生誕150年記念 中村屋サロンの芸術家 中村不折の魅力展
中村屋サロン美術館で開催されています。
会期 1916年4月30日~7月24日
中村不折は夏目漱石の「吾輩は猫である」の挿絵を担当しました。
漱石は「大に売行上の御景気を助け候」と礼を述べているそうです。
(時代背景は推察がつきますね。)
1901年渡仏し絵画の基礎を学び帰国。
後に、日清戦争の従軍絵師としての中国にわたり、書を学びます。
これらの経験の中から、多彩な表現が生まれてきます。
油彩画、素描、日本画、書、本の装丁を手掛け、本展で展示されています。
私は、デッサン力の確かさに、感心してしまいました。
素晴らしいです。
(新宿中村屋のロゴは中村不折の書)
最晩年の作品《猗器の誡》は中村不折の作品制作への思いをよく表しているようです。
猗器は水の容器で、空の状態では傾き、適量ならばますぐに、満杯になると転倒する。
孔子が人間の高慢な心に例えて弟子たちに諭した、という故事に取材しているそうです。
展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 パリ留学時代
《老人坐像》1903‐05年
台東区立書道博物館蔵
《裸体習作》1902年頃
台東区立書道博物館蔵
第2章 初期作品
《表町》1888‐96年 鉛筆・紙
台東区立書道博物館蔵
《農家内部》1889年 水彩・紙
台東区立書道博物館蔵
《自画像》1891年 油彩・キャンバス
台東区立書道博物館蔵
第3章 不折の日本画と書
《高山紅葉・夏山雨意》絹本墨画淡彩対幅
寄託
《頭上則青天》絹本墨書
株式会社中村屋蔵
第4章 パリから帰国後の油彩画
《裸婦坐像》1906年頃 油彩・キャンバス
台東区立書道博物館蔵
《猗器の誡》1941年 油彩・キャンバス
台東区立書道博物館蔵
第5章 不折のブックデザイン
HPの解説。
中村屋サロンゆかりの洋画家であり、「新宿中村屋」のロゴを書いた書家としても知られている中村不折。その生誕150年を記念し、台東区立書道博物館の所蔵作品を中心に、不折の初期から留学期そして晩年までの油彩画、素描、日本画、書、本の装丁など、合わせて約50点をご紹介します。激動の時代、常に誠実に芸術と向き合った多才な世界をお楽しみください。
中村屋サロン美術館は、新宿駅経由で、彼方此方に出掛ける事が多い私にとって、チョット時間に余裕が出来ると寄ってみたくなる美術館です。
近所の、コニカミノルタプラザと共に・・・・
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