アルバレス・ブラボ写真展 ―メキシコ、静かなる光と時
アルバレス・ブラボ写真展
―メキシコ、静かなる光と時は
世田谷美術館で開催されています。
会期 2016年7月2日~8月28日
アルバレス・ブラボは、革命の動乱を経たメキシコが新たな社会建設に向かう1920年代。
モダニズムの写真表現を試み、注目されました。
そして、パリを撮ったウジェーヌ・アジェの作品にも感銘を受けた、アルバレス・ブラボは、モダン都市に変貌しようとするメキシコシティを観察し、社会の一隅に息づく風景を撮ります。
この展覧会は1920年代から1990年代まで、時系列で、アルバレス・ブラボ作品の変遷を展示しています。
アルバレス・ブラボ作品の魅力は・・・・
「構図の匠さ」とハイライト部分、陰影のバリエーションの多様性にあるように思いました。
「静かなる光と時」という表現はうまいですね!
取材は街の俯瞰であったり、石壁に揺らぐ木の葉の影だったり・・・
遺跡であったり、メキシコの原野、原住民を撮った作品等々。
共通するのは、考え抜かれた構図と光の(陰影の)表現です。
晩年の作品には、自宅の庭の干し物を撮ったりしているものもあるのですが、見事な作品に仕上がっています。
政治的、メッセージを誇示するような作品は殆どありませんが、肖像写真には、ディエゴ・リベラ、フリーダ・カーロ、アンドレ・ブルトンやレフ・トロツキーが登場して、ファシズム体制を逃れた亡命芸術家や知識人を数多く受け入れた、当時の(1930-40年代の)メキシコ社会の状勢を偲ばせます。
鳥を見る少女 1931年
身をかがめた男たち 1934年
フリーダ・カーロ 1937年頃
世間は何と狭いことか 1942年
リュウゼツランの上の窓 1974-76年
シリーズ〈内なる庭〉より 1995-97年
展示構成は次の通りです。
第1部 革命後のメキシコ――1920-30年代
第1章 モダニズムへ
第2章 ざわめく街の一隅で
第2部 写真家の眼――1930-40年代
第1章 見えるもの/見えないもの
第2章 生と死のあいだ
第3章 時代の肖像
第3部 原野へ/路上へ――1940-60年代
第1章 原野の歴史
第2章 路上の小さなドラマ
第4部 静かなる光と時――1970-90年代
第1章 あまねく降る光
第2章 写真家の庭
HPの解説。
20世紀写真史に大きな足跡を残したメキシコの巨匠、マヌエル・アルバレス・ブラボ(1902-2002)。革命の動乱を経て、壁画運動や前衛芸術が盛り上がりを見せた1920年代末に頭角を現し、最晩年の1990年代末に至るまで、一貫して独自の静けさと詩情をたたえた写真を撮り続けました。本展は作家遺族が運営するアーカイヴより全面的な協力を得て、192点のモノクロプリントと多数の資料を、全4部・9章構成で年代順に展覧します。約70年におよぶアルバレス・ブラボの仕事の魅力を紹介する、国内最大規模の本格的な回顧展です。
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