきたか?

SECTION 2
宇宙という時空間

SECTION 3
新しい生命観-宇宙人はいるのか?

SECTION 4
宇宙旅行と人間の未来

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もっと会場風景(全体像)を撮ってくればよかった・・・です、失敗。
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この展覧会でも人気の、チームラボの作品は展覧会場でよく見かけます。
集客力を見込んでの事でしょうね!
先日終了した、トーハクの禅展でも新作が展示されていました。

宇宙と芸術展で展示されている作品は過去の作品の継接ぎのような気もしましたが?(失礼)、迫力満点、良かったですよ。



追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく - Light in Space》

HPの紹介文。


天才ダ・ヴィンチが描いた天文学手稿を日本初公開!
チームラボによるインタラクティブな新作インスタレーションも展示

森美術館は、2016年7月30日(土)から2017年1月9日(月・祝)まで、「宇宙と芸術展」を開催します。 宇宙は古来、人間にとって永遠の関心事であり、また信仰と研究の対象として、世界各地の芸術の中で表現され、多くの物語を生み出してきました。本展では、隕石や化石、ダ・ヴィンチやガリレオ・ガリレイ等の歴史的な天文学資料、曼荼羅や日本最古のSF小説ともいえる「竹取物語」、そして現代アーティストによるインスタレーションや、宇宙開発の最前線に至るまで、古今東西ジャンルを超えた多様な出展物約200点を一挙公開。「人は宇宙をどう見てきたか?」、「宇宙という時空間」、「新しい生命観―宇宙人はいるのか?」、「宇宙旅行と人間の未来」の4つのセクションで構成し、未来に向かっての新たな宇宙観、人間観を提示することを試みます。2016年夏、六本木を宇宙の入り口として「私たちはどこから来てどこへ向かうのか」を探る旅となる本展にご期待ください。


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2016.12.08

Google ChromecastをAmazon Fire-TV-Stickに替えてみました。

メディア ストリーミング デバイスを、
今まで使っていたGoogle Chromecast(第1世代)からAmazon Fire-TV-Stickに替えてみました。

理由は、Chromecast経由で映画を視聴中に、テレビ画面が、度々フリーズしてしまい、集中して見られなかったからです。
(Google Chromecast第2世代は、性能グレードアップしていますので、フリーズは起こらないと思います。)


我が家のシステム全体が絡む問題なのでしょうが、安くて手っ取り早い解決方法は、端末の入替かな、と思っていました。

たまたま、Amazonで25%OFF(定価4980円)で売っていたので、真夜中に衝動買いしました。
(25%OFFはプライム会員限定、さらに期間限定です!)
製品は、当日の夕方に届きました。

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Fullsizerender

使うには・・・
Fire-TV-Stick本体端末をテレビのHDMI端子に差し込んで、電源を供給すれば、機械的セッテングは完了。
(Chromecastと同じです)

テレビのリモコンで入力切替を行い、Fire-TV-Stick接続端子の入力番号に合わせます。

次に、
Fire-TV-Stickリモコンのホームボタンを押せば、設定案内が始まりますので、案内に従って入力していけば、すべての設定が完了して、使えるようになります。
(Amazonアカウントとパスワードを準備しておくといいですね)

Fire-TV-Stickは基本、リモコン操作で使いますが、有料ソフトをインスツールすれば、ミラーリングもできます。

画面スクロールに慣れ親しんでいる人にとっては、リモコンンは、まどろっこしいかも知れません。

この件に関してはChromecastのほうが使いやすいと思っています。

ミラーリングしたいな、と思って・・
Airplayを購入インスツールしてみました。(305円です)

iPhoneとipadで使ってみましたが、残念ながらAmazonプライムビデオの再生はできませんでした!
(Youtubeは再生できましたが・・・)

アプリは豊富にありますが、私はプライムビデオがメインです。
ということでフリーズ問題の解決は、大きな成果です。
(ミラーリングで再生できないのは残念)

問題解決要因は主に、プロセッサー、とWi-Fi仕様の差ですね。
Chromecast(第1世代)はたぶんシングルコア
Fire-TV-Stickはデュアルコアです。(ゲーム用ハイエンド機はクワッドコア)

Wi-Fi
Chromecast(第1世代)  802.11b(2.4~2.5GHz)
Fire-TV-Stick  802.11a(5.15~5.35GHz)

2.5GH帯域は家電ノイズの干渉を受けやすいと言われますが、確証は得ていません。

(Chromecast第2世代は、グレードアップで、cpu、Wi-Fiともに対応済みの様です)

Google ChromecastとAmazon Fire-TV-Stickのどちらを選択するかは、使用目的で各自考えるしかありませんね!(どのようなアプリを使うか?操作性は?)

操作性に関してはChromecastの方が好みかな~

Fire-TV-Stickを試してみたかったので買ってみただけです。
次回はAppleTVにするかも・・・・

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2016.12.05

世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画

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世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画は、

サントリー美術館で開催されています。

会期 2016年11月16日(水)~2017年1月9日(月・祝)
※作品保護のため会期中、展示替があります。

小田野直武も秋田蘭画も初耳です。
しかし、《不忍池図》には既視感と不思議な懐かしさ?を感じます。
(秋田県立近代美術館に行ったときに観ていたのかもしれないと思ったり・・・)
そして、「解体新書の挿絵を担当した」となると妙に親近感がわいてきます。


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重要文化財 不忍池図
小田野直武筆 一面 江戸時代 18世紀 秋田県立近代美術館


小田野直武の《不忍池図》の完成度は高く、この展覧会の目玉作品ですが・・・12月12日までの限定展示です。
もう一度と思いますが、無理かな~
掛け軸ですが98.5×132.5cmのサイズも見ごたえがあります。

鉢植えの花を大きく近景に、細密に描かれた不忍池の景色は極めて小さく広がります。
鉢植えへの視線と、不忍池への視線は整合性がない様にもみえます。

ヨーロッパの植物図譜、ボタニカルアートの影響を指摘する向きもありますが、でも、西洋には鉢植えの花を描く習慣はないと・・・(切り花だと)

直武は武家のたしなみとして書画を学びますが(狩野派の絵師から)若いころから画力は認めれれていて、秋田蘭画以前の作品も展示されています。


平賀源内が秋田藩に招かれ、訪れたのが切っ掛けで、直武と源内の出会いがあり、源内が江戸に戻ると、直武は藩主に江戸出張を命じられます。

江戸の平賀源内周辺には、杉田玄白等の蘭学者がおり、その縁で「解体新書」の挿絵作家に抜擢されます。
江戸派遣から僅か8か月後のことです。

当時の江戸では南蘋派が流行していて、直武はその技法も学んでいます。
加えて、鎖国の日本と交易をおこなっていたオランダから入ってきた銅版画から空間表現を学び、直武独特の秋田蘭画の世界が生まれます。
東西美術の結晶!ですね。

この展覧会で、小田野直武と秋田蘭画の魅力、その世界を知ることができました。
とても良い企画展です。

小田野直武周辺の人々の作品や、後に銅版画、油彩画といった日本での新ジャンルを切り開いた司馬江漢(直武からも学んだ)の良質な作品も展示されています。

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平賀源内は人を殺めた咎で捕まり、獄死しますが、同時期に直武は秋田藩から謹慎を命じられ、源内獄死の翌年32歳の若さで亡くなります。
謹慎の理由も死亡原因も不明だそうです。

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展覧会の構成は次の通りです。

第1章 蘭画前夜

第2章 解体新書の時代~未知との遭遇~

第3章 大陸からのニューウェーブ~江戸と秋田の南蘋派~

第4章 秋田蘭画の軌跡

第5章 秋田蘭画の行方

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解体新書(部分)
杉田玄白ら訳、小田野直武画 一冊(序図) 安永3年(1774)
国立大学法人東京医科歯科大学図書館 

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鷺図
小田野直武筆 一幅 江戸時代 18世紀
歸空庵

3
蓮図
小田野直武筆、陸雨亭賛
一幅 江戸時代 18世紀
神戸市立博物館 


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重要文化財 松に唐鳥図
佐竹曙山筆 一幅
江戸時代 18世紀


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三囲図
司馬江漢 一面
天明3年(1783)
神戸市立博物館 

HPの解説。

江戸時代半ばの18世紀後半、秋田藩の若き武士たちによって西洋と東洋の美が結びついた珠玉の絵画が描かれました。「秋田藩士が中心に描いた阿蘭陀風(おらんだふう)の絵画」ゆえに現在「秋田蘭画」と呼ばれており、その中心的な描き手が、小田野直武(おだのなおたけ・1749~1780)です。本展は直武の画業を特集し、秋田蘭画の謎や魅力を探ります。
小田野直武の名を知らずとも、『解体新書(かいたいしんしょ)』の図は誰しも見たことがあるでしょう。直武は、秋田藩の角館(かくのだて)に生まれ、幼い頃より絵を得意としたといわれています。安永2年(1773)に平賀源内(ひらがげんない・1728~1779)が鉱山調査で秋田藩を来訪したことをきっかけとして江戸へ上った直武は、源内のネットワークを通じて蘭学者に出会い、安永3年(1774)に『解体新書』の挿絵を担当しました。江戸では、ヨーロッパの学術や文化を研究する蘭学がまさに勃興し、また、南蘋派(なんぴんは)という中国由来の写実的な画風が流行していました。江戸に出て7年後の安永9年(1780)に数え年32歳で亡くなるまで、直武は西洋と東洋という2つの世界に挑み、東西の美を融合させ、新しい表現を目指したのです。その画風は、第8代秋田藩主の佐竹曙山(さたけしょざん・1748~1785)や角館城代の佐竹義躬(さたけよしみ・1749~1800)らへも波及しました。主に安永年間(1772~1780)という短い制作期間ゆえに現存作品は少ないながらも、実在感のある描写、奥行きのある不思議な空間表現、プルシアンブルーの青空など、秋田蘭画は今なお斬新で驚異に満ちています。
本展では、小田野直武、佐竹曙山、佐竹義躬ら秋田蘭画の代表的な絵師を特集します。あわせて、直武に学んだとされる司馬江漢(しばこうかん・1747~1818)が描いた江戸の洋風画などもご紹介します。東京で秋田蘭画と銘打つ展覧会は、2000年に板橋区立美術館で開催された「秋田蘭画~憧憬(あこがれ)の阿蘭陀~」展以来、16年ぶりとなります。当館は、「美を結ぶ。美をひらく。」というミュージアムメッセージを活動の柱としてまいりました。江戸時代に洋の東西の美を結び、そしてひらいた直武らによる、日本絵画史上たぐいまれなる秋田蘭画の精華をご覧ください。


サントリー美術館 世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画 第1章「蘭画前夜」
InternetMuseum


サントリー美術館 世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画 第2章「解体新書の時代~未知との遭遇~」第3章「大陸からのニューウェーブ~江戸と秋田の南蘋派~」
InternetMuseum


サントリー美術館 世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画 第4章「秋田蘭画の軌跡」
InternetMuseum


サントリー美術館 世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画 第5章「秋田蘭画の行方」
InternetMuseum

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2016.12.02

観てきた展覧会備忘録(2016年11月)

ピエール・アレシンスキー展
会期 2016年10月19日(水) ~ 12月8日(木)
Bunkamuraザ・ミュージアム

ゴッホとゴーギャン展
会期 2016年10月8日(土)~12月18日(日)
東京都美術館

アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間
クリスチャン・ボルタンスキー
アニミタス-さざめく亡霊たち

同時開催です。
会期 2016年9月22日(木)〜12月25日(日)
東京都庭園美術館

開館記念展「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」
会期 2016年11月22日(火) 〜 2017年1月15日(日)
すみだ北斎美術館

色の博物誌―江戸の色材を視る・読む
会期 2016年10月22日(土) ~ 12月18日(日)
目黒区美術館

クラーナハ展―500年後の誘惑
会期 2016年10月15日(土)~2017年1月15日(日)
国立西洋美術館

・「幕末・明治を一望する-初公開所蔵資料編-」
会期 2016年11月23日(水)~12月11日(日)
聖徳記念絵画館

大仙厓展―禅の心、ここに集う (会期終了)
会期 2016年10月1日(土)~11月13日(日)
出光美術館

禅--心をかたちに  (会期終了)
会期 2016年 10月18日(火)~11月27日(日)
東京国立博物館

オランダのモダン・デザイン リートフェルト/ブルーナ/ADO (会期終了) 
2016年9月17日(土)~ 11月23日(水・祝)
東京オペラシティーアートギャラリー

モードとインテリアの20世紀 —ポワレからシャネル、サンローランまで— (会期終了) 
2016年 9月 17日(土) — 11月23日(水・祝)
パナソニック汐留ミュージアム

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