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2016.11.26

開館記念展「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」

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開館記念展「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」は、

すみだ北斎美術館で開催されています。

会期 2016年11月22日(火) 〜 2017年1月15日(日)

前期 2016年11月22日(火) 〜2016年12月18日(日)
後期 2016年12月20日(火) 〜2017年1月15日(日)

この企画展は目玉作品の「隅田川両岸景色図鑑」と墨田区コレクションで構成されています。

ピーター・モスコレクション及び楢崎重宗コレクションは次回の企画展で展示されるようです。
(すみだ北斎美術館所蔵作品は、「ピーター・モスコレクション」と「楢崎重宗コレクション及び墨田区コレクション」で構成されています。)


「隅田川両岸景色図鑑」は両国から大川橋(現在の吾妻橋)、山谷堀、木母寺辺りまでの隅田川両岸の風景と、新吉原の遊廓遊興の様子を描いた北斎の肉筆画で、烏亭 焉馬(うてい えんば)の狂文が付されています。
約7メートルの作品が一挙に公開されています。


橋を渡る群衆表現、水面に移る船の影、薄墨を使いこなした空気遠近法による遠景、隅田川の賑わいと美しい景色が描かれています。

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巻末には吉原遊興図があって・・・
盆栽と鯛のお飾りを前に寛ぐ客 、
酔いがまわったのでしょうか?盃を今にも落としそうな客に身を寄せるもう一人の客と遊女、
左の遊女二人の視線の先には、布団にくるまりキセル片手に退屈そうなの客。
薄紅色に染まった顔とその表情に新吉原での遊興の様子が伝わってきます。
(保存状態がとても良い作品です。)

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この作品は、狂文を寄せた烏亭 焉馬の依頼で制作され、制作当時は 焉馬の自宅にあたものと考えられています。

その後、焉馬のもとを離れ、明治25年までは北斎作品収集家の本間耕曹(当時の衆議院議員)が所有、さらにフランスで美術貿易商をしていた林忠正に渡りました。

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木々康子著 春画と印象派 ”春画を売った国賊”林忠正をめぐって

林がフランス撤退後、各競売を経て、2008年にロンドンで開催されたオークションを契機に、墨田区内3名の篤志家の寄付により平成27年墨田区が取得しました。


展覧会の構成は次の通りです。 
序章 北斎のイメージ
第1章 北斎」の描いたすみだ
第2章 幻の絵巻 隅田川両岸景色図鑑
第3章 名品ハイライト

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露木為一
北斎仮宅之図

再現模型の基になっている図像ですね。
江戸東京博物館にもありますが、すみだ北斎美術館常設展示室のは大きいですよ!

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筆を持った手が上下に動きます。

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富嶽三十六景 神奈川沖浪裏 天保2(1831)年頃


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桜に鷹 天保5(1834)年頃

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富嶽三十六景 山下白雨 天保2(1831)年頃

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富嶽三十六景 隅田川関谷の里 天保2(1831)年頃


HPの解説。


世界的な芸術家として評価の高い葛飾北斎【かつしかほくさい】(1760-1849)は、本所割下水【ほんじょわりげすい】(現在の墨田区北斎通り)付近で生まれ、およそ90年の生涯のほとんどを区内で過ごしながら、優れた作品を数多く残しました。
本展のタイトルには、二つの「帰還」の意味が込められています。一つ目は、約100年余りも行方知れずとなっていた幻の絵巻「隅田川両岸景色図巻【すみだがわりょうがんけしきずかん】」が、平成27年に再発見され、海外から日本へ里帰りしたことを意味します。二つ目は、世界に散逸した北斎の名品が、生誕の地すみだに再び集められ、それが北斎専門の美術館で展示される、つまり北斎が名品とともにすみだに帰ってきたことを意味しています。
これら二つの意味での「北斎の帰還」を祝い、序章「北斎のイメージ」、1章「北斎の描いたすみだ」、2章「幻の絵巻-隅田川両岸景色図巻-」、3章「名品ハイライト」、以上の4つの構成で、前後期合わせて約120点の名品を選りすぐり展示いたします。
北斎の生まれ故郷に誕生した新しい美術館の建築や展示空間で、北斎の名品の数々をご堪能いただき、その芸術世界をお楽しみいただければ幸いです。

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