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2016.09.29

木々との対話──再生をめぐる5つの風景

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開館90周年記念展
木々との対話──再生をめぐる5つの風景

東京都美術館で開催されています。

会期 2016年7月26日(火)~10月2日(日)

HPから


「再生」をキーワードに、永遠と瞬間、生と死というアンビバレントな要素を複雑に包含する作品で構成する展覧会です。木の素材を活かした大規模なインスタレーションや彫刻により、現代日本を代表する作家たちの世界を体感していただくものです。
出品作家:國安孝昌、須田悦弘、田窪恭治、土屋仁応、舟越桂

舟越桂展示室以外は撮影可です。
スマホで撮りました。

國安孝昌
天井高10メートルを超える都美展示室空間を生かした巨大な作品。
丸太と陶ブロックを編みこむように積み上げたこの作品を観て、
先ず思ったことは、制作過程・・・それにしても凄いインパクト!
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《静かに行く人は、遠くに行く》 2016年 陶ブロック、木

須田悦弘
インスタレーションとして楽しむ作品、今回も作品を探して都美内を探し回ることになります。
本物にしか見えないほど精緻に彫られた草花、その美しさと、展示の意外性、人気作家ですよね。
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《バラ》2016年 木彫、彩色

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《ユリ》2016年 木彫、彩色


田窪恭治
廃材の上に金箔を貼るアッサンブラージュのシリーズの作品。
このシリーズで田窪は、命を終えかけた廃材というものの価値を転換させて、尊く、高貴なオブジェへと再生させています。
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土屋仁応
実在の動物や、神話や伝説の生き物を仏像彫刻の技法を取り入れて彫刻し、独自の技法による着色を施して作品にしています。
心和む展示空間になっています。
この子犬、可愛い〜
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子犬 2011年 楠、水晶、彩色

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森 2012年 檜、楠、水晶、彩色


舟越桂
舟越桂というと代表作「スフィンクスシリーズ」 ですが・・・
チョットこの展示空間は味気ない、数年前に東京都庭園美術館で開催された作品展が良かった。
アールデコ様式の室内に展示されたスフィンクスは不思議な魅力を漂わせていた。
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《森の奥の水のほとり》2009年


HPの解説

1926(大正15)年、上野公園に開館した東京都美術館は、このたび開館90周年を記念し、「木々との対話──再生をめぐる5つの風景」を開催いたします。本展覧会は現代作家5名──國安孝昌、須田悦弘、田窪恭治、土屋仁応、舟越桂──の作品により、木という素材による表現の奥深さを体感いただこうとするものです。
命ある存在として、人々の暮らしに深く関わる木に、私たちは古来より親しんできました。木は希望の象徴でもあります。3.11から5年を経た今年、本展は「木と再生」をキーワードに、多様な表現が並びます。
木材と陶ブロックで、生命力溢れる巨大なインスタレーションを手がける國安。本物と見まがうほどの精緻な植物の彫刻によるインスタレーションで、空間を一新させる須田。廃材に金箔を貼るシリーズの旧作とともに、野外でのイチョウを使ったインスタレーションに挑む田窪。動物や幻獣の姿により幻想的な世界を展開する土屋。そして肖像彫刻や「スフィンクス・シリーズ」など異形の人物像により、彫刻表現の新境地を開拓し続ける舟越。5名の作家による全く様相の異なる「5つの風景」には、木という素材ならではの深遠なる象徴性が存在していることを感じとっていただけることでしょう。

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2016.09.28

海のハンター展 ―恵み豊かな地球の未来

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海のハンター展 ―恵み豊かな地球の未来―
国立科学博物館で開催されています。

会期 2016年7月8日(金)~10月2日(日)


Hannta

国立科学博物館はお勧めの施設です。
常設展も含めると一日居ても見切れない、飽きない博物館です。
企画展は、いつも混んでいて、老若男女、家族連れで賑わっています。
殆どの企画展が写真撮影可で・・・今回はスマホで撮影しました。
上手く撮れず・・・修業が足らん!


海に暮らす生物たちの世界は、今この瞬間も“食うか・食われるか”を繰り広げています。

脊椎動物は顎をもったことで、より大きな獲物を食べることができるようになりました。

太古の海では、顎のない脊椎動物から顎のある脊椎動物へ、そして巨大化していきました。
「古生代」「中生代」「新生代」と海のハンターの進化の歴史をたどることからこの展覧会は始まります。(第1章)


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ミツバヤツメの頭部拡⼤模型(現生)
(所蔵:国⽴科学博物館)


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写真上が、タラソメドン全⾝⾻格(所蔵:三重県総合博物館)
下が、ショニサウルス頭⾻(所蔵:北九州市⽴⾃然史・歴史博物館)、


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カルカロドン・メガロドン世界最⼤級の復元模型(新第三紀中新世、約1000万年前)
(史上最大、最強のサメ!)


次のコーナーでは、大海原の食物連鎖の頂点に立つ海のハンターを、「深海」「極域」「外洋」「浅海」の4つの生息域に分けて展示しています。(第2章)

そして、この展覧会の目玉である全長3.2mの「ホホジロザメ」成魚の液浸標本が展示されています。
標本の制作過程の動画も放映されています。
(他の展示にも沢山の解説動画があり、理解を助けてくれます)

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ホホジロザメ(所蔵:国⽴科学博物館)

NIKKEI
「海のハンター展」の舞台裏 標本ジョーズができるまで

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サメはなぜ人を襲うのか?


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シロクマ
ペンギン
ミナミゾウアザラシ
(所蔵:国⽴科学博物館)

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第3章では、海のハンターのハンティングテクニックが紹介されています。
如何に、身を守るかも含めて、生きるための(生き残るための)個体の変化、理にかなった機能には驚きと、不思議さが交錯します。
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“吸い付き、瞬時にえぐりとる” ダルマザメ
“しなる尾鰭で獲物を斬る” ハチワレ
“海底に開く大きな口” キアンコウ
“二段構えの顎” ウツボ
“フグのようなアンコウ” ミドリフサアンコウ
“粘液大王” ヌタウナギ など
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最後は、人も海のハンターなんですよ、ということで、「クロマグロの完全養殖」やニホンウナギに関する話題等々を例に挙げて、海からの恵みを持続的に活用していくためにはどうすればよいのか?これからの海と人との共生を考えます。(第4章)

展覧会の構成は以下の通りです。
第一章 太古の海のプレデター
古生代
中生代
新生代

第二章 大海原のハンター
深海
極域
外洋
浅海

第三章 海のハンターたちのテクニック

第四章 人も海のハンター

HPの解説

私たちの生活圏を取り囲む海。今この瞬間にもそこに暮らす生物たちは“食うか・食われるか”を繰り広げています。捕食者(以下「ハンター」)にとって、効率的に「狩り」を行う手段は、生態系の中で生き抜くために大変重要です。それは生物が生きていくために必要な「エネルギー獲得の手段」にほかならないからです。 海のハンターたちは、サメ類やクジラ類など巨大なものから、体長数cmほどのカエルアンコウ類といった小さなものまで、とても巧みに狩りをします。彼らの姿や行動は多くの人々の興味を惹きつけてやみません。 本展では、海のハンターが生きるために必要な「捕食」に注目します。なかでも「顎」や「歯」の進化にスポットを当て、海のハンターの形や大きさ、ハンティングのテクニックなど多様な姿を紹介します。


最大の見所は、日本初公開となる、全長3.2mのオスのホホジロザメ成魚の全身液浸標本です。このホホジロザメは2014年8月末に沖縄県本部町近海で漁の延縄にかかって死んでいた個体です。地元漁師の方から研究推進のために沖縄美ら島財団に提供されたものを、同財団の特別協力により国立科学博物館の研究用の標本として作製しました。これまで研究用に作製されたホホジロザメ成魚の全身液浸標本は国内外でも例がありません。


内臓や筋肉など生物の形をしっかりと保存し、間近で本物の巨体をじっくりと観察できる貴重な機会となることから、サメ類の形態比較や生態を含む研究の進展に寄与するものと期待されています。一方で国立科学博物館は、生物多様性の保全のため、日本近海に生息する魚類を研究し、その成果の証拠となる標本とともに、人類の財産として継承してゆくことを使命と考えています。

特に大型で希少種のサメ類の標本を収集することは、研究促進の意味からも大変意義のあることです。


このほか、様々な海域に生きるハンターや、太古の海に繁栄したハンターの姿を、液浸標本や骨格標本、剥製、化石、復元模型など162点の展示標本に加え、ハンティングの様子を捉えた迫力ある映像を通じて紹介します。クロマグロやニホンウナギなど水産資源の未来を考える展示を交え、人と海との共存についても探ります。


本展が多くの方にとって、多彩な生物が生息する海の素晴らしさに触れ、生物の命をつなぐ営みについて理解を深めるきっかけとなれば幸いです。


InternetMuseum
IM動画ニュース 国立科学博物館「海のハンター展」

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2016.09.26

開館50周年を記念特別展「山種コレクション名品選」 「浮世絵 六大絵師の競演―春信・清長・歌麿・写楽・北斎・広重―」

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開館50周年を記念特別展「山種コレクション名品選」
「浮世絵 六大絵師の競演―春信・清長・歌麿・写楽・北斎・広重―」

山種美術館で開催されています。


会期 2016年8月27日(土)~9月29日(木)

展示作品は多くありませんが、保存状態、発色が良い優品ばかりです。
また、解説が丁寧で勉強になります。
紅絵、漆絵、錦絵、彫、摺り(バレンの使い方による効果)当時の風俗、まで解説しています。
印象派と浮世絵も・・・
じっくり・・・時間をとってがお勧めです。

広重の「東海道五十三次」は何十回と見たような気がしますが、そのたびに発見があって楽しいです。

こんな事は常識なのかもしれませんが?
「そうなんだ・・・・」とまた一つ覚えました。
初摺りに近いものには、ベロ藍の雲(グラデーションが美しい)が摺られているそうです。

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歌川広重(初代)《東海道五十三次之内 日本橋・朝の景 》1833-38(天保4-7)年頃 大判錦絵

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下で肩車をしているのは男性です。
(鈴木春信は大好きなのですが・・・・思い違いをしていました。)
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鈴木春信《梅の枝折り》1767-68(明和4-5)年頃 中判錦絵


展示構成は以下の通りで、2章では小林古径の「菖蒲」他4点の近・現代日本画家の作品をを展示。
第 1 章 山種コレクションの浮世絵
第 2 章 山種美術館と近代・現代の日本画家


HPの解説

当館の浮世絵コレクションは、総点数90点程度と決して大規模ではありませんが、鈴木春信から鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重まで、誰もが知る六大絵師の名品が多数含まれており、保存状態も良いことから、専門家の間で高く評価されています。中でも、写楽については、《二代目嵐龍蔵の金貸石部金吉》をはじめとする個性的な役者大首絵を3点所蔵していますが、所蔵規模からすれば割合としては非常に高く、厳選されたコレクションであることを象徴しています。また、広重の代表作である保永堂版《東海道五拾三次》は、その多くが初摺りというだけでなく、かつて画帖に 収められていた際の扉の題字も含まれており、数ある現存作品の中でも極めて貴重な作例です。本展ではこの《東海道五拾三次》全56枚を揃いで一堂に公開いたします。

浮世絵は本来、庶民のために生まれたものであり、誰もが親しみやすいという性質を持っています。また、海外でも人気が高く、世界各地にコレクションが存在していることから、グローバルな価値を備えた芸術であるともいえるでしょう。国境や時代を超え、私たちを魅了し続ける浮世絵の真髄を、当館の粒揃いの浮世絵作品の数々とともにご堪能ください。さらに、50周年にちなみ、東山魁夷や加山又造ら、当館と縁の深い近代・現代の日本画家の作品も特別に展示します。

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葛飾北斎《富嶽三十六景 凱風快晴 》1830(文政13)年頃 大判錦絵


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喜多川歌麿《青桜七小町 鶴屋内 篠原》1794-95(寛政6-7)年頃 大判錦絵


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風俗東之錦 武家の若殿と乳母、侍女二人 1784(天明 4)年頃 大判錦絵

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歌川広重(初代)《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》 1857(安政 4)年 大判錦絵

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東洲斎写楽《八代目森田勘弥の駕篭舁鴬の次郎作》 1794(寛政 6)年 大判錦絵


多くの美術館で、撮影可の場所(作品)を設けるようになってきました。
今回の企画でもこの2点が撮影可(条件付き)でした。
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2016.09.20

赤坂氷川祭2016

東京ミッドタウンのサントリー美術館で「江戸琳派の旗手 鈴木基一展」を観て、赤坂氷川神社に向かいました。
江戸情緒満喫です。

「新調の神輿と猿山車」のお披露目巡行が、氷川神社を出発して、サカス、乃木坂経由、ミッドタウンに到着するまでを追いました。
次の日は、宮神輿巡行を短い間ですが見学してきました。(一ツ木通り、サカス近辺) 

諸国御祭礼番付図によれば、江戸で一番大きい祭礼は、山王権現・神田明神の「天下祭」「御用祭」、赤坂氷川神社の祭礼はその二社に次ぐ江戸(江都)で三番手の規模であったそうです。

動画に入れておきましたが・・・、山車の人形が「せり出す」カラクリを有するのは、将軍の上覧に供するために、江戸城の門を入るときの工夫であるといわれています。(結果としては赤坂氷川神社の祭礼では江戸城に入ることはなかったそうです。)
そんな関連から? 将軍吉宗公(松平健さん)が、赤坂サカスから東京ミッドタウンまで、巡行に参加していました。

現実は、電線や街路樹に掛からない様に、人形を、頻繁に上げ下げしていました・・・・

新調神輿は美しく、立派でした!

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出発を待つ 新調 宮神輿

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新調 猿山車

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猩々山車(左)  日本武尊山車(右)

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お年寄りと子供に握手したり触れたり。子供は大泣き・・・

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乃木坂からミッドタウンに向かう・・・・

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もう直ぐミッドタウン

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新調 宮神輿巡行

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以下の動画はデジカメで撮ったものを編集しています。
時系列が前後している部分もあります。



赤坂氷川神社境内と巡行出発の様子です。



赤坂サカスから、吉宗公(松平健さん)、赤坂芸者の方々が東京ミッドタウンまで参加です。
途中、日本武尊山車、猩々山車のお披露目がありました。


新調神輿を各町会の担ぎ手が代わるがわる繋ぎます。
一ツ木通りから赤坂サカスまでを見学しました。

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2016.09.17

開館50周年記念 東洋・日本陶磁の至宝― 豊麗なる美の競演

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開館50周年記念
東洋・日本陶磁の至宝― 豊麗なる美の競演

出光美術館で開催されています。

会期 2016年7月30日(土)~9月25日(日)

今年の4月から始まった開館50周年記念展は来年3月まで続きます。
美の祝典Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに続いて、東洋・日本陶磁の至宝― 豊麗なる美の競演展に行ってきました。

はじめに展示室1で、中国、朝鮮、日本の陶磁器を展示し、その歴史的背景と共通性、独自性を検証します。
朝鮮王朝の拡張高い、落ち着いた佇まいの作品が良かった。

展示室2では、宋代を境にして前半と後半にわけて中国陶磁の流れを展観します。
後半に展示されている、精緻に描かれた華やかな絵柄の小品磁器が良かった。

展示室3は、日本の陶磁器を弥生土器から桃山時代、江戸へと続く展示です。
そして、中国、朝鮮、日本の茶の湯の名品。
陶磁器からみた東西交流・・・、最後が、近代陶芸板谷波山です。
弥生時代の素焼きの壷、志野、鍋島、柿右衛門の作品が素晴らしい、乾山の作品も沢山展示されています。

「陶磁の至宝」というタイトル通り秀品ばかりが並んでいて、出光コレクションの充実振りに、あらためて感心するばかりです。
金襴手は、ちょっと苦手・・・・・

展示構成は以下の通り。

展示室1 東洋・日本の陶磁器、「美」の共演--共通性と独自性
展示室2 中国陶磁の流れ
展に室3 日本陶磁の流れ
展示室3 茶の湯のうつわ
展示室3 陶磁器から見た東西交流
展示室3 近代陶芸への道--板谷波山

HPの解説

出光美術館開館50周年を記念して、当館が誇る数々の陶磁器コレクションの中から、中国・朝鮮・日本陶磁の選りすぐりの作品を展観します。
中国・朝鮮・日本のやきものには共通する様式美や影響関係が存在する一方で、それぞれが独自性にあふれたやきもの文化をうみだしています。さらにこれらの東洋のやきものは、近世以降、西洋の王侯貴族をはじめ、世界中の人々を魅了してきました。当館は、開館当初よりその魅力・造形美や歴史について注目し、数々の優品の蒐集に尽力してまいりました。また、展覧会の企画開催を通じてご紹介するとともに、美術研究、国内外における研究活動なども行ってまいりました。
本展では唐三彩、景徳鎮の青花、高麗青磁、中世古窯の陶器、桃山陶や肥前磁器、京焼そして板谷波山に至るまで、それらの優品に表されている、それぞれのうつわの造形性と、これらデザインに見られる「豪華」で「華麗」な世界、さらには「繊細」で「清浄」な世界といった、陶磁器から放たれる多様な美の空間と魅力をご紹介いたします。


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金襴手孔雀文共蓋仙盞瓶 中国 明・嘉靖時代 
景徳鎮窯 重要美術品 

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粉青沙器象嵌牡丹文共蓋四耳壺 朝鮮  朝鮮王朝時代

胴部に描かれた唐草文は、象嵌によるもの。
粉青沙器の中でも雄渾さに満ちた大作。

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青花臙脂紅龍文瓶一対 中国 清 景徳鎮窯

清朝宮廷の装飾調度品として、きわめて完成度の高い作品。
まさに景徳鎮磁器焼造技術の頂点を極めたものであるということができる。

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絵唐津丸十文茶碗 桃山時代
出光美術館の古唐津コレクションは、この一碗と佐三との出逢いから始まる。

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色絵花鳥文八角共蓋壺 柿右衛門 江戸時代前期 重要文化財

欧州の王侯貴族を虜にした柿右衛門の面目躍如たる大作である。

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銹絵染付金銀白彩松波文蓋物 尾形乾山  江戸時代中期 
重要文化財 

金銀彩は俵屋宗達の金銀泥絵を思わせる手法で、乾山焼には珍しい。内面には白化粧をして、染付と金彩で打ち寄せる波を描く。素地は洲浜(すはま)をあらわしたものともいわれ、松風の音や砂浜の手ざわりを想起させ、聴覚や触覚に訴える魅力も大きい。

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2016.09.13

特別展「古代ギリシャ―時空を超えた旅―」

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特別展「古代ギリシャ―時空を超えた旅―」
東京国立博物館
平成館 特別展示室で開催されています。

会期 2016年6月21日(火) ~ 2016年9月19日(月)

展覧会公式サイトはこちら

今年はリオオリンピックが開催され、意識したかどうかは別として、オリンピック開催期間と重なる企画展です。
第六章では古代オリンピックを取り上げています。
古代オリンピック競技の再現動画が放映されているのですが、この動画過去に観た記憶があります。
ひょっとして、使いまわし・・・・?


地球温暖化による海面上昇で形作られたエーゲ海の島々、紀元前7000年にギリシャ人が住み着いた新石器時代から始まり・・・・女王クレオパトラがローマに敗れた後、地中海がローマの内海にななるまで。(紀元前323年〜)
以下の展示構成で展開されています。

第1章 古代ギリシャ世界のはじまり(前6800年紀~前1100年頃)
第2章 ミノス文明(前3200年頃~前1100年頃)
第3章 ミュケナイ文明(前1600年頃~前1100年頃)
第4章 幾何学様式~アルカイック時代(前900年頃~前480年)
第5章 クラシック時代(前480年~前323年)
第6章 古代オリンピック
第7章 マケドニア王国
第8章 ヘレニズムとローマ(前323年~)

(征服者のローマ人は、ギリシャの美術や文化の魅力に捕らわれました。ローマ時代の肖像彫刻、モザイクなどに
ギリシャ美術が生き続けます。)
展示最終コーナーの彫刻の頭部、額には十字架の痕跡が残っていて印象的でした。

何しろ、膨大な資料が展示されているので、頭の中を整理しながら、丹念に見ていくと半日はかかりそうです。
時間の余裕を持って行かないと、消化不良で帰ることになりますよ!

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スペドス型女性像  前2800~前2300年
キュクラデス博物館

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牛頭型リュトン  前1450年頃
イラクリオン考古学博物館


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漁夫のフレスコ画  前17世紀
テラ先史博物館

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クーロス像  前520年頃
アテネ国立考古学博物館


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赤像式パナテナイア小型アンフォラ ボクシング  前500年頃
アテネ国立考古学博物館
 

HPの解説

ギリシャの彫刻、フレスコ画、金属製品などを展示します。新石器時代からヘレニズム時代までの各時代、キュクラデス諸島、クレタ島ほかエーゲ海の島々や、アテネ、スパルタ、マケドニアなど、ギリシャ各地に花開いた美術を訪ねる旅に出発しましょう。ギリシャ本国の作品のみによるものとしては、かつてない大規模なギリシャ美術展です。


InternetMuseumから


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2016.09.12

VR×VR 仁清が作った茶壷

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VR×VR仁清が作った茶壷
東京国立博物館東洋館地下一階のミュージアムシアターで開催されています。

会期 2016年9月7日~9月25日

VRゴーグルの数量の関係なのでしょうか?
上演各回20名限定、さらに13歳以上でないと鑑賞できません。


上演まもなく、VRゴーグルの使用法説明があります。

そして、スクリーン上、六窓庵の前にガイドの女性が登場します。
(六窓庵はトーハクの庭園にある茶室で、命名は茶室にある6つの窓に由来しています)

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茶室の内部に案内され、VR(バーチャルリアリティー)で360°の視界が開けます。

そして、VRで仁清が作った茶壷
重要文化財「色絵月梅図茶壺」が床の間に置かれます。

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重要文化財「色絵月梅図茶壺」 野々村仁清作 江戸時代 17世紀

「色絵月梅図茶壺」の絵付けなどの解説が始まり、
銀泥が変色して黒くなった月、白梅をVRで、いぶし銀に再生させます。

ここからがクライマックスです。
なんと、壺の内部に入り込んで、
壺の内部から、絵付けされた「金色の雲、紅梅、いぶし銀の白梅、満月、それらを星屑の夜空が包む景色」を見せてくれます。


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この視点の新鮮さは、想像を超えるものでした。

ミュージアムシアターって、お勧めなんだけどな~

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2016.09.05

「没後100年 カリエール展」が開催されます。

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「没後100年 カリエール展」東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で今週末から開催されます。セピア調の神秘的な作品が魅力ですね・・楽しみ!

ロダンとの親交が深く、10年前に「ロダンとカリエール」展が西美で開催されましたね、まとめて見られるのは、その時以来かな〜


「没後100年 カリエール展」
会 期  2016年9月10日(土)~11月20日(日)
休館日  月曜日(ただし9月19日、10月10日は開館、翌火曜日も開館)
会 場  東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
     (〒160-8338新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン日本興亜本社ビル42階)
     http://www.sjnk-museum.org/
開館時間 午前10時-午後6時、金曜日は午後8時まで(入館は閉館30分前まで)
観覧料  一般:1,300円(1,100円)、大・高校生:800円(650円)※学生証をご提示ください。
     シルバー<65歳以上>:1,100円 ※年齢のわかる物をご提示ください。
     中学生以下:無料 ※生徒手帳をご提示ください
     障害者:無料
     ※障害者手帳(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者手帳)のご提示により
      ご本人とその介護者(1名まで)は無料。ただし、被爆者健康手帳をお持ちの方は、
ご本人のみ無料。
※( )内は20名以上の団体料金 および前売り料金
※10月1日(土)はお客様感謝デー(無料観覧日)

主 催  東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館、朝日新聞社
協 賛  損保ジャパン日本興亜
後 援  在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
協 力  日本航空
企画協力 IS ART INC.

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2016.09.04

メアリー・カサット展

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メアリー・カサット展
横浜美術館で開催されています。

会期 2016年6月25日(土)~9月11日(日)


かつて、都内の百貨店で開催されて以来35年ぶりの回顧展だそうです。

カサットの作品は 、印象派の展覧会では、度々観ることがあり、それなりの印象は持っていました。

この展覧会では、印象派に至る以前の作品、そして浮世絵に衝撃を受けて取り組んだ版画作品も紹介されていて、カサットの違った一面を感じ取ることができました。

勿論、エドガー・ドガと出会いで、印象派展に参加するようになってからのカサットの代表作品も多数展示されています。

女性画家という存在自体が困難な時代をともに活躍したベルト・モリゾなどの女性画家の作品・・・、カサットとのエピソードも含めてエドガー・ドガの作品、所蔵していた屏風、多色刷り銅版画制作の切っ掛けとなった浮世絵なども併せて展示されています。


展示構成は以下の通りです。
第一章 画家としての出発
第二章 印象派との出会い
第三章 新しい表現、新しい女性

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《桟敷席にて》 1878年 油彩、カンヴァス
ボストン美術館蔵

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《眠たい子どもを沐浴させる母親》 1880年 油彩、カンヴァス
ロサンゼルス郡立美術館蔵


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《母の愛撫》 1896年頃 油彩、カンヴァス
フィラデルフィア美術館蔵

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《浜辺で遊ぶ子供たち》 1884年 油彩、カンヴァス 
ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵

HPの解説記事。


 印象派を代表する米国人女性画家、メアリー・カサット(1844-1926)の回顧展を35年ぶりに日本で開催いたします。米国ペンシルヴェニア州ピッツバーグ郊外に生まれたカサットは、画家を志して21歳のときにパリに渡りました。古典絵画の研究から出発し、新しい絵画表現を模索するなかでエドガー・ドガと出会い、印象派展に参加するようになります。そして、軽やかな筆づかいと明るい色彩で身近な女性たちの日常を描き、独自の画風を確立しました。特に温かい眼差しで捉えた母子の姿は多くの共感を呼び、「母子像の画家」と呼ばれるようになりました。女性の職業画家がまだ少なかった時代に、さまざまな困難を乗り越えて画家となる意志を貫いたカサットの生き方は、現代の我々にも勇気を与えてくれます。

 本展では、カサットの油彩画やパステル画、版画の代表作に加え、エドガー・ドガ、ベルト・モリゾなど交流のあった画家たちの作品、画家が愛した日本の浮世絵版画や屏風絵なども併せて合計約100点を展観し、初期から晩年にいたる画業の全貌を紹介します。愛にあふれるカサット芸術の真髄をどうぞお楽しみください。

以下は、InternetMuseumからの引用(動画)です。


第1章「画家としての出発」 メアリー・カサット展



第2章「印象派との出会い」 メアリー・カサット展



第3章「新しい表現、新しい女性」 メアリー・カサット展



10点組の多色刷り銅版画 メアリー・カサット展

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2016.09.02

世界鉄道博2016

世界鉄道博2016
パシフィコ横浜展示室Aで開催されています。
会期 2016/07/16(土)~2016/09/11(日)

原鉄道模型博物館が開館する前に、そごう横浜店催事場で、開館事前イベントがあり、観覧しました。
その経験から、世界鉄道博2016は楽しみにしていました。
と言いながら、原鉄道模型博物館の前は度々通っていたのですが、まだ入館したことがありません。
何時か・・・?行くつもりです。

鉄道模型で遊んだことのない人って・・・あまりいないのではないでしょうか?

見ているだけでなく、自分で車両を運行させてみたくなってしまいました。
楽しかったですよ!

以下、会場構成です。

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鉄道博2016入口


ZONE1 世界の鉄道模型コレクション
原信太郎氏(1919~2014)が生涯をかけて収集した鉄道車両模型のコレクションの中から、未公開の貴重な「HOゲージ」約1000車両を一堂に展示。
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ZONE2 世界の鉄道物語
ヨーロッパ、アメリカ、日本の順に鉄道史を追いながら各国、地域ごとのOゲージの車両を走らせています。
20分ごとに車両を交換して、走らせています。
(Oゲージ鉄道模型です)
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ZONE3 シャングリ・ラ鉄道
幅約30メートル、奥行約10メートル、走行距離約650メートルの壮大な鉄道模型レイアウトに各国の鉄道模型車両が縦横無尽に走ります。
高速車両と、ゆっくりの貨物車両が一緒に走るさまも楽しいです。
(HOゲージ鉄道模型です)
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ZONE4 鉄道ワンダーランド
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ミニトレイン(有料)
ドクターイエローにも乗れちゃう!


Photo
ぬり絵したオリジナルの列車が大型スクリーン上を走り回ります!(有料)
(最近は、どこに行っても、これありますね(塗り絵をスキャンすると動き出す!))


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機関車トーマスと記念撮影も!

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特設ショップ。


デジカメで撮った動画を編集しています。

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2016.09.01

観てきた展覧会備忘録(2016年8月)

レンブラント リ・クリエイト展2016
-時代を超えてよみがえる"光と影"-

会期 2016年7月30日(土)~9月4日(日)
そごう美術館


海のハンター展 ―恵み豊かな地球の未来―
会期 2016年7月8日(金)~10月2日(日)
国立科学博物館


From Life―写真に生命を吹き込んだ女性
ジュリア・マーガレット・キャメロン展

会期 2016年7月2日(土)~9月19日(月)
三菱一号館美術館

山岡鉄舟生誕180年記念
山岡鉄舟と江戸無血開城

会期 2016年08月11日(木)〜9月25日(日)
江戸東京博物館 常設展示室特設コーナー


<伊藤晴雨 幽霊画展>

会期 2016年08月11日(木)〜9月25日(日)
江戸東京博物館 常設展示室特設コーナー

開館90周年記念展
木々との対話──再生をめぐる5つの風景
会期 2016年7月26日(火)~10月2日(日)
東京都美術館


聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画

会期 2016年7月9日(土)~9月19日(月・祝)
国立西洋美術館

ル・コルビュジエと無限成長美術館―その理念を知ろう―
会期 2016年7月9日(土)~9月19日(月・祝)
国立西洋美術館


江戸の博物学  (会期終了)
〜もっと知りたい!自然の不思議〜
会期 2016年6月25日〜8月7日
静嘉堂美術館


チャリティーイベント、旅への憧れ、愛しの風景-マルケ、魁夷、広重の見た世界- (会期終了)
会期 2016年7月27日 (水) ~ 8月18日 (木)
ホテルオークラ東京アスコットホール


平成28年度 第2回企画展 「ようこそ地獄、たのしい地獄」  (会期終了)
会期 2016年7月16日(土)~8月27日(土)
国立公文書館

大妖怪展 土偶から妖怪ウォッチまで  (会期終了)
会期 2016年07月05日(火)〜8月28日(日)
江戸東京博物館 企画展示室

アルバレス・ブラボ写真展 ―メキシコ、静かなる光と時 (会期終了)
会期 2016年7月2日~8月28日
世田谷美術館


岩合光昭写真展 ふるさとのねこ  (会期終了)
会期 2016年8月10日(水)〜22日(月)
そごう横浜店 8階=催会場


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