ゴッホとゴーギャン展
東京都美術館で開催されています。
会期 2016年10月8日(土)~12月18日(日)
個性際立つ二人の画家、ゴッホとゴーギャン。
ともに回顧展は何度か開催され、
二人の出会いと別れも、多くのメディアを通じて知ってきました。
しかし、ゴッホとゴーギャンという二人の画家を、この様に等分に見据えた企画展は意外と初めてかもしれません。
1888年2月末、ファン・ゴッホは大都市パリの喧騒を離れ、南仏アルルに移り住みました。
10月になると、ゴーギャンがファン・ゴッホの誘いに応じて合流し、二人の共同生活が始まります。二人は、互いの技法や表現を試み、強く刺激を受け合いました。
しかし、芸術観や性格の違いから激しい議論になることも次第に増え、共同生活はわずか2カ月で破綻することとなります。
この時期に描かれた二人の作品が並べて展示されています。
ゴッホとゴーギャンがそれぞれに、最高傑作と認め合った作品です。
この2作品はこの展覧会での文字通り最大の収穫でした。
フィンセント・ファン・ゴッホ
《収穫》 1888年
ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)
ポール・ゴーギャン
《ブドウの収穫、人間の悲惨》 1888年
オードロップゴー美術館
©Ordrupgaard, CopenhagenPhoto: Anders Sune Berg
そして、二人の友情を象徴的に表しているのが、椅子を描いたゴッホとゴーギャンの作品です。
フィンセント・ファン・ゴッホ 《ゴーギャンの椅子》
1888年11月、アルル 油彩、カンヴァス
ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
©Van Gogh Museum, Amsterdam
(Vincent van Gogh Foundation)
この展覧会の最後に展示されているのが、ゴッホの死後11年後にゴーギャンが描いた《肘掛け椅子のひまわり》です。
かつて、ゴッホがゴーギャンの為に用意してくれた肘掛け椅子に、ひまわりの花が無造作に置かれています。
わざわざヨーロッパからひまわりの種をタヒチに取り寄せて・・・・描いています。
ポール・ゴーギャン《肘掛け椅子のひまわり》
1901年 油彩、カンヴァス
E.G. ビュールレ・コレクション財団
©Foundation E. G. Bührle Collection, Zurich
-------------------------
ファン・ゴッホは27歳で画家を志し、
ゴーギャンは株式仲買人として働く傍ら、画塾へ通い始め、34歳で本格的に画家への道に進みます。
ともに、バルビゾン派、印象派からの影響を受けながら前衛派の画家との付き合いから、それぞれ独特の世界観を持つ個性的な作風に変化していきます。
この展覧会は、初期作品とともに、影響を受けた画家ミレーやカミーユ・コローらバルビゾン派の作品、印象派の作品(ピサロ、モネなど)の展示に始まり(1章、2章)、以下の構成になっています。
1章 近代絵画のパイオニア誕生
2章 新しい絵画、新たな刺激と仲間との出会い
3章 ボン=タヴェンのゴーギャン、アルルのファン・ゴッホ、そして共同生活へ
4章 共同生活後のファン・ゴッホとゴーギャン
5章 タヒチのゴーギャン
フィンセント・ファン・ゴッホ
《自画像》 1887年
クレラー=ミュラー美術館
©Kröller-Müller Museum, Otterlo
フィンセント・ファン・ゴッホ
《ジョゼフ・ルーランの肖像》
1889年2-3月、アルル 油彩、カンヴァス
クレラー=ミュラー美術館
©Kröller-Müller Museum, Otterlo
ポール・ゴーギャン
《アルルの洗濯女》
1888年11月 油彩、カンヴァス
ビルバオ美術館
©Bilboko Arte Ederren Museoa-Museo de Bellas Artes de Bilbao
HPの解説。
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)とポール・ゴーギャン(1848-1903)。19世紀末に活躍し、今なお世界中の人々に愛されてやまないこの二人の画家に焦点を当てた、日本初となる展覧会を開催します。
オランダの牧師の家庭に育ったファン・ゴッホと南米ペルーで幼年期を過ごしたゴーギャンは、生い立ちや性格だけではなく、絵画表現も大きく異なります。ファン・ゴッホは現実の世界から着想を得て、力強い筆触と鮮やかな色彩による作品を生み出し、ゴーギャンは、装飾的な線と色面を用いて、目には見えない世界をも絵画に表現しようとしました。1888年、彼らは南仏アルルで約2カ月の共同生活を送ります。ともに制作し、時には激しい議論を重ねながら刺激を与え合いました。
本展は、ファン・ゴッホとゴーギャンの初期から晩年にわたる油彩画約50点を含む約60点を展示します。二人の画家の特徴を浮き彫りにし、その関係性と芸術性に光を当てます。
『ゴッホとゴーギャン展』|migle(ミグル)
| 固定リンク
コメント