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2016.11.11

大仙厓展―禅の心、ここに集う

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大仙厓展―禅の心、ここに集うは、

出光美術館で開催されています。

会期 2016年10月1日(土)~11月13日(日)

2007年に出光美術館で、
「仙崖・センガイ・SENGAI ―禅画にあそぶ―」
という企画展が開催され、その魅力に触れ、大好きになりました。

今回の展覧会は、開館50周年記念企画展の一環として・・・
仙厓作品における東西の三大コレクション、出光美術館、福岡市美術館および九州大学文学部からの名品を集めて開催されています。

「東の良寛、西の仙厓」といわれるように、どちらかというと良寛さんに馴染みがあった私が、仙厓を知る切っ掛けになったのは、出光美術館の所蔵品を観てのことでした。


嘗ては、事務机にこの作品のポストカードを置いて折に触れ眺めていました。
Photo
一円相画賛 出光美術館蔵

これくふて
茶のめ

丸い円を描くことによって悟りの境地を示すという行為。

描き終えた円相は一時の境地に過ぎず、さらなる深い悟りを求めて歩みを進めている。
円相ではなく、丸い菓子だと思ってお茶と一緒に楽しんでほしい。

仙厓作品は「とんち」の利いた、そして、含意の深さが魅力です。

円相を描いた作品は何点かあって見比べるのも良いかと

こちらは代表作
2
○△□ 出光美術館蔵

この作品の解釈には諸説があり、結論は無いのかも知れません。
△は修行途中 〇は修行完成状態 □は修行以前
という解釈の仕方もあると・・・


美濃の農家に生まれた仙厓は、地元の清泰寺や武蔵の東輝庵において、臨済宗、古月派の禅僧としての修行を積んだ後、諸国行脚の旅に出ますが、旅から戻った仙厓を待っていたのは九州西下の話でした。

仙厓は栄西禅師が建立した筑前、博多にある日本最古の禅寺、聖福寺第123世(後に125世に再任)の住持となり
伽藍の修復や弟子の育成に活躍しました。

還暦を過ぎた仙厓は後事を弟子の湛元に譲って虚白院に隠棲し、得意の書画を通して禅の教えを広めることに専心しました。

若いころの作品には、緻密に描き込まれた作品も見られますが、
Senngai
布袋画賛 出光美術館蔵

70歳代に「厓画無法」を宣言すると、ますます自由に踊る筆さばきの仙厓画に変貌していきます。

この展覧会は、数々の禅画、書、趣味で集めていた奇石、茶碗、調度などなどの展示と丁寧な解説で、仙厓の禅僧としての人生と矜持を理解することができる絶好の企画展になっています。


展覧会の構成は以下の通りです。

第1章 仙厓略伝 ― 作品でつづる生涯

第2章 仙厓の画賛 ― 道釈人物画で画風の変遷をたどる

第3章 仙厓禅画の代表作、「指月布袋」「円相」「○△□」

第4章 「厓画無法」の世界 ― この世の森羅万象を描く

第5章 筑前名所めぐり ― 友と訪ねた至福の旅をたどる

第6章 愛しき人々に向けたメッセージ

3
座禅蛙画賛 出光美術館蔵

座禅して人が佛になるならハ

すべての存在に仏性があるなら、蛙だって座禅をすれば仏になれるはず。
座禅の形にばかりこだわって、本意を理解しない弟子を戒めて・・・

6
犬図 福岡市美術館蔵(石材コレクション)

きゃふん 〰

紐で繋がる杭は抜けていて、自由なはずなのに、気付かず、犬はじっとして佇んでいる。


8
あくび布袋図  福岡市美術館蔵(石材コレクション)


7
指月布袋図 福岡市美術館蔵(石材コレクション)

4
蕪画賛 出光美術館蔵

12
釈迦降誕図 九州大学文学部コレクション(中山森彦旧蔵)

HPの解説。

笑いとユーモアを通して禅の教えをひろめたことで知られる江戸時代の禅僧・仙厓(せんがい1750-1837)。軽妙洒脱な作風を示す仙厓の作品は「禅画」の代表として、また最近では“かわいい”画としても人気を集めるようになっています。
仙厓が描いた作品や遺愛の品々は、住持をつとめた博多の聖福寺(しょうふくじ)や隠居所であった虚白院(きょはくいん)のある幻住庵(げんじゅうあん)に数多く伝わっていますが、それら以外では当館の初代館長・出光佐三が蒐集したコレクションをはじめ、仙厓ゆかりの地にある福岡市美術館コレクションや九州大学文学部コレクション(中山森彦旧蔵)などがあります。いずれのコレクションもその成立の歴史を反映した特徴のある内容を持ち、質量ともに優れ、様々な展覧会を通して広く知られてきました。
開館50周年を記念した今回の展覧会では、当館所蔵のおなじみの作品に福岡市美術館および九州大学文学部の作品もあわせて展示します。東西の三大コレクションの名品が勢揃いするのは、昭和61年(1986)に仙厓150年遠諱を記念して福岡市美術館で開催された展覧会以来、実に30年ぶりとなります。東京では初公開となる珍しい着色画「章魚(タコ)図」をはじめ、仙厓が手がけた多様な作品を通して、仙厓の表現世界をより広く、深く楽しんでいただくと共に、それらに表された禅の心にふれる機会となれば幸いです


東京 大仙厓展【出光興産】

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