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2016.11.30

銀杏並木と聖徳記念絵画館

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絵画館の概要
起工 (1919年)大正8年3月5日
竣功 (1926年)大正15年10月22日
設計 一般公募156点の1等小林正紹氏の原図を基に明治神宮造営局において修正しました。
構造
鉄筋コンクリート造り、外壁は岡山県万成産花崗石、画室を除く壁面、中央大広間は、国産大理石と一部タイルを使用しています。
規模
長さ 東西112メートル
南北34メートル
高さ 中央ドーム頂点 地上32.1メートル
両翼 地上16.7メートル

聖徳記念絵画館には子供の頃に行った記憶があるのですが、内容が思い出せません。
ということで、この時期に(黄葉の季節に)再度行ってみようかなと思って、出かけました。
企画(「幕末・明治を一望する-初公開所蔵資料編-」の会期が12月11日までということもあって)

常設展示壁画は、日本画40点、洋画40点の計80点で、丹念に解説を読みながら鑑賞していくと結構時間がかかります。

諸行事の御様子を交えて、御降誕、大政奉還、江戸城開城、西南の役辺りまでが日本画、
グラント将軍と御対話、日清、日露戦争、日韓合邦、大喪までが洋画で描かれています。
日本画、洋画の大家が描いていて、よく知られた画家の名前も多く登場します。

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常設展示の様子


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王政復古
奉納者 侯爵 松平康荘   画家 島田墨仙


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岩倉大使欧米派遣
奉納者 横浜市   画家 山口蓬春


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枢密院憲法会議
奉納者 公爵 伊藤博邦  画家 五姓田邦柳

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観菊会

(画像はパンフレットから)

加えて、壁画制作目的に準備した資料のスケッチブック、ガラス乾板写真、装束文様資料等々がそれぞれの壁画の前に展示されてます。
いかにして歴史資料を正確に表現しようと努力していたかが、よくわかります。
中央ドーム下では、関連映像が放映されています。
(12月11日まで?)

聖徳記念絵画館ついて、HPの解説から。

聖徳記念絵画館は、明治天皇・昭憲皇太后の御聖徳を永く後世に伝えるために造営された、神宮外苑のシンボルともいえる存在です。

青山通りの外苑入り口から銀杏並木越しに見る景観は、東京を代表する風景のひとつとして広く親しまれております。現在では、東京都の景観条例により、その周辺を含めた風格ある景観として守られることとなりました。

館内には、明治天皇・昭憲皇太后の御在世中の御事蹟を伝える大壁画(縦3m横2.5~2.7m)が、画題の年代順に展示されており、当時の出来事を時代を追って見ることができます。

知識を世界に求め、旧弊を退け、近代化への大きな飛躍を成し遂げた明治の時代。

その只中に居るような錯覚さえ懐くことのできるところです。

銀杏並木・・・・

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絵画館から銀杏並木を遠望。

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絵画館を背にして、噴水池から。

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噴水池、絵画館を背にして。

噴水池周辺・軟式野球場に 売店などの出店もあり、毎年賑やかな「いちょう祭り」も今年は例の事故で中止になりました。
しかし、交通規制は行われていて、外国人観光客も含め、賑わっていました。
4割程度、落葉してはいましたが・・・・

銀杏を道のを左右にして、遠近法でいう消失点に絵画館が位置するように設計されていて、まさに景色の絵画化です。

これらのイチョウは、1926年(大正15年)の明治神宮外苑創建に先立って、1923年(大正12年)に植栽されたもので、並木の総本数は雄木44本、雌木102本の合計146本です。

設計は、関東大震災後の復興事業で隅田公園や錦糸公園、山下公園などの建設も指揮した造園家、折下吉延、造営の責任者は、当時道路工学の権威であった藤井真透が務めました。


絵画館を正面にした銀杏並木→絵画館→絵画館から遠望した銀杏並木→絵画館を背にして・・・


明治神宮外苑について、HPの解説から。

明治神宮外苑は、明治天皇とその皇后、昭憲皇太后のご遺徳を永く後世に伝えるために、全国国民からの寄付金と献木、青年団による勤労奉仕により、聖徳記念絵画館を中心に、体力の向上や心身の鍛錬の場、また文化芸術の普及の拠点として、憲法記念館(現明治記念館)などの記念建造物と、陸上競技場(現国立競技場)・神宮球場・相撲場などのスポーツ施設が旧青山練兵場跡に造成され、大正15年(1926)10月に明治神宮に奉献されました。

創建から終戦までは、国の施設として管理され、その間の昭和6年には、水泳場(神宮プール)が開場しました。

戦後は宗教法人明治神宮の外苑として国の管理をはなれ独自の事業収入により諸施設の管理運営を行い現在に至っております。


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2016.11.28

アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間

アール・デコの花弁 旧朝香宮邸の室内空間は、
東京都庭園美術館で開催されています。

クリスチャン・ボルタンスキー
アニミタス-さざめく亡霊たち
と同時開催です。

会期 2016年9月22日(木・祝)–12月25日(日)

重要文化財 旧朝香邸は、全体設計を宮内省匠寮で行い、主な内装設計にはフランス人装飾美術家アンリ・ラパンが起用されました。(1933年竣工)

このアール・デコ様式を取り入れた邸宅に朝香宮家の方々は1945年まで住まわれました。
(激動の時代を・・・終戦の年まで住まわれたのですね)

1947年から1955年までは吉田茂外相・首相公邸として使われ、
1955年から1974年まで国賓・公賓の迎賓館(白金迎賓館)としての役割を果たしました。(赤坂迎賓館改装の為)

1981年に東京都の所有となり、1983年東京都庭園美術館として一般公開されました。

2014年、本館改修、新館増設完了しリニューアルオープンしました。(2013年竣工)

一階で同時開催のクリスチャン・ボルタンスキーの作品、「さざめく亡霊たち」が展示されています。
と言っても、詩の朗読が流れているだけですが・・・指向性のあるスピーカーから角度を変えて流れている。
(鑑賞客の話声で、かき消されがちでした)
二階では「影の劇場」「心臓音」が展示されています。
ボルタンスキーの作品は新館に続きます。

クリスチャン・ボルタンスキーの言う「亡霊」の意味するところを意識しながら邸内空間を見て回りました。

写真撮影可でしたので、スマホで撮ってきました。
(拙ブログで、同じような写真を、度々載せています、ご容赦ください)

写真撮影について・・・・
本展期間中は本館(旧朝香宮邸)・新館で写真撮影ができます。
写真撮影が可能な日は下記の通りです。

本館:月曜日-金曜日(祝日9/22、10/10、11/3、11/23、12/23をのぞく)
新館:会期中全日撮影できます


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旧朝香宮邸正面


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正面玄関


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正面玄関扉(ルネ・ラリックのガラスレリーフ)
大広間側から・・・

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大広間

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大客室
シャンデリア(ルネ・ラリック)
中央奥に、この邸宅(美術館)を象徴する香水塔(アンリ・ラパンのデザイン)
通常は大客室からの扉は閉められています。

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大食堂

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大食堂
暖炉の上の壁画(アンリ・ラパン)
シャンデリア (ルネ・ラリック)


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大食堂 テーブル・椅子 (レイモン・シュブ)
植物文様壁面(レオン・ブランショ)
エッチィング・ガラス(マックス・アングラン)


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第一階段


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姫宮居間(2階)

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書斎(2階)

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殿下居間(2階)


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妃殿下居間(2階)


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庭園側からの旧朝香宮邸
(左奥が新館)

HPの解説

目を凝らすとアール・デコの花弁はなびらが見えてくる

建築の魅力は建物の外観だけでなく、その室内空間を含めてトータルに見たとき、存分に味わうことができます。旧朝香宮邸の室内空間を見ると、キュビスムからの影響である直線的・幾何学的・立体的なデザインのシャンデリアや天井、古代神話を連想させるような正面玄関のガラス扉など、様々なスタイルがアール・デコに昇華され、空間に取り入れられていることが分かります。また、室内の随所に見られる花のモチーフが空間に華やぎを与えています。さらに、空間の細部に目を向けると、多様な素材が用いられていることにも気づくでしょう。磁器製の香水塔と漆塗りの黒柱、部屋ごとに異なる種類の大理石、ガラス、タイル、木材。形態や装飾文様だけでなく、こうした素材がアール・デコ特有の室内空間を生み出しているのです。そして、私たちはそれらのディテールを通じて、この建物に込められた人々の思いにふれることができます。
本展では、これまでに修復・復刻してきた創建時の調度品および、当館所蔵のアール・デコの時代に活躍した作家の作品・資料を展示し、旧朝香宮邸の室内空間の再現を試みるとともに、ディテールからみた建物の魅力をご紹介します。

旧朝香宮邸とは・沿革
本館の各室について


拙ブログ
東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)の照明

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2016.11.26

開館記念展「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」

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開館記念展「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」は、

すみだ北斎美術館で開催されています。

会期 2016年11月22日(火) 〜 2017年1月15日(日)

前期 2016年11月22日(火) 〜2016年12月18日(日)
後期 2016年12月20日(火) 〜2017年1月15日(日)

この企画展は目玉作品の「隅田川両岸景色図鑑」と墨田区コレクションで構成されています。

ピーター・モスコレクション及び楢崎重宗コレクションは次回の企画展で展示されるようです。
(すみだ北斎美術館所蔵作品は、「ピーター・モスコレクション」と「楢崎重宗コレクション及び墨田区コレクション」で構成されています。)


「隅田川両岸景色図鑑」は両国から大川橋(現在の吾妻橋)、山谷堀、木母寺辺りまでの隅田川両岸の風景と、新吉原の遊廓遊興の様子を描いた北斎の肉筆画で、烏亭 焉馬(うてい えんば)の狂文が付されています。
約7メートルの作品が一挙に公開されています。


橋を渡る群衆表現、水面に移る船の影、薄墨を使いこなした空気遠近法による遠景、隅田川の賑わいと美しい景色が描かれています。

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巻末には吉原遊興図があって・・・
盆栽と鯛のお飾りを前に寛ぐ客 、
酔いがまわったのでしょうか?盃を今にも落としそうな客に身を寄せるもう一人の客と遊女、
左の遊女二人の視線の先には、布団にくるまりキセル片手に退屈そうなの客。
薄紅色に染まった顔とその表情に新吉原での遊興の様子が伝わってきます。
(保存状態がとても良い作品です。)

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この作品は、狂文を寄せた烏亭 焉馬の依頼で制作され、制作当時は 焉馬の自宅にあたものと考えられています。

その後、焉馬のもとを離れ、明治25年までは北斎作品収集家の本間耕曹(当時の衆議院議員)が所有、さらにフランスで美術貿易商をしていた林忠正に渡りました。

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木々康子著 春画と印象派 ”春画を売った国賊”林忠正をめぐって

林がフランス撤退後、各競売を経て、2008年にロンドンで開催されたオークションを契機に、墨田区内3名の篤志家の寄付により平成27年墨田区が取得しました。


展覧会の構成は次の通りです。 
序章 北斎のイメージ
第1章 北斎」の描いたすみだ
第2章 幻の絵巻 隅田川両岸景色図鑑
第3章 名品ハイライト

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露木為一
北斎仮宅之図

再現模型の基になっている図像ですね。
江戸東京博物館にもありますが、すみだ北斎美術館常設展示室のは大きいですよ!

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筆を持った手が上下に動きます。

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富嶽三十六景 神奈川沖浪裏 天保2(1831)年頃


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桜に鷹 天保5(1834)年頃

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富嶽三十六景 山下白雨 天保2(1831)年頃

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富嶽三十六景 隅田川関谷の里 天保2(1831)年頃


HPの解説。


世界的な芸術家として評価の高い葛飾北斎【かつしかほくさい】(1760-1849)は、本所割下水【ほんじょわりげすい】(現在の墨田区北斎通り)付近で生まれ、およそ90年の生涯のほとんどを区内で過ごしながら、優れた作品を数多く残しました。
本展のタイトルには、二つの「帰還」の意味が込められています。一つ目は、約100年余りも行方知れずとなっていた幻の絵巻「隅田川両岸景色図巻【すみだがわりょうがんけしきずかん】」が、平成27年に再発見され、海外から日本へ里帰りしたことを意味します。二つ目は、世界に散逸した北斎の名品が、生誕の地すみだに再び集められ、それが北斎専門の美術館で展示される、つまり北斎が名品とともにすみだに帰ってきたことを意味しています。
これら二つの意味での「北斎の帰還」を祝い、序章「北斎のイメージ」、1章「北斎の描いたすみだ」、2章「幻の絵巻-隅田川両岸景色図巻-」、3章「名品ハイライト」、以上の4つの構成で、前後期合わせて約120点の名品を選りすぐり展示いたします。
北斎の生まれ故郷に誕生した新しい美術館の建築や展示空間で、北斎の名品の数々をご堪能いただき、その芸術世界をお楽しみいただければ幸いです。

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2016.11.23

すみだ北斎美術館開館

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手前の緑町公園から撮影。
裏手には、総武線が走っています。

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公園右端から撮影。


開館初日に行ってきました。

すみだ北斎美術館が、北斎生誕の地とされる墨田区亀沢に11月22日開館しました。
構想から約30年、財政問題、東日本大震災で先送りとなるなどの紆余曲折を経て実現しました。

所蔵作品は、約1800点、そのうち約600点が米国の浮世絵研究家ピーター・モース氏から約1億4500万円で譲り受けました。

ピーター・モース氏は大森貝塚を発見した動物学者エドワード・モース氏の子孫で、コレクションにはオークション会社などから引き合いがありましたが、エドワード・モース氏のご遺族が墨田区の構想に理解を示し、譲渡することにしたそうです。

そして、楢崎宗重博士から譲り受けた美術品、北斎館資料取得基金で買い入れた作品が加わります。

建築設計は妹島和世氏(プリカー賞受賞など受賞歴豊富)によるもので、メタリックな外観と、白を基調とした内装は明るく、清潔感を感じさせます。

美術館一階には「総合案内、チケット売り場・・・そしてミュージアムショップ」
通路を隔てて「図書室」対面に「講座室」があります。

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ミュージアムショップとチケット売り場に並ぶ人たち。

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図書室(室内撮影禁止です)

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講座室

図書室は、無料で利用できます。
本美術館の図録や、他の美術館の図録、関連図書が置いてありました。
所蔵品検索用PCが2台、閲覧コーナー2席です。
(席が空いていればラッキー・・・です。)

作品展示室は、3、4階にありエレベーター2基で行き来することになります。
(たしか11人定員(1基)だったと思います)

常設展示室は4階にあります。
北斎の画業、作品を時系列で展示しています。
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タッチパネル解説が充実していて、好印象を持ちました。
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常設展示室では、一部の作品を除いて撮影可でした。

企画展示室は、4階と3階に分かれていて、螺旋階段か、エレベーターで行き来することになります。
螺旋階段は狭い分、急な感じがして、お年寄りにはきついかも知れません。

現在開館記念展「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」 が開催されています。

展示室のはほかに、
4階には展望ラウンジが、
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4階展望ラウンジの窓からはスカイツリーが見えます。

3階には多目的スペース「ホワイエ」があり、トイレもありますが、男女それぞれの個室一つのみです。
使用中で、待ちきれない時は、エレベータで、一階か地下一階に降りるしかありません。

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ホワイエには記念撮影コーナーもありました。

3階から2階、1階に降りる階段は表面上はありません!
(職員用や非常用階段はあるはずですが・・・)

そうそう、地下一階にはトイレ、授乳室、ロッカーがありますが、ロッカーは小振りで、30人分あります。
少ない気もしますが、美術館の規模からすると致し方ないあかな~
(1階から地下1階へは螺旋階段があります)


展示内容については、保存状態の良い作品も多く、ほぼ満足しました。

ご近所の江戸東京美術館にはよく行くので、これからは、ペアで鑑賞となることも多くなると思いますが・・・・・

常設展示室の展示替えの有無・頻度、企画展の内容に、しばらくは注目ですね。


当面、入場券購入の長い列に並ぶことになるかもしれません。
チケット持参ならば、並ばなくても済みますが、混雑がひどいと、「入場制限あり」になるかもしれませんね?

妹島和世氏設計の建築作品を観に行くことも含めて、一度は行ってみる価値ありだと思います。

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開館時間
9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)

休館日
毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始(2016年12月26日~2017年1月1日)
上記以外にも臨時休館する場合がございます。
観覧料金
常設展
一般  400円(団体320円)
高校生、大学生、専門学校生、65歳以上 300円(団体240円)
※高校生・大学生・専門学校生の方は生徒手帳・学生証を、65歳以上の方は年齢を証明するもの(健康保険証・運転免許証など)のご提示をお願いいたします。
観覧券は1階チケットうりばでお買い求めください。
団体(学校団体以外)でのご来館の方は団体のみなさまへをご確認ください。
学校団体でのご来館の方は、学校の先生方へをご確認ください。
常設展観覧料が無料となる方
未就学児童、小学生、中学生
墨田区内の高等学校に在学している高校生及び引率者が教育課程に基づいて観覧する場合(事前にご連絡をください。区外の高等学校に在学している高校生及び引率者は有料となります。)
身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方及びその付添いの方(付添いの方は当該手帳をお持ちの方1名につき1名まで。入館の際は障害者手帳等のご提示をお願いいたします。)
幼稚園児、小・中学生及び保育所に入所する児童の引率者が教育上または保育上の目的のために観覧する場合(事前にご連絡をください。)
企画展
展覧会ごとに異なります。詳しくは、各企画展のページをご覧ください。

アクセス
・都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分
・JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分
・都営バス・墨田区内循環バス「都営両国駅前」より徒歩5分
・墨田区内循環バス「すみだ北斎美術館前(津軽家上屋敷跡)停留所」からすぐ
   ※平成28年11月21日までは「緑町公園(津軽家上屋敷跡)停留所」
所在地
〒130-0014 東京都墨田区亀沢2丁目7番2号
TEL:03-6658-8931(代表)

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2016.11.21

紅葉の薬師池公園2016

秋の青空のもと紅葉、黄葉に彩られた公園でのんびり散歩・・・楽しいです。
銀杏の葉は半ば散っていますが、紅葉は12月始め頃までは楽しめそうです。
(もつかな〜)

カワセミ狙いのバズーカ集団(超望遠カメラ)と、にわかカメラマン(私も含めて)が写真撮りまくりです。
「私は、写真なんか撮らないわ、この景色をのんびり楽しみたいから」という方も・・
分かります!


薬師池公園は、1982年に「新東京百景」、1998年には「東京都指定名勝」に指定。さらに、2007年に「日本の歴史公園100選」に選定された公園です。


数カ所に分けて広い駐車場がありますが、好天の休日には空き待ちの車列が出来る日もあります。
平日は空いている、と思います。
平日は無料ですが、
土・日・公休日は有料です。(1時間30分までは無料)
町田駅からのバスの便もありますが、30分前後かかるようです。
詳細は町田市のHPでご確認下さい。


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デジカメで撮った動画です。

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2016.11.19

紅葉の高尾山2016

高尾山に行ってきました。
4年ぶりだと思います。

近頃の高尾山の混雑は、尋常でなくなってきている・・・と思っていて、足が遠のいていました。

楽しかったです。
矢張り、大変混んでいましたが・・・・・

11月1日~30日まで、
高尾山もみじまつりが開催されています。


小仏城山から高尾山頂に戻って、14時頃に下山を開始したのですが、階段は渋滞、お団子売り場には行列、そして下りケーブルカー、リフト共に長蛇の列が出来ていました。
40分待ちです。(平日なのに)

人気イベント恒例?の「最後尾」と書いた看板を持った係員が案内していました。

勿論、徒歩で下山しました。

今回の登山コースは、
一号路→薬王院→山頂→奥高尾(紅葉台→一丁平→小仏城山)の往復です。
歩数が25805歩、距離17.8㎞でした。(iPhoneヘルスケアの記録)

脚力の衰えにショック、良い警告になりました。

ぽかぽか陽気だったので、40分程寝転んでのんびりしました。(城山山頂で)
奥高尾は混雑なしです。(平日は・・)

登山コース、ケーブルカー情報などは、こちらで確認できます。


この時期は、
お天気の平日に、食料持って朝早く電車で行って、徒歩で登山後15時頃には麓に戻る・・・がお勧めです。
平日であれば、往きはケーブルカー利用もいいですね!
往復切符は買わないほうがいいかも?

車で行く方には、薬王院自動車祈祷殿の駐車場がお勧めです。
駐車料金500円で、格安です!今回私は車で行きました。

8時頃到着しましたが、駐車スペースの9割程度は既にうまっていました。(平日なのに)



高尾山薬王院についてはこちらで


そうそう、奥高尾登山道でキツツキを見つけました!
こういう楽しみもありますね。

紅葉のみが目的であれば、わざわざや山には行きません、紅葉の山に登ることに意味があるんですよね。


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ケーブルカー清滝駅

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一号路

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ケーブルカー高尾山駅近くの見晴台

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仏舎利塔

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仏舎利塔周辺

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薬王院山門

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高尾山頂

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山頂見晴台(薄雲で、富士山は見えませんでした)


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奥高尾登山道

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紅葉台


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一丁平


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小仏城山


ケーブルカー清滝駅→一号路→薬王院→高尾山頂→奥高尾(紅葉台→一丁平→城山→一丁平→紅葉台)→高尾山頂→薬王院→ケーブルカー高尾山駅近くの展望台。

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2016.11.17

没後110年 カリエール展

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没後110年 カリエール展は、

東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
で開催されています。

会期 2016年9月10日(土)~11月20日(日)


19世紀フランス象徴主義を代表する画家、母と子、家族を多く描いた画家カリエール、人間の内面をセピア色で表現したその作品は、見た夢の表象にも思えました。

カリエールとロダンとは親友で、「オーギュスト・ロダンの肖像」というタイトルの油彩画も展示されています。

ロダンは、カリエールのデスマスクをとっていますね。
デスマスクを過去の展覧会で見た記憶があるのですが・・・定かではありません。

この展覧会は、出展作品の殆どが個人所蔵作品で、強烈なインパクトを受けるような作品はありませんでしたが・・矢張りカリエールの個性は光ります!

展覧会の構成。
第Ⅰ章:画家カリエールの誕生から最初の国家買い上げまで(初期‐1885年頃)

第Ⅱ章:母性、子どもたち、室内(1885年頃‐1890年頃)

第Ⅲ章:サロンからの独立、著名人の肖像(1890年頃‐1900年頃)

第Ⅳ章:晩年(1900年頃‐1905年)


農村を思わせる主題はミレーの、淡い光の表現はターナーの影響と・・・・
1878年、カリエールは妻とともに6か月ロンドンに滞在している。
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《羊飼いと羊の群れ》 1877~80年頃
油彩、キャンヴァス 新潟市美術館


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《子どもを抱くエリーズ》 1885~87年頃
油彩、キャンヴァス 個人蔵


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《ポール・ガリマール夫人の肖像》 1889年
油彩、キャンヴァス 個人蔵

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《インク壷の前の子ども、マルグリット》 1890~92年頃
油彩、キャンヴァス 個人蔵


カリエール49歳の頃の自画像。
カリエールの為に開かれた宴会の献立表に版画で掲載された。
この作品の隣には「オーギュスト・ロダンの肖像」が展示されている。
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《宴会の自画像》 1898年頃
油彩、キャンヴァス 個人蔵

1904年の英仏協商の調印前年、イギリス議員のパリ訪問を記念する作品の注文を受けて描かれた。
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《平和の接吻》 1903年
油彩、キャンヴァス 個人蔵


HPの解説。

セピア色の画面に神秘的に浮かびあがる人物や母子像で知られる、19世紀フランス象徴主義を代表する画家、ウジェーヌ・カリエール(1849年生~1906年没)の展覧会です。没後110年に開催される本展覧会では、カリエールのひ孫でカリエールのカタログ・レゾネ(全作品集)の編集者である美術史家ヴェロニク・ボネ=ミラン氏の全面的な協力のもと、個人所蔵作品および油彩画を中心に、カリエールの作品約80点をご紹介いたします。カリエールの代表的な主題である母子像や身の回りで繰り広げられる日常の光景はじめ、妻や子どもたち、著名人らの肖像、カリエールの作品では珍しい風景など、様々な主題の作品を展示し、親密な光景を幻想的に描いたカリエールの真髄に迫ります。

没後110年 カリエール展 第1章
InternetMuseum

没後110年 カリエール展 第2章
InternetMuseum

没後110年 カリエール展 第3章
InternetMuseum


没後110年 カリエール展 第4章
InternetMuseum

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2016.11.14

臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念 特別展「禅―心をかたちに―」

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臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念 特別展「禅―心をかたちに―」は、

東京国立博物館 平成館で開催されています。

期間  2016年10月18日(火) ~2016年11月27日(日)
前期展示=10月18日(火)~11月6日(日)
後期展示=11月8日(火)~11月27日(日)


仏教というと、浄土経系の教えに馴染みがあるのが一般的かもしれません。
この展覧会は、禅宗の総体を概観するのには、とても貴重な機会になると思います。

前・後期に分けて、膨大な資料、作品が展示されています。
時間をたっぷりとっての観賞がお勧めです。


達磨がインドから中国に渡来し(6世紀)、その教えは二祖 慧可を経て、 六祖 慧能へと伝えられました。
唐代末期(9世紀)には数多くの高僧が現れ、中国的な禅思想が確立します。

中でも臨済義玄(?-867)を宗祖とする臨済宗は、その下にさまざまな門派が次々と興起し、今日の臨済宗十四派および黄檗宗につながります。

日本においては、鎌倉時代から南北朝時代にかけて、日中の僧の交流も頻繁に行われ、中国からの禅宗導入がきわめて積極的に行われました。

禅宗は、武家のみならず天皇家や貴族の帰依を受け、臨済宗を中心に興隆し、南北朝時代の末頃(14世紀末)には現在の臨済宗の本山十四カ寺がすべて出そろいます。

室町時代、南禅寺を頂点とする五山派が全盛期を迎え、日本の社会に禅宗が定着します。

応仁の乱による、幕府の弱体化は五山派の衰退をもたらし、それ以後、五山派に属さない大徳寺派や妙心寺派が勢力を拡大します。

戦国時代の武将たちは、禅僧に帰依して、様々な場面での繋がりを益々深めていきます。

江戸時代に入ると、新たに中国から臨済宗の一派である黄檗宗が伝わり、日本の禅宗界に大きな影響をもたらしました。

この展覧会には、
中国禅宗の歴代の、そして臨済・黄檗十五派の開祖像、墨蹟、
武将と、禅僧たちの肖像、墨蹟、禅画、
禅宗特有の作風を示す仏像や仏画、さらに茶の湯、茶器、工芸品、水墨画、障壁画など、
国宝22件、重要文化材102件を含む禅宗にまつわる膨大な資料、作品が終結しています。

展覧会の構成は以下の通り。
第一章 禅宗の成立
第二章 臨済禅の導入と展開
第三章 戦国武将と近世の高僧
第四章 禅の仏たち
第五章 禅文化の広がり

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国宝 慧可断臂図
室町時代・明応5年(1496)
雪舟等楊筆
愛知・齊年寺蔵

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臨済義玄像 一休宗純賛 伝曾我蛇足筆 
室町時代 15世紀 京都・真珠庵蔵

Zenn2
無準師範像 自賛 
中国・南宋時代 嘉煕2年(1238) 京都・東福寺蔵


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織田信長像 狩野永徳筆
安土桃山時代 天正12年(1584) 京都・大徳寺蔵


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達磨像(どふ見ても) 白隠慧鶴筆 
江戸時代 18世紀 東京・永青文庫蔵

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国宝 油滴天目
建窯 中国 南宋時代・12~13世紀
大阪市立東洋陶磁美術館蔵


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重要文化財 呂洞賓図(部分) 雪村周継筆
室町時代・16世紀 奈良・大和文華館蔵

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大仙院方丈障壁画のうち 四季花鳥図
狩野元信筆 永正十年(1513) 京都・大仙院蔵 

本展、特設サイトの解説。

臨済宗(りんざいしゅう)・黄檗宗(おうばくしゅう)の源流に位置する高僧、臨済義玄(りんざいぎげん)禅師の1150年遠諱と、日本臨済宗中興の祖、白隠慧鶴(はくいんえかく)禅師の250年遠諱を記念する展覧会「禅−心をかたちに−」を京都と東京で開催します。
約千五百年前、達磨(だるま)大師によってインドから中国へ伝えられたといわれる禅は、臨済義玄禅師によって広がり、やがて我が国に伝えられ、中世には武家をはじめ、天皇家や公家の帰依を受け、日本の社会と文化に大きな影響を及ぼしました。江戸時代に入ると、白隠慧鶴禅師をはじめとする高僧らにより民衆への普及が進み、現代においても禅は多くの人々の心の支えとなっています。欧米では生活スタイルに「ZEN」の思想を取り入れている人々もいます。
特定の経典を持たない禅宗では、その教えは師の心から弟子の心へと連綿と受け継がれてきました。言葉や文字によらず(=不立文字・ふりゅうもんじ)、経典によることもなく(=教外別伝・きょうげべつでん)、師と弟子との直接的な関わりのなかで自分自身の心そのものをつかみ出し(=直指人心・じきしにんしん)、自分の心のなかの仏性を見出して(=見性成仏・けんしょうじょうぶつ)、直感的な悟りの境地へ至るというものです。理想化された超越的存在としての仏像よりも、歴史上実在した生身の祖師・先師たちの人間味あふれる姿を「かたち」として遺し伝えてきたのです。
本展では、臨済・黄檗両宗十五派の全面的な協力のもと、各本山や末寺、塔頭(たっちゅう=歴代住持の墓をまつる子院、寺院内寺院)に伝わる高僧の肖像や墨蹟、仏像、絵画、工芸など多彩な名宝の数々を一堂に集め、我が国における禅僧たちの足跡や禅宗の教えが日本文化に対し果たしてきた役割を紹介します。禅の真髄に触れる貴重な機会となるでしょう。


IM動画ニュース 「禅 ─ 心をかたちに ─」後期展がスタート



第一章「禅宗の成立」 東京国立博物館
InternetMuseum


第二章「臨済禅の導入と展開」 東京国立博物館
InternetMuseum


第三章「戦国武将と近世の高僧」 東京国立博物館
InternetMuseum


第四章「禅の仏たち」 東京国立博物館
InternetMuseum


第五章「禅文化の広がり」 東京国立博物館
InternetMuseum



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続きを読む "臨済禅師1150年・白隠禅師250年遠諱記念 特別展「禅―心をかたちに―」"

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2016.11.11

大仙厓展―禅の心、ここに集う

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大仙厓展―禅の心、ここに集うは、

出光美術館で開催されています。

会期 2016年10月1日(土)~11月13日(日)

2007年に出光美術館で、
「仙崖・センガイ・SENGAI ―禅画にあそぶ―」
という企画展が開催され、その魅力に触れ、大好きになりました。

今回の展覧会は、開館50周年記念企画展の一環として・・・
仙厓作品における東西の三大コレクション、出光美術館、福岡市美術館および九州大学文学部からの名品を集めて開催されています。

「東の良寛、西の仙厓」といわれるように、どちらかというと良寛さんに馴染みがあった私が、仙厓を知る切っ掛けになったのは、出光美術館の所蔵品を観てのことでした。


嘗ては、事務机にこの作品のポストカードを置いて折に触れ眺めていました。
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一円相画賛 出光美術館蔵

これくふて
茶のめ

丸い円を描くことによって悟りの境地を示すという行為。

描き終えた円相は一時の境地に過ぎず、さらなる深い悟りを求めて歩みを進めている。
円相ではなく、丸い菓子だと思ってお茶と一緒に楽しんでほしい。

仙厓作品は「とんち」の利いた、そして、含意の深さが魅力です。

円相を描いた作品は何点かあって見比べるのも良いかと

こちらは代表作
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○△□ 出光美術館蔵

この作品の解釈には諸説があり、結論は無いのかも知れません。
△は修行途中 〇は修行完成状態 □は修行以前
という解釈の仕方もあると・・・


美濃の農家に生まれた仙厓は、地元の清泰寺や武蔵の東輝庵において、臨済宗、古月派の禅僧としての修行を積んだ後、諸国行脚の旅に出ますが、旅から戻った仙厓を待っていたのは九州西下の話でした。

仙厓は栄西禅師が建立した筑前、博多にある日本最古の禅寺、聖福寺第123世(後に125世に再任)の住持となり
伽藍の修復や弟子の育成に活躍しました。

還暦を過ぎた仙厓は後事を弟子の湛元に譲って虚白院に隠棲し、得意の書画を通して禅の教えを広めることに専心しました。

若いころの作品には、緻密に描き込まれた作品も見られますが、
Senngai
布袋画賛 出光美術館蔵

70歳代に「厓画無法」を宣言すると、ますます自由に踊る筆さばきの仙厓画に変貌していきます。

この展覧会は、数々の禅画、書、趣味で集めていた奇石、茶碗、調度などなどの展示と丁寧な解説で、仙厓の禅僧としての人生と矜持を理解することができる絶好の企画展になっています。


展覧会の構成は以下の通りです。

第1章 仙厓略伝 ― 作品でつづる生涯

第2章 仙厓の画賛 ― 道釈人物画で画風の変遷をたどる

第3章 仙厓禅画の代表作、「指月布袋」「円相」「○△□」

第4章 「厓画無法」の世界 ― この世の森羅万象を描く

第5章 筑前名所めぐり ― 友と訪ねた至福の旅をたどる

第6章 愛しき人々に向けたメッセージ

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座禅蛙画賛 出光美術館蔵

座禅して人が佛になるならハ

すべての存在に仏性があるなら、蛙だって座禅をすれば仏になれるはず。
座禅の形にばかりこだわって、本意を理解しない弟子を戒めて・・・

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犬図 福岡市美術館蔵(石材コレクション)

きゃふん 〰

紐で繋がる杭は抜けていて、自由なはずなのに、気付かず、犬はじっとして佇んでいる。


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あくび布袋図  福岡市美術館蔵(石材コレクション)


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指月布袋図 福岡市美術館蔵(石材コレクション)

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蕪画賛 出光美術館蔵

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釈迦降誕図 九州大学文学部コレクション(中山森彦旧蔵)

HPの解説。

笑いとユーモアを通して禅の教えをひろめたことで知られる江戸時代の禅僧・仙厓(せんがい1750-1837)。軽妙洒脱な作風を示す仙厓の作品は「禅画」の代表として、また最近では“かわいい”画としても人気を集めるようになっています。
仙厓が描いた作品や遺愛の品々は、住持をつとめた博多の聖福寺(しょうふくじ)や隠居所であった虚白院(きょはくいん)のある幻住庵(げんじゅうあん)に数多く伝わっていますが、それら以外では当館の初代館長・出光佐三が蒐集したコレクションをはじめ、仙厓ゆかりの地にある福岡市美術館コレクションや九州大学文学部コレクション(中山森彦旧蔵)などがあります。いずれのコレクションもその成立の歴史を反映した特徴のある内容を持ち、質量ともに優れ、様々な展覧会を通して広く知られてきました。
開館50周年を記念した今回の展覧会では、当館所蔵のおなじみの作品に福岡市美術館および九州大学文学部の作品もあわせて展示します。東西の三大コレクションの名品が勢揃いするのは、昭和61年(1986)に仙厓150年遠諱を記念して福岡市美術館で開催された展覧会以来、実に30年ぶりとなります。東京では初公開となる珍しい着色画「章魚(タコ)図」をはじめ、仙厓が手がけた多様な作品を通して、仙厓の表現世界をより広く、深く楽しんでいただくと共に、それらに表された禅の心にふれる機会となれば幸いです


東京 大仙厓展【出光興産】

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2016.11.07

ゴッホとゴーギャン展

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ゴッホとゴーギャン展は、

東京都美術館で開催されています。

会期 2016年10月8日(土)~12月18日(日)

個性際立つ二人の画家、ゴッホとゴーギャン。
ともに回顧展は何度か開催され、
二人の出会いと別れも、多くのメディアを通じて知ってきました。
しかし、ゴッホとゴーギャンという二人の画家を、この様に等分に見据えた企画展は意外と初めてかもしれません。

1888年2月末、ファン・ゴッホは大都市パリの喧騒を離れ、南仏アルルに移り住みました。
10月になると、ゴーギャンがファン・ゴッホの誘いに応じて合流し、二人の共同生活が始まります。二人は、互いの技法や表現を試み、強く刺激を受け合いました。
しかし、芸術観や性格の違いから激しい議論になることも次第に増え、共同生活はわずか2カ月で破綻することとなります。

この時期に描かれた二人の作品が並べて展示されています。
ゴッホとゴーギャンがそれぞれに、最高傑作と認め合った作品です。
この2作品はこの展覧会での文字通り最大の収穫でした。

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フィンセント・ファン・ゴッホ
《収穫》 1888年
ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)


6
ポール・ゴーギャン
《ブドウの収穫、人間の悲惨》 1888年
オードロップゴー美術館
©Ordrupgaard, CopenhagenPhoto: Anders Sune Berg


そして、二人の友情を象徴的に表しているのが、椅子を描いたゴッホとゴーギャンの作品です。

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フィンセント・ファン・ゴッホ 《ゴーギャンの椅子》
1888年11月、アルル 油彩、カンヴァス
ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)
©Van Gogh Museum, Amsterdam
(Vincent van Gogh Foundation)

この展覧会の最後に展示されているのが、ゴッホの死後11年後にゴーギャンが描いた《肘掛け椅子のひまわり》です。
かつて、ゴッホがゴーギャンの為に用意してくれた肘掛け椅子に、ひまわりの花が無造作に置かれています。
わざわざヨーロッパからひまわりの種をタヒチに取り寄せて・・・・描いています。
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ポール・ゴーギャン《肘掛け椅子のひまわり》
1901年 油彩、カンヴァス
E.G. ビュールレ・コレクション財団
©Foundation E. G. Bührle Collection, Zurich

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ファン・ゴッホは27歳で画家を志し、
ゴーギャンは株式仲買人として働く傍ら、画塾へ通い始め、34歳で本格的に画家への道に進みます。
ともに、バルビゾン派、印象派からの影響を受けながら前衛派の画家との付き合いから、それぞれ独特の世界観を持つ個性的な作風に変化していきます。

この展覧会は、初期作品とともに、影響を受けた画家ミレーやカミーユ・コローらバルビゾン派の作品、印象派の作品(ピサロ、モネなど)の展示に始まり(1章、2章)、以下の構成になっています。

1章 近代絵画のパイオニア誕生
2章 新しい絵画、新たな刺激と仲間との出会い
3章 ボン=タヴェンのゴーギャン、アルルのファン・ゴッホ、そして共同生活へ
4章 共同生活後のファン・ゴッホとゴーギャン
5章 タヒチのゴーギャン


3
フィンセント・ファン・ゴッホ
《自画像》 1887年
クレラー=ミュラー美術館
©Kröller-Müller Museum, Otterlo


5
フィンセント・ファン・ゴッホ
《ジョゼフ・ルーランの肖像》
1889年2-3月、アルル 油彩、カンヴァス
クレラー=ミュラー美術館
©Kröller-Müller Museum, Otterlo

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ポール・ゴーギャン
《アルルの洗濯女》
1888年11月 油彩、カンヴァス
ビルバオ美術館
©Bilboko Arte Ederren Museoa-Museo de Bellas Artes de Bilbao


HPの解説。

フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)とポール・ゴーギャン(1848-1903)。19世紀末に活躍し、今なお世界中の人々に愛されてやまないこの二人の画家に焦点を当てた、日本初となる展覧会を開催します。
オランダの牧師の家庭に育ったファン・ゴッホと南米ペルーで幼年期を過ごしたゴーギャンは、生い立ちや性格だけではなく、絵画表現も大きく異なります。ファン・ゴッホは現実の世界から着想を得て、力強い筆触と鮮やかな色彩による作品を生み出し、ゴーギャンは、装飾的な線と色面を用いて、目には見えない世界をも絵画に表現しようとしました。1888年、彼らは南仏アルルで約2カ月の共同生活を送ります。ともに制作し、時には激しい議論を重ねながら刺激を与え合いました。
本展は、ファン・ゴッホとゴーギャンの初期から晩年にわたる油彩画約50点を含む約60点を展示します。二人の画家の特徴を浮き彫りにし、その関係性と芸術性に光を当てます。



『ゴッホとゴーギャン展』|migle(ミグル)

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2016.11.04

観てきた展覧会備忘録(2016年10月)

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特別展「平安の秘仏―滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち」
会期 2016年9月13日(火) ~ 12月11日(日)
東京国立博物館 本館 特別5室


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トーマス・ルフ展
会期 2016年8月30日(火)~11月13日(日)
東京国立近代美術館


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八木重吉 さいわいの詩人(うたびと)展
会期 2016年10月22日(土)~12月25日(日)
町田市民文学館 ことばらんど


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松島 瑞巌寺と伊達政宗展
会期 2016年9月10日(土)~11月13日(日)
三井記念美術館で開催されています。


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デイヴィッド・ホックニー版画展
会期 2016年10月1日(土)〜11月23日(水)
町田市立国際版画美術館


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ダリ展
会期 2016年9月14日(水)~12月12日(月)
国立新美術館


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日本の自然を世界に開いたシーボルト
会期 9月13日(火)~12月4日(日)
国立科学博物館の日本館1階 企画展示室

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―夜を彩る清けき光

会期 2016年10月8日(土)~11月20日(日)
松濤美術館

GUSTAVEくん by HIGUCHI YUKO
2016年10月7日(金)-11月20日(日)
POLA MUSEUM ANNEX


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六本木アートナイト(会期終了)
会期 2016年10月21(金)〜10月23日(日)

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高島屋資料館所蔵 日本美術と高島屋(会期終了)
会期 2016年10月12日(水)~10月24日(月)
日本橋高島屋

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エッシャー展(会期終了)
会期 2016年9月11日(火) ~ 10月10日(日)
そごう美術館



そばにいる工芸
(会期終了)
会期 2016年9月6日(火)〜10月25日(火)
資生堂ギャラリー


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2016.11.02

日本の自然を世界に開いたシーボルト 展

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日本の自然を世界に開いたシーボルトは、

国立科学博物館の日本館1階 企画展示室で開催されています。

会期 9月13日(火)~12月4日(日)

自然科学者としてのシーボルトを紹介する展覧会ですね。

シーボルトには「日本植物誌」が残されており、植物学者でもありました。
また、日本の鉱物にも興味を示していて、「日本鉱物誌」の準備をしていたことが分かっています。
(助手に集めさせた標本をもとに・・・)
動物、海藻などの標本も集めて調査、研究を行っています。

「シーボルトミミズ」など、学名に「シーボルト」が付く生物も多くあります。
「和名を学名にしたときのスペル間違え、そもそも標本の取り違いもあり、原則的に修正はできない。」
という・・・そんな展示解説のコーナーもあります。

シーボルトの学者としての多様性、執念は凄いですね!

シーボルト及びその関係者が収集した自然史標本等を展示することで、日本の自然や動植物を世界に紹介したシーボルトの貢献について紹介します。(HPから)


展示構成は以下の通りです。
(解説は、チラシのコピーで横着 しました。写真撮影可です(動画は不可)スマホで撮りました)
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シーボルトの生い立ちと時代背景
1

シーボルトの植物コレクション
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植物学者としてのシーボルト
3
3

日本の植物でヨーロッパの庭を変えたシーボルト
海藻もコレクションしたシーボルト
4
7


シーボルトと幻の日本鉱物誌
5
6


動物学におけるシーボルトの素養
6
8


シーボルト動物コレクションの行方
7
9

未完に終わったファウナ・ヤポニカ第六編
8
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